チューナーとは|必要性も解説
チューナーとは、ギターやベースの弦を、正しい音程が出るよう調節するためのアイテム。
ギターやベースのチューニング(調弦)は、弾き続けたり、少しの衝撃で正しい音程からズレてしまうことが多いです。そのため頻繁にチューナーを使うことで、音調を合わせることが必要になります。チューニングがズレたギターやベースでは、上達に大きな障壁になるため、必ず用意しておきたいアイテムです。
チューナーを用意することは必要?
ギター初心者の方や、軽音楽部の方の中には、チューナーを借りている人も多いと思います。しかし、できるだけ自分のチューナーを用意しておく方がいいでしょう。
実は、人によって自分の好きな音作りのため、チューナーを半音下げる・上げるといった設定をするなど、あえてチューニングをズラしている場合もあります。また、ライブ中や練習中などでチューニングがズレたとき、好きなタイミングでチューナーを使用できないと困ることも多いです。必ずマイチューナーを用意し、チューニングをすること自体も慣れていくことで、結果ギターやベースの上達にもつながるのです。
チューナーの種類
ここでは、主要な3種類のチューナータイプについて、その特徴を解説します。特徴を知って、自分の演奏環境にあったチューナーを選びましょう。
手軽さから人気のあるクリップ型
取りつけさえできれば、さまざまな楽器に使えて便利なクリップ型チューナー。楽器本体から直接振動をひろいます。楽器にクリップで取りつけるだけの手軽さがポイントです。
そのため2004年に登場して以来、楽器ジャンルを越えて広く使用されています。とくに軽音楽系の弦楽器の場合、ヘッドに取りつけるため、演奏者との距離が近くピッチを確認しやすいのが人気の理由です。
ステージ用チューナーのペダル型
ペダル型チューナーは、足元に置いて使用するため、フロアチューナーとも呼ばれています。暗いステージのうえでも、足元をみればLEDでピッチを確認できるのがポイント。その視認性の高さから、ステージ用チューナーといえば、ペダル型です。
携帯性では、ほかのチューナーにはかないませんが、ペダル型チューナはリハーサルやステージでの演奏の際には欠かせません。
テーブルや譜面台のうえに置けるカード型
クリップ型が台頭していますが、まだまだ根強い人気をたもつカード型。その人気の理由は、安価でコンパクト、さらに譜面台に置けたりテーブルのうえに立てられるからです。バイオリンやチェロなどオーケストラ系の弦楽器や管楽器では、譜面台を使って演奏しています。
カード型には、メトロノームを内蔵しチューナーとメトロノームを同時に使える多機能型もあるので便利です。
(※)ポイント:楽器に合わせていくつかタイプを持っていると尚よし!
レコーディングエンジニア
チューナーにはすえ置きタイプやヘッドなどに取り付けるクリップタイプ、足元に設置して、足で踏んで操作するストンプボックスタイプなどがありますが、使用するシーンによりどのタイプがいいのかは変わってきます。主にライブで使うようなら、視認性がよくスピーディーにチューニングできるもの、時間があるスタジオではより正確にチューニングできるものなどがおすすめです。
いまの主流は液晶やLED表示ですが、針式のもののほうが精密なチューニングが可能です。また、クリップタイプは視認性はよくても出音はミュートされないため、ライブなどではチューニング時にミュートする機能があるストンプボックスタイプがいいでしょう。エレクトリックギターとアコースティックギターなどいくつかの楽器を使い分けている人は、できれば複数持っていたほうが便利かもしれません。
チューナー選びのポイント
レコーディングエンジニアの小野寺孝樹さんへの取材のもと、チューナーを選ぶときのポイントをご紹介します。チューナーを選ぶ際にプロはどういったところに注目しているのか、ぜひ参考にしてみてください。
【1】キャリブレーション機能が必要かどうかを判断する
レコーディングエンジニア
使用する状況によって、チューニングをおこなう際に使用する周波数が変わってきます。例えば、スタジオに設置してあるアコースティック・ピアノなどはA(=ラの音)が441〜442Hzほどの周波数で調律している場合が多いです。そのピアノと演奏する際はキャリブレーション機能を利用して、周波数を変更しピアノのAに合わせてチューニングをする必要があります。しかし、低価格のシンプルなチューナーは、その機能がないものがあるので注意しましょう。
ちなみに、ギターとベースをチューニングする際の周波数は基本440Hzで、キャリブレーションの機能が備わっていないチューナーは主に周波数440Hzです。したがって、周波数440Hz以外の楽器と演奏する場合があるかないかでキャリブレーション機能付きのチューナーを使うか判断しましょう。
【2】変則チューニングに対応できるかどうか確認しよう
レコーディングエンジニア
ギタリストで変則チューニングを多用する人や多弦ギターを使用している人は、変則チューニングの設定をメモリーする機能がある機種を選びましょう。
基本的に、大抵のチューナーにあるクロマチックモードを使えば対応できますが、各弦の音階を記憶して、すばやく正確にチューニングするのは意外と難しいものです。それをアシストしてくれる機能があれば、ハードルが高く感じてしまう変則チューニングも手軽にできます。
【3】機能が多ければいいという訳ではないので注意
レコーディングエンジニア
基本的な機能しかついていないシンプルなチューナーでも使い勝手は良く、低価格で手に入れることができます。メトロノーム機能などチューニング以外の機能が必要でない人は、余計な機能がつかない低価格のものを選ぶ方がいいでしょう。低価格なものを複数用意して各楽器に取り付けておけば、持ち替えなどの際にいちいち付け替える手間が省けます。
チューナーおすすめ5選
上記で紹介したチューナーの選び方のポイントをふまえて、レコーディングエンジニアの小野寺孝樹さんに選んでもらったおすすめ商品を5つご紹介します。使いたい場面や機能に注目しながら、チューナー選びの参考にしてみてください。

KORG『Pitchclip 2』














出典:Amazon
本体サイズ | 52mm✕24mm✕34mm |
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測定精度 | ±1 セント |
キャリブレーション範囲 | - |
使用電源 | コイン型リチウム電池(CR2032)✕1 |
使用電源(IN/OUT) | - |
メトロノーム機能 | - |

YAMAHA『TDM-700G』






出典:Amazon
本体サイズ | 111mm×74mm×18mm |
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測定精度 | ±1セント |
キャリブレーション範囲 | 410Hz~480Hz |
使用電源 | 単4形乾電池2本(3V) |
使用電源(IN/OUT) | 【INPUT】標準モノラルジャック、【OUTPUT】ミニジャック |
メトロノーム機能 | 1ステップと49ステップ(振り子メトロノームの数値)の2種類のテンポ設定が可能、0~9拍子、5種類のリズム内蔵 |

tc electronic『PolyTune 3』






出典:Amazon
本体サイズ | 72mm×122mm×50mm |
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測定精度 | ±0.02セント |
キャリブレーション範囲 | - |
使用電源 | C9Vセンターマイナス |
使用電源(IN/OUT) | - |
メトロノーム機能 | - |

tc electronic『UniTune Clip』




















出典:Amazon
本体サイズ | - |
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測定精度 | 【ストロボモード】±0.02セント、【クロマチックモード】±0.05% |
キャリブレーション範囲 | - |
使用電源 | 標準リチウムコイン電池(CR2032) |
使用電源(IN/OUT) | - |
メトロノーム機能 | - |

D’Addario『NS Micro Clip Free Tuner PW-CT-21』












出典:Amazon
本体サイズ | - |
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測定精度 | - |
キャリブレーション範囲 | 410-480Hz |
使用電源 | - |
使用電源(IN/OUT) | - |
メトロノーム機能 | あり |
おすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする チューナーの売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでのチューナーの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
【最後に】エキスパートのアドバイス
レコーディングエンジニア
使用するシーンに合った使いやすいものを選ぼう
いいチューナーを選ぶことは、いい演奏につながります。リハーサル・ライブ・レコーディングなど、さまざまな場面で、演奏する前には必ずチューニングをしなければなりません。そのためにも、文後回しにせず予算が許す限り、自分が使用するシーンに合っていて使いやすそうなチューナーを選ぶことが、ストレスを減らし後悔をしないための方法です。
※「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。
※商品スペックについて、メーカーや発売元のホームページなどで商品情報を確認できない場合は、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。
※マイナビおすすめナビでは常に情報の更新に努めておりますが、記事は掲載・更新時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。修正の必要に気付かれた場合は、ぜひ、記事の下「お問い合わせはこちら」からお知らせください。(掲載:マイナビおすすめナビ編集部)
※2020/12/18 コンテンツ追加のため、記事を更新しました(マイナビおすすめナビ編集部 加藤佑一)
1989年株式会社ゼロスタジオに入社。 アシスタントを経て、1992年チーフエンジニアに昇格。 その後、数々のレコーディングに携わる。 2001年ゼロスタジオを退社、フリーランスとなる。 以降、レコーディング・ミックスからプログラミングまで、またアイドルソングからプログレまでなんでもこなす便利な人として、活躍中。"