そもそも「シンセサイザー」ってなに? どんな楽器?
シンセサイザーとは「synthesize(シンセサイズ):合成する」という英語が語源となっており、電子回路を使ってさまざまな音をつくり出す楽器のことをいいます。また、「アナログ」と「デジタル」の2種類に分けられ、使い勝手の観点からも人気なのはデジタルシンセサイザーになります。デジタルシンセサイザーの記事は下記をご確認ください。
アナログシンセサイザーとは 独特で個性的な音色が特徴
アナログシンセサイザーはアナログ回路を使用し、電圧の変化によってピッチや音色変化などをコントロールするシンセサイザーを指します。デジタルシンセサイザーとは違い、ピアノやギターの音色が出せるものではなく、独特で個性的な音色が特徴です。
アナログシンセサイザーの選び方 初心者におすすめ!
ここからはアナログシンセサイザーの選び方についてご紹介します。ポイントは下記。
【1】最大同時発音数
【2】フィルター機能
【3】入出力端子の有無や種類
上記のポイントをおさえることで、よりほしい商品をみつけることができます。一つひとつ解説していきます。
【1】演奏可能な最大同時発音数に注意
アナログシンセサイザーには、ピアノのように複数の音を同時に鳴らすことができるポリフォニックシンセサイザー(以下、ポリシンセ)と、単音演奏のみが可能なモノフォニックシンセサイザー(以下、モノシンセ)があります。ポリシンセの場合、あるモデルでは4音、別のモデルは8音と、同時に鳴らせる音数が異なっています。
このように、すべてのアナログシンセサイザーで同じように演奏できるとは限らないので、あらかじめ同時に鳴らすことのできる音数を確認しておきましょう。多くの場合、その商品の仕様説明のなかで「(最大)同時発音数」のように記載されています。
【2】サウンドの要となる「フィルター機能」をチェック
アナログシンセサイザーにおいて、フィルターセクションは音色調整の要(かなめ)となる機能です。フィルタータイプを変えるだけで、同じ波形を編集しても異なる質感に変化させることができます。「フィルタータイプの充実度=サウンドバリエーションの豊富さ」ととらえてよいでしょう。
一般的に、多くのアナログシンセサイザーでは「ローパスフィルター」という、高域をカットするフィルターを装備しています。チェックの際には、それ以外のフィルタータイプの有無をチェックしておくとよいでしょう。
【3】入出力端子の有無や種類で拡張性も変わる
アナログシンセサイザーは、外部周辺機器などと接続するための各種「入出力端子」を装備していますが、有無はモデルによって異なります。ほかのMIDI端子を持ったハードウェアシンセサイザーなどと接続したい場合にはMIDI端子の有無、コンピュータとの接続であればUSB端子の有無、ほかのモジュラーシンセサイザーやアナログシンセサイザーなどと接続したい場合にはCV/GATE端子の有無をチェックしておきましょう。
ただし、端子があるからといって、意図することがすべてできるかどうかは、接続する機器側の機能なども関係してきます。それらについてもあわせて確認が必要です。
アナログとバーチャルアナログの違いとは? 音作りの基本はアナログシンセと同様
バーチャルアナログシンセサイザーとは
本来、アナログシンセサイザーはアナログ回路を使用し、電圧の変化によってピッチや音色変化などをコントロールするシンセサイザーを指します。現在ではアナログシンセサイザーのアナログ回路の特性や挙動などをデジタル演算によってシミュレートした「バーチャルアナログシンセサイザー(あるいはアナログモデリングシンセサイザー)」も多数発売されています。
厳密にいえば後者はデジタルシンセサイザーのひとつですが、楽器自体の操作性はアナログシンセサイザーと同じことから、両者が同等に扱われるケースも多く見受けられます。本記事でもそれらを考慮して、バーチャルアナログシンセサイザーもアナログシンセサイザーに含めています
アナログシンセサイザーおすすめ6選 人気のKORG(コルグ)や名機も!
うえで紹介したアナログシンセサイザーの選び方のポイントをふまえて、サウンドクリエーターの内藤 朗さんと編集部が選んだおすすめの商品を紹介します。各商品の特徴をよくチェックして、お気に入りの1台を見つけてみましょう。

名機『Prophet-5』をベースにした本格派
『Prophet-6』は、6音ポリのアナログシンセサイザーです。Sequential Circuits社の名機『Prophet-5』をベースに開発されていることから、奏でるサウンドもオリジナルの実機を彷彿(ほうふつ)させるものになっています。
それだけでなく、『Prophet-5』のプリセット音色を再現した音色もプリセットされていますので、実機の代用として使用するのもよいでしょう。もう一度『Prophet-5』のサウンドを手に入れたい方や、本格的なアナログシンセサイザーを求めている方におすすめです。

操作性バツグンで初心者でも安心
『minilogue xd』は、4音ポリのアナログシンセサイザーです。オシレータセクションは、アナログならではのVCO(ボルテージ・コントロールド・オシレーター)のほか、デジタルオシレータを装備しているのが大きな特徴。これによって、ほかのアナログシンセと一味ちがったサウンドを引き出せる点が魅力となっています。
また、シンプルにレイアウトされた操作パネルで音色エディットも容易にできますので、はじめてアナログシンセに触れる方にもなじみやすいでしょう。なお、本体は37鍵スリム鍵盤が採用され、コンパクトかつ軽量化が図られていますので、ライブやパフォーマンスなどをおこなう際の持ち運びにも便利です。

個性的なサウンドを作りたい方に
『MicroBrute』は、モノフォニックのアナログシンセサイザーです。このシンセは、伝説のSynthaconシンセサイザーに搭載された名フィルターを改良した「スタイナー・パーカー・マルチモード・フィルター」をフィルターセクションに採用。個性的なサウンドメイクがおこなえるのが、大きな特徴です。
これに加えてモジュレーションマトリクス機能を装備していますので、操作パネル上にレイアウトされているノブやスライダーだけでは作成できない音色が作成できるのもいいですね。コンパクトな本体からは想像できない性能を持っている本商品は、個性的なアナログシンセサウンドを求めている方にとくにおすすめです。
名機の復刻モデル
35年たった今も語り継がれる名機MS-20をミニ・サイズで復刻。当時の回路を完全再現した、本物のアナログシンセサイザーです。オリジナル版MS-20の開発エンジニアが責任監修を務め、当時の回路を完全再現しています。時代に左右されない特徴的ルックスのボディも、86%ミニ・サイズに縮小し、回路をコンパクトに組み込みました。

日本の老舗メーカーによるパワフルなシンセサイザー
日本を代表する老舗(しにせ)シンセサイザーメーカー「Roland」の、AIRAブランド商品『SYSTEM-8』は、8音ポリのアナログモデリングシンセサイザーです。独自のPLUG-OUTという拡張スロットを3基装備。同社の往年の名機などをモデリング再現したソフトシンセを読み込んで、実機さながらに使用できるというユニークな特徴があります。
なかでも同社を代表するJUPITER-8、JUNO-106、JX-3Pの3モデルはプリインストールされていますので、これらのサウンドも手に入れたいという方にはとくにおすすめです。

サウンドづくりにこだわりたい方におすすめ
『Nord Lead A1』は、24音ポリのアナログモデリングシンセサイザーです。アナログシンセサイザーらしさを持つサウンドの再現はいうまでもなく、モデリングならではの多機能性を持っているため、より緻密(ちみつ)なサウンドメイクをおこなうことができます。アナログシンセサイザーの質感を求めつつ、より複雑な音色エディットもおこないたいという方に適しているでしょう。
また、音源部は4パートのマルチティンバー仕様のため、1台で4パート分の演奏を同時におこなうことができます。小編成のシンセアンサンブル曲であれば、本商品でじゅうぶん作成できますので、パソコンを使用した曲作りに活用するのもよいでしょう。
「アナログシンセ」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする アナログシンセサイザーの売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでのアナログシンセサイザーの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
アナログシンセサイザーに関するそのほかの記事 デジタルシンセやソフトシンセも
発音数と入出力端子をチェック アナログシンセサイザーは
商品を検討する際には「用途を明確にしておくこと」が、最適なアナログシンセ選びのポイントとなります。たとえば、和音で演奏したい場合には、同時発音数が多いほうがよりよいでしょう。あるいは、単音フレーズで音色にこだわりたい場合には、モノフォニックのシンセでも個性的な音色を鳴らせるものがおすすめです。
パソコンでの音楽制作に使用したいのであれば、USB端子やMIDI端子などの有無も重要となります。このように、用途によって必要条件や優先すべき条件は異なりますので、しっかり確認をおこなうと、より最適なモデルを絞り込むことができます。
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キーボーディスト、シンセサイザープログラマー、サウンドクリエーターなど様々な側面を持ち、作編曲からレコーディング制作、ライブ演奏など多方面で活動中。 S.E.N.Sのレコーディングサポート、安部OHJIプロジェクトでのレコーディング、ライブなどから、イベント、キャンペーンソング、放送メディアのテーマ曲、BGM製作等、その活動の幅は多岐に渡る。 また、DTM黎明期より音楽制作系ライターとしても広く知られ、近著は「音楽・動画・ゲームに活用! ソフトシンセ音作り大全」(技術評論社刊)など。 数多くの音楽専門学校、ミュージック・スクールなどでおよそ30年以上に渡り講師を務め、数多くの人材を輩出する実績を持つ。 有限会社FOMIS代表取締役、一般社団法人日本シンセサイザープロフェッショナルアーツ(JSPA)正会員、MIDI検定指導研究会委員。