おひつとは?
「お櫃(おひつ)」とは、炊きあがったご飯を保存しておくためのもので、かぶせ蓋付きで円形または楕円形をしていることが多いです。「飯櫃(めしびつ)」ともいいます。
昔ながらの木製のほか、最近では陶器やセラミック製など、さまざまな商品が販売されています。
おひつのメリット
「家では保温機能が付いた炊飯器を使用しているから、おひつはいらない」と思う人もいるかもしれませんが、おひつに入れておくことでご飯の水分を調節してくれて、冷めてもご飯を美味しく食べることができるというメリットがあります。
また、保温機能付きの炊飯器では、保温時間が長いほど電気代がかかりますが、おひつを使えば節電効果も。エコを考える人や一人暮らし方にもおすすめです。
おひつのデメリット
おひつは調理家電とは違い電気を一切使用していません。そのため、時間が経過するとごはんが冷たくなってしまいます。
食事をとる時間帯がバラバラな家庭は、再加熱の手間がかかるのがデメリットです。
また、常温で保存できる時間は長くても半日程度と短めなので、早めに食べきらなければなりません。とくに暑い夏場は、保存に注意が必要です。
おひつの選び方
炊いたごはんを保存したり、食卓へ運んだりするキッチンアイテム「おひつ」。最近では、木製だけでなく、さまざまな素材のおひつが販売されています。この記事では、おひつを選ぶときのポイントをご紹介いたします。ポイントは下記の3つ。
【1】おひつの素材で選ぶ
【2】用途やシーンに合わせてサイズやデザインを選ぶ
【3】電子レンジや直火対応など機能性もチェック
上記の3つのポイントをおさえることで、より具体的に自分に合うおひつを選ぶことができます。一つひとつ解説していきます。
【1】おひつの素材で選ぶ
▼炊いたご飯をふっくらおいしく保存できる「木製」
木製のおひつは、炊飯器の保温機能を使うよりもおいしくご飯を保存できるのが魅力です。ご飯が熱いうちに木の素材が蒸気を吸い込み、ご飯が冷えても水分を補ってくれるため、かたくならずにおいしさをキープします。家族それぞれ別の時間帯に食事をとる家庭にぴったりです。檜(ひのき)なら香りもよく、ご飯に香りを移せるといったメリットも。
デメリットは、電子レンジでのご飯の温めなおしはできない点。また、木製のおひつはていねいに扱わないとカビが発生したり、汚れが落ちにくくなったりします。使い終わったらすぐに洗い、布巾で水気を拭き取るなど、こまめなお手入れが必要です。
さらに、質の高い木材である檜や椹(さわら)だと、高価なのがネックになる場合も。ただし、水・湿気に強く扱いやすいため、値段相応の価値はあります。
▼レンチンできて、手軽に洗える「セラミック・陶器」
おひつに移したご飯をそのまま電子レンジで温めたいのなら、セラミック製や陶器がおすすめ。セラミックや陶器にも水分の調節機能があり、ご飯が熱いうちに吸い込んだ蒸気がレンジでの温めなおしの際に補われることで、ふっくらとした仕上がりに。残ったご飯を冷蔵庫で保存したり、レンジで加熱したあとそのまま食卓に出したり、保存機能にすぐれています。
また、木製よりもお手入れがかんたんなので、気軽に使うことができます。デザインも豊富で、選ぶ楽しみもあります。
デメリットは衝撃に弱い点。雑に扱ったり落としたりすると割れてしまうので気をつけましょう。
▼軽く、真空ならおいしく保存「プラスチック・樹脂製」
プラスチック・樹脂製のおひつは軽くて持ち運びがしやすく、洗うのもかんたんです。冷蔵庫での保存用に、空気を抜く真空ポンプがついている商品もあります。真空にするとご飯の酸化や黄ばみ、ニオイを防いでおいしさをキープできるといったメリットも。
デメリットは、木製やセラミック・陶器とは違って、吸湿性のある素材ではないため、おいしく保存することは期待できない点です。ただし、先述したように、真空タイプであればおいしく保存できます。
【2】用途やシーンに合わせてサイズやデザインを選ぶ
おひつは、保存したいご飯の量に合ったサイズを選びましょう。ふっくらとした仕上がりを求める人は、炊く量よりも一合多い、少し大きめのサイズを選ぶのがベター。余裕を持たせて空気が循環しやすくなると、水分調整されてご飯がふっくらとします。また冷蔵庫での保存を考えるなら、場所を取らないコンパクトなサイズがおすすめです。
おひつをキッチンに置いたまま使うという人もいるでしょう。食卓にも合うおしゃれなデザインのおひつを選べば、食卓をおしゃれに演出できます。
【3】電子レンジや直火対応など機能性もチェック
おひつは炊きたてのごはんをおいしく保存してくれる便利な容器です。しかし、時間が経てば冷めてしまうので、電子レンジで温めてから食べたいですよね。おひつが電子レンジで温められるタイプなら、わざわざ他の容器に移すことをしなくても大丈夫です。
また、なかには直火対応で土鍋のようにご飯が炊けるものもあります。ご飯を移し替える手間もなく、おいしいご飯を味わえますよ。
おひつのおすすめ19選
上記で紹介したおひつの選び方のポイントをふまえて、おすすめ商品をご紹介します。

木曽産の木製おひつで冷めたご飯もおいしい
木曽産のさわらで作られた、伝統的なデザインのおひつです。ご飯の水分を調整してくれるので、炊きたてのご飯をおいしく保存してくれます。電子レンジでの温め直しはできませんが、おひつのなかで冷めたご飯のおいしさはピカイチです。
ご飯にほのかに移るさわらの木の香りは自然のものですが、なかには気になる人もいるようですので、よく検討して選んでください。

木製曲げわっぱでおいしいごはんが食べられる
曲げわっぱに漆塗りを施したおひつです。桶(おけ)型のさわらのおひつに比べて軽くて場所を取らず、漆塗りが施されていることでご飯のこびりつきが少ないため、洗いやすいのが特徴。さらに、水分の拭き取りもしやすく、汚れも目立ちにくいのがうれしいポイントです。
漆には抗菌作用があるとされており、衛生面でも安心。なによりも、漆の質感がかもし出す美しさは格別で、置いておくだけでも食卓をおしゃれに演出してくれます。
また、使い込むほどに味が出てきますので、ていねいに長く使ってほしいおひつです。お手入れがらくにできて、長く使える木製のおひつを探している方におすすめです。

電子レンジOK!萬子焼きで保存も便利
セラミック製のおひつは、ご飯の水分を適度に吸収しておいしく保ち、レンジで温め直すときには吸収した水分が戻ることでふっくらと仕上がるのが特徴です。こちらは、定番の丸型のおひつっぽさが感じられない、おしゃれな角型のデザインが目を引きます。さらに、2合のお米が入るのに比較的コンパクトなので、収納や保存に便利ないおひつを探している方におすすめです。
また、角型ではありますが、しゃもじですくいやすい角度でデザインされているのもポイント。さらに、角型の形状は、おひつだけでなく、料理の盛り付けにもぴったりです。

常温でもご飯の鮮度をより長く保つ! エコなおひつ
竹炭を練り込んだ樹脂製のおひつです。フタを密閉してポンプで空気を吸い出すことで「真空状態」を作れるため、ご飯の鮮度をより長く保てるのが特徴。常温でも1〜2日の保存が可能です。短期間の保存であれば、冷蔵庫や冷凍庫に入れるよりも常温のほうがレンジでの温め直しの時間が少なくて済むので、電気代の節約にもなります。そのため、エコなおひつをさがしている方におすすめ。
また、真空容器として、ご飯の保存だけでなく、食材や乾物・お菓子などの保存にも使えて便利です。
電子レンジや冷蔵庫にそのまま入る
遠赤セラミックスのおひつです。そのまま冷蔵庫や電子レンジに入れて温めも可能です。3合がちょうど入るくらいの大きさで、ごはんが炊き上がったらすぐに保存容器として移しかえて使ってみてください。
保温効果があるので冷めにくく、ごはんが硬くなりません。また、冷めても米粒につやがあり、そのままでも美味しく食べられます。そのまま電子レンジで3分〜5分ほど温めれば、炊き立てのようにふっくらしたごはんが食べられます。

レンジも直火もOK! 使い勝手抜群
多孔質耐熱陶土を使用したセラミック製のおひつ。適度に水蒸気を吸収してくれるので、炊きたてご飯を入れてもベタつきません。また、残ったご飯はフタをして冷蔵庫にも冷凍庫にも入れられます。さらに、温め直しで電子レンジに入れることもできますし、直火も可能。そして、水を足しておかゆにしたり、スープを足しておじやにすることもできる、とても便利なおひつです。
こちらのおひつは持ち手がついているので、レンジで熱くなっても持ち運びがしやすいのが助かりますね。おひつとしてだけではなく、小鍋としても使えるので、さまざまな使い方ができるおひつを探している方におすすめです。

冷蔵庫にスッキリ収納!セラミック陶器製!
細長いデザインが特徴のセラミック製のおひつです。1.5合のご飯が入りますが、コンパクトサイズのため少ない収納スペースで済むので、小さな冷蔵庫でも安心。丸底設計になっているので、しゃもじでご飯をすくいやすく、洗いやすいおひつになっています。カップルの食卓におすすめです。
電子レンジだけでなくオーブンにも入れられて、食洗機にも対応しています。焼き芋をオーブンで焼いたり、グラタン皿として使ってもOK。また、残ったおかずの保存容器としても使えます。
大人数での使用におすすめの大容量タイプ!
約1升分のごはんを保存できるので、家族や親戚などの大人数で食卓を囲むときにおすすめです。素材はサワラで、木の香りが控えめなのが特徴です。ごはんににおいがうつりにくく、お米本来の味を楽しむことができます。
容量は大きめですが、深さがあるので比較的スリムなのもうれしいポイントです。
ご飯をすくいやすい形状!
厳選した木曽の椹を使用した、約5合分を保存できるおひつです。おひつの角が丸く加工されており、暮らしに馴染みやすいやわらかな形になっています。
また、底のふちに残ったご飯をすくいやすい形状で、洗う時の手間が省けるのもメリットです。
天然木なのに電子レンジ対応
日本の天然木を使い、一枚の木の板を職人が独特の手法で曲げて輪にして作る伝統技術の「曲げ輪」で作られたおひつです。金属などは一切使わずに丸い形にしています。炊いたごはんを入れれば、水分を自然の力が調節してくれるので程よいもっちり感としっとり感を保ってくれます。
電子レンジに対応しているのも特徴で、そのまま温めれば炊き立てと同じ美味しさのごはんを食べられます。外側は桧、底板と上蓋はさわらを使っています。
陶器の素材で湿度を調節できるおひつ
丸いころんとしたかわいらしい形の、陶器でできたおひつです。冷蔵庫や冷凍庫に収納しやすい形と大きさでとても便利です。陶器ならではの調湿機能があり、最適な湿度を保って美味しいお米を保存します。
ごはんを入れて保存するだけでなく、電子レンジもOK。他にもオーブンにそのまま入れたり直火で調理したりすることも可能です。ごはん以外の調理にも活躍すること間違いなしのおひつです。油を使った料理もできて、さっと汚れを落とせる優れものです。
ステンレスなので軽くて使いやすい
ステンレス製なので軽量で、ごはんを入れても持ち上げやすく、保存が楽にできます。ステンレスの高い保温性により、炊き立てのごはんを入れて長時間温かさを保てます。中はフッ素コート加工がしてあるので、ごはんがこびりついたりするのを防ぎ、洗うのも簡単です。
また耐熱性があるので食洗機に入れて洗っても変形したりする心配がありません。白や朱色、緑などカラーバリエーションが豊富で、他のキッチン用品と合わせた色を選べます。
おひつのままごはんも炊ける
有田焼のコンパクトなサイズのおひつです。直火にも対応しているのでそのままおひつでごはんが炊けます。ふたが二重構造になっていて、裏側が凸凹なので水蒸気を水滴で戻してふっくらごはんを炊いて、適度な湿度をキープして保存します。
おひつの中は丸みがあり、対流をおこしやすくなっているのでムラなく火が通り、ごはんが美味しく炊き上がります。電子レンジも対応しているので、炊飯器として、そして保存容器に、さらに温める容器としても使えます。
天然木使用のコスパ抜群おひつ
木製調理用品をつくる老舗ブランドの木製おひつです。天然木使用のため、吸水性は抜群で、湿度を保ち、噛み応えのあるおいしいごはんを維持してくれます。
天然木のおひつとしてはリーズナブルな価格で手に入ります。さわらに比べてカビやすいことや、電子レンジ不可などのデメリットもありますが、ひとまず木のおひつを使ってみたい、という方におすすめです。
伊賀土がおいしいご飯を保つ!一膳おひつ
コロンとかわいいフォルムの一膳分のおひつです。一膳分と小さめなので、お茶碗としても使用できます。お手頃価格なところも魅力で、一人暮らしの学生や新入社員にもぴったり。プレゼントとしても喜ばれそうです。
伊賀焼で有名な伊賀土を使用して作られているため、伊賀土の細かい気孔がご飯の余分水分を吸収しベトつきを防いでくれます。ごはんの黄ばみや臭みも防いでくれるので、おいしさをそのまま保存できます。
バラのデザインが食卓を華やかに
ふたに薔薇のデザインが施され、可愛い見た目と黒の重厚感が人気のおひつ。母の日のプレゼントとしても喜ばれそうです。セラミック素材が余分な水分を吸収し、加熱した時に吸収した水分が蒸発するので、ごはんがふっくら仕上がります。
2合サイズでおおきさも一家族分に丁度よく、冷蔵庫に入れたり電子レンジに入れたりと使い勝手のいいおひつです。
風情のあるデザインで和洋どちらの食卓にも
シンプルながらもおしゃれなデザインが食卓になじむので、そのまま食卓においてお茶碗によそえます。
冷蔵庫も電子レンジもOK。多孔質の陶土は調湿効果にすぐれているので、保存中のごはんの蒸気を吸収、温めなおすことで水分をごはんに戻し、炊き立てのおいしさが手軽によみがえります。手触りのよい優しい陶器のおひつです。
猫のイラストが可愛い! 使い勝手バツグン
可愛らしい猫が外面にデザインされた珍しいおひつです。直径13.5cmとスリムなのに2合も入るのが嬉しいところ。また、パッキンがついているので密封性が高く、ごはんだけでなく味噌やシチューの保存にも使用できます。
耐冷熱温度が-30~140度と広く、冷蔵庫も電子レンジも、さらには食洗器使用も可能で使い勝手抜群。
付属のすのこで温野菜や蒸し料理も!
1832年創業の土鍋や器を手掛ける長谷園のおひつ。伊賀の粗土は木のように余分な水分を吸うので、ごはんの保存にぴったりながら、そのまま電子レンジにかけ温めなおしも可能。ふっくらした美味しいごはんがよみがえり、お椀としてそのまま食卓に並べられます。
付属の陶製すのこを使えば、温野菜などの蒸し料理もできます。ころんと小さなかわいい見た目も魅力的です。
「おひつ」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする おひつの売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでのおひつの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
おひつの使い方&洗い方
ここからは、おひつの使い方とお手入れ方法を紹介していきます。
おひつの使い方
炊飯器で炊いたご飯が全部食べ切れないときもありますよね?そんなときに活躍するのがおひつです。
炊き立てのご飯をおひつに移して保存することで、余分な水分を吸ってくれて、次に温めて食べるときもほんわかおいしいご飯が食べられます。木製のおひつは、殺菌効果もあるのでご飯が傷みにくくなります。
炊飯器からタッパーなどに保存していたひとは一度おひつでご飯を保存してみてはいかがでしょうか。
木製のおひつのお手入れ方法
とくに漆などでコーティングされている木製のおひつはお手入れを丁寧におこないましょう。
商品にもよりますが、なるべく洗剤を使わずに洗いましょう。ぬるま湯に浸して柔らかいスポンジでやさしいこすり洗いでも米粒は落ちます。
洗った後は、水気を残さずに丁寧にふきんで拭き取り、風通しのいい場所できちんと乾燥させましょう。水分が残っているとカビ発生の原因になってしまいます。
【関連記事】保温機能をもつおすすめ商品特集
おひつを使って美味しいご飯を食べよう!
ご飯の水分を調節して、ご飯を美味しく食べられるおひつ。素材やかたち、機能など商品によってさまざまです。
この記事では、おひつの選び方とおすすめ商品をご紹介しました。使い勝手のいいおひつを選んで、毎日のご飯を美味しく味わいましょう。
◆記事で紹介した商品を購入すると、売上の一部がマイナビおすすめナビに還元されることがあります。◆特定商品の広告を行う場合には、商品情報に「PR」表記を記載します。◆「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。◆商品スペックは、メーカーや発売元のホームページ、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。◆記事で紹介する商品の価格やリンク情報は、ECサイトから提供を受けたAPIにより取得しています。データ取得時点の情報のため最新の情報ではない場合があります。◆レビューで試した商品は記事作成時のもので、その後、商品のリニューアルによって仕様が変更されていたり、製造・販売が中止されている場合があります。
暮らし、ライフスタイルを主なテーマとするコラムニスト。 日々の暮らしから生まれるコラム、忙しくてもゆるりと楽しく暮らすためのアイデア、時短レシピ、生き方のアドバイスは男女問わず幅広い世代から支持を集めている。 新商品や話題の家電、生活用品などのヒット予測、使用分析にも強い。「願い事手帖の作り方」「スープジャーレシピ」など著書多数。