登山に必要なレインウェアって?
レインウェアには、上だけのジャケット、パンツ、上下セットのレインスーツがあります。どれを選ぶときも、着目するのは「防水性」「透湿性」「軽量さ」の大きく3点。山の天気は変わりやすく、ハードな環境もあるため、しっかりと防水してムレを防ぐことが大切です。レインコートやポンチョタイプは、手軽で便利な雨具ですが、動きにくいため登山には不向きといえます。
登山用レインウェアの選び方 ゴアテックスなどの素材や防水性など
ここからは、登山用レインウェアを選ぶときのポイントをご紹介します。ポイントは下記の7つ。
【1】生地の性能
【2】素材
【3】軽量だと持ち運びしやすい
【4】登山のレベル
【5】色やデザイン
【6】サイズは大きめを
【7】人気アウトドアブランドから
上記のポイントを押えることで、より欲しい商品をみつけることができます。一つひとつ解説していきます。
【1】生地の性能をチェック
レインウェアの生地は、防水性と透湿性をチェックしましょう。
防水性は「耐水圧」をチェック
耐水圧とは、水の圧力にどの程度耐えられるかを示す値です。小雨をしのぐのであれば5,000mm程度あればよいとされています。しかし、登山の場合は命にかかわることがあるので、耐水圧が20,000mm以上あるものを選ぶようにしましょう。
耐水圧が低いものは、座ったりひざをついたりしたときに、水が内側にしみてくることがあります。耐水圧は、タグや商品説明で確認できるので、商品選びの参考にしてください。
通気性がよく蒸れない「透湿性」をチェック
レインウェアを快適に着るためには、透湿性が高いものを選ぶことも重要です。透湿性が高いものは、内側に湿気がこもりにくいので、長時間でも快適に着ていられます。
透湿性は、生地1平方メートルあたりが24時間で透過する水分の量であらわされます。登山中は汗をかくので、透湿性が5,000~8,000g程度のものを選ぶと蒸れにくく、内側に汗が溜まりにくいでしょう。
また、脇の部分などのベンチレーションがあるウェアを選べば、通気性もよく調節しながら登山ができます。
耐久性もチェック
登山用のレインウェアは、ハードな動きにも耐えられる生地の耐久性も重要です。簡単に破れないこと、何年も使える性能かどうかをチェックしましょう。レインウェアは、複数の生地を層にして作られており、おもに「2レイヤー」や「2.5レイヤー」、「3レイヤー」があります。表地、防水透湿素材、裏地という3層構造のレインウェアが耐久性にすぐれています。
【2】「ゴアテックス」など高機能素材にも注目
さまざまな素材のレインウェアが登場していますが、素材に迷ったときは完全防水素材「ゴアテックス」のものを選ぶとよいでしょう。ゴアテックスは、高い防水性と透湿性を兼ね備えた素材で、レインウェアのほかジャケットや靴、手袋などに利用されています。
ゴアテックス製のレインウェアを選ぶときは、表地と裏地の間にゴアテックス・メンブレンをはさんだ「3レイヤー」のものを選びましょう。3層構造になっていることで内側がベタつきにくく、登山中も快適に着られます。最近は、「GORE C-KNIT」など着心地のよい新しいシリーズも出ていますよ。
また、ゴアテックス以外にも、メーカー独自の防水透湿性素材を開発している企業も増えています。ゴアテックスより安価なことが多いので、こちらもチェックしてみてください。
【3】軽量で持ち運びやすいものを選ぼう
山の天候は急に変わることがあるため、晴れている日でもレインウェアを持っていきましょう。ザックに入れておくことも多いレインウェアは、軽量さも大切です。レインウェアを選ぶときは、携帯しやすさも考えて選んでください。小さく折りたたんで収納できるものなら、ザックのなかでも場所を取りません。
レインウェアを選ぶときは、折りたたんだときの大きさや収納したときのかたちもチェックするとよいでしょう。ほとんどの商品はスタッフサックがついていて持ち運びに便利です。
【4】登山のレベルに合わせて選ぶ
ひとくちに登山といっても、日帰りのハイキング程度のものから数泊するアルプス登山まで、さまざまなレベルがあります。
日帰りのハイキング程度ならコスト重視でもOK
日帰りで行ける登山や、ハイキング程度の軽いものであれば、そこまで高性能なものでなくても大丈夫です。安いレインウェアでも、じゅうぶんな性能を持つアイテムが多数あるので、コスト重視で選んでもよさそうですよ。
アルプス登山なら性能重視で
アルプス登山に挑戦したいという人は、やはり高性能なゴアテックスを使ったレインウェアをおすすめします。ゴアテックスは値段的に厳しいという場合は、必ずしもゴアテックスでなくても大丈夫ですが、丈夫で高性能なレインウェアを選ぶようにしてください。
【5】色やデザインも大事
登山のときもおしゃれに! という理由だけでなく、安全性も考えて色やデザインを選びましょう。夜道や万が一はぐれたときでも目立つ、ビビッドカラーがおすすめです。山の景色に溶け込んでしまうカラーだと、万が一の時に見つけてもらいにくいです。身を守るという観点で、レインウェアのデザインもチェックしてください。
【6】サイズは大きめのものが使いやすい
レインウェアの下に着る防寒着などの厚みも考えて、レインウェアは1~2サイズ大きめのものを選びましょう。ぴったりサイズのものを選ぶと、重ね着したときに動きにくくなってしまうことがあります。
伸縮性のある生地でできたものは、下に重ね着してもある程度伸びるので、より着心地がよいです。ただし、ひじやひざなど動きが大きいところは生地が薄くなりやすく、生地が劣化しやすくなります。着心地と耐久性のバランスも考えて選ぶようにしましょう。
【7】人気アウトドアブランドから選ぶ
ノースフェイスやモンベル、ミズノなど、人気アウトドアブランドから多数のレインウェアが販売されています。
THE NORTH FACE(ザ・ノース・フェイス)
街着としても人気のブランド、THE NORTH FACE(ザ・ノース・フェイス)。おしゃれで高機能なレインウェアを多数販売しています。ゴアテックスを採用したモデルもたくさんあるので、さまざまな選択肢のなかからお気に入りの一着を見つけることができますよ。
MIZUNO(ミズノ)
スポーツウェアやスポーツシューズなどで人気のミズノから、アウトドアウェアも展開されています。独自の3層構造で防水透湿性・耐久性にすぐれた「ベルグテック」シリーズが人気です。
Columbia(コロンビア)
アメリカ発のアウトドアブランドで、その品質のよさに定評があります。幅広い年齢から支持されていて、独自の機能性素材も多数開発しています。防水透湿性素材では、「オムニテック」があります。
登山用レインウェア|メンズおすすめ16選 上だけ・下だけ・セットも
ここからは、登山用レインウェアのおすすめ商品をご紹介します。まずは、メンズからチェック!
アウトドアにもデイリーユースにも使える
ゴアテックス2層構造の防水シェルジャケットで、THE NORTH FACE定番のアイコニックなデザインです。着丈は長めで保温性にすぐれており、フロントのダブルフラップ仕様により防水性も高くなっています。
トレッキングやキャンプなどのアウトドアはもちろん、デイリーユースとして街着にも使えるレインジャケット。
タウンユースにも使えるレインジャケット
軽量で防水耐久性と透湿性にすぐれたゴアテックス素材を使用したレインジャケットです。防風性も強化されており劣化にも強く、長期間にわたって耐久性を保持します。
生地には丈夫な75Dポリエステルを使い、着心地のよさを実現。登山などのアウトドアにはもちろん、タウンユースの街着としても活躍するレインジャケットです。
用途の広い防寒ジャケット
アウトドアやタウンユースなど、幅広い用途のある3-in-1防寒ジャケットです。アウターには防水透湿素材を使っており、インナーには保湿性にすぐれた素材を使用。冬の悪天候から身を守ってくれます。
アウターとインナーを組み合わせるだけでなく、それぞれ単独でも着用できるので使い方は自由自在。多様なマウンテンスポーツやデイユースの防寒着としても使えます。
すぐれた防水透湿性! ストレッチ性も充分
独自開発の「ドライエッジディフォン50,000」採用により、高い透湿性を実現! 耐水圧20,000mmという驚きの耐水性にも関わらず、透湿性も高いため、衣服内を快適にコントロールしてくれます。
適度なストレッチ性があるので、動きやすさも充分。登山をはじめ、冬のアクティビティを快適にしてくれるパンツです。
ハードな運動に適したレインウェア
ゴアテックス素材を使用しているアークテリクス製品のなかでも、超軽量で透湿性の高い製品です。防水性と防風性にもすぐれており、雨天時や長距離高負荷のアクティビティに適しています。雨天時の運動量の多いトレイルランニングにおいても、汗や湿気をコントロール可能。
アークテリクスブランドの人気レインジャケットです。
MIZUNO(ミズノ)『ベルグテック アクアブロック レインパンツ(B2JF0A01)』
アウトドアで快適に過ごせる機能がいっぱい
耐水圧と透湿性にすぐれたベルグテック素材を使用したメンズ用のレインパンツです。サイズはXS~MBBまで幅広く揃っています。
夜間に便利なリフレクター付きロゴマークや、靴のまま脱ぎ履きできるパンツ裾、ポケットの水抜き穴など考え抜かれた履きやすさが特徴です。フード内収納やひさしの高さ調整など、アウトドアウエアに必要な機能が備わっています。
Columbia(コロンビア)『シンプソンサンクチュアリ II レインスーツ』

ロープライスで必要充分
これまでに幅広いスポーツウェアの製造を行なってきた歴史と経験のあるメーカー「オンヨネ」。1996年に誕生し、進化しつづけるオリジナルレインウェアが『ブレステック』です。独自の防水透湿素材を使用しており、耐水圧・透湿性はバッチリ。
そしてなんといっても驚きのロープライス。どんな防水ウェアでも消耗品であり性能は落ちます。その点を考えると充分な機能でこの価格なので、「高頻度で買い替えて使う」運用法が可能。常に高いスペックのレインウェアを良コスパで着続けることができます。
登山用レインウェア|レディースおすすめ6選 おしゃれに着こなせる!
ここからは、レディースの登山用レインウェアおすすめ商品をご紹介します。

最強クラスともいえる素材で快適に
北欧ブランドの「ノローナ」の軽量ジャケットシリーズ『ビティホーン』。現状最強クラスともいえるGORE-TEX ACTIVE2.0素材を使用した3層構造の防水シェルで、160gという超軽量です。
とはいえ繊細すぎず、耐久性も実用レベルです。強度と耐久性のバランスがよく、動きを制限しない快適性もあります。アウトドア全般での常用もよし、予備でもよしの平均値の高い防水ジャケットです。
登山用レインウェア|男女兼用おすすめ4選 幅広いサイズ展開
ここからは、ユニセックスで使える登山用レインウェアのおすすめ商品をご紹介します。
「レインウェア」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする レインウェアの売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでのレインウェアの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
登山のコーディネートのコツ
季節によって、山の天気は大きく変わります。気温もよくチェックしながら服装を考えることが大切です。寒い時期は、ダウンやフリースをレインウェアのなかに仕込んで寒さ対策をしましょう。同じメーカーで、ドッキングできる商品もありますよ。たとえ軽いハイキングであっても、日焼けや虫対策のために、半袖ではなく長袖で行くようにしましょう。
登山用レインウェアに関するQ&A よくある質問
どんな種類(形状)がありますか?

上からかぶるポンチョタイプ、普段使いできるコートタイプ、上下セパレートタイプがあります。登山用として使い勝手がよいのは上下セパレートタイプになります。
防水透湿性が高い素材は何がありますか?

ゴアテックス(GORE-TEX)、ハイドロブリーズ(HYDROBREEZE)、ミレーの「ドライエッジ ティフォン50000」、ディアプレックス( DIAPLEX)ミズノの「ベルグテックEX」あたりの素材が耐水圧・透湿性の高い素材になります。
ときには命に直結する重要なギア
山で雨などから身体を守る防水ウェアは、ときには命に直結する重要なギアです。もはや防水性能と透湿性能は当たり前で、耐久性や伸縮性、軽さにシルエットなどさまざまな機能を各社が日々追求しています。現在ではただのハイスペックではなく、それぞれの状況に応じた個性豊かな尖ったウェアが増えています。
つまり、これまで以上にウェアを見きわめる目が重要になっているということです。今回紹介した選び方をもとに、自分にマッチするレインウェアをとことん探してみてください。きっと最高の1着に出会えるはずです。
レインウェア以外に必要なアイテムは? あわせて読みたい
撥水加工だけでなく耐水圧や透湿性にも注目
1)気軽なハイキングなのか、本格的な登山なのかを考慮することが大切。自分の登山スタイルに合わせて、必要な機能を考えるのがよいでしょう。
2)軽さと耐久性については、どちらかに重点をおいて考えるのがポイント。頻繁に使うのであれば、価格を基準に選んでもよいでしょう。
本格的に登山をする場合には、撥水加工だけでなく、耐水圧や透湿性も重視したいポイント。どんな機能が必要か、自分の登山スタイルに合わせて優先順位をつけて選びましょう。
◆記事で紹介した商品を購入すると、売上の一部がマイナビおすすめナビに還元されることがあります。◆特定商品の広告を行う場合には、商品情報に「PR」表記を記載します。◆「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。◆商品スペックは、メーカーや発売元のホームページ、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。◆記事で紹介する商品の価格やリンク情報は、ECサイトから提供を受けたAPIにより取得しています。データ取得時点の情報のため最新の情報ではない場合があります。◆レビューで試した商品は記事作成時のもので、その後、商品のリニューアルによって仕様が変更されていたり、製造・販売が中止されている場合があります。
作家、マルチクリエイター、アウトドア・ファッションのライター・エディターとして活躍。 アウトドア誌やファッション誌でジャンルを超えて連載。ライトノベルやゲームシナリオを執筆。 アウトドアでは『キャンプチャリ』の制作やキャンプ場プロデュースを手掛ける。またファッションマーケットの企画運営からプロダクト開発まで幅広く活動。山岳部出身、海育ちのテンカラ師。 『BE-PAL』や『camp hack』、『OCEANS』や『MonoMax』『Fine』といったメンズ誌のほか、女性ファッション誌にも参加。