雪山登山に! ハードシェルジャケットの選び方 登山愛好家が教える
いろいろな機能が搭載されて、選択肢も多いハードシェルジャケット。雪山ならではの厳しい条件に対応ができるもの、また便利な機能が備わったものもあるので、 ハードシェルジャケットの特徴をそれぞれみていきましょう。
着心地に直結! 素材の特性と熱を逃す機能に注目
ハードシェルジャケットは、雪山で命を守るためのジャケットでもあるので素材にはこだわりたいところですよね。そして長時間着続けるものでもあるので快適さや着心地も重要です。素材の特徴や機能をみていきましょう。
透湿性がより高い素材を選ぼう
ハードシェルウェアは防水加工が施されているので、雪や雨などの侵入は防いでくれますが、そのぶん汗をかくと湿気や熱もこもりがちになります。
湿気や体の熱を逃がしてくれる素材でよく知られているのが「ゴアテックス」です。ただしゴアテックスは価格が高いので予算によっては難しい場合もありますよね。ゴアテックス以外にもメーカー独自の透湿性と防水性を兼ね備えているものもあるのでチェックしてみてくださいね。
ベンチレーションの大きさや位置を確認しよう
ベンチレーションとは通気口のことで、わきの下部分にファスナーで開閉するところがついているものが多いです。また、ポケットもベンチレーションとして大切な存在。
ジャケットの内部にこもった熱や湿気を逃がすためにも必須なので、位置や個数の確認は大切です。また小さすぎるベンチレーションは、そのぶん熱も逃げにくいので合わせて大きさの確認も忘れずしましょう。
より防寒性をアップする機能はこれ!
寒い雪山では、なによりも防寒対策は必須ですよね。顔まわりの防寒、ジャケットの裾まわりの防寒など、どちらも寒さを軽減させたり、また雪の侵入を防ぐためにも大切です。それぞれの特徴をくわしくみていきましょう。
吹雪から顔を守る! 長くて立体的なネックガード
雪山では吹雪くこともありますよね。顔に雪が当たると痛みを感じる場合もあるので、立体的なネックガードがあると鼻あたりまでガードでき安心感もあります。
内側に貼られている素材も大切です。肌に感触のいい素材が貼られていないと低温下では冷たく感じ、肌と擦れて痛い場合も。鼻あたりまで覆えるのか、高さの確認もしましょう。
スノースカートつきで裾からの雪をシャットアウト
スノースカートとは、ジャケットの内側にある雪の侵入を防ぐもの。深雪でのラッセルなど、ハードな動きで思っている以上にジャケットの裾から雪が入ってくるため、スノースカートがあるほうがいいでしょう。
スノースカートはボタンやゴムでウエスト部分に密着させることができますが、スキーなどで体を動かすと熱もこもるので、温度調節のためにも取り外しが可能なものを選ぶほうが便利ですね!
雪山で快適に使える以下の点もチェックしよう
ハードシェルジャケットの素材や防寒性などのチェックと合わせて重要なのが、低温下でも開閉しやすいジッパーや収納するポケットなどです。機能性アップのためにも、また安全面でも大切なフードの形状もみていきましょう。
スムーズに開閉できるジッパーか
ジャケットのジッパーやベンチレーションのジッパー、また小物などを収納するポケットのジッパーは、グローブをつけたままでも開け閉めしやすいものがベストですよね。
ジッパー自体が太めのものを使用し多少の雪が固まっても開け閉めしやすいものや、開け閉めは多少しにくいけど完全防水にするため止水ジッパーを採用しているものなどさまざまです。グローブをつけたままの操作性に注目しましょう。
収納機能はじゅうぶん? ポケットの使いやすさも確認
ハードシェルジャケットの場合、ポケットの位置や大きさ、数も重要になります。バッグを背負ったままでも取り出しやすい位置にあるとスムーズで無駄な動きがいりませんよね。また大きな内ポケットがあるとゴーグルやグローブも収納することができます。
ただ、ハードシェルジャケットのポケットはベンチレーションも兼ねているため入れたものが湿りやすくなります。そこは意識しておくといいですね。
安全性をアップする! フードもチェック
ハードシェルジャケットのフードは、多くのものがヘルメットを装着しても余裕をもってかぶれる作りになっているので、ジッパーを閉めると鼻元まですっぽりと覆われてしまいます。
防寒のためにはいいですが、なかには大きすぎてダブつくケースも。そんなとき便利なのが調整用のベルトやコード。
サイズはいつもより大きめのものを、ファスナーのスムーズさも重要なポイント 登山愛好家のアドバイス
フリーエディター&SUV生活研究家
選択の大きなポイントとしては、まずサイズです。ジャストフィットなものだと、ジャケットの下にレイヤーがしくくなり、動きづらさも出てきます。ふだん使いでは大きいかもしれませんが、冬山で使うことを考えて選んだ方がいいでしょう。
また、色は自然界にない派手な色を選んだ方が、遭難などのケースでは見つけやすいというメリットがあります。ファスナーの作動がスムーズかどうかも、厳冬期には重要なポイントです。
雪山登山ハードシェルジャケットおすすめ10選 登山愛好家と編集部が選ぶ
ここまでの選び方をもとに、雪山登山ハードシェルジャケットの おすすめ11選をご紹介します。いずれも、特徴のある自信作ばかりです。参考にして、自分にあった製品を見つけてください。
フリーエディター&SUV生活研究家
常に先進的な素材を製品に使っているファイントラックの『エバーブレスアクロジャケット(FAM0701)』ですが、伸縮性を持つ生地を使うことで、非常に動きやすくなっています。また、ブレスベンチレーターやパウダーハーネスなど、雪山での機能もじゅうぶんに考えられいるところはさすが。究極のハードシェルと言ってもいいでしょう。
mont-bell(モンベル)『ストリームパーカ(1102482)』は、リーズナブルなのに、ゴアテックス・プロやバリティックナイロンを惜しみなく使っており、機能性から考えると非常にコストパフォーマンスの高いハードシェルです。どれにしようか迷うなら、とりあえずコレを選んでおきましょう。
シンプルなデザインの、Marmot(マーモット)『アルピニストクライミングジャケット(TOUPJK01)』ですが、冬季にハーネスやピッケル、ヘルメットを使って登るようなシチュエーションをじゅうぶんに考慮した作りになっています。

finetrack(ファイントラック) 『エバーブレスアクロジャケット(FAM0701)』

出典:Amazon
素材 | 表:50デニール4WAYストレッチナイロンタフタ、裏:20デニールポリエステルニット、中間層:エバーブレスメンブレン |
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対応サイズ | S、M、L、XL |
ベンチレーション | 左右 |
ポケット | 左右、胸 |

Marmot(マーモット)『アルピニストクライミングジャケット(TOUPJK01)』

出典:Amazon
素材 | 本体:ナイロン100%、フード下・脇・脇裾:ポリエステル44%・ナイロン37%・ポリウレタン19% |
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対応サイズ | WS、WM、S、M、L、XL |
ベンチレーション | ー |
ポケット | 両胸 |
ARC'TERYX(アークテリクス)『アルファSVジャケット(18082)』














出典:Amazon
素材 | N100p-X 3L ゴアテックスプロ |
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対応サイズ | XS、S、M、L、XL、XXL |
ベンチレーション | 脇下 |
ポケット | 両胸、左腕、内部 |
MILLET(ミレー)『カメット ライト ゴアテックス ジャケット(MIV7739)』
















出典:Amazon
素材 | ゴアテックスプレーン3層 ナイロン100% |
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対応サイズ | XS、S、M、L |
ベンチレーション | 脇下 |
ポケット | 左右、内部 |
Black Diamond(ブラックダイヤモンド)『シャープエンドシェル』








出典:Amazon
素材 | ゴアテックスプロ3レイヤー、表面:70D プレーンウィーブ、裏面:ナイロンマイクログリッド、DWR撥水加工 |
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対応サイズ | S、M、L、XL |
ベンチレーション | 脇下 |
ポケット | 左右、内部 |
patagonia(パタゴニア)『トレントシェル3L・ジャケット』






出典:楽天市場
素材 | リサイクルナイロン100% |
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対応サイズ | XS、S、M、L、XL |
ベンチレーション | 脇下 |
ポケット | 左右 |
THE NORTH FACE(ザ・ノースフェイス)『オールマウンテンジャケット(NP11710)』














出典:Amazon
素材 | 70D GORE-TEX C-Knit Backer |
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対応サイズ | S、M、L、XL |
ベンチレーション | 脇下 |
ポケット | 左右、内部 |
Norrona(ノローナ)『ロフォテン ゴアテックスプロジャケット』

出典:Amazon
素材 | ゴアテックスプロ 40D RECYCLED NYLON |
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対応サイズ | S、M、L、XL、XXL |
ベンチレーション | 脇下、胸 |
ポケット | 左腕、内部 |
ARC'TERYX(アークテリクス)『アルファ AR ジャケット(18086)』








出典:Amazon
素材 | ゴアテックスプロ |
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対応サイズ | XS、S、M、L、XL、XXL |
ベンチレーション | 脇下 |
ポケット | 胸、内部 |
Mammut(マムート)『Crater HS Hooded Jacket(1010-27700)』

出典:Amazon
素材 | ゴアテックス |
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対応サイズ | S、M、L、XL |
ベンチレーション | 脇下 |
ポケット | 左右 |
「雪山登山ハードシェルジャケット」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする 雪山登山ハードシェルジャケットの売れ筋をチェック
Amazon、Yahoo!ショッピングでの雪山登山ハードシェルジャケットの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
雪山や雪道対応アイテムはこちらから
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ポイントのおさらい
雪山登山ハードシェルジャケットの11商品をご紹介しました。
雪山で着用するには素材の耐久性や防水性も大切ですが、登山、アルペンスキー、クライミングなどアクティビティーに応じた動きやすさや軽量化、ポケットなどの機能性などの快適さも重要です。あなたがほしい雪山登山ハードシェルジャケットを選んでみてくださいね。
※「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。
※商品スペックについて、メーカーや発売元のホームページなどで商品情報を確認できない場合は、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。
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※2020/07/15 コンテンツを一部修正しました(マイナビおすすめナビ編集部 花島優史)
自動車雑誌編集長を経て、フリーの編集者に。登山やクライミングが趣味で、アウトドア雑誌「フィールダー(笠倉出版社刊)」にて連載中。悩みは増え続けるアウトドア用品などの遊び道具の収納場所で、愛車のJeepラングラーもすっかり倉庫代わりに。昨今は車中泊にもハマり、住居をキャンピングカーに変えるか真剣に悩み中。