スノーシューの選び方 気になるサイズやヒールリフター機能は?
アウトドアライターの夏野 栄さんに、スノーシューを選ぶときのポイントとして、「フィールドから選ぶ」「目的から選ぶ」「機能面から選ぶ」の3つを挙げてくれました。それぞれどういうことか、詳しく解説していきます。
また、夏野さんと編集部が厳選したおすすめ商品もあわせて紹介します。
雪山の登山か平坦か、目的にあわせて種類を選ぶ
スノーシューには大きく分けてふたつのフィールドを想定したタイプがあります。平坦なフィールドを歩くことを想定したタイプと、登りや傾斜地を想定したタイプです。
まずはどのようなフィールドでスノーシューをはくのかという点を事前に明確にし、マッチするタイプのスノーシューを選びましょう。
平坦地用タイプ:浮力が高く新雪でも歩きやすい
平坦地用タイプは、平坦な雪道のフィールドを想定し浮力が高く、深い新雪でも効果を発揮してくれます。比較的底面がシンプルがつくりになっており、着脱がかんたんなものが多くそろっています。
価格も安いものが多いため、はじめて購入するという方はこちらがおすすめです。
登山用タイプ:グリップ力にすぐれ傾斜が多い本格的な雪山登山に
一方、登山用タイプは浮力が小さい分グリップ力があり、こまかい動きに向いています。底面に「クランポン」と呼ばれる刃がたくさんついており、雪をしっかりとグリップしてくれます。
作家/アウトドアライター
スノーハイクの目的を明確に
どういう目的のスノーハイクかという点を明確にするとよりマッチしたスノーシューが見つかります。登山をするのか、森林で遊ぶのか、バックカントリーで使うのかなど、使用目的に合わせて選びましょう。
「登る」シーンが頻繁にある用途なら、登山用のグリップ力が高いモデルが必須です。また、耐久性も意識したいところですね。
荷物や装備の重さも考慮してサイズを選ぶ
スノーシューは雪道に設置する面積が大きいほど浮力が大きくなります。そのため自重だけでなく、持ち運ぶ荷物や装備の重さも考慮したサイズを選ぶとよいでしょう。スノーシューには、適合荷重がありますので、購入前はチェックしておくと安心でしょう。
しかし、大きいサイズなら快適かという分けではありません。サイズに比例してスノーシューじたいも重くなってしまうのでバランスを考慮して選ぶとよいでしょう。
作家/アウトドアライター
新雪を長時間歩くなら大きいサイズがおすすめ
新雪は想像以上にやわらかく歩きづらいものです。そのため長時間新雪の上を歩くような場合には、なるべく浮力がある大きめサイズのモデルがおすすめです。
価格と機能面にも注目して選ぶ
スノーシューは価格に応じてその機能面も豊富になります。ここでは多少高くなってしまっても、ぜったいについていた方がいい機能を紹介します。
ヒールリフター:かかとを浮かせ歩行がラクに
「ヒールリフター」とは踵(かかと)をスノーシューから上げてくれる機能です。スノーシューをはいた場合、踵を浮かせるように登ります。その際、ヒールリフターがつま先に体重をかけやすくし、ふくらはぎへの負担を減らし歩きやすくしてくれます。
バインディング:意外と見落としがちなチェックポイント
バインディングとは、スノーシューとブーツを固定するパーツです。ベルト式やラチェット式、ダイヤル式などがあります。雪山では寒さで手がかじかんでしまうということはよくあることですので、着脱のしやすさも考慮するとよいでしょう。
バインディングの仕様もモデルや価格によって異なるため、目的に合わせてチェックしたいポイントです。脱ぎはきが多いバックカントリーやエントリー層は脱ぎはきがらくなラチェット式がおすすめです。
作家/アウトドアライター
雪山を快適に楽しむために
スノーシューの場合、機能と価格はほぼそのまま比例します。せっかくの楽しいスノーハイクや登山の時間を台無しにしないためにも、多少高くても機能が充実したものを選ぶとよいでしょう。できればヒールリフター機能のモデルは最低限おさえておきたいところです。
スノーシューのおすすめ10選 人気のモンベルやMSR、DODなど!
これまで紹介してきた選び方のポイントをふまえて、アウトドアライターの夏野 栄さんと編集部が選んだおすすめのスノーシューを紹介します。

CAPTAIN STAG(キャプテンスタッグ)『CS リフター付スノーシュー(UX-893)』










出典:Amazon
用途 | 平坦地、斜面用 |
---|---|
サイズ | 74.5×21.5cm |
重量 | 2.16kg |
フレーム | ポリプロピレン・エラストマー |
バインディング | ラチェット式 |
クランポン | 多 |
ヒールリフト | 〇 |

MSR(エムエスアール)『LIGHTNING 3STRAP ASCENT』














出典:Amazon
用途 | 雪山登山用 |
---|---|
サイズ | 22:56×20cm、25:64×20cm、30:76×20cm |
重量 | 22:1.81kg、25:1.88kg、30:2.15kg |
フレーム | 鋸歯ありアルミフレーム |
バインディング | ポジロックATバインディング |
クランポン | 多 |
ヒールリフト | 〇(テレベーター) |
シビアな登山にも対応
MSRのスノーシューのラインナップのなかで、フラッグシップモデルがこちらのライトニング。アルミフレームで軽量に仕上げつつ、足裏の要所にはスチールを使い抜群のグリップ力です。もちろんヒールリフターも装備。
アッセントは「ポジロックATバインディング」というバインディングを採用し、中足部のベルトを独立させたツーピース構造でホールドすることで、ブーツの種類に関係なく確実に固定します。
また、-30°でも柔軟性をキープするウレタン製なので、寒冷地でも安心。価格はほかのモデルより上がるものの、その分メリットも多く、よりシビアな雪山を確実に登りたいという方におすすめのモデルです。
TUBBS(タブス)『FLEX VRT』
















出典:Amazon
用途 | バックカントリー |
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サイズ | 22、24 |
重量 | 22:1.81 kg、24:2.04 kg |
フレーム | Flex Deck |
バインディング | Dynamic Fit BOA |
クランポン | Viper2.0 |
ヒールリフト | 〇 |
mont-bell(モンベル)『スノーポン(#1129379)』
用途 | 雪上歩行 |
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サイズ | 長さ59cm |
重量 | 1.57kg(ペア) |
フレーム | 6061アルミニウム合金 |
バインディング | ラチェットバックル |
クランポン | 分離可能 |
ヒールリフト | × |

ATLAS(アトラス)『ランデブー25(1831901)』










出典:Amazon
用途 | スノーハイキング(平地向き) |
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サイズ | 64×23cm |
重量 | 1.54kg |
フレーム | Vフレーム |
バインディング | ストラップ・バインディング |
クランポン | 少 |
ヒールリフト | × |

ATLAS(アトラス)『スピンドリフト22』
![アトラススピンドリフト22スノーシューAtlasSpindrift56センチ[並行輸入品]](https://m.media-amazon.com/images/I/41wbSAwszHL.jpg)
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出典:Amazon
用途 | 雪山用 |
---|---|
サイズ | 22:56cn、25:64cm |
重量 | 22:1.6kg、25:1.7kg |
フレーム | リアクティヴィ-TRACフレーム |
バインディング | パックフラット・バインディング |
クランポン | 多 |
ヒールリフト | 〇 |
ATLAS(アトラス)『ツリーライン エレクトラ 23(1831928)』
















出典:Amazon
用途 | オールラウンド |
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サイズ | 21 |
重量 | 1.71kg(ペア) |
フレーム | リアクティヴィフレーム |
バインディング | ラップへリックス・バインディング |
クランポン | オールトラックトゥ・クランポン |
ヒールリフト | 〇 |
DOD(ディーオーディー)『スノーシュー(SW-30A)』














出典:Amazon
用途 | 平地、緩斜面 |
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サイズ | 25 |
重量 | 約2.2kg(付属品含む) |
フレーム | アルミ合金 |
バインディング | ラチェットバインディング |
クランポン | 前後2つ |
ヒールリフト | × |

MSR(エムエスアール)『EVO ASCENT 2STRAP』














出典:Amazon
用途 | なだらかな雪山、急斜面もある低山用 |
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サイズ | 56×21cm |
重量 | 1.68kg |
フレーム | プラスチック |
バインディング | デュオフィットバインディング |
クランポン | 少 |
ヒールリフト | 〇(テレベーター) |
MSR(エムエスアール)『REVO ASCENT』










出典:Amazon
用途 | 登山、バックカントリースノーボーディングなど多用途 |
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サイズ | 22:20.5×56cm、25:20.5×64cm |
重量 | 22:1.95kg、25:2.13kg |
フレーム | スチールフレーム |
バインディング | パラゴン・バインディング |
クランポン | - |
ヒールリフト | - |
「スノーシュー」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする スノーシューの売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでのスノーシューの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
スノーシュー選びに迷ったらこれだけはおさえて アウトドアライターの「ここがポイント」
作家/アウトドアライター
スノーシューはワカンとアイゼンのよいところをミックスさせたような道具です。多くのラインアップのなかで、大きくふたつ(平坦な雪原を歩きやすい浮力の大きなワカンよりのタイプと、アイゼンよりの登りや傾斜地を意識したタイプ)に分けることができます。
まずは、どんなフィールドで使うのか、どんな目的で使うことが多いのかを設定してからスノーシューを選びましょう。
そして、なるべくほしい機能がヒールリフター。頻繁に踵を上げるスノーシューではこの機能があるかないかで疲労が違います。また、さまざまな種類のバインディングがありますが、脱ぎはきが多いバックカントリーやエントリー層は脱ぎはきがらくなラチェット式がおすすめ。
ベルトタイプのメリットは故障の心配が少なく、万一壊れた場合にも予備ベルトを携帯すればかんたんに補修できる点です。
スノーシューについて5つのおさらい まとめ
1)平坦なフィールドを想定したタイプと登山用がある
2)バックカントリーで使用する場合は浮力がある大きめサイズのものを
3)登山で使用する場合はグリップ力が高いものを
4)ヒールリフターの機能があればふくらはぎへの負担を減らせる
5)バインディングの仕様を確認する
フィールドや目的によって、選ぶべきスノーシューも異なります。ヒールリフターなどの機能面にも注目しながら、自分にあったスノーシューを見つけてください。
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※「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。
※商品スペックについて、メーカーや発売元のホームページなどで商品情報を確認できない場合は、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。
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※2020/11/27 コンテンツ修正のため記事を更新しました(マイナビおすすめナビ編集部 大熊武士)
作家、マルチクリエイター、アウトドア・ファッションのライター・エディターとして活躍。 アウトドア誌やファッション誌でジャンルを超えて連載。ライトノベルやゲームシナリオを執筆。 アウトドアでは『キャンプチャリ』の制作やキャンプ場プロデュースを手掛ける。またファッションマーケットの企画運営からプロダクト開発まで幅広く活動。山岳部出身、海育ちのテンカラ師。 『BE-PAL』や『camp hack』、『OCEANS』や『MonoMax』『Fine』といったメンズ誌のほか、女性ファッション誌にも参加。