3歳児におすすめの絵本21選 クリスマスや季節のお話も。不朽の名作から最新作まで!
それでは、絵本専門士の高橋真生さんと編集部で選んだおすすめ商品を紹介します!

おおらかでユーモラスな人気シリーズ
子どもたちが大好きな『11ぴきのねこ』。シリーズ1作目の『11ぴきのねこ』は、ねこたちが怪物のような大きな魚を捕まえるお話です。
いつもおなかを空かせているねこたちのコミカルな表情や動き、ちゃっかりした行動を、子どもは決して見逃さず大笑い。でも、ここぞという時にはとらねこたいしょうを中心に一致団結、失敗してもあきらめずに何度も挑戦するねこたちにはっとさせられることもあるようです。
このシリーズは発表会や運動会などの園行事の題材として使われることも多いので、きっと思い出に残る1冊になりますよ。

ロングセラーの昔話で絵本の楽しさを知る
「うんとこしょ どっこいしょ」のフレーズで知られるこの絵本は、発売から50年以上たつ今も愛されているロングセラー。「おおきなかぶ」は元々ロシアの昔話で多くの出版社が絵本にしていますが、内田莉莎子さんが訳を、佐藤忠良さんが絵を手がけたこちらの福音館書店のものがおすすめです。それは、文章はテンポよくリズミカルで絵は力強く、ストーリーや登場人物はどこかとぼけていて絵本の魅力をたっぷりと味わうことができるから。
大人が改めて読むと、余白や民族衣装の美しさにも目を奪われるかもしれません。小学校の教科書でもおなじみですが、絵本で読んだ方がおもしろいという子どもたちの声に納得の1冊です。

子どもの夢がつまった定番絵本
空から降ってきた真っ白なきれでうさぎが作ったワンピースは、お花畑を歩くと花模様に、雨が降ると水玉模様に……と景色に合わせて変わっていきます。
ワンピースのお話ということもあり、女の子はいくつになってもよろこびますが、男の子だって大好きです。ふわっと明るい色とワンピースの模様の鮮やかな変化が印象的で、みんな夢中で絵本を見つめます。「ラララン ロロロン」のフレーズがここちよく、子どもからも大人からも好きな絵本として名前があがることの多いロングセラーです。

子どもがアレンジして楽しむことばの絵本
「くさもち もちろん ちからもち」など、いろいろなお菓子がスポーツをする姿がダジャレで描かれる『おかしなおかし』。押韻(おういん)やリズムの良さで、日本語の楽しさを味わえます。この絵本のおすすめポイントは、子どもが自分で読みたがるところです。早口ことばにしたり、「のどが からから クラッカー」と大迫力で読んでみたりと、思い思いにアレンジします。
大人にはちょっと苦しいように感じられるものもあるのですが、それは勢いで楽しんでいるよう。年上の子が年下の子に読んであげることも多く、それが絵本への興味につながります。ただし、興奮しすぎてしまうことがあるので、寝る前の読み聞かせにはご注意ください。

身近な不思議への入り口に
じゃぐちを開けると水が出る。「さわると チュッ!」「たたくと パシャーン!」水は、いろいろな形に変わります。子どもにとって、水は身近にありながら本当に不思議なもの。その水の姿を、小さな子にも分かりやすい絵と「コップにあてるとすべりだい」「スプーンをいれるとうちゅうせん」など、心弾むことばで表現したのがこの絵本です。
読むと、みんな「やってみたい!」と大はりきりしてくれます。「不思議」に触れるのは科学の道への第一歩。「こうしてみたらどうなるかな?」「次はこうやってみよう!」と考えて、挑戦する心を育ててくれる絵本です。

親や子どもの共感を呼ぶストーリー
「ようちえん いくの いややー!」涙のワケは、「いちごが好きなのにもも組だから」「イスのマークがヘビさんだから」などなど。そうそう、そういうことありますよね。園生活をはじめるころはちょうどこだわりが強くなるときでもあるので、大人には小さなことでも子どもには大問題という事件が起こりがちです。
『ようちえんいやや』は、そんなふうにきっとみんなが経験したことのある気持ちを絵本で見せてくれます。親も子も深く共感しつつ、ラストで描かれる素直な気持ちに思わずギューッとしたくなってしまうかも。あたたかく応援してくれる1冊です。

トイレトレーニングやお着替えに苦労したら
なかなか上手にパンツをはけるようにならないたつくんのお話です。誰にだって苦手なことはありますが、先生に「ひとりでできるようにおうちで練習してくださいね」なんていわれてしまうと、親としてはプレッシャーを感じずにはいられませんよね。子ども自身もできないのはつらい。とくにトイレトレーニングの低年齢化によって、苦労してしまう方も多いようです。
この絵本は、文章も絵も柔らかくユーモアがあるので、読んでいてほっとします。今はうまくいかなくても、何かをきっかけにきっとパッとできるようになる得意顔のたつくんが肩の力を抜いてくれます。

お父さんもよろこぶユーモア絵本
おなかが空いてフラフラのブタヤマさん。バッタリ出会ったキャベツくんを食べようとするけれど、キャベツくんは「ブキャ!」とブタヤマさんを驚かすばかりで……。どんどんヒートアップしていく2人のかけ合いに、子どもの笑いは最後まで止まりません。お話をすべて覚えていても何度でも読みたがり、そして何度でも笑います。はじめは「意味が分からない」といっていた大人も、それにつられて笑ってしまう。いい笑いは読む人を元気にしてくれます。
ナンセンスの神様と称される長 新太さんの代表作。落ち着いたお話が苦手な子や絵本を読むのがちょっぴり恥ずかしいお父さんは、ぜひ。

どんなときでも「大好き!」を伝えられる
お母さんもお父さんも、おばあさんもおじいさんも、森のみんなも、ちびゴリラのちびちびが大好き。ちびちびがどんどんどんどん大きくなったって、その気持ちは変わりません。園での生活に慣れないころは、眠気と疲れから不機嫌になったり、自己主張が激しくなったりすることがあります。
子どもががんばっているのを分かっていても、親子でぶつかってしまうこともあるでしょう。そんな日は、眠る前にこの絵本を読んでみてください。穏やかと優しさに心が満たされて、きっとにっこりできると思います。また、たくさんの動物が出てくるのもとても喜ばれます。

3歳のお誕生日に読みたい
絵本の登場人物が「自分と同じ」であることを子どもはとても喜ぶもの。とくに、歳が同じという共通点は現実味があるのか、俄然姿勢は前のめりになります。
『たんじょうびおめでとう』は、こぐまちゃんが3歳になるお話。まだ難しいこともあるけど、3歳になっていろいろなことがちゃーんとできるようになりました。決していつもの続きではない特別な1日を、子どもはこぐまちゃんと一緒に心からうれしく過ごします。大人にとっても、こぐまちゃんの成長はそのままわが子の成長に重なりますよね。大きくなることの幸せを、家族で味わえます。
「3歳児向け絵本」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする 絵本の売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでの絵本の売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
3歳児におすすめの絵本の選び方 絵本専門士に聞いた!
絵本専門士の高橋真生さんに、3歳児向けの絵本を選ぶときのポイントを教えてもらいました。
ポイントは下記の5つ。
【1】読む人が子どものころ好きだったロングセラー
【2】分かりやすいストーリー
【3】ことばの響きがよく、リズムが楽しめる
【4】身のまわりの不思議に触れる、知識の絵本
【5】保育園や幼稚園での生活を描いた絵本
上記のポイントを押さえて選んでみてくださいね。
【1】読む人が子どものころ好きだったロングセラー
懐かしい気持ちは読み聞かせの時間をあたたかに
ご自分が小さなころ好きだった絵本がある方は、まずはそちらを読んでみてください。今のお父さん・お母さんが子どもの頃から読み継がれているロングセラーは、シンプルで分かりやすく、子どもの心をしっかりととらえる絵本ばかりです。
大人がどんな気持ちで絵本を読むかは、意外なほど子どもに伝わるもの。「好き」「懐かしい」という気持ちは、読み聞かせの時間をよりあたたかにしてくれます。読み聞かせで一番大切なのは、子どもと大人が一緒に幸せな時間をすごすことですよ。
【2】分かりやすいストーリーのある絵本
くり返しで起承転結のある話に子どもは安心
3歳は絵本の黄金期の入り口。1冊を最初から最後まで読み通せるようになり、かんたんな物語を楽しめます。
自分の思ったとおりにお話が進むのを子どもはとてもよろこびます。それは、安心してお話を楽しむことができるからです。同じ本を何度も読みたがるのもそのためです。起承転結の分かりやすいお話や過不足のないことば、昔話に多く見られる「くり返し」が、子どもたちの想像を助けてくれます。
【3】ことばの響きがよく、リズムが楽しめる絵本
難しい日本語も絵本から学べる
詩やわらべ歌の絵本というと大人は少し身がまえてしまうかもしれませんが、ことばの響き・音・リズム・韻などを子どもたちは全身で楽しみます。すぐに覚えてしまうので、絵本のことばが日常生活に飛び出してくる楽しさも。
ことばで説明しようとすると難しい日本語の美しさやおもしろさを、絵本で伝えていくことができます。
【4】身のまわりの不思議に触れる、知識の絵本
夏や秋など季節感のあるものも
好奇心が強くなり、いつも「なんで?」と聞くようになってきたら知識の絵本もとてもよろこばれます。日々のお散歩で見られるような四季の植物の絵本などは、手にとりやすいでしょう。
虫や乗りもの、恐竜など特定の分野がとても好きな子もいますが、そういうときには本人が納得するまで好きなものを読んであげてくださいね。絵本に限らず、図鑑などもいいでしょう。
【5】保育園や幼稚園での生活を描いた絵本
日常生活のしつけにも役立つ
3歳になって保育園や幼稚園に通うようになると、子どもの世界は一気に広がります。先生や友だちなど新しい人間関係が生まれ、自分で身のまわりのことをする機会も増えます。友だち・お弁当・お着替え・行事など、園での生活がテーマの絵本は子どもにとって共感しやすいもの。
登場人物と自分を重ねて、元気になったり自信をつけたりすることもできます。絵本を読み終えた後、自分の園での話を聞かせてくれるといううれしいおまけもあるかもしれません。
そのほかおすすめの絵本もチェックしよう!
最後に|エキスパートのアドバイス
親子のコミュニケーションも読み聞かせのねらい
この時期は、気に入った絵本を何度も読んでと持ってくることもありますが、ぜひ何度でも読んであげてくださいね。子どもにとって「本を読んでくれる人」は、大人が思う以上に重要な存在です。読む人が自分の大好きな人でなければ、安心して絵本の世界に行くことも力いっぱい冒険を楽しむこともできません。
「読んで」には子どものそんな信頼の気持ちもこめられています。お子さんが大きくなったとき、「絵本を読んでもらったなぁ」と思い出せるのがちょうどこの3歳くらいの時期からかもしれません。親子でくっついて読んだ絵本の思い出は、いつまでたってもそれぞれをあたためてくれますよ。
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高校の国語科教員、公共図書館や学校図書館等の司書を経て、現在フリーランス。 絵本専門士・ライターとして、執筆を中心に、絵本や図鑑・日本の伝統行事の紹介、絵本講座、作文・自由研究・季節の手紙のワークショップなどを行う。 メインテーマは、「ことば」「学び」「暮らし」。食欲・物欲系の記事の執筆も多数。