パスタマシンの選び方
科学する料理研究家のさわけんさんに取材をして、パスタマシンの選び方のポイントを教えていただきました。タイプやカッターをよくチェックすることが大切です。ぜひパスタマシン選びの参考にしてください。ポイントは下記のとおり。
【1】手動 or 電動
【2】製麺方法
【3】パスタの太さ
【4】カッター
【5】洗いやすさ
【6】テーブルに固定できるか
【7】ローラーの幅や長さ
上記のポイントをおさえることで、よりほしい商品をみつけることができます。一つひとつ解説していきます。
【1】手動or 電動? タイプで選ぶ
パスタマシンには手動式と電動式があります。使い方によってタイプを選びましょう。
手動タイプ|手軽だから初心者でも使いやすい
手動タイプのパスタマシンは、付属のハンドルを回したり自分で押し出したりしてパスタを作ります。作っている途中で調節しやすいので、はじめてパスタマシンを使う人にも使いやすくなっています。価格も電動タイプよりも手にしやすいものがそろっています。
大量にパスタを作るのには向いていませんが、自分の分だけ、家族の分だけなど少量を作るときに便利です。
電動タイプ|量やスピードを重視
電動タイプのパスタマシンは、材料を入れると自動でパスタを製麺します。ホームパーティなど大量にパスタを作りたいときにも、スピーディに製麺できます。パスタの見た目が均一になるのも魅力です。
手動タイプとくらべると、価格が高い傾向にあります。家庭用の手にしやすいものを選ぶか、あとづけで手動から電動にできるモーターを購入する方法もあります。
【2】製麺方法のタイプで選ぶ
バスタマシンは、昔ながらのローラー式のタイプと、生地こねと押し出し成型ができるタイプの2タイプがあります。
ローラー式|本格的なパスタ作り
ローラー式は伝統的な手打ち麺全般の製麺ができます。タリアテッレ系の平打ち麺やラザニア、ラビオリが代表的。
ローラー式の製麺は、パスタ生地をローラーでのばしながら練り、一度生地を寝かせてから再度ローラーでのばし、カッターでカットします。これが伝統的なパスタフレスカ(生パスタ)であり、本格的なイタリア料理店で提供しているパスタです。
押し出し式|いろいろな形にできる
押し出し式はマカロニなどのショートパスタ、スパゲッティ系(乾麺の袋に入って売っているタイプ)の製麺が可能です。
押し出し式はマシン内でパスタ生地を練って押し出し成型します。これはパスタ工場で行われる量産タイプの袋麺の製法で、乾燥前のスパゲッティやマカロニができます。最近の生パスタを売りにしている店はこのタイプを使っているところもあります。
ちなみに押し出し成型は、押し出し口(ダイス)を変えるとタリアテッレの形の麺も成型できます。
【3】作れるパスタの太さをチェック
パスタマシンで作れるパスタの太さもチェックしましょう。アタッチメントを取り換えて、複数の太さに対応している商品が多いです。太さを変えることで、パスタ以外にもうどんやラーメンなどの麺料理を作ることができます。
いろいろな麺づくりを楽しみたいなら、いろいろな太さに対応している商品を選びましょう。
【4】カッターの種類や切れ味をチェック
小型パスタマシンには2種類程度のパスタカッターがついているものが多いですが、別売りの場合もあります。
カッターは少々高いので、ご自身がどんな麺にしたいか、そのためのカッターが付属しているのかは要チェックですね。
そしてカッターの切れ味も重要! 麺の状態によっては、カッターを通してもちゃんと切れないものもあります。
買う前に切れ味のチェックはできないので難しいですが、個人的にはイタリア製のものを選ぶと比較的よいことが多いです。
【5】洗いやすさをチェック
パスタマシンは使ったあとに粉が残っていると、本体のサビやカビ発生の原因となります。使用後お手入れのしやすいものを選ぶと、衛生的に使用できます。
手動タイプなら、パーツを外して水洗いできるものや、丸洗いできるものがよいです。電動タイプは洗えないものが多いため、カバーがついているなど内部に粉が入りにくい工夫があるかどうかを確認しましょう。
【6】テーブルに固定できると便利
小さいパスタマシンはテーブルの板に固定する必要があります。大体はC型のクランプが付属していますが、このクランプの手で回す部分の作りが重要。
手で回す部分がプラスチックの場合、固定するたびに力が加わり、プラスチックの持ち手が破損する場合があります。そうなるとマシーンの固定ができなくなり別途C型クランプを買うことになります。
回す持ち手が金属でネジ棒に固定されているものや、ネジ棒自体を曲げて持ち手にしているタイプの固定具なら長持ちするのでおすすめ。
パスタマシン自体の足にもクッションがついていますが、かたくて長持ちしそうなものの方がよいですね。
【7】ローラーの幅や長さをチェックしよう
一般的に、パスタマシンはボウルであわせたパスタ生地の練りと伸ばしを行ない、付属のカッターで麺を切る工程も行ないます。
生地を練るときは生地の入るローラーの長さと開く幅が大きい方がたくさんのパスタ生地を作れるのでおすすめです。
パスタ生地は意外とかたく、ローラーの入り口に対してパスタ生地の量が多すぎると、パスタマシンの歯車に負荷がかかりすぎて故障の原因になるので要注意。無理をせずに使うと長持ちしますよ!
ちなみに15cm程度のローラーの場合、練れるパスタ生地は300g程度です。
パスタマシンおすすめ10選
ここからはこれまでに説明した選び方をもとに、おすすめのパスタマシンをご紹介します。「手動」「電動」のタイプ別に分けてご紹介するので、パスタマシン選びの参考にしてください。
▼手動パスタマシン【本格派向け】
▼手動パスタマシン【お手頃価格】
▼電動パスタマシン
▼手動パスタマシン【本格派向け】
まずは、本格派のあなたにおすすめの高級パスタマシン(パスタマシーン)をご紹介します。marcato社の「アトラス」など、本場イタリア製の商品も! ぜひ参考にしてください。

豊富なアタッチメントとカラーバリエーション
家庭向きのおしゃれなイタリア製。ローラー幅145mmと少し幅は狭いですが、300g程度の生地が練れます。
固定するクランプの取手は金属一体成型で壊れる心配はないので安心です。カッターは2種類つきで、ラビオリなども比較的かんたんできれいに作れます。また、アタッチメントが豊富で別売りのモーターをセットすれば電動にもなります。
そして私がこの商品を推す一番の理由はズバリ「カラーバリエーション」。通常パスタマシンは、シルバーが基本でそれ以外の色をお目にかかることはありません。
本品は黒、赤、緑、青など、かなりのカラーバリエーションがあるので、キッチンに合わせたパスタマシンが見つかりますよ! キッチンをモノトーンでまとめている人にもおすすめです。

定番で人気のパスタマシン
ローラー幅150mmで300g程度のパスタが作れる、イタリア製でパスタマシン界のメジャーブランドです。家庭用なので小さめではありますが、300g程度のパスタ生地が練れるので充分に使えます。
固定するクランプの取手はネジの棒を三角にひねったタイプで壊れにくいので安心。一番薄く伸ばすと結構薄めのパスタになります。メジャーで拡張性もあるため、はじめてパスタマシンを買う方におすすめです。
本体とは別に付属するカッターは2種類。別売りのアタッチメントでラビオリなども作れます。おすすめのパスタ生地の配合は強力粉2:卵1です。

一度にたくさん作れるプロ仕様
家庭でたくさんパスタを作りたい方ならこのサイズ。パスタマシンは開口部分が大きいほど一回により多くのパスタが練れます。こちらの商品はローラー幅は220mmで、家庭用より70mm幅広いので、より効率的にパスタを作れますよ。また、サイズが大きいぶん10kgと重いので、固定具無しでも安定します。
手動式なので電動式のRME220と比べると価格は半分程度に抑えられているのでお得かもしれません。コストを抑えたい人は手動式のR220、手打ちパスタを愛して止まない人は電動式のREM220がおすすめです!
初心者や女性でも簡単に作れる!
鍋の上にパスタメーカーをセットして、こねた生地をセットすれば鍋の中に作りたての生麺が入ります。圧力レバーを上げたり下げたりするだけなので、女性でも簡単に作れます。子どもと一緒に楽しくパスタを作ってもいいですね。
7種類の麺先がついているので、細麺から平打ち麺、リングイネなどさまざまな種類のパスタが作れます。もちろんうどんやそば、中華麺もOK。組み立ても簡単で、分解してすみずみまで手洗いができて清潔に使えます。
▼手動パスタマシン【お手頃価格】
つづいては、初心者やコスパを重視する方にぴったりな、1万円以下で買えるお手頃価格のパスタマシンをご紹介します。ぜひ参考にしてください。
子どもと一緒にパスタが作れる
パスタを作っているときにはカッターが外に出ないので、子どもでも安心して使えるパスタマシンです。テーブルに固定して使えるのでパスタマシンがズレることなく、安定して力を加えられます。
カッターは2mm、3mm、4mm、9mmがあり、細麺のパスタからしっかりした歯応えのコシのあるパスタ、うどんやそば、フェットチーネなど幅広い種類の手打ち生麺が作れます。丸ごと洗えるので、衛生的。いつでも打ちたての美味しいパスタが作れます。

コストを抑えたいひとにおすすめ!
キッチングッズメーカー「パール金属」が売っているパスタマシン。しかし中身はイタリアのマルカート社製で、ローラーとパスタカッター2種類が一体になったモデルです。
お値段が若干安いので、できるだけコストを抑えたい人向け。ただ、ローラーの噛み合わせがちょっと難ありな場合もあります。切れないことはないので、試してみるのもいいでしょう。
水洗いできるパスタマシン
部品を分解できるのでそれぞれ水洗いができて、細かい部分までいつも清潔に保てます。テーブルに固定する装置とパスタマシンの底にゴムのすべり止めがついているので、使用していてずれる心配がなく安定して作業ができます。
2mmと4mmのカッターで、好みの太さのパスタやうどん、ラーメンの麺などが簡単にできます。またワンタンの皮や餃子の皮も手作りできます。子どもや家族と一緒に、ホームパーティーなどにこれ1台あればみんなで楽しく生麺が作れますね。
ラーメンやうどんなど使い道いろいろ!
6種類の麺が楽しめる手動タイプ。パスタはもちろん、ラーメンやうどんなど様々な太さの麺を作ることが可能です。
ステンレス製なのでサビにくく耐久性に優れているのが嬉しいポイント。生地を入れてプレスするタイプなので、いつでも気軽に使えます。
▼電動パスタマシン
ここからは、電動タイプのおすすめパスタマシンをご紹介します。

ダイスをかえれば料理の幅も広がる
家庭用の押し出し式パスタメーカーの先駆者的な商品。生地を練るのも押し出すのも自動で、モチモチした麺ができます。また、全自動なので固定具がいらずラクに使えるのもうれしいポイント。ダイス(押し出し口)を変えればシート状のパスタや、餃子の皮もできますし、パスタに限らずそばや中華麺もできて楽しいですよ!
本体が大きくパーツも多いため、収納などに工夫が必要ですが、そのぶん楽しめることも多いと思います。

電動でラクラクパスタ作り
近未来的デザインがおしゃれな電動パスタマシン。カッターが内蔵されており、手動式より本体が大きくなっています。また、ローラー幅は15cmなので作れる麺の量は手動式とほぼ同じ。
電動なのでラクに、早くパスタができあがります。といっても業務用ほど速くは回らないので、焦ることなくゆったりとパスタ生地を伸ばせますよ。のんびりとラクにパスタを作りたい方におすすめの商品です。
後付け用モーター・アタッチメント
適合の後付けモーターを使えば、手動式のパスタマシンも電動パスタマシンとして使うことができます。また、すでに持っている本体に後付けできるアタッチメントの販売も。エキスパートに選んでもらったので、チェックしてみてください。

SP150を電動化! 面倒な手回しとおさらば
インペリアの手回しパスタマシンSP150用の別売りモーターです。すでにSP150を持っているけど、手回しがつらい……そんなときに役立つアイテムです。また、一定のスピードで回るため手回しよりも麺を上手に作れるかもしれません。
「パスタマシンはほしいけど、最初から電動を買って使わなくなってしまうのはいやだな」と思う方や、SP150を買ったときに手動しか見当たらなかった方におすすめです。

手動、自動を切り替え可能
こちらはマルカートのアトラス用のモーター。とりあえず手動を買ってみて、パスタマシンが有効に使えるならモーターを買い足すというプランの人におすすめ。
手動でのひとり製麺は、ローラーを回しながら片手で麺を入れるので、まっすぐ入れるのが大変です。うまくいかない! という人もモーターをつけるだけで麺に集中できて意外にはかどりますよ!

ローラー式のアタッチメント
こちらはキッチンエイドのローラー式アタッチメント。押し出し式と同じように、すでにキッチンエイドをお持ちの方におすすめ。
アタッチメントだけなら収納もラクなので、押し出し式と一緒に買ってもかさばりません。ローラー式なので生地を練ることができ、伝統的な生パスタが作れます!
パワフルなモーターですが、パスタ生地はかたすぎるとローラーに負担がかかりますので卵1:粉2くらいの割合で生地を練りましょう。
「パスタマシン」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする パスタマシンの売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでのパスタマシンの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
パスタマシンに関するQ&A
パスタマシンの掃除方法は?
バスタマシンは機械なので洗えません。そのため、清掃はローラーの周りを布で拭く程度になります。それで大丈夫? と思われるかもしれませんが、パスタ生地はもともとローラーにくっつきにくいので大丈夫です。
たまにやわらかなラビオリの生地などを巻き込むことがありますが、乾燥させるとポロリと取れるので、カビが生えるようなことはほとんどありません。基本は乾燥と拭き掃除でOKです。
パスタ麺以外に何が作れる?
生地を伸ばしたりカットしたりする仕組みを生かして、ラーメンやそば、うどんなどさまざまな麺が作れます。どういったカッターが付属しているのか購入前に確認してみましょう。
また、餃子やワンタンの生地も手作りできます。綿棒で伸ばすより手にかかる負担が軽く、均一に伸ばせますよ。
この記事をご覧の方におすすめ!
道具をそろえて、手作り麺生活を楽しみましょう
パスタマシーンは常時出しておかないものなので、収納性や使うときのセットのしやすさが重要です。固定にCクランプを使う場合は、きちんとテーブルの天板をはさむことができるか確認しましょう。
ローラー式のマシンはレシピが付属ではない場合が多いので、「パスタフレスカ」というキーワードでレシピを探すといいと思います。参考までに、押し出し式のマシンですが、フィリップスのヌードルメーカーはレシピつきで至れり尽くせりなのでおすすめです。パスタマシンは「パスタを作るぞ!」と心に決めれば楽しく作れておいしいものです。決断したら頑張ってみましょうね!
◆記事で紹介した商品を購入すると、売上の一部がマイナビおすすめナビに還元されることがあります。◆特定商品の広告を行う場合には、商品情報に「PR」表記を記載します。◆「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。◆商品スペックは、メーカーや発売元のホームページ、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。◆記事で紹介する商品の価格やリンク情報は、ECサイトから提供を受けたAPIにより取得しています。データ取得時点の情報のため最新の情報ではない場合があります。◆レビューで試した商品は記事作成時のもので、その後、商品のリニューアルによって仕様が変更されていたり、製造・販売が中止されている場合があります。
フランスの星付きレストラン、イタリアンカフェのシェフを経て料理研究家に。 科学的に料理を考えて、狙った通りの料理を作るレシピ作りの達人。 低温調理など調理理論と最新機器やキッチングッズに精通。 2010年より毎月30品~50品の食品や調味料を実食検証し、キッチングッズなども頻繁に検証する。 フレンチ・イタリアン・アメリカ料理・唐揚げ・肉のスペシャリスト。