アウトドアナイフの選び方
それでは、アウトドアナイフの基本的な選び方を見ていきましょう。ポイントは下記の5つ。
【1】使い方に合う種類を選ぶ
【2】切りたいものに合わせて刃の素材を選ぶ
【3】ブレードの形状にも注目しよう!
【4】初心者は滑りにくいグリップだと安全
【5】安全性を重視するならロック機能をチェックしよう
上記の5つのポイントを抑えることで、より具体的に欲しい機能を知ることができます。一つひとつ解説していきます。
【1】使い方に合う種類を選ぶ
アウトドアナイフは、「シースナイフ」や「フォールディングナイフ」、「ツールナイフ」と種類が分かれています。それぞれの特徴をしっかりと考えて選びましょう。
▼「シースナイフ」は刃渡りが長くて頑丈
「シースナイフ」は、ブレードとタングが1枚の鋼材でできているタイプのアウトドアナイフです。刃渡りが長くて衝撃に強く、多少手荒く扱っても壊れにくいので、アウトドアで使うのに向いています。
革や化学繊維でできたナイフを入れる鞘(さや)のことを「シース」といい、この鞘に収納することから「シースナイフ」と呼ばれるようになりました。
▼刃をハンドル内部にしまえる「フォールディングナイフ」
「フォールディングナイフ」は、ハンドル内部にブレードを折りたたむことができるタイプのアウトドアナイフです。ブレードがしっかりとハンドルのなかに納まるので、安全に持ち運ぶことができるのが特徴的です。
ただし、強度は「シースナイフ」には劣るため、キャンプ場で食材や小枝などのかたすぎないものを切るのに向いています。
▼缶切りや爪とぎなどが付いた多機能な「ツールナイフ」
ツールナイフとは、ナイフに加えてスプーンや缶切り、カッターなどのツールも複数備えたタイプのアウトドアナイフです。登山やクライミングをはじめ、防災用品としても活躍するので、1つ持っておくと便利でしょう。
切れ味や耐久性など、ナイフそのものの機能としては、ほかのタイプより劣る場合が多いものの、多彩なツールが1本にまとめられているため、コンパクトで携帯性にすぐれるのが魅力です。
【2】切りたいものに合わせて刃の素材を選ぶ
刃の素材にはいくつかの種類があるので、特徴をみていきましょう。
▼「カーボンスチール」は硬めの食材も切れ味抜群!
「カーボンスチール」製のアウトドアナイフは、切れ味がバツグンという特徴があります。食材や魚をさばくのに使うのはもちろんのこと、木材などの硬めの素材もしっかりと切ることができるので、アウトドア向けの素材だといえます。
ただし、ステンレス製よりサビやすいため、お手入れは小まめにしっかりとおこなうようにしてください。
▼「青紙鋼」は魚や肉を裁く特に最適な1本
「青紙鋼」製のアウトドアナイフは、なめらかに切れて切り口がよいという特徴があります。料理人が使用する包丁に使用されている素材であり、魚やお肉をさばくのにピッタリです。
アウトドアで本格的な料理を楽しみたい方は、1本用意しておくと重宝します。ただし、カーボンスチール製と同様にサビやすいので、メンテナンスはしっかりとおこなわなくてはいけません。
▼「H-1鋼」は水洗いだけでお手入れ簡単
「H-1(エイチワン)鋼」は、ステンレス製よりもサビにくいといわれている素材であり、釣りやダイビングなど水辺でのアウトドアに適しています。カーボンスチール製や青紙鋼より切れ味は落ちますが、魚をさばく程度であればかんたんにできます。
海水や魚をさばくときについてしまう血であっても、真水で軽く洗い流す程度のメンテナンスでよいのがうれしいポイントです。
▼「ステンレス製」はサビに強くて研ぎやすい
「ステンレス製」のアウトドアナイフは、サビにくいということが特徴として挙げられます。耐久性もあるので木材を削ったり、魚などのなまものを切ったりとさまざまな使い方ができます。また、研ぎやすいのでお手入れがしやすく、アウトドアナイフ初心者の方でも扱いやすいでしょう。
たくさん種類があって、どのアウトドアナイフがよいか迷ったら、ステンレス製を選べばまず間違いありません。
▼「モリブデン鋼」は刃が欠けにくくて丈夫
「モリブデン鋼」は、包丁や医療用メスなどに使われている素材であり、北欧などの寒い国でよく使われているタイプのアウトドアナイフです。刃が丈夫で欠けにくく、ていねいにお手入れをすれば切れ味をたもつことが可能です。
サビに強いですが、まったくサビないわけではないため、ナイフを使用したらお手入れはしっかりとおこなってください。
【3】ブレードの形状にも注目しよう!
アウトドアナイフには3つのブレードの形状がありますので、選ぶ際にチェックしてみてください。
・フラットグラインド…強度の面ではすぐれているが、研いでいくことで切れ味が悪くなりやすい。
・ホローグラインド…よく切れて、研ぎ減りしても切れ味が落ちにくい。ただし、強度の面ではフラットグラインドに劣る。
・コンベックスブラインド…蛤刃と呼ばれるものであり、強度は高いが研ぐのが難しいとされる。
【4】初心者は滑りにくいグリップだと安全
ナイフのハンドル材には、ウッド、ラバー、プラスチック、マイカルタなどのさまざまな素材があります。高級な物には化石や骨などが使用されています。
上手に扱えるようになるには、入門者であっても自分の手に合うように、加工可能な素材を選ぶことが必要になります。しかし、ナイフを使い始めたばかりだと、ナイフを握り込む位置がわからないこともよくあります。最初は握り込む感覚を意識できるようラバー製のものから使い始め、慣れてきたころに天然素材を選ぶのがよいでしょう。
【5】安全性を重視するならロック機能をチェックしよう
折りたたむことができる「フォールディングナイフ」には、ロック機能が搭載されているものがあります。ロック機能にもさまざまなものがあり、ロックバック式やライナーロック式などがあります。
使う前にロックの仕方をチェックしておき、実際に使うときに慌てないようにしたいもの。小さい子どもと一緒にアウトドアを楽しみたい方は、とくによく確かめておいてください。
ワイルドライフクリエーターからのアドバイス
万能なナイフを求めないこと!
アウトドアナイフは手の延長線として使えることが重要です。万能なナイフは存在しないと言っても過言ではありません。
上級者はなんでも万能にできるナイフを持っているのではなく、使いこなす技術を持っているのです。使いこなすには自身の手に合ったグリップやサイズ、バランスを有したナイフを選ぶことがおすすめ。
メインナイフだけですべてをできるわけではないので、料理人の包丁のようにそれぞれ得意としている作業がナイフにもあります。それらを使い分ける技術と、つねに切れるナイフを維持するメンテナス技術を身につけて、はじめてナイフは使いこなせるようになるのです。
安価であっても自分の手に馴染むことこそが上達への近道。それがいいナイフを選ぶ最大のポイントです。
アウトドアナイフのおすすめ16選 ブレードの鋼材・刃長・重量・ハンドル素材もチェック!
ここからは、おすすめのアウトドアナイフをご紹介します。
力を入れやすい重量バランス
ブレードを挟み込んで作った、フルタンぐ構造のアウトドアナイフです。ブレードにはステンレスを採用し、サビに強いのが特徴。また、天然木のハンドルと専用ケースが、高級感を醸しだしています。
ニュートラルな重量バランスで握りやすく、力も入れやすくて容易に扱えるでしょう。アウトドアシーンのほか、DIYなどでも活用できて便利でしょう。
滑りにくいグリップ形状
堅牢なフルタングタイプのナイフで、天然木のグリップが温かい印象を与えます。ブレードの背中がカーブ形状になっており、作業中に滑り止めの役割を果たしてくれるのが特徴です。
専用の収納ケースにはクリップが付いているため、あやまったナイフが滑り落ちてしまうのを防げます。また、ベルトに取りつけられるため携帯性がよく、アウトドアシーンで使いやすいでしょう。
多機能タイプのアウトドアナイフ
ナイフのほかに、缶切り、爪やすり、のみ、小刀など、合計20種類ものツールが1本にギュッと詰まっています。専用の布ケースも付属しているため、持ち運びもしやすいでしょう。
ブレードにはステンレスを使用し、サビにくいためお手入れしやすいのが魅力。多機能なのでアウトドアシーンだけでなく、災害時など、万が一のときにも役に立ちやすいです。
丈夫でコンパクトなアウトドアナイフ
折りたたみタイプになった、フォールディングナイフです。グリップ部分にクリップが取りつけられているため、ズボンのポケットなどにサッと挿し込めます。
コンパクトで携帯しやすく、できるだけ荷物を減らしたいアウトドアシーンにぴったりでしょう。ブレードに使用している7Cr17ステンレス鋼は強度が高く、耐蝕性と耐摩耗性もばっちりです。
『シースナイフ レザー革付き (KDJ)』

圧倒的なコストパフォーマンス!
スカンジブレード(形状のひとつ)のナイフで、ラバーハンドルのくせのないその使い心地はユーザーを選びません。
プラスチック製のシース(鞘)で転倒による突き抜けなどの心配もなく、初心者でも安心して使えます。ブレードにステンレスを採用していて、研ぎやすさも兼ね備えています。
価格帯だけでみると初心者向けのようにも思えますが、上級者でもラフに使え、セカンドナイフやサブナイフとしてもおすすめです。
ラバーグリップも油分さえつかなければグローブとの相性もよく、オールラウンドに使えるナイフと言えるでしょう。

使い勝手バツグンのキャンプナイフの定番
フランスの老舗メーカーで、定番ナイフともいえる「オピネル」は、日本で言うところの文房具ナイフです。
文房具ナイフというのは、端的に言うと子どもが工作や鉛筆削りに使うナイフです。しかしその使い勝手のよさはアウトドアでもじゅうぶん発揮されます。
コンパクトなサイズに薄いブレード、しっかりと固定できるリングなど、とても使いやすいのが特徴。ワイルドな使い方はできませんが、料理やロープを切るなどの加工は得意です。
価格帯もひじょうにリースバブルで、ザックに入れておけば重宝するナイフではないでしょうか。

ブッシュクラフターにおすすめのプーッコナイフ
近年人気を集めている、ブッシュクラフト(自然環境における生活手段)発祥の地、北欧の伝統的なナイフがプーッコナイフ(※)です。
ブレードが対象に対して自然に沿うような、素直な特性のスカンジエッジのブレードで工具鋼を使用し、材質の粘り強さと研ぎやすさを両立しています。アウトドアナイフワークを身につけるのにはうってつけです。
ハンドル材も白樺のコブ材などを使用しているため、美しい仕上がりです。長く使える一本を探しているならこのナイフがおすすめ。
比較的安価にもかかわらず作りがしっかりしていて、サイズ展開にもバリエーションがあるので、手の小さなひとでも気軽に使うことができます。
(※)フィンランドの伝統的なハンティングナイフ

ハードに使えるフルタングナイフ
特筆すべきは衝撃にすぐれたハンドル材ウルトラミッドを採用していることです。このハンドルにはカラーバリエーションがあり、好みでアレンジも可能です。
紐などを通せるスリングホールもあり、手からの脱落防止にもなります。ブレード特性も素直で扱いやすく、切れ味も持続するクロム含有量が多い鋼材を使用しています。
刃の先端に向けてゆるく落ちていく形状のドロップポイントで、ハンティングからキャンプまでこなすオールラウンダー的ナイフです。
ブレードはパウダーコーティングが施され、炭素鋼でもサビに強い仕様となっています。ワイルド派におすすめのナイフです。
おすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする アウトドアナイフの売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでのアウトドアナイフの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
アウトドアナイフで外遊びをさらに楽しもう
あらゆる屋外シーンで活躍する、アウトドアナイフ。使いやすい商品を選ぶには、手になじむかどうかがポイントです。
また、初心者なら刃の長さが約10cmのものが使いやすいでしょう。ラバーや天然木など、グリップ素材もさまざまなので今回ご紹介した選び方を参考に、おすすめ商品の情報などもチェックしながら、用途に合ったアイテムを選んで、より快適なアウトドアライフを楽しんでくださいね。
【関連記事】アウトドアで役立つおすすめ商品はこちら!
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ブッシュクラフト、狩猟、ULスタイル、沢登りなど様々なアウトドアに取り組む。海外生活の経験もあり銃器やトイガンにも造詣が深い。 アウトドア料理やビンテージアウトドアアイテムのレストア、道具作りにも造詣が深く自作アイテムのみでの山行も行う。 フェールラーベンのアンバサダーとしても活動している。