ツェルトとは? ポールがない・雪山の必需品
ツェルトとは、雪山登山時のビバーク(緊急避難時の露営)や休憩、簡易トイレとして使用するシェルターです。ポールがないものがほとんどで、収納時の大きさは350ml缶ぐらいと非常にコンパクトです。
ツェルトの選び方 山岳写真家が解説!
山岳写真家の荒井裕介さんに、ツェルトを選ぶときのポイントを教えてもらいました。
軽量・コンパクトサイズを選ぶ
1~2人用。なかで食事したり、着替えたり、用を足したりといった目的で使用するとよい。
ツェルトはテントとは用途が異なり、非常時に使うものです。また、最大の魅力のひとつが軽量であるという点です。できる限り荷物にならない軽量でコンパクトなものを選びましょう。
結露対策ができているものを選ぶ
ワンポールで組み立てられるトレイルランナー向けツェルト。
ツェルト使用すると、呼吸や蒸発した水蒸気によって湿度が上がり、結露が生じます。とくに雨天時や冬場の低温・高湿度の状態は結露しやすい状態です。結露は凍結の原因になったり、シュラフがびしょ濡れになり、不快指数が上がります。ツェルトを選ぶ際は、結露防止ができるものをえらぶようにしましょう。
使用目的に合ったものを選ぶ
透湿生地を採用し、前後にベンチレーションを装備。結露対策が強化された1人用ツェルト。
ツェルトにも様々な形・サイズがあり、100g程度しかない1人用のものから、300g前後の3人が横になれるサイズのものまであります。人数や目的を確認してから購入しましょう。
機能性で選ぶ
240g・1~2人用。防湿防水素材を使って機能性を高めつつ、内側の快適さも追求しているツェルト。
ワイルドライフクリエーター、山岳写真家
ツェルトとは何か。 語源はドイツ語のツェルトでテントをさします。しかし、現代でのツェルトは簡易型テント、シェルターのことを意味します。ULやファストアンドライトなどの装備を軽量化し行動を快適化しる概念がポピュラーになり、山岳エリアでも積極的にツェルトの使用が進み緊急時のお守り的な存在から縦走の装備にも選ばれるようになりました。
フレームを代用し、軽さと張り方のバリエーションにアレンジが効くのがツェルトです。両開きのドア、透湿防水、軽さなどシーンに合わせて機能を選択して選ぶとよいでしょう。
リフター(張り綱用の支点)の数で選ぶ
耐水圧を下げることで、透湿効果を最大限に引き出すよう設計されたツェルト。
ワイルドライフクリエーター、山岳写真家
ツェルトを選ぶ際に形状ではなく機能に注目することになるのですが、機能とは素材やドア数、重量だけではなく「リフター」の数に注目するのも重要です。両開きのものであれば前後にドアがあるので展開してタープのように使用できるよう多くリフターが設けられています。
また、左右の屋根やリッジライン(天井)にもリフターがあるものがあります。こうしたリフターの数でバリエーションや強風時の補強が決まります。ぜひリフターの数にも注目して選んでください。
ツェルトはサブテントとして選ぶ
ARAI TENT(アライテント)『ビバークツェルト ソロ』
ワイルドライフクリエーター、山岳写真家
多くのツェルトはフロアが開けられ、積雪期などは特にアイゼンを外さなくても休憩がとれます。また、緊急時はこうした特性を利用して被って雨風をしのぐことも可能になります。ツェルトの最大のメリットはその用途やバリエーションにあると言えるでしょう。
ベーステントにドームを使用しツェルトをアタックテントやサブテントとしてピークハント(頂上を目指す登山)を目指すのもありです。その際は、重量とサイズに注目して必要最低限の機能にとどめるとよいでしょう。
進化し続けるツェルト 山岳写真家からのアドバイス
ワイルドライフクリエーター、山岳写真家
各メーカーともに、緊急時のビバーク(野宿)を想定して販売しているツェルトですが、テントと同様の使い方も可能です。
近年、様々な機能素材が開発され、テントもツェルトもその垣根が曖昧になる程進化してきました。しかしながら、厳冬期の独立峰などでの設営は、テントを含め経験が必要になります。山域やスタイル、状況に応じて選択することをおすすめします。
テント泊に慣れ、さらなる冒険の扉を開く道具として、緊急時に落ち着いて対処出来る道具として機能、重量、軽快さに注目してツェルトを選んでみるのも、スキルアップや楽しみにつながります。ぜひ、各メーカーが力を入れている機能や使いやすさを吟味して選んでみてください。
【350g以下】ツェルトおすすめ7選 携帯性重視! 大人1~3名向けモデル
ここまで紹介したツェルトの選び方のポイントをふまえて、山岳写真家の荒井裕介さんに選んでもらったおすすめ商品を紹介します。

finetrack(ファイントラック)『ツェルト2ロング』

出典:Amazon
重量 | 340g |
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収容人数 | 2〜3人 |
サイズ | 幅100×奥行220×高さ95cm |
素材 | 15dリップストップナイロン(ポリウレタン防水透湿コーティング) |

HERITAGE(ヘリテイジ)『トレイルシェルター』

出典:Amazon
重量 | 280g(ペグ2本込、乾燥時平均) |
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収容人数 | 1人~2人 |
サイズ | 幅105×奥行256×高さ90cm |
素材 | 15Dナイロンリップストップ、透湿ポリウレタンコーティング |

oxtos(オクトス)『NEW透湿防水ツェルトライト』






出典:楽天市場
重量 | 345g |
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収容人数 | 1〜2人 |
サイズ | 幅100×奥行200×高さ100cm |
素材 | 15Dリップストップナイロン |

ARAI TENT(アライテント)『ビバークツェルト1 ロング』

出典:Amazon
重量 | 240g |
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収容人数 | 1〜2人 |
サイズ | 幅80×奥行210×高さ90cm |
素材 | 15dnリップストップナイロンPUコーティング |
finetrack(ファイントラック)『ツェルト1』








出典:Amazon
重量 | 230g |
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収容人数 | 1~2人 |
サイズ | 幅80×奥行200×高さ90cm |
素材 | ナイロン(PU防水透湿コーティング) |
HERITAGE(ヘリテイジ)『エマージェンシーツェルト』




出典:楽天市場
重量 | 260g |
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収容人数 | 2人(横並びで3人可) |
サイズ | 幅80×奥行190×高さ90cm |
素材 | 15dnリップストップナイロン(透湿PUコーティング) |
ARAI TENT(アライテント)『スーパーライト・ツェルト1』

出典:Amazon
重量 | 280g |
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収容人数 | 1人 |
サイズ | 幅90×奥行200×高さ90cm |
素材 | 28dnリップストップナイロン(PUコーティング) |
【100g台】超軽量ツェルト3選 可能な限り荷物を軽くしたい人に!
ここからは100g台の超軽量ツェルトをご紹介します。畳めば缶ジュースほどのサイズになる、コンパクトサイズ。非常用にぜひ1つは持って行きたいアイテムです。
ARAI TENT(アライテント)『ビバークツェルト ソロ』








出典:Amazon
重量 | 105g |
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収容人数 | 1人 |
サイズ | 幅80×奥行70×高さ90cm |
素材 | 15dnリップストップナイロン(PUコーティング) |
finetrack(ファイントラック)『ピコシェルター』

出典:Amazon
重量 | 120g |
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収容人数 | 1~2人 |
サイズ | 幅75×奥行120×高さ95cm |
素材 | ナイロン(PU防水透湿コーティング) |
Juza Field Gear (ジュウザ・フィールドギア)『エム・シェルター1 ウルトラ・ライト』














出典:Amazon
重量 | 170g |
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収容人数 | 1~2人 |
サイズ | 幅60×奥行120×高さ90cm |
素材 | 20Dリップストップナイロン |
「ツェルト」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする ツェルトの売れ筋をチェック
Yahoo!ショッピングでのツェルトの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
ツェルトに関するQ&A よくある質問
ツェルト泊のメリット・デメリットは?

ツェルト泊のメリットは、軽さと小ささ。デメリットは結露しやすく風に煽られる点です。
テント泊のメリット・デメリットは?

テント泊のメリットは快適性。丈夫で濡れることもありません。デメリットは重量と携帯性です。
【関連記事】そのほかのテント関連商品 軽量テントから設営に必須のアイテムまで
ツェルトの選び方のポイントをおさらい
1.利用シーンに合わせて機能性を確認
2.リフターの数にも着目して選ぶ
3.サブテントとして、最低限の機能でサイズ、重量を重視する
サブテントとしてや、かぶれば防寒具にもなるツェルト。緊急時に持っているととても心強いアイテムです。携帯性の高さを重視して、持ち運びやすいものを選びましょう。
※「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。
※商品スペックについて、メーカーや発売元のホームページなどで商品情報を確認できない場合は、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。
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※2021/01/18 コンテンツ修正のため記事を更新しました。(マイナビおすすめナビ編集部 名原広雄)
ブッシュクラフト、狩猟、ULスタイル、沢登りなど様々なアウトドアに取り組む。海外生活の経験もあり銃器やトイガンにも造詣が深い。 アウトドア料理やビンテージアウトドアアイテムのレストア、道具作りにも造詣が深く自作アイテムのみでの山行も行う。 フェールラーベンのアンバサダーとしても活動している。