軽量登山用テントの選び方 山岳写真家に聞く
山岳写真家の荒井裕介さんに、軽量登山用テントを選ぶときのポイントを教えてもらいました。テント選びが初めてだと、色や重量を重視してしまいそうです。体験者でなくてはわからない、実用上のポイントもご紹介いただいているので、ぜひチェックしてみてください。
「シングル」「ダブル」ウォールのメリット・デメリット
登山用テントには、大きく分けて「シングルウォール」と「ダブルウォール」の2種類があります。それぞれメリットとデメリットがありますので、その点を把握したうえで選びましょう。
シングルウォール
【メリット】
シングルウォールの特長は入り口が1枚壁で軽量である点です。透湿防水素材のやや厚みのある生地が使われており、コンパクトに収納できます。携帯性と設営のしやすさが売りです。
【デメリット】
前室がない分、雨の日には濡れたまま室内に入らざるをえません。また、結露しやすいという点もデメリットのひとつ。
ダブルウォール
【メリット】
透湿性のあるインナーテントと防水性のあるフライシートの2重構造が特長のダブルウォール。前室がある分、シングルウォールと比べ快適性があり、濡れたまま室内に入ることなく済みます。
【デメリット】
シングルと比べ、設営の手間と重量があります。
「自立式」「非自立式」のメリット・デメリット
テントには自立式と非自立式があり、それぞれメリットとデメリットがあります。どちらのタイプが目的に合っている考慮して選びましょう。
自立式
【メリット】
骨組みとして張ったポールのみで設営できるテントです。ペグやローブなどを打たなくても簡単に設営できるのがメリットです。
【デメリット】
風の影響を受けやすいのがデメリットです。
非自立式
【メリット】
ペグやトレッキングポールなどを使って設営するタイプのテントで、軽量かつ耐久性があるのが特長です。
【デメリット】
自立式と比べて設営に手間がかかります。
雨や風に強いものを選ぶ
山は気候が変わりやすく、暴風雨に見舞われた際のことも考えておく必要があります。そのため、雨に強い素材で耐久性のあるものを選ぶようにしましょう。
日本のテント場で使うなら入口の向きにこだわろう!
インナーフレーム方式で居住空間を最大限に利用できる居住性にすぐれたテント。
ワイルドライフクリエーター、山岳写真家
アルプスなど多くのテントサイトでは、出入口がテントの短辺側にドアがあるものを選択することをおすすめします。稜線上の限られたスペースにテント場があることも多く、ハイシーズンのテントサイトではテントがびっしり並びます。短辺側にドアがあると、狭い稜線上でのビバークやテラスでも設営できるのでおすすめです。
長辺にドアがあるものは、調理などの作業性や居住性もよく快適ですが、限られたスペースを安全かつ最大限利用するのもテント選びには重要です。
また、強風のときには風を受ける面積が少ない部分(短辺側)にドアがあると風の影響を受けにくくなり安全性が上がります。
季節に合わせて選ぶ
超軽量でコンパクトなのが特徴のカミナドーム。
テントには、春・夏・秋の3シーズンテントと冬の使用時も想定した4シーズンテントがあります。
3シーズンテント
夏の使用を目的としているため、通気性と防水性を重視しています。そのため、気温の低い季節には向いていません。
4シーズンテント
外気の侵入を防ぐ設計でベンチレーション(換気)を装備し、保温性があるのが特徴です。
使用人数+1人分のサイズを選ぶ
実際に使用するときは、使用人数とは別に荷物のスペースのことも考えておく必要があります。したがって、実際の人数+1人分のスペースで考えて選ぶようにしましょう。
軽量登山用機能とねらう山域、季節のバランスを把握して 山岳写真家からのアドバイス
ワイルドライフクリエーター、山岳写真家
オールシーズン使えるテントといっても、どの山域でいつ使用するかを考慮することも大事です。低山をのんびり楽しみたいのか、厳冬期のアルプスを狙うのかによって必要な性能は大きく異なってきます。
まずはテント泊に慣れることが目的なら3シーズン対応の軽量テントやコスパ重視でいいでしょう。徐々にステップアップするのであれば、拡張性を考えてオプションがあるモデルを選ぶのも手です。
また、テント以外の装備を見直すことで快適性や居住性を高めることも可能です。スリーピングマットやシュラフ、レイヤリングにこだわるのもいいでしょう。
個人装備を軽量化できる現代の登山だからこそ、テントを選ぶ楽しさがあります。そのためにも自身のターゲットとするフィールドをよく把握してください。ただし、ビギナーはダブルウォールから選んだ方がよいでしょう。
軽量登山用テントのおすすめ7選 重量・サイズをチェック!
上で紹介した軽量登山用テントの選び方のポイントをふまえて、山岳写真家の荒井裕介さんに選んでもらったおすすめ商品を紹介します。それぞれの特徴が簡潔にまとめられているので、自分の用途との相性がとてもわかりやすくなっています。

アライテント『エアライズ2』

出典:Amazon
重量 | 1,550g |
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サイズ | 高さ105cm x 横幅130cm x 奥行き210cm |

Black Diamond『ファーストライト2P』










出典:Amazon
重量 | 1,445g |
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サイズ | 高さ106cm x 横幅122cm x 奥行き208cm |

finetrack『カミナドーム1』








出典:Amazon
重量 | 1,280g |
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サイズ | 高さ100cm x 横幅205cm x 奥行き90cm |
超軽量のソロテントならこれだ!
一般的なソロクッカーセットと同サイズに収納可能なコンパクトなソロテントです。じゅうぶんな居住性を確保しているのにコンパクトに収納できるのは魅力ですよね。
また、強度を保つために力のかかる部分にダイニーマテープが骨格のように施され強度が高い作りがうれしいですね。
ソロテントでありながら全室に50cm x 90cmの空間があり、靴や濡れたものを室内に持ち込まなくて済むので悪天候時には便利な機能ですね。冬季用のフライなどオプションも充実しており、4シーズン使えるので最初のテントとしても安心して使えます。本格的山岳テントとしても、低山縦走の装備としてもおすすめのテントです。

Big Agnes 『フライクリーク HV UL1』










出典:Amazon
重量 | 765g |
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サイズ | 高さ97cm x 横幅97cm x 奥行き218cm |

MSR『Carbon Reflex Tent 1』
![MSRCarbonReflex(カーボンリフレックス)1人用テント[並行輸入品]](/assets/loading-gif-831efa60fcaad8b543579bb1809cf3a0cded0accde7b020d68cf390d70415d6c.gif)
出典:Amazon
重量 | 790g |
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サイズ | - |
本体660g! 超軽量を登山テントをお探しなら
本体660g、ポールなどを入れても790におさえた『Carbon Reflex』。カーボンポールを最小限の本数にとどめ、極薄生地により、軽量化を実現。まるでタープのように軽量な非自立式ダブルウォールテントです。付属のフライシートにはファスナーも使わない徹底ぶり。入口を固定するのはベルクロと小さなフック。
コンパクトではありますが、インナースペースは、通気性が高く快適かつ開放感のあるマイクロメッシュ素材を採用。立ち上げると、フロアはバスタブ状をしており、デッドスペースをなくした設計になっています。また、別売のフットプリントを使うことで、フライシートとポールのみでの設営も可能となっています。

Sutekus『コンパクト 迷彩柄 キャンプテント』
















出典:Amazon
重量 | 920g |
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サイズ | 高さ85cm x 横幅200cm x 奥行き100cm |
HERITAGE『クロスオーバードーム<2G>』






出典:Amazon
重量 | 700g |
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サイズ | - |
「軽量登山用テント」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする 軽量登山用テントの売れ筋をチェック
Yahoo!ショッピングでの軽量登山用テントの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
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※2020/11/24 コンテンツ追加・修正のため記事を更新しました。(マイナビおすすめナビ編集部 名原広雄)
ブッシュクラフト、狩猟、ULスタイル、沢登りなど様々なアウトドアに取り組む。海外生活の経験もあり銃器やトイガンにも造詣が深い。 アウトドア料理やビンテージアウトドアアイテムのレストア、道具作りにも造詣が深く自作アイテムのみでの山行も行う。 フェールラーベンのアンバサダーとしても活動している。