シェーブルの選び方 フランスチーズのエキスパートに聞く
フランスチーズのエキスパート・山田好美さんに教えていただいた、シェーブルを選ぶときのポイントを紹介します。
フォルムが独特なシェーブルから食べてみるのがおすすめ
シェーブルチーズはその名の通り、山羊(ヤギ)乳製のチーズのこと(シェーブルはフランス語で山羊という意味)。山羊乳は牛乳よりも酸味が強く、熟成の若いチーズではさわやかな味わい、熟成が進むと複雑なコクのある味わいに変化していきます。
フランスのロワール河流域がシェーブルの故郷となったと言われ、数多くのチーズが作られてきました。中でも表面に木炭の粉をまぶしたヴァランセやサントモール・ド・トゥーレーヌ、熟成の違いで食べ比べも楽しめるシャヴィニョルなど、フォルムが独特なチーズから食べてみることをおすすめします。
苦手な方でも楽しみやすいシェーブルサラダ
シェーブルチーズは、そのままでももちろんおいしくいただけますが、加熱すると食感が変化して、より食べやすくなります。
本場フランス・パリのカフェで人気のシェーブルサラダは、サントモールブランと呼ばれる薪(まき)の形のシェーブルチーズを輪切りにして、薄くスライスしたバゲットに乗せて、オーブントースターで軽く焼きます。それをサラダの上に重ねて食べるシンプルな料理ですが、味わいがとてもよくなり、シェーブルチーズが苦手な方にもおすすめの食べ方です。
シェーブルには国産も、北から南までチーズ工房は多数
本場はフランスですが、日本国内のチーズ生産者もシェーブルに挑戦しています。山羊は暑さにも寒さにも強いという特性があり、北は北海道から南は沖縄県まで全国で飼育が可能で、しかも雑食という利点があります。
北海道のランラン・ファームや栃木県の今牧場、長野県のボスケソ、広島県の三良坂フロマージュなど、注目されているチーズ工房は多数。日本国内ですから、製造の現場を見に行くことができるのも楽しみの一つです。
シェーブルの旬は5月から11月、店頭に並ぶのは春先
一般的に、牛は一年中ミルクを出すので、牛乳製のチーズは年間を通して安定的に供給されています。一方、山羊は搾乳(さくにゅう)の時期が決まっています。
シェーブルチーズが作られるのは春先の出産後で、5月から11月くらいまでの限定期間。つまり旬があるチーズです。春先になると、店頭にはシェーブルチーズが並びます。
シェーブルおすすめ5選 フランスチーズのエキスパートが厳選
以下では、選び方のポイントをふまえて山田さんに挙げていただいた、おすすめのシェーブルをご紹介します。

饅頭型でワインにもよく合うシェーブル
フランスシェーブルチーズの代表的な一品。60gの小さな饅頭(まんじゅう)型で、その丸っこい形状が馬の糞(クロタン)や小さな素焼きランプ(クロット)に由来して、クロタンと言われています。
若いうちは酸味がさわやかでしっとりとしたくせのない味わいですが、熟成が進むとホクホクとした食感で複雑な味わいに。どちらも個性があってワインのお供にぴったりですよ! また半分にカットして薄くスライスしたバゲットに乗せて、オーブントースターで軽く焼き、サラダと一緒に食べるのもおすすめです。
味わい深いフランス産のシェーブルチーズ
山羊独特の風味や味わいのあるフランス産のチーズで、ジャムやフルーツとの相性が抜群です。野菜との相性も良く、サラダに添えても美味しく食べられます。
また、見た目も円柱型や饅頭型、ピラミッド型等の様々な形があり、真っ白な断面は美しさが映えます。ホロホロと崩れるような柔らかな質感で、慣れると病みつきになること間違いなしのチーズです。
優しい味わいの山羊のミルク
クリーミーな味と濃い匂いのあるチーズで、一度ハマるとクセになってしまうシェーブルチーズの魅力を体現したような一品です。中はしっとりとしていて、優しいミルクの味わいと外皮のピリッとした風味は、ワインのお供にピッタリです。
シェーブルチーズの中でも特に個性の強さを感じさせるチーズとして人気のあるロンダンシェーブルは、小さめのサイズなので初心者にもおすすめです。
さっぱりした味ともっしりした触感の組み合わせ
大分県東部の海岸近くにある「木村山羊牧場」で、このチーズは作られています。そのまま食べたり、パンやピザに乗せて焼いて食べたりするほか、お肉や魚料理などの素材としても活用できます。
ミネラルが豊富に含まれた草を食べて育ったヤギ達のミルクで作られたチーズは絶品です。シェーブルチーズ初心者にも食べやすいように作られており、お買い求めしやすい価格設定を含めてぜひお試しいただきたい一品です。
変わった形のシェーブルチーズ
ピラミッドの頂上を切り落としたような形をしているシェーブルチーズ。エジプト遠征に失敗したナポレオンが、腹いせにピラミッド形のチーズのてっぺんを切り落としたという逸話からきているそうで、味とともに歴史的背景も楽しめます。
ほかにも、ホロホロと崩れやすいやわらかい質感や、美しい断面の白さも特徴です。ジャムやフルーツ、野菜などとも相性が良いので、さまざまな料理やシーンで使ってみて下さい。
「シェーブル」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする シェーブルの売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場でのシェーブルの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
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フランスチーズのエキスパートからアドバイス
まずはフレッシュタイプのシェーブルから挑戦してい
一般的に春先から晩秋(5月から11月くらい)までという旬のあるシェーブルチーズ。本場フランスの味わい深い伝統的なチーズだけでなく、日本国内でも生産されていますのでたくさんの種類を食べ比べできるのも魅力です。旬を知って楽しめるチーズって素敵ですよね!
「山羊チーズは少し臭みがあって……」という方は、まずフレッシュタイプなどから始めて、徐々にコクのある熟成の進んだものを試してみてはいかがでしょうか。またシェーブルに合わせる飲み物を工夫して、新たな発見をするのも楽しいですよ。
酸味のあるソーヴィニヨン・ブランの白ワインや、ピノ・ノワールの赤ワインなどは味わいのマッチングが素晴らしいですし、ミルクティーなどもよく合います。ぜひ、試してみてくださいね。
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ワインスクール「レコール・デュ・ヴァン」チーズ&ワイン講師。 英仏語講師歴20年以上。語学留学以来フランスのチーズとワインの魅力の虜となり以降ワインとチーズの資格を取得し ワイン&チーズ講師としても活動を続けています。近年は国内の生産者の動向にも注目し応援しています。