ロードバイク用ライトの選び方
自転車ライターの浅野真則さんのアドバイスをもとに、ロードバイク用ライトの選び方を紹介します。ポイントは下記の6つ。
【1】ルーメンやカンデラ(明るさを表す数値)
【2】ライトの色
【3】バッテリー方式
【4】取りつけ方法
【5】防水性能
【6】ライトの軽さ(重量)
上記のポイントをおさえることで、より具体的に自分に合うロードバイク用ライトを選ぶことができます。代表的なメーカーなどもあわせてご紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
【1】暗い夜道ならば300ルーメン以上のライトを装着
自転車は、道路交通法上は軽車両として扱われます。ライトは自転車への装着が義務づけられていませんが、夜間の走行およびトンネル内のような見通しが悪い道路を通行するときには必ずライトを点灯しなければなりませんので、実質的にライトの装着が必須となります。
ヘッドライト(前方を照らすライト)は10m先のものがはっきり見えるよう明るく照らすことができるもので、光の色は白か淡黄色でないといけません。また、メインのライトは点滅ではなく、必ず点灯させる必要があります。
ライトのカタログには、点灯モードの種類とともに、モードごとのルーメンやカンデラ(明るさを表す数値)が記されています。ルーメンは光源から出る全体の光の強さ、カンデラは一定方向への光の強さを示しますが、どちらも数字が大きい方が明るいです。都心部など、夜でも比較的明るい場所なら100~200ルーメン程度のライトでもじゅうぶんですが、街灯が少ない暗めの場所を走るのなら300~400ルーメン以上のライトを装着しておくことが望ましいです。
【2】ライトの色をチェックしよう
自転車のライトの色は、各都道府県ごとの道路交通法によって定められています。基本的に、フロントライトは白色または淡黄色、テールライトは赤色または橙色とする都道府県がほとんどです。
全国でルールが統一されているわけではないので、ライトを購入する前に、お住まいの都道府県が定める色を確認するようにしてください。
【3】バッテリー方式を選ぶ
電池式の自転車用ライトのバッテリーは、充電式と乾電池式の2タイプがあります。それぞれのメリットとデメリットを確認しておきましょう。
明るさにすぐれた「充電式」
電池式の自転車用のライトは、充電池を内蔵しているタイプと乾電池式のものがあります。充電池を内蔵しているものは、乾電池式と比べてライトがとても明るいのが特徴です。
充電時はUSB接続で充電するものが多いですが、外出先で電池が切れてしまうと基本的に充電することができません。モバイルバッテリーなどで充電は可能ですが、充電に時間がかかるのが難点です。また、バッテリーが劣化してきた場合には、基本的にライトを買い換える必要があります。
なお、一部の製品ではバッテリーがカートリッジ式になっているものもあり、予備のバッテリーを携行すれば外出先でも入れ替えることができるので、夜間に長時間走る必要がある人にはおすすめです。
手間なく使える「乾電池式」
乾電池式のものは、電池が切れてもコンビニなどで電池を購入するか、あらかじめ予備の乾電池を用意しておけばいいので安心です。バッテリー交換さえすれば、すぐに使えるようになるのが乾電池式の強みです。
しかし、充電池内蔵式のものと比べるとライトの明るさでは劣りますし、サイズや重量が大きくなりやすいという欠点があります。
ポイント:ロードバイク用ならば電池式のライトを選ぶ
自転車につけるライトの稼働時間は、内蔵している電池の容量とライトの明るさによって決まります。軽快車(いわゆるママチャリ)でよく見られる、走りながら点灯に必要な電源が供給できるダイナモ式は、半永久的に点灯できます。ただ、稼働に負荷がかかるうえに速度で光量が増減するので、ロードバイクには不向きです。ロードバイク用としては電池式のライトを選択しましょう。
たとえ明るいライトでも、バッテリーの持ちがじゅうぶんでないと使うには心許ないですし、長時間稼働しても明るさが足りなければ、あまり意味がありません。
基本的には、明るく長時間照らし続けられるライトが安心ですが、光量と電池容量がともに大きいライトは本体のサイズ・重量が大きくなる傾向にあります。やみくもにハイスペックのライトを選ぶのではなく、どのぐらいの明るさが必要で、どのぐらいの時間ライトを付けながら乗る必要があるのかによって自分に合ったライトを決めるといいでしょう。
【4】取りつけ方法の確認を
ロードバイク用に限らず自転車用のライトは、かんたんに取りつけられるものが多いです。とはいえ、商品によって取りつけ方法が異なるので、購入時に確認しておくといいでしょう。
充電や電池交換をすることを考えると、ライト部分を着脱しやすいものが便利です。また、走行時にガタついたり外れたりしないよう、しっかり固定できるものを選びましょう。
【5】防水性能をチェック
雨の日を想定して、ライトの防水性能を確認することも大事です。防水性能は、「IPX0」~「IPX8」の防水等級であらわされ、数値が大きいほど防水性能が高くなります。
自転車ライトの場合、IPX4~5ほどのものが一般的ですが、より防水性を求めるなら、さらに数値が大きいものをチェックするといいでしょう。なかには、防水性能と防塵機能をそなえたライトもあるので、用途に合わせて選んでみてください。
【6】長距離のロードバイクライドならライトの軽さも重要
ライトの軽さだけを変えても全体重量に対して大きな変化はありませんが、ロードバイクで長距離を走る場合はできるだけパーツの重さを減らして、身体への負担を減らしたいもの。軽くてコンパクトなライトは取り回しもよくて扱いやすい半面、光量や稼働時間が物足りなく感じるかもしれません。光量、稼働時間、サイズと重量を総合的に見ることが重要です。
ロードバイク用ライトの定番メーカー
ロードバイクなどの自転車ライトを取り扱う代表的なメーカーをご紹介します。
キャットアイ(CATEYE)
キャットアイ(CATEYE)は、自転車部品などの開発、製造を手掛ける日本のメーカーです。ライトをはじめ、リフレクター、スピードメーター、サイクルアクセサリーなど、さまざまなアイテムを展開しています。
ライトに関しても、街中での使用に向いたコンパクトなライトから、暗闇のなかでも走行できるハイパワーライトまで品ぞろえが豊富。性能にこだわって選びたい方にもぴったりなメーカーです。
ジェントス(GENTOS)
ジェントス(GENTOS)は、懐中電灯やヘッドライト、バイクライトといったLEDライト関連の製品を多く取り扱う日本のメーカーです。ロードバイクに適したライトも幅広くラインナップしています。
ジェントスのライトはシリーズごとに分かれているので、目的に合わせて選びやすいです。具体的には、すべての機能が自動的に作動する「Fangシリーズ」、広範囲照射の「AXシリーズ」、乾電池モデルの「BLシリーズ」などがあります。
パナソニック(Panasonic)
日本を代表する電機メーカーのパナソニック(Panasonic)。家電製品をはじめ、住宅設備や電動工具など、幅広い分野の製品を手掛けています。
パナソニックのライトのなかで注目したいのが、「かしこいランプ」シリーズ。センサーが搭載されており、暗くなって走るとライトが自動で点灯します。自動で点灯・消灯をおこなうため、ライトのつけ忘れ、消し忘れが気になる方にもぴったりです。
ロードバイク用ライトおすすめ11選
上記の選び方を参考に、実業団エリートツアーの選手としても活躍している、自転車ライターの浅野真則さんと編集部のおすすめロードバイク用ライトを紹介します。

セーフティライトと同期可能なヘッドライト
キャットアイの2019モデルです。最大500ルーメンで2時間連続点灯が可能なヘッドライトの『シンク コア』に、別売のテールライト『シンク キネティック』や、セーフティライト『シンク ウェアラブル』をペアリングさせると、『シンク コア』のスイッチを入れるだけでほかのライトも自動的に点灯させることができます。
ライトのペアリングは専用のスマートフォンアプリで行ないますが、このアプリを使うと各ライトのバッテリーの残量もひと目でわかるという、一歩進んだライトシステムとなっています。ハンドルの太さに関わらず素早く確実に固定できる別売のライト専用の台座『フレックスタイトブラケット』は、ほかのモデルとも共用できるので便利です。

小型軽量ながら最大800ルーメンのパワフルさ
最大800ルーメンのハイパワーな充電池式のLEDライトで、点灯時間は800ルーメンで2時間とじゅうぶんです。カードリッジ式のバッテリーを採用し、予備バッテリーを購入して携行すれば、出先で電池切れになっても交換できます。バッテリーは『ボルト400』など、同社のほかのモデルとも共用可能。さらに、バッテリーが劣化してもバッテリーだけを交換できるので、ランニングコストも安く、長く使えるのも魅力です。
ハンドルの太さに関わらず素早く確実に固定できる別売のライト専用の台座『フレックスタイトブラケット』は、『シンク コア』同様、ほかのモデルとも共用できるので便利です。
バッテリー残量を確認しやすい長時間駆動のライト
最長で20時間という長時間点灯を可能とする自転車ライトです。電源ボタンのインジケータで常にバッテリー残量を見ることができるので、充電のタイミングを逃すことなく使用できます。
防水性にもすぐれているので、雨の日でも安心して自転車ライフを満喫できます。装着はハンドルに腕時計のようにつけるだけなので、かんたんに使用可能です。

乾電池式で小型、しかも明るい
小型軽量で手軽に使える乾電池式ヘッドライトです。電源は単3形アルカリ乾電池2本なので、もし走行中に電池が切れてしまっても、コンビニなどで容易に代わりの電池が手に入るのが魅力。
800カンデラと従来のモデルと比べて明るさが2倍になっているのも特徴で、明るさが400カンデラになるまで10時間の連続点灯を可能とし、点滅モードなら最大250時間稼働できます。
街灯で比較的明るい都心部を走る際のメインライトとしてだけでなく、ハイパワーライトのサブライトとして活用するのもおすすめです。別売の専用台座『フレックスタイトブラケット』対応モデルです。

LEZYNE(レザイン)『マクロドライブ 1100XL リモートキット』
リモートスイッチで手元操作が可能
レザインのハイパワーLEDライト『マクロ ドライブ1100XL』にリモートスイッチ対応モデルが登場しました。リモートスイッチを本体後ろのコネクターに接続すると、手元のスイッチでライトの操作が可能になります。
ベースとなる『マクロ ドライブ 1100XL』は、650ルーメンで2.5時間、450ルーメンで4.5時間の連続点灯が可能ですが、重量も軽く、ロードバイクに装着しても違和感がありません。シリコンバンドで簡単に取り付け・取り外しが可能なので、コンビニ休憩時などに簡単に外せるのも良い点です。

明るさを自動調節するスマートライト
周囲の明るさに応じて日中はデイフラッシュ、暗い場所に行くとライトが自動点灯するなど、ライトの点灯モードや明るさが自動調節できるスマートライトです。
スマートライトとして使うには、別売の『サイクルコンピューター・エッジ』シリーズの対応モデルとペアリングしなければなりませんが、ライト単体で使うことも可能です。『バリア UT800』は最大800ルーメンで1.5時間の連続点灯が可能なハイパワーLEDライトでもあります。
電池残量20%以下になればスイッチ点灯でお知らせ
コンパクトな軽量モデルの自転車ライト。脱着がラバーバンドを取りつけるだけなので手軽です。左右に180度の角度を調整できるので、あらゆるシーンで利用可能。
「ハイ」「ロー」「点滅」「デイタイムハイパーコンスタント(常時点灯+点滅)」の4つのモードを備えています。シンプルなデザインもおしゃれな印象です。
最大20時間照射!フロントとリアのペアセット
シリコンボディのデザインが特徴的なLEDライト。回転式マウントを採用しているので、左右に角度を調整できます。
バッテリーは最大で20時間持続。長時間の走行でもバッテリー残量にストレスを感じることがなさそうです。ストラップもシリコン製で着脱がとてもかんたん。フロントライトとリアライトのペアセットです。
着脱簡単な耐水性ライト
簡単に着脱できて盗難の心配がないマウントタイプです。耐水性のため、外出先での急な天候の変化にも対応でき、低価格帯ながら機能性のある自転車用ライトです。4段階に調節可能な取付用の専用バンド、コンパクトなminiUSBケーブルも付属しています。
夜間に最適!3段階調光モード防水LEDライト
bestoreの防水LEDライトは、夜間の運転でも安心の明るさ、800ルーメンLEDを3つ搭載!暗くても周囲が見やすく、対向車や歩行者にしっかり存在を知らせられます。調光モードは、フラッシュ、ハイビーム、ロービームの3段階。状況に応じて切替え可能で、無駄な電池の消費を抑えられます。
また、衝撃にも強く、水しぶきOKの防水規格なので、通勤や通学にもおすすめです。本体に出力ポートがあり緊急予備電源になるのも便利ですね。キャンプ、サイクリング、懐中電灯、モバイルバッテリーとしてなど、色々なシーンで活用できるライトです。
ソーラー充電&USB充電可能なロードバイクライト
USB充電とソーラー充電、2種類の充電方法が使える自転車ライトです。太陽光電池パネルが付いているので、日中陽の光に当てておくと充電ができます。スマホなどの充電ができるバッテリー機能もあるので、非常用バッテリーとしても使用可能。
オートモード搭載なので、暗い所ではオン、明るい所ではオフと、ライトを自動的に調節してくれます。面倒な操作が不要なのが嬉しいですね。多機能なライトをお探しの方におすすめのロードバイクライトです。
おすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする 自転車用ライトの売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場での自転車用ライトの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
ロードバイク用のライトは周囲のことも考えて選ぼう
テールライトもつけて、昼間も点灯すると安心
ロードバイクや自転車も、扱いは車と同じ「車両」です。歩行者や周囲のことを考え、前方だけでなく、後方のテールライトもつけて昼間でも点灯するように心がければ周囲も認識できて安心です。天候や服装、周囲の状況によっては昼間でも視認されにくいことがありますので、とくに車道で高速走行をする場合は、安全のためにも点滅ライトなどをつけたほうが安心です。
人通りの多い場所では明るさの調節を
街灯がないような真っ暗な道では最低でも300~400ルーメン程度の明るさ、歩行者が歩いている夜道では200ルーメンまでの明るさが好まれます。
基本的に、ほとんどのライトの光量は調節できます。ハイスペックのライトを使ってはいけないということでありませんが、歩行者が多く、街灯もあってそれほど暗くない道では、意識的にライトの明るさを調節することが歩行者に対する思いやりであり、マナーだといえるでしょう。
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ロードバイク用ライトは安全のために エキスパートからのアドバイス
アクティブセーフティ(事故を未然に防ぐ予防安全)の観点から、夜間だけでなく、ライトを日中も点灯させてドライバーや歩行者からの被視認性を高めるデイライトの重要性も指摘されています。
また、被視認性という観点からはライトは明るいほうが有効です。自転車のライトというとコンパクトさや軽さだけで選んでしまいがちですが、安全のためにしっかりと明るく照らすことができるものを選びましょう。
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