ロードバイク用ライトの選び方
実業団エリートツアーの選手としても活躍している、自転車ライターの浅野真則さんへの取材のもと、ロードバイク用のライトを選ぶときのポイントを紹介します。代表的なメーカーなどもあわせてご紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
【1】暗い夜道ならば300ルーメン以上のライトを装着
自転車ライター
自転車は、道路交通法上は軽車両として扱われます。ライトは自転車への装着が義務づけられていませんが、夜間の走行およびトンネル内のような見通しが悪い道路を通行するときには必ずライトを点灯しなければなりませんので、実質的にライトの装着が必須となります。
ヘッドライト(前方を照らすライト)は10m先のものがはっきり見えるよう明るく照らすことができるもので、光の色は白か淡黄色でないといけません。また、メインのライトは点滅ではなく、必ず点灯させる必要があります。
ライトのカタログには、点灯モードの種類とともに、モードごとのルーメンやカンデラ(明るさを表す数値)が記されています。ルーメンは光源から出る全体の光の強さ、カンデラは一定方向への光の強さを示しますが、どちらも数字が大きい方が明るいです。都心部など、夜でも比較的明るい場所なら100~200ルーメン程度のライトでもじゅうぶんですが、街灯が少ない暗めの場所を走るのなら300~400ルーメン以上のライトを装着しておくことが望ましいです。
【2】ライトの色をチェックしよう
自転車のライトの色は、各都道府県ごとの道路交通法によって定められています。基本的に、フロントライトは白色または淡黄色、テールライトは赤色または橙色とする都道府県がほとんどです。
全国でルールが統一されているわけではないので、ライトを購入する前に、お住まいの都道府県が定める色を確認するようにしてください。
【3】バッテリー方式を選ぶ
電池式の自転車用ライトのバッテリーは、充電式と乾電池式の2タイプがあります。それぞれのメリットとデメリットを確認しておきましょう。
明るさにすぐれた「充電式」
自転車ライター
電池式の自転車用のライトは、充電池を内蔵しているタイプと乾電池式のものがあります。充電池を内蔵しているものは、乾電池式と比べてライトがとても明るいのが特徴です。
充電時はUSB接続で充電するものが多いですが、外出先で電池が切れてしまうと基本的に充電することができません。モバイルバッテリーなどで充電は可能ですが、充電に時間がかかるのが難点です。また、バッテリーが劣化してきた場合には、基本的にライトを買い換える必要があります。
なお、一部の製品ではバッテリーがカートリッジ式になっているものもあり、予備のバッテリーを携行すれば外出先でも入れ替えることができるので、夜間に長時間走る必要がある人にはおすすめです。
手間なく使える「乾電池式」
乾電池式のものは、電池が切れてもコンビニなどで電池を購入するか、あらかじめ予備の乾電池を用意しておけばいいので安心です。バッテリー交換さえすれば、すぐに使えるようになるのが乾電池式の強みです。
しかし、充電池内蔵式のものと比べるとライトの明るさでは劣りますし、サイズや重量が大きくなりやすいという欠点があります。
(※)ポイント:ロードバイク用ならば電池式のライトを選ぶ
自転車ライター
自転車につけるライトの稼働時間は、内蔵している電池の容量とライトの明るさによって決まります。軽快車(いわゆるママチャリ)でよく見られる、走りながら点灯に必要な電源が供給できるダイナモ式は、半永久的に点灯できます。ただ、稼働に負荷がかかるうえに速度で光量が増減するので、ロードバイクには不向きです。ロードバイク用としては電池式のライトを選択しましょう。
たとえ明るいライトでも、バッテリーの持ちがじゅうぶんでないと使うには心許ないですし、長時間稼働しても明るさが足りなければ、あまり意味がありません。
基本的には、明るく長時間照らし続けられるライトが安心ですが、光量と電池容量がともに大きいライトは本体のサイズ・重量が大きくなる傾向にあります。やみくもにハイスペックのライトを選ぶのではなく、どのぐらいの明るさが必要で、どのぐらいの時間ライトを付けながら乗る必要があるのかによって自分に合ったライトを決めるといいでしょう。
【4】取りつけ方法の確認を
ロードバイク用に限らず自転車用のライトは、かんたんに取りつけられるものが多いです。とはいえ、商品によって取りつけ方法が異なるので、購入時に確認しておくといいでしょう。
充電や電池交換をすることを考えると、ライト部分を着脱しやすいものが便利です。また、走行時にガタついたり外れたりしないよう、しっかり固定できるものを選びましょう。
【5】防水性能をチェック
雨の日を想定して、ライトの防水性能を確認することも大事です。防水性能は、「IPX0」~「IPX8」の防水等級であらわされ、数値が大きいほど防水性能が高くなります。
自転車ライトの場合、IPX4~5ほどのものが一般的ですが、より防水性を求めるなら、さらに数値が大きいものをチェックするといいでしょう。なかには、防水性能と防塵機能をそなえたライトもあるので、用途に合わせて選んでみてください。
【6】長距離のロードバイクライドならライトの軽さも重要
ライトの軽さだけを変えても全体重量に対して大きな変化はありませんが、ロードバイクで長距離を走る場合はできるだけパーツの重さを減らして、身体への負担を減らしたいもの。軽くてコンパクトなライトは取り回しもよくて扱いやすい半面、光量や稼働時間が物足りなく感じるかもしれません。光量、稼働時間、サイズと重量を総合的に見ることが重要です。
ロードバイク用ライトの定番メーカー
ロードバイクなどの自転車ライトを取り扱う代表的なメーカーをご紹介します。
キャットアイ(CATEYE)
キャットアイ(CATEYE)は、自転車部品などの開発、製造を手掛ける日本のメーカーです。ライトをはじめ、リフレクター、スピードメーター、サイクルアクセサリーなど、さまざまなアイテムを展開しています。
ライトに関しても、街中での使用に向いたコンパクトなライトから、暗闇のなかでも走行できるハイパワーライトまで品ぞろえが豊富。性能にこだわって選びたい方にもぴったりなメーカーです。
ジェントス(GENTOS)
ジェントス(GENTOS)は、懐中電灯やヘッドライト、バイクライトといったLEDライト関連の製品を多く取り扱う日本のメーカーです。ロードバイクに適したライトも幅広くラインナップしています。
ジェントスのライトはシリーズごとに分かれているので、目的に合わせて選びやすいです。具体的には、すべての機能が自動的に作動する「Fangシリーズ」、広範囲照射の「AXシリーズ」、乾電池モデルの「BLシリーズ」などがあります。
パナソニック(Panasonic)
日本を代表する電機メーカーのパナソニック(Panasonic)。家電製品をはじめ、住宅設備や電動工具など、幅広い分野の製品を手掛けています。
パナソニックのライトのなかで注目したいのが、「かしこいランプ」シリーズ。センサーが搭載されており、暗くなって走るとライトが自動で点灯します。自動で点灯・消灯をおこなうため、ライトのつけ忘れ、消し忘れが気になる方にもぴったりです。
ロードバイク用ライトおすすめ21選
上記の選び方を参考に、実業団エリートツアーの選手としても活躍している、自転車ライターの浅野真則さんと編集部のおすすめロードバイク用ライトを紹介します。

CAT EYE(キャットアイ)『シンク コア』

出典:楽天市場
光量/使用時間 | 500ルーメン/約2時間 |
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充電時間 | 約3~6時間 |
電池方式 | USB充電 |
重量 | 94g |
セーフティライトと同期可能なヘッドライト
キャットアイの2019モデルです。最大500ルーメンで2時間連続点灯が可能なヘッドライトの『シンク コア』に、別売のテールライト『シンク キネティック』や、セーフティライト『シンク ウェアラブル』をペアリングさせると、『シンク コア』のスイッチを入れるだけでほかのライトも自動的に点灯させることができます。
ライトのペアリングは専用のスマートフォンアプリで行ないますが、このアプリを使うと各ライトのバッテリーの残量もひと目でわかるという、一歩進んだライトシステムとなっています。ハンドルの太さに関わらず素早く確実に固定できる別売のライト専用の台座『フレックスタイトブラケット』は、ほかのモデルとも共用できるので便利です。

CAT EYE(キャットアイ)『ボルト800』














出典:Amazon
光量/使用時間 | 800ルーメン/約2時間 |
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充電時間 | 約5~9時間 |
電池方式 | USB充電 |
重量 | 140g |
小型軽量ながら最大800ルーメンのパワフルさ
最大800ルーメンのハイパワーな充電池式のLEDライトで、点灯時間は800ルーメンで2時間とじゅうぶんです。カードリッジ式のバッテリーを採用し、予備バッテリーを購入して携行すれば、出先で電池切れになっても交換できます。バッテリーは『ボルト400』など、同社のほかのモデルとも共用可能。さらに、バッテリーが劣化してもバッテリーだけを交換できるので、ランニングコストも安く、長く使えるのも魅力です。
ハンドルの太さに関わらず素早く確実に固定できる別売のライト専用の台座『フレックスタイトブラケット』は、『シンク コア』同様、ほかのモデルとも共用できるので便利です。
KNOG(ノグ)『PWR ROAD』

出典:Amazon
光量/使用時間 | 600ルーメン/約2.3時間 |
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充電時間 | 3.5時間(PWRバンク) |
電池方式 | USB充電 |
重量 | 125g |
ライトとバッテリーを自由に組み合わせて使える
ノグが2019年モデルで発表したライトのニューモデル『PWR』シリーズは、ライトのヘッド部分と「パワーバンク」と呼ばれるバッテリー部分を自在に組み合わせて使えるモジュラー方式を採用しているのが特徴です。「パワーバンク」はモバイルバッテリーとして使うこともでき、スマートフォンやサイクルコンピューターの充電も可能なほか、ランタンやスピーカーの電源としても使えます。
この製品は、600ルーメンのLEDヘッドライトと3350mAhの「パワーバンク」をセットにしたモデルで、ヘッド部分は進行方向をワイドに照射する独自の楕円ビームのレンズパターンを採用しているため、ナイトライドも安心です。

LEZYNE(レザイン)『マクロドライブ 1100XL リモートキット』

出典:Amazon
光量/使用時間 | 650ルーメン/約2.5時間 |
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充電時間 | 約4時間 |
電池方式 | USB充電 |
重量 | 195g |

GARMIN(ガーミン)『バリア UT800』

出典:Amazon
光量/使用時間 | 800ルーメン/約1.5時間 |
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充電時間 | 約4時間 |
電池方式 | USB充電 |
重量 | 130g |

CAT EYE(キャットアイ)『アーバン』






出典:楽天市場
光量/使用時間 | 400カンデラ/約10時間 |
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充電時間 | - |
電池方式 | 単3形アルカリ乾電池2本 |
重量 | 78g |
INVAVO『自転車ライト 1200ルーメン』

出典:Amazon
光量/使用時間 | 1200ルーメン/3~6時間 |
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充電時間 | 2~3時間 |
電池方式 | USB充電式 |
重量 | 120g |
STREET CAT『自転車ライト』














出典:Amazon
光量/使用時間 | 1000ルーメン/5-6時間 |
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充電時間 | 約5時間 |
電池方式 | USB充電 |
重量 | - |
Gyue『自転車ライト』






出典:楽天市場
光量/使用時間 | 1000ルーメン/約3.5~6時間 |
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充電時間 | 約4~5.5時間 |
電池方式 | USB充電 |
重量 | 約260g |
ATARAXIA『自転車ライト 1200ルーメン』

出典:Amazon
光量/使用時間 | 1200ルーメン/1.3~4.5時間 |
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充電時間 | (約)3.5時間 |
電池方式 | USB充電式 |
重量 | - |
ATARAXIA『自転車ライト 600ルーメン』

出典:Yahoo!ショッピング
光量/使用時間 | 600ルーメン/2.5~6.5時間 |
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充電時間 | 3.5時間 |
電池方式 | USB充電式 |
重量 | 116g |
LIBIQ(リビック)『USB充電式フロントライト 800ルーメン』

出典:楽天市場
光量/使用時間 | 800ルーメン/(約)1時間30分~5時間 |
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充電時間 | (約)3.5時間 |
電池方式 | USB充電 |
重量 | 135g |
CAT EYE(キャットアイ)『VOLT400XC』






出典:Amazon
光量/使用時間 | 100~400ルーメン/2.5~13.5時間 |
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充電時間 | 6時間 |
電池方式 | USB充電式 |
重量 | 95g |
LEZYNE(レザイン)『ミニドライブ 400XL』














出典:Amazon
光量/使用時間 | 15~400ルーメン/1~20時間 |
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充電時間 | ー |
電池方式 | USB充電式 |
重量 | 83g |
LEZYNE(レザイン)『KTVドライブ・ペア』

出典:Amazon
光量/使用時間 | フロント:15~200ルーメン リア:3~10ルーメン/フロント:2~10時間 リア:4.5~12.5時間 |
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充電時間 | 3時間(フロント・リア共通) |
電池方式 | USB充電式 |
重量 | フロント:45g リア:47g |
mujina『自転車用 USB LEDライト』














出典:Amazon
光量/使用時間 | - /4時間 |
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充電時間 | 約2時間 |
電池方式 | USB充電 |
重量 | 85g |
bestore『防水LEDライト』


















出典:Amazon
光量/使用時間 | 800ルーメン/18~40時間 |
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充電時間 | 6~8時間 |
電池方式 | USB充電式 |
重量 | 198g |
Otium『自転車ライト』














出典:Amazon
光量/使用時間 | 800ルーメン/4.5~60時間 |
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充電時間 | 3~4時間 |
電池方式 | USB充電 |
重量 | 142g |
ZEC『自転車用ヘッドライト』












出典:Amazon
光量/使用時間 | -/20時間 |
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充電時間 | 3~4時間 |
電池方式 | USB充電 |
重量 | 140g |
ROCKBROS(ロックブロス)『ソーラーパネル付きヘッドライト』














出典:Amazon
光量/使用時間 | 350ルーメン/5時間 |
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充電時間 | - |
電池方式 | ソーラー充電、USB充電 |
重量 | 145g |
Kensun『USB充電式自転車ライト』














出典:Amazon
光量/使用時間 | 1000ルーメン/3~15時間 |
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充電時間 | - |
電池方式 | USB充電 |
重量 | - |
おすすめ商品の比較一覧表
通販サイトのロードバイク用ライトのランキングを参考にする
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでのロードバイク用ライトの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
ロードバイク用のライトは周囲のことも考えて選ぼう
テールライトもつけて、昼間も点灯すると安心
ロードバイクや自転車も、扱いは車と同じ「車両」です。歩行者や周囲のことを考え、前方だけでなく、後方のテールライトもつけて昼間でも点灯するように心がければ周囲も認識できて安心です。天候や服装、周囲の状況によっては昼間でも視認されにくいことがありますので、とくに車道で高速走行をする場合は、安全のためにも点滅ライトなどをつけたほうが安心です。
人通りの多い場所では明るさの調節を
街灯がないような真っ暗な道では最低でも300~400ルーメン程度の明るさ、歩行者が歩いている夜道では200ルーメンまでの明るさが好まれます。
基本的に、ほとんどのライトの光量は調節できます。ハイスペックのライトを使ってはいけないということでありませんが、歩行者が多く、街灯もあってそれほど暗くない道では、意識的にライトの明るさを調節することが歩行者に対する思いやりであり、マナーだといえるでしょう。
【最後に】現役ロードレーサーのアドバイス
自転車ライター
ロードバイク用ライトは安全のために
アクティブセーフティ(事故を未然に防ぐ予防安全)の観点から、夜間だけでなく、ライトを日中も点灯させてドライバーや歩行者からの被視認性を高めるデイライトの重要性も指摘されています。
また、被視認性という観点からはライトは明るいほうが有効です。自転車のライトというとコンパクトさや軽さだけで選んでしまいがちですが、安全のためにしっかりと明るく照らすことができるものを選びましょう。
ロードバイク用ライトについて8つのポイントをおさらい
1)都心部など夜でも明るい場所なら100~200ルーメン程度
2)暗い夜道なら300ルーメン以上
3)電池式のライトを選ぶ
4)ダイナモ式は速度で光量が増減するため不向き
5)充電池内蔵式はとても明るいが、出先で電池が切れてしまうと基本的に充電できない
6)乾電池式は簡単に電池を購入できるが、サイズや重量が大きく充電池内蔵式に比べ明るさは劣る
7)やみくもにハイスペックのライトにするのではなく、自分の用途に合ったライトを選ぶ
8)ライトは明るいほうが安全のためにも有効
ロードバイク用のライトは利便性や見た目の前に、安全のためのものであることを再度認識しましょう。電池の方式や光量の大きさ、防水防塵性、取りつけのしやすさ、他のライトとの連携など、さまざまな違いがあります。実際にロードバイクで使用するイメージに合わせて、商品を選んでみてください。
【関連記事】そのほかのロードバイクのおすすめ商品はこちら
※「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。
※商品スペックについて、メーカーや発売元のホームページなどで商品情報を確認できない場合は、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。
※マイナビおすすめナビでは常に情報の更新に努めておりますが、記事は掲載・更新時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。修正の必要に気付かれた場合は、ぜひ、記事の下「お問い合わせはこちら」からお知らせください。(掲載:マイナビおすすめナビ編集部)
※2020/12/21 コンテンツ追加のため、記事を更新しました。(マイナビおすすめナビ編集部 加藤佑一)
自転車専門誌やウェブサイトなどで活動する自転車専門のライター。 ロードバイクやサイクルパーツ、サイクルアパレル、自転車用デジタルデバイスなどのインプレッション記事、トレーニング系の記事、ロングライドの実走レポートなどを得意とする。 執筆活動の傍ら、Jエリートツアーの選手としてロードレースやタイムトライアル、ヒルクライムなど幅広いレースに参戦。 自転車版の耐久レース・エンデューロも好きでよく出場している。