ロードバイク用パワーメーターとは サイクルコンピューター(サイコン)と合わせて使用、トレーニングにも
ロードバイクを漕ぐ際に漕ぎ手がどれだけの力でメダルを回したか測定できるのがこのパワーメーターです。漕ぐ力だけでなく、漕いだ角度などさまざまなデータが測定可能でそれを記録して分析することもできます。
ロードバイクの競技をおこなっている人や自転車を使ったトレーニングをしている人におすすめのアイテムになります。
パワーメーターを導入するメリット
ロードバイクに乗る際、パワーメーターを使うと、自分のペースやトレーニングによる数値を可視化できることがメリットになります。FTP(Function Threshold Power)と呼ばれる1時間にペダルを漕いだ出力は重要な数値でこれも確認することが可能です。
初心者よりも中・上級者が自分の能力を知るためにつかう機械といってもよいでしょう。
数値を表示するサイクルコンピューターが必要
実は自転車にパワーメーター単品を取り付けただけでは、なにも測定することはできません。メーターとともに「サイクルコンピューター(サイコン)」を自転車につけなければなりません。
あわせてパワーメーターとサイコンは組み合わせがあり、対応していないサイコンを買ってしまうと二度手間になってしまう可能性もあります。機能が同期できるか確認して購入しましょう。
ロードバイク用パワーメーターの選び方 装着箇所、計測タイプ(クランク型、ペダル型、ハブ型)をみる
ここからは自転車ライターの浅野真則さんへの取材をもとに、ロードバイク用パワーメーターを選ぶときのポイントについてクランク型とペダル型、ハブ型の3つの形状の製品で教えていただきました。ポイントは下記の6つ。
【1】クランク型
【2】ペダル型
【3】ハブ型
上記のポイントを押えることで、より欲しい商品をみつけることができます。さまざまな種類のパワーメーターから、自分のロードバイクに装備して相性がいいものはどれかを考えながら解説を確認してみてください。
【1】クランク型 左右の計測ができるものも、複数台で使うのは不向き
クランク型はペダルから本体をつないでいるクランクやスパイダーアーム(クランクにチェーンリングを装着するアーム)、BBシャフトなどにセンサーを内蔵されているタイプです。
本体のホイール交換をしてもクランク型は使用できます。また、ペダルを踏み込んだとき(ペダリング)の左右のパワーバランスを測定できる製品があるのもメリットのひとつです。
厳密にはクランクやスパイダーアームなどは別の部品ですがクランク周りのため、ここでは総称としてクランク型とよんでいます。
【2】ペダル型 使い勝手がよいが、破損のリスクがやや高い
自転車の起動部といえるペダルにセンサーを内蔵しているのがペダル型パワーメーターになります。メリットとしては取り付けがかんたんなので数台ロードバイクを持っている場合にはすべて付け替えて使用することが可能です。
ペダリング時の左右バランスをはかれるモデルもありますが、1点注意として転倒した際などに外部衝撃を受けやすいので破損する可能性があります。保護する方法なども考えるとよいかもしれません。
ハブ型 計測精度が高いが、左右のパワーバランスは測定できない
ハブ型のパワーメーターは、後輪のハブに取り付けるタイプになります。歴史のあるタイプでパワーメーターの創成期からあります。歴史があるからこそ改良なども進んでおり、測定データの精度が高いのもメリットです。
クランク型やペダル型とは違い、漕ぎ手と直接的に触れ合う部分ではないため、ペダリングのバランスなどが計測できないため、パワー計測などに重きを置いている人におすすめです。
ロードバイク用パワーメーターのおすすめ9選 4iiii、シマノ、ガーミン、パワータップほか、人気のメーカーから厳選
ここまで紹介してきたロードバイク用パワーメーターの選び方のポイントをふまえて、自転車ライターの浅野真則さんと編集部で選んだおすすめ商品をご紹介していきましょう。
パワーメーターのメーカーやこだわりの機能などについてこまかく、そして要点をついてまとめていますので、購入の際の目安としてぜひ参考にしてみてください。
クランクの歪から+/-1%の精度でパワーを測定
取り付けも難しくなく、シンプルな商品です。重量も9gと大変軽量なため、扱いやすいパワーメーターです。

使いまわしが容易なペダル型パワーメーター
ガーミンのペダル型パワーメーター。
左右のペダルでパワーを計測し、パワーや左右のパワーバランスが表示できるほか、ガーミンのサイクルコンピューターと組みあわせて使うと、パワーフェーズ(ペダルに有効なトルクがかかっているクランクの角度がわかる)やPCO(ペダルの踏み面の中心線に対してトルクがかかるポイントが左右にどの程度ずれているかが見れる)も計測できます。これらの独自機能を使えば、ペダリングの改善やクリート位置の調整にも役立てられますよ。
『ベクター3』には、左ペダルのみで計測する『ベクター3S』というモデルもあります。パワーフェーズやPCOをはかることはできないものの、お値打ちな価格でパワー計測が可能です。

楕円チェーンリングでも正確なパワー計測が可能
楕円チェーンリングでおなじみ、ローターのクランク型パワーメーター。
BBシャフトと左クランクの内部に電子部品やバッテリーを内蔵し、左右独立計測を実現しつつ、温度変化にひじょうに強いのが最大の特徴。また、計測精度も高く、プロ選手が3週間3,000km以上のステージレースで使ってもデータの欠損がなく、計測機器として信頼性が高いのも魅力です。
クランクが1周する間に回転速度が変化する楕円チェーンリングでも正確なパワーをはかれ、専用アプリと接続すると最大トルクが発生するクランク角度もはかれるので、ローターの楕円チェーンリング『Qリングス』のセッティングにも使えます。『Qリングス』ユーザーにはとくにおすすめです。
強度があって破損しにくいクランク型製品
クランク型であるこの製品は、左のクランクを交換するだけ使用ができるコストパフォーマンスのよい設定になっています。材料は防弾ガラスと同じ素材を使っているため、飛び石などによるダメージが受けにくい構造です。
さまざまな土地の温度変化もかんたんに補正することができたり、Bluetooth Smartでスマートフォンと連動させてデータのやり取りをすることなどができます。
パワーメーターの定番中の定番
2006年の世界初のワイヤレス式パワーメーターをリリースして以来、機能改善を続けていき、2012年にはパワーメーター業界の基準として確立しました。
PowerTapは業界最高数値の「+/-1.5%」の計測精度で、確かなパワー情報からパフォーマンスを最短距離で高めてくれます。
ハブシェルの捻じれを歪みゲージが検知し、デジタルデータ化と送信を行う電子ユニットが、外付けされて独立したことにより、メンテナンス性が大幅にアップしました。

シマノの純正パワーメーター内蔵クランク
シマノのハイエンドロードバイクコンポーネントであるデュラエースR9100シリーズには、純正のパワーメーター内蔵クランクセットもラインナップされています。
このモデルはシマノの工場でセンサーを組みこんだ状態で販売されるため、純正品ならではのすっきりとした外観と高い品質・精度を実現しているのが魅力。もちろんシマノによる保証が受けられるので安心です。
パワーや左右バランス、ペダリングスムーズネスなど、標準的なクランク型パワーメーターと同じような機能が計測できるので、パワートレーニングの機材としては必要充分。価格も比較的お値打ちです。

数少ないカンパニョーロ対応クランク型PM
ステージズのパワーメーターは、数少ないカンパニョーロ対応のクランク型パワーメーターをラインナップしています。
カンパニョーロユーザーがパワーメーターを使う場合、以前はペダル型かハブ型ぐらいしか選択肢がありませんでしたが、このクランクの登場によってカンパーニョロユーザーのパワーメーターの選択肢が増えました。
ペダルは特定のブランドを使いたい、ハブ型のパワーメーターはホイールが制約されるのでちょっと……と思っていたカンパニョーロユーザーにおすすめです。
精度、制御、一定の進捗の世界に入る限界を再定義
LOOK社は、1984年に「ビンディングペダル」を開発し、サイクリング業界の革命とされました。以来その技術を常に進化させ、安全性とパフォーマンスをもたらしてきました。
強度が高く丈夫で、耐久性が高い「クロムモリブデン」を素材として採用しています。
驚きの使いやすさ、精度、信頼性を実現
「Favero Electronics」は、30年以上電子スポーツ用具を開発してきたメーカーです。
電源センサーがついており、充電式の商品となっています。
おすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする ロードバイク用パワーメーターの売れ筋をチェック
Yahoo!ショッピングでのロードバイク用パワーメーターの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
パワーメーター導入に関するFAQ
ロードバイクのパワーメーターを購入したのはよいけれど、取り付けや設定などはかんたんにできるのだろうかと考える人も多いでしょう。ここではパワーメーターを購入して取り付けすることについての疑問についてまとめました。
購入する前に確認することや取り付け方に関するアドバイスを書いているので導入を検討している人は参考にしてみましょう。
購入したらすぐ使える?

すぐに使えます。パワーメーター自体は本体に取り付けるだけでよいので実走などはすぐにできます。
ひとつやらなければならないこととしては、データ計測をするサイクルコンピューターとセンサーを同期させなければなりません。しかしこの作業も接続部分があっていれば差し込むだけでかんたんに同期できるので心配はいらないでしょう。
充電方法は?

パワーメーターを駆動させる場合、電池を使うタイプと充電式に分かれています。充電式の場合は、途中で電池切れすると交換ができないので、電池切れしても交換できる電池式の方が使いやすいかもしれません。
しかし小型でも充電容量が大きくなってきたバッテリーによって、充電式も使い勝手はよくなっています。通勤などの時にもロードバイクを使う人は、会社で充電が可能であれば充電式を選ぶのもよいでしょう。
海外ブランドの製品は国内正規品を購入しよう! 自転車ライターからのアドバイス
パワーメーターは精密機器です。雨天時の使用や炎天下での使用も考慮されてはいるものの、使い方によっては故障することもありえます。
海外ブランドの製品の場合、国内正規品でないと代理店の保証が受けられないため、修理も国内の代理店経由では受けつけてもらえない可能性が高いです。海外ブランドの製品は国内正規品かどうかを確認してから購入しましょう。
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自分の力を伸ばすためにパワーメーターを導入しよう
ロードバイク用パワーメーターは、競技しているライダーが使いはじめて徐々に浸透しているアイテムです。初心者の場合は、自分の実力を知るため、中・上級者であれば自分のトレーニングポイントを確認するためにパワーメーターを導入してみましょう。
自分の今のレベルをよく考えたうえで3つのタイプから製品を選び、取り付けることで新しい自分の走り方を見つけることができるかもしれません。ぜひ今回の記事を参考に検討してみてください。
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自転車専門誌やウェブサイトなどで活動する自転車専門のライター。 ロードバイクやサイクルパーツ、サイクルアパレル、自転車用デジタルデバイスなどのインプレッション記事、トレーニング系の記事、ロングライドの実走レポートなどを得意とする。 執筆活動の傍ら、Jエリートツアーの選手としてロードレースやタイムトライアル、ヒルクライムなど幅広いレースに参戦。 自転車版の耐久レース・エンデューロも好きでよく出場している。