芋けんぴの魅力とは
カリッとした食感とさつまいものやさしい甘さがクセになる芋けんぴ。さつまいもを細くカットして揚げて、砂糖をまぶしたものが芋けんぴです。ひとつ食べると、ついつい手が止まらなくなってしまうおいしいお菓子ですよね。
本来は高知の郷土菓子。小麦粉に砂糖を加えて棒状にし、焼いたものを「けんぴ」と呼んでおり、さつまいもで作ったものが「芋けんぴ」といわれるようになりました。地域によっては「芋かりんとう」とも呼ばれています。
原料であるさつまいもは食物繊維やビタミンCが豊富で、ほかにもカルシウムやリン、鉄、カロテン、ビタミンB1、B2などミネラルやビタミンに富んでいるなど栄養満点です。
芋けんぴとかりんとうの違いは?
芋けんぴとかりんとうは、カリッとした食感や甘い味は似ていますが、違うお菓子です。芋けんぴはさつまいもを棒状にして、揚げてから砂糖をまぶします。
かりんとうの材料は小麦粉で、棒状にして揚げて黒糖で作った蜜を絡めます。蜜が冷えてかたまるので、カリカリとよい食感に。材料も作り方も違い、それぞれのおいしさがあります。
芋けんぴの選び方
それでは芋けんぴの選び方をチェックしていきましょう。フードアナリスト市岡充重さんに、お話をうかがいポイントを紹介していきます。どんな芋けんぴがあるのか、実際に選ぶ際の参考にしてください。
【1】味で選ぶ
【2】産地で選ぶ
【3】太さや長さで選ぶ
上記ポイントをふまえて、商品を選んでみてください。
それでは説明していきます。
【1】味で選ぶ
芋けんぴといえば、外側に絡められている砂糖の味を思い浮かべる人が多いかもしれませんが、実はいろんな種類があります。
砂糖に次いで定番となりつつあるのが塩味です。あえて砂糖を使わず、さつまいも本来の甘さをいかした商品もあります。青のりや黒ごま、キャラメルといった変わり種もあり、いろいろな味を用意して楽しんでみるのもありです。
定番の糖蜜味
糖蜜とは、砂糖をつくる際に副産物として生じた、とろっとした粘着性の砂糖の液のこと。芋けんぴ定番の甘い味は、この糖蜜を絡めて仕上げたものです。
昔ながらの定番の味を食べたいなら糖蜜味がベター。素材の味をいかした、やさしい甘さを感じられます。同じ糖蜜味でも砂糖の量や種類は異なるので、人それぞれ好みの違いはあるでしょう。また砂糖にこだわっている商品もあります。
人気上昇中の塩味
さつまいものほっこりとした甘さが引き立つのは塩味。砂糖をまぶし、塩もアクセントに加えているため、甘塩っぱい味が特徴です。甘さとしょっぱさ、いいとこ取りした味は「クセになる」とじりじり人気となっています。
また砂糖を控えめにした商品もあります。さつまいもの味をしっかり感じたい、甘さ控えめのお菓子が好きという人には塩味が合っているでしょう。
変わり種も意外とあり!
和風の味つけとして、青のりやごまを加えている変わり種の芋けんぴもあります。香りや風味も強い食材なので、糖蜜味や塩味の芋けんぴとは違う、新しいお菓子のような感覚で味を楽しめそうです。キャラメルで甘みをつけたり、シナモンで香りを豊かにしたりと、オリジナリティあふれる味も。
いつもとは違う味を食べてみたいと思ったら、ぜひ変わり種にも挑戦してみてください。また見た目にも違いがあるので、ユニークで楽しい手土産としても喜ばれそうです。
【2】産地で選ぶ
芋けんぴの原材料であるさつまいもの産地や品種によって、味も変わります。さつまいものおもな産地といえば、九州の鹿児島県や宮崎県など。基本的には国産のさつまいもがよく使われています。
品種としては徳島県の鳴門金時などがよく知られています。紫芋であれば風味に違いがあるのはもちろん、色もまったく違うので視覚的にも楽しいお菓子となるでしょう。また複数の品種を使っている商品もあり、ひとつのパックでいろいろな味を楽しめます。
【3】太さや長さで選ぶ
芋けんぴの商品をそれぞれ見てみると、さつまいもの太さや長さが違うことがわかります。太さや長さは口のなかに入れたときの存在感、噛んだときの食感に関わる大切なポイント。
同じ味や産地、品種だとしても、形が違えば味わいも変わります。ぜひ自分好みの形を探してみてください。
食感を楽しむなら太さに注目
芋けんぴの食感に関わるのが太さです。カリカリッとしたはずむような食感を楽しみたいなら、よくある太さがよいでしょう。食べやすさで選ぶなら細い芋けんぴだと、さくさくっと噛めてよく進みます。また子どもやご高齢の方でも食べやすいのが、細い芋けんぴの魅力です。ガリガリッとかたい食感を楽しみたいなら太めの芋けんぴを選びましょう。
また細長くない、チップスのようにスライスされた形の芋けんぴもあります。揚げて砂糖を絡めているので、味はしっかりと甘い芋けんぴですが、食感の違いを楽しみたいなら異なる形も食べてみてください。
ひと口で食べやすいのは短いサイズ
さつまいものカットの仕方によって、芋けんぴはそれぞれ長さも違います。縦にカッティングされたものはかなり細長いです。一度でじっくりと味わいたい人には長い芋けんぴが向いています。
食べやすさで選ぶなら、一口で食べられるくらいの短めがベター。次々に口のなかに入れて、気軽に食べられます。太さと合わせて、食べやすさや食感などを意識して、自分に合ったものを見つけましょう。
定番から変わり種まで!進化する芋けんぴ フードアナリストがアドバイス
コンビニやスーパーでもよく見かける芋けんぴ。芋けんぴといえば、表面に糖蜜をまとったやや太めのものを想像する人が多いのではないでしょうか。しかし最近は、甘さ控えめや塩味をいかしたもの、細切りタイプやしっとり系などバラエティ豊かな芋けんぴが登場しています。
味や食感の違い、フレーバーバリエーションなどを知り、自分好みの芋けんぴを見つけましょう。
老舗芋けんぴおすすめのメーカー
「マツコの知らない世界」でも特集された芋けんぴを3つ紹介。お取り寄せしても食べたい有名芋けんぴメーカーの商品をみてみましょう。
【高知県】南国製菓の「水車亭 塩けんぴ」
高知県高岡郡四万十町で、昭和40年代から芋菓子や米菓子を作っているメーカーです。芋けんぴが生まれたとされる高知という土地は食材が豊かな場所。
芋けんぴはこだわり抜いて選んだ食材に、伝統的な製法を取り入れるなど、一本一本ていねいに作られています。さつまいもの味がしっかりと感じられる味が売りです。お店の名前にもなっている水車が店舗の象徴となっています。
【高知県】芋屋金次郎の「特撰芋けんぴ」
高知県高岡郡にある老舗芋菓子メーカー「芋屋金次郎」。ワンランク上を意識した芋けんぴを届けつづけて、現在では「愛媛」「香川」「福岡」「大阪」「東京」と合わせて8つの直営店をもちます。
芋はすべて国内の契約農家の芋を利用。仕入れる芋のサイズは基準値に満たないものは使わない徹底ぶり。芋の素材そのものに拘った芋けんぴづくりをしています。とくにこの「特撰芋けんぴ」は、芋屋金次郎のこだわりが宿る芋けんぴになっています。
さつまいもの味と風味をいかしたお菓子を作り続けている、兵庫県神戸市の食品メーカー。国産の野菜を食べてもらいたい、という理念を掲げています。
芋けんぴは「芋かりんという」という名前で、シンプルな材料で作られた素朴な味が特徴で、約30年ほど愛されている人気商品です。さまざまな品種のさつまいもを使った芋かりんとうを取り扱っています。
【千葉県】寝た芋本舗の「芋けんぴ」
300年以上も続く農家さんが手がける、さつまいもスイーツのブランド「寝た芋本舗」。芋けんぴはもちろん、焼き芋や干し芋などの商品もあります。
さつまいもを別の業者から仕入れて、芋けんぴを作っているメーカーが多いなか、さつまいもの生産・芋けんぴの製造・販売をすべておこなっているのが芝山農園の特徴です。
さつまいもの個性をよくわかっているからこそ、それぞれに合った製法でおいしい芋けんぴを作っています。
芋けんぴのおすすめ12選
ここからは芋けんぴのおすすめ商品をご紹介! 味つけはもちろん、さつまいもの産地や品種も味に関わります。食べごたえをチェックしたいなら、太さや長さなど形にも注目して。数ある商品のなかから、お好みの品を探してみてください。
ヨコノ食品『金時いもスティック』は、人気テレビ番組「マツコの知らない世界」で取り上げられた話題の芋けんぴ。鹿児島県産金時芋と国産米油、種子島産粗糖のシンプルな材料でつくられた昔懐かしい味わいが魅力。

シンプルな材料だけで作った素朴な味わい
たった3つの材料だけで作られた、シンプルな芋けんぴ。さつまいもは鹿児島県産の金時芋。栄養が豊富な国産の米油でからっと揚げて、ミネラルが豊富な種子島産の粗糖を絡めて作られています。ヘルシーな材料なのもうれしいポイント。
砂糖は少なめなので、さつまいもの味がしっかりと感じられます。長いですが、ポリポリとした食感で食べやすいです。
おいもや『お芋かりんとう3種セット』は、キャラメル、塩、シナモンと3つのフレーバーの食べきりサイズがセットになった芋けんぴ。3種類を食べ比べするのもいいですね。変わり種を試したい方におすすめ。

キャラメルやシナモンの変わり種がおもしろい
3種類の変わり種を食べられるセットはいかが?ひとつめはとろけるキャラメルソースでコーティングしています。大人だけでなく子どもにも喜ばれる味です。ふたつめは駿河の塩。ミネラルが豊富な静岡県駿河湾の深層塩をまぶし、甘みが引き立つ味わいに。三つめはシナモン。風味が豊かで香りもよく、クセになる味わいです。
さつまいもの品種は紅あずまや黄金千貫(こがねせんがん)などを時期によって使い分けています。ヘルシーな油で揚げているのもうれしいポイントです。
あっさりとした甘さがクセになる
あっさりとした味で、甘すぎず食べやすい芋けんぴです。使っているのは黄金千貫(こがねせんがん)、皮が紫色ではなく白っぽいさつまいも。でんぷん質が多く、ほくほくとした食感です。スティック状にカットしたら、菜種油と米油をブレンドした油で二度揚げしてカリカリに。
北海道産ビート大根で作られたグラニュー糖と希少糖で仕上げています。希少糖とは、名前のとおり自然界に存在する希少な糖のこと。あっさりとした甘みの理由は、こだわりの砂糖にあります。
甘みとうまみたっぷり「なると金時」の芋けんぴ
徳島県鳴門市で生まれたさつまいも「なると金時」を使った芋けんぴです。なると金時は、雨量の少ない砂地で作られるのが特徴で、甘みやうまみがたっぷりとのっています。
さつまいもをよく知る人たちが食感や風味にこだわって作り上げました。独自のフライ製法によるカリカリ感が特徴で、さつまいもの甘さもしっかりと感じられます。
※Amazonは2袋、楽天市場・Yahoo!ショッピングは1袋の価格です。
フライドポテトのようなのり塩味
さつまいもに焼き塩と青のりをまぶした芋けんぴです。鹿児島や宮崎、高知などで穫れた旬のさつまいもを使用。揚げてから味付けされています。砂糖をまぶしていないのが特徴です。
フライドポテトのような感覚で食べられます。シンプルでおしゃれな箱入りなので、手土産やプチギフトにもぴったりです。
生産からこだわる農園の3種類セット
さつまいもの生産から、食品への加工・販売をすべておこなっている芝山農園が手がけるのが、さつまいもスイーツのブランド「寝た芋本舗」。名前のとおり、寝かせて熟成させたさつまいもを使っています。
芋けんぴはいろいろな味があるので、3種類の味がセットになった商品で一度に味わえると贅沢です。定番の甘味、さつまいもの甘さが引き立つ塩味、おつまみ風の青のりなど違う個性の芋けんぴを堪能できます。
砂糖の甘ったるさが苦手な方にぴったりの永久屋(とわや)『塩いもかりんとう』。甘塩っぱい味わいがくせになる芋けんぴです。塩がさつまいも本来の甘さを引き立て、旨味を引き出しています。

甘塩っぱい味に手が止まらない
鹿児島県のお土産にも選びたい、塩味の芋けんぴです。カリッと香ばしく揚げたさつまいもに白蜜を絡めて、塩をまぶしています。塩によってさつまいもの風味が引き立っているのがポイント。甘塩っぱい味はクセになり、手が止まらなくなりそうです。
立体的な形が見てわかるほど、少し太めで長めの形。食べごたえもありそうです。
塩味で引き立つ甘さ&細切りの軽やか食感
5年もの月日をかけて研究し、開発されたこだわりの商品です。宮崎県産の「黄金千貫(こがねせんがん)」という品種のさつまいもを使っています。でんぷん質が多く、実が詰まっていて、揚げるとカリッ、サクッと食感に。
細切りにしたさつまいもはオリジナルブレンドの油でじっくりと揚げます。ていねいに揚げることで、水分が飛び、さつまいもの甘みやうまみがぎゅっと凝縮。油に負けない味になります。
そこに高知県室戸海洋深層水塩と砂糖を合わせて炊きあげた蜜をまとわせて。さつまいもの甘さが引き立つ芋けんぴが完成します。蜜によって表面がパリッと、内部はほどよくやわらかく、細切りのため食感は軽やかです。
ほんのり塩がきいた細切りスティック
さくっと気軽に食べられる、細切りの塩味芋けんぴです。芋けんぴの発祥とされる高知県で作られています。
国内の契約農家さんが大切に育てた、黄金千貫(こがねせんがん)を使用。さつまいもを細切りにして揚げ、高知県の室戸岬沖からくみ上げた海洋深層水を加えた糖蜜を絡ませて、甘塩っぱく味つけしています。
クセがなくあっさりとしていて、ほんのりと塩の風味を感じられます。
栄養豊富な紫芋のヘルシー芋けんぴ
濃い紫色でインパクト大なのが、紫芋の芋けんぴ。紫芋はポリフェノールの一種、アントシアニンを豊富に含んでいます。ナスやブドウなどにも含まれている紫色の色素です。さつまいもと同じく食物繊維などほかの栄養にも富んでいます。
国産米油で揚げて、種子島産の粗糖を絡めて仕上げてあります。黄色いさつまいもとの違いをたしかめてみてはいかがでしょうか。
ほろ苦い黒糖で感じる沖縄の味
沖縄の名産品である紅芋を使った芋けんぴ。沖縄の強い日差しで育った「ちゅら恋紅」という品種で、ナトリウムやカリウムなどミネラルが豊富です。実がかたいので、細切りにして揚げるとカリカリといい食感になります。
味は全部で9種類。沖縄らしいフレーバーなら、地元の黒糖を使ったものがあります。黒糖のほろ苦さをミルクのやさしい甘さでマイルドに。紅芋のやさしい甘さを感じてみてください。
さつまいもの力強さを感じて
和菓子職人さんと油屋のコラボによって誕生した、おやつシリーズ「大地のおやつ」のひとつ。日本の大地で力強く育ったさつまいもを使った芋けんぴです。
国産米油で皮ごとカリッと揚げた芋けんぴは、ポリポリと歯ごたえがあり、手が止まらなくなるおいしさです。素材本来の味を感じられるのがプレーンな味の「さつまいも」。
手描きイラストのパッケージがかわいく、手土産などにも喜ばれそうです。
「芋けんぴ」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする 芋けんぴの売れ筋をチェック
楽天市場、Yahoo!ショッピングでの芋けんぴの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
自宅で作れる芋けんぴレシピを紹介
自宅で芋けんぴを味わいたいなら、手作りするのもひとつの手。少ない材料で作れるお菓子なので、ぜひ作ってみてください。
【材料】
・さつまいも 1本
・砂糖 大さじ3
・水 大さじ2
・揚げ油 適量
【作り方】
・さつまいもを2ミリ角のスティック状にカットし、水につけてアクを抜く。
・キッチンペーパーで水気を拭き、1時間ほど置く。
・さつまいもを180度の油で約10分揚げる。
・パリッとした食感になったら油から上げる。
・別の鍋に砂糖と水を入れて、粘度が出るまで煮詰める。
・さつまいもに砂糖を絡めて、鍋からあけて乾燥させれば完成。
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おいしい芋けんぴでほっこりした時間を過ごそう
カリカリ食感がたまらなくおいしい芋けんぴは、シンプルですが奥深いお菓子です。味の違いがあるだけでなく、長さや太さなども違うと、食感や味わいも変わります。さつまいもの品種にこだわれば、いろいろな味を楽しめるでしょう。
栄養が豊富なさつまいもを使っているのでヘルシーですが、油や糖分も多いのでカロリーや糖分には気をつけたいところ。ダイエット中なら量を控えて、食べすぎには注意しましょう。
ぜひこの記事を参考にして、自分が「食べてみたい!」と思う芋けんぴを見つけてください。
◆記事で紹介した商品を購入すると、売上の一部がマイナビおすすめナビに還元されることがあります。◆特定商品の広告を行う場合には、商品情報に「PR」表記を記載します。◆「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。◆商品スペックは、メーカーや発売元のホームページ、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。◆記事で紹介する商品の価格やリンク情報は、ECサイトから提供を受けたAPIにより取得しています。データ取得時点の情報のため最新の情報ではない場合があります。◆レビューで試した商品は記事作成時のもので、その後、商品のリニューアルによって仕様が変更されていたり、製造・販売が中止されている場合があります。
2005年、朝日新聞地域情報誌のライターとして取材執筆活動をスタート。2014年、フリーライターとして独立、個人事務所iworks を設立。 2013年にフードアナリスト、及び日本箸教育講師の資格を取得し、以後、数々の飲食店や生産者、料理人を取材し、食にまつわる情報や食の魅力を高いレベルで発信。 2020年2月、エゾシカ産業に挑戦する北海道釧路市の人々の奮闘を綴った『北海道ジビエ物語』(シーソーブックス)を共著で出版。