クッキング温度計はいろいろな用途に使える! 天ぷらなどの揚げ物や製菓など
料理をするときに、あると便利な調理用温度計。天ぷらなどの揚げ物をつくるときはもちろん、パン作りでの発酵やチョコレートのテンパリングのほか、野菜類を新鮮によみがえらせる50℃洗いや、低温調理の温度管理など、クッキング温度計が必要になるシーンはたくさんあります。
ほかにも、赤ちゃんのいる家庭ではミルクを作るときにも役立ちますよ。日常的にコーヒーや紅茶を飲む人は、お湯の温度を測って美味しくいれることもできます。キッチンにひとつあると大活躍するアイテムです。
クッキング温度計は必要? エキスパートが解説!
家庭用のクッキング温度計は、現在はスティック型と赤外線型が主流です。また「ワイン」「日本酒の燗」「ロースビーフ」「ステーキの焼き具合」など、ひとつの目的専用に作られた業務用の温度計もいろいろあります。探してみると、こんな用途のものも?と驚くような温度計も。
クッキング温度計は、家庭にひとつ必ずないと困るというアイテムではありません。しかし、温度を測ることでおいしくなる料理はたくさんあり、さらには食の衛生も管理できるようになります。楽しく選んで活用してみてくださいね。
クッキング温度計の選び方 測り方や機能面をチェック
ここからは、クッキング温度計の選び方をご紹介します。
ポイントは次のとおり。
【1】使い方にあわせてタイプを選ぶ
【2】こまかい数値が計測できる温度計を選ぼう
【3】表示は大きくてシンプルなものがベター
【4】使い勝手をよくする便利な機能も
これらのポイントをおさえることで、より欲しい商品をみつけることができます。一つひとつ解説していきます。
【1】使い方にあわせてタイプを選ぶ
クッキング温度計には、大きく分けて「スティックタイプ」と「赤外線タイプ」があります。スティックタイプのなかには、デジタル式とアナログ式があります。それぞれの特徴をみていきましょう。
スティックタイプ|中心の温度も測れる
電池で動くデジタル表示のスティック(プローブとも呼ばれます)型の料理用温度計は、安価で気軽に買えるものが多いものです。
スティックを差し込めば水や油などの液体も、肉やパン生地などの固体中心部の温度もかんたんに測ることができるので、いちばん手軽な選択肢と言えるでしょう。温度を正確に測るためには、スティックの先端から2cm以上を対象に接触させるようにします。
ただし、温度がわかるまでの時間は数秒程度、なかには10秒以上かかるものもあり、機種によって異なることに注意が必要です。温度管理に迅速さが求められる用途の場合は、温度の測定が早いものを選ぶようにしてください。
(★)ワンポイントアドバイス
スティックタイプの中には電池が必要な「デジタル式」と、電源を必要としない「アナログ式」があります。アナログ式は、鍋に差した状態で使用できるので、両手が空いたまま他の調理に移れるというメリットがあります。
温度表示の確認には少しだけ戸惑うかもしれませんが、たいして難しいものでもありません。デジタル式とくらべても電池交換の必要がなく、環境にも優しいと言えるのでアナログ式もぜひ候補のひとつにしてみてください。
赤外線タイプ|非接触で温度が測れる
食品に触れることなく温度がわかる赤外線式の温度計は、計測時間がとても短く、本体が汚れないので清潔です。レストランなど衛生管理が大切な場所でも広く使われています。
ミルクやお湯の温度をサッと測りたいときや、チョコレートのテンパリングなどにとても便利です。ただし、赤外線でわかるのは食品の表面温度だけなので、ローストビーフなどの中心の温度を測りたいときには向いていません。
対象物に触れずに測定できるので、食品だけでなく水槽やお風呂の水温の確認にも使えます。料理専用の機種からアスファルトの表面温度などを測るための工業用まで幅広く作られているので、用途、大きさ、価格を比較して選んでみてくださいね。
【2】こまかい数値が計測できる温度計を選ぼう
ローストビーフのように火加減が難しいものを調理する場合、細かな数値まできっちりと計ることのできる温度計が欠かせません。0.1℃単位まで計測できる温度計ならば細かな温度調節もしやすくなり、失敗を減らせるかもしれません。
もちろん、こうした温度計は料理の上級者だけではなく、初心者こそ持っておきたいところです。温度調節が簡単な温度計がひとつあることによって、いつもよりワンランク上の調理を行うことができるでしょう。
【3】表示は大きくてシンプルなものがベター
いつでも、誰でも使える温度計を探すなら、表示にはこだわりたいところです。最も重要なのは温度表示の大きさ。小さな表示は見づらく、人によっては使いにくく感じてしまいます。
また、温度以外の余分な情報が入ると、使い慣れていない人は戸惑うものです。できれば温度を表示する部分は大きく、誰が見てもわかるシンプルなものを選ぶのが良いでしょう。
【4】使い勝手をよくする便利な機能も
食品の中心部を一定時間、設定温度で加熱することは食中毒予防にもなるので、温度計は家庭の衛生管理にも役立ちます。こうした用途に使用する場合は、あらかじめ設定した温度に達したことをアラームで知らせてくれる機能が付いた、スティックタイプの温度計が便利です。
また、ホールドボタンが付いていると、食材から離しても測定した温度が変わらないので、温度を目の近くで確かめることができます。自動オンオフ機能があれば、うっかり電源を切り忘れても一定時間が経過すると電源が切れるため、電池の消耗を防げます。
ちょっとした機能で使い勝手もアップするので、チェックしてみましょう。
エキスパートからのアドバイス 揚げ物・お菓子作り・パン作り・ミルクの温度調整など
まずは何に使うのかを考えて
炒め物や煮物など、普通に日常の調理を行うぶんには、温度を測る必要はほとんどありません。料理用の温度計が欲しいと思う背景には、必ず「目的」があるはずです。
赤ちゃんのミルクやコーヒーのドリップの水温を測りたい、揚げ物の油の温度を測りたい、冷凍食品や肉の塊の中心にしっかり火が通っているかを調べたいという人もいるでしょう。パンの発酵やチョコレートのテンパリングのほか、野菜類を新鮮によみがえらせる50℃洗いや、低温調理の温度管理において、クッキング温度計は必需品となってきます。
それぞれ、目的によって適応する機種は違ってくるので、何にいちばん使いたいのかをはっきりさせてから選んでいきましょう。
クッキング温度計のおすすめ15選 人気のタニタや貝印など!
▼スティックタイプ
目の届く場所に収納できる防滴仕様の温度計
シンプルで使いやすいタニタのクッキング温度計。温度計を左手に持っても表示部分が横向きなので数字が読みやすいです。もちろん、パンの発酵温度確認やチョコレートの湯煎温度も測れます。
センサーキャップの裏面にはマグネットがついているので、冷蔵庫などに貼るか、またはフック穴もあるので使いやすい場所にぶら下げられます。台所の手の届く範囲に収納でき便利です。
防水性能については、JIS規格のIPX2(15度に傾けても滴下する水から保護)をクリアした防滴仕様となっています。そのため、少々水がかかっても気にすることなく調理できます。
4~6秒で計測できるロングタイプ
4~6秒で計測でき、スティック部分が13.5cmのロングタイプなので、熱源に近くても手が熱くなりにくい機種。こうしたスティックタイプの温度計で正確な温度を測るには、先端から2cm以上をお湯や食品に触れさせる必要があります。この機種は先端が尖っているので、ローストビーフや鶏の丸焼きなどでも、しっかりと差し込んで温度を測ることができて便利。
また、10分使用しないと自動的に電源が切れる機能が付いているので、ついうっかり放置して電池を消費してしまうこともありません。ホールドボタンは付いていませんが、本体が長いので液晶画面は見やすいと思います。安価ではありますが、応用範囲の広い温度計です。
設定温度になったらアラームでお知らせ
設定した温度になるとアラームで知らせてくれる機能が付いた温度計。温度表示とにらめっこを続ける必要がないので、温度管理が大切な調理をするときにとても助かります。たとえば、パン種の発酵や、チョコレートのテンパリングに重宝するでしょう。
また、食中毒対策として、お肉や冷凍食品の中心に温度計を挿し、十分な加熱が行われているかどうかを確かめるのにも有効です。食中毒なら75℃に達したのち1分以上加熱、ノロウィルスは85~90℃になったのち90秒以上の加熱で防げるといわれています。
こうした温度にアラームを設定しておくと調理時間の管理がしやすいですね。防滴タイプなので、丸洗いはできません。
計測が速くて正確な温度計
5色のカラーを展開するデジタル温度計。液晶が大きく、表示が見やすいのが特徴です。約10分で電源が切れる自動OFF機能を搭載しており、電源を切り忘れた場合でも電池を無駄にしません。
また、ホールド機能により計測した温度を液晶に保持することもできます。液体や油の温度測定はもちろん、豆腐やこんにゃくのようなやわらかい食品も測定可能です。
気軽に使える入門タイプ
スティック部分のカバーを本体上部の穴に差し込むとホルダーの役目となり、鍋で使うときも手が熱くなるのを防ぐことができます。また、ホールドボタンが付いており、これを押せば測った温度を固定できるので、温度計を目の近くまで持ってきて数値を確かめることが可能。タニタならではの細かい配慮が行き届いています。
温度が安定するまでに15秒ほどかかり、100℃以上での使用は1分以内が限度なので、繊細な温度管理が必要な料理や、揚げ物には向きません。しかし、ミルクの温度を測ったり、50℃洗いのお湯を作ったりするなどの日常使いには安価で使いやすい温度計です。
揚げ物やお肉もこれひとつでバッチリ
グリル、オーブン、BBQ、燻製作りやコンロに適したクッキング料理用オーブン温度計。設定した温度に達すると、音が鳴りアラートで教えてくれるので、食材の旨味をしっかりと引き出すことができます。見やすいLCD画面表示で、時間管理が簡単に。
磁石・スタンド・フックが付いており、ステンレスに張り付けたり、壁にかけて使うことができます。
▼赤外線タイプ
赤外線とスティックで表面も中心温度もOK
表面温度しか測れない赤外線と、中心温度が測れるスティック型の両方のメリットを一台にまとめた温度計です。赤外線を使えば、食品に触れることなく約1秒で表面温度が測定できます。また、サイドに付いたスティックを差し込めば、15秒で中心温度も測定可能。用途に合わせて使い分けることができる温度計です。
スープやミルクのような液体の温度を測る場合は、赤外線を使いましょう。一方、冷凍食品の解凍や肉の加熱にはスティックを挿すことによって中心の温度を確認できます。少々値は張りますが、赤外線とスティックタイプの2つを買うと思えばコスパとしてはよい買い物かもしれません。
水や油などの液体に触れずに簡単測定
こちらは赤外線タイプの温度計。ボタンひとつだけの非常にシンプルな作りになっています。熱い液体に触れることなく、離れた場所から赤外線を当てるだけで温度を測ってくれるので、とても安全です。
水や油、スープやミルクなどの液体専用であるため、固形物へ使えない点には注意してください。揚げ物の油の温度も気軽に測れるうえに、本体も汚れないのでお手入れも簡単です。マグネットで冷蔵庫などにピタッとつけておくことができるので、収納もラクチン。
わずか0.5秒で温度を正確に計測
レバーを引くだけで温度が確認できるクッキング温度計。片手で簡単にピッと測れるので、油はねや蒸気に直接手が当たりにくく、安心して使うことができます。暗い場所でも表示が見やすいバックライト付で、電池残量が低下すると、液晶画面にマークが表示するので電池の交換時期がわかりやすいのが嬉しいですね。
お菓子作りやパン作り、揚げ物から赤ちゃんのミルクの適温確認まで様々な用途に使えます。
洗えるのでいつでも清潔
料理、揚げ物、グリル、コーヒーやお茶、ミルク、お菓子作り、食中毒対策などあらゆる温度管理にオススメの防水温度計。水、粉、油汚れでも大丈夫。防水IPX6で、丸洗いが可能です。10分自動電源オフ機能付き。検温範囲は -50℃から300度℃と広いので、低温調理から高温までさまざまな調理に活躍してくれるアイテムです。
コスパが良く、お手入れもラクラク。キッチンに一つは欲しい温度計です。
▼アナログ式
揚げ物だけでなくオーブンや石窯でも活躍
揚げ物をよくする人なら、鍋にセットすることができる専用の温度計が便利です。スティックタイプでは長時間の高温に耐えられないうえに、何より片手がふさがってしまい不便に感じることでしょう。
こちらはアナログ式で精密な温度表示はできませんが、揚げ物の温度管理ならこれで十分です。水洗い不可なので、使用後はきれいに拭いて保管しましょう。こちらは揚げ物だけでなく、オーブンや石窯の温度管理用としてもファンの多い商品。シンプルですが実用的な一品です。
電池のいらないシンプルなアルコール温度計
今ではレトロにも見えるこうしたタイプの温度計のいちばんの強みは、電池が不要であること。必要に迫られたときに電池切れで使えないという心配もなく、電池のゴミも出ません。大切に長く使えば、ある意味でとてもエコな温度計と言えます。
丸洗いできることから衛生面でも優れているのがポイント。また、赤いアルコールの棒がゆるゆると上がっていくのを見るのは、少しわくわくしたりもします。多くのデジタル式の温度計は、強い磁気を発するIH調理器での使用を控えるよう注意書きにありますが、アルコール温度計であれば問題なく使用可能です。
何より価格がとてもリーズナブル。お菓子作りやコーヒードリップなどにはゆったり楽しめる、こんな選択肢もすてきなのではないかと思います。
手間のかかるテンパリング作業をスムーズに
お菓子作りを楽しめる「Kai House SELECT」のクッキング温度計。昔懐かしいデザインで、一目で温度がわかりやすく、取り扱いもラクラク。10℃単位の目盛りで100℃まで計ることができます。バレンタインや、クリスマス、誕生日など、美味しいチョコがこれさえあれば簡単にできますよ。
お子さまとの調理にも安心の温度計。ぜひ一緒につくってみてくださいね。
シンプルイズベスト! 電池不要のガラス製
パール金属の200℃まで測れる日本製のキッチン温度計です。アナログの温度計はシンプルですが、揚物の温度チェックやお菓子作り、飲物の温度確認まで幅広く使えます。
使用時の温度が見やすく電池などは不要です。仕組みが単純な分だけお手入れや操作がかんたんです。また、ガラス製品のため洗いやすく、いつも清潔に保てます。
適温がひと目でわかる「料理用温度計」
ミルクやワインの飲み頃、ケーキやパン作りの温度測定におすすめのアナログ料理用温度計。ワンタッチで鍋に取り付けられる金具付きで、100度まで測定できるので低温調理時の温度管理にも使えます。アナログ式のため、電池交換は不要。あると便利なキッチンに1台は欲しい料理用温度計です。
嬉しい3年保証付。水洗いはNGなので、お手入れの際には乾いたクロス等で優しく拭きましょう。
おすすめ商品の比較一覧表
各通販サイトの売れ筋ランキング クッキング温度計の売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでのクッキング温度計の売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
クッキング温度計の代用品は?
クッキング温度計がないときは、菜箸を水で濡らして布で拭き、油のなかに入れて泡の出方で温度を見極めるという方法が一般的でしょう。ほかに、少量の衣やパン粉を油のなかに入れて見極める方法も。ただし、これらは正確ではなく、どうしても目安になってしまいます。
なかには、体温計で代用している人もいるようですが、体温と調理用の温度では対応できる温度も異なり正しく測れないだけでなく、危険な場合もあるので避けてください。
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料理の初心者であっても、ある程度慣れた人であっても、日常の調理に温度計を使用することはほとんどありません。揚げ物や肉料理をする場合ですら、勘や経験でぱっと済ませる人もいるでしょう。しかし、いつでも料理の味を均一に、かつ美味しく仕上げようと思うならば、温度計による計測は欠かせません。こだわりの一品を作るときこそ、失敗はしたくないものです。普段から温度計を使い慣れることで、温度計測を調理の習慣に取り入れてみましょう。
また、温度計は初心者にこそ必要なアイテムのひとつ。これから調理を始めようとする人はもちろんのこと、小さなお子さんが初めて調理を行う場合にも役立ちます。早いうちから温度計に慣れておけば、感覚に頼らずに調理することを覚えるので、結果として料理の腕前も上がるでしょう。
◆記事で紹介した商品を購入すると、売上の一部がマイナビおすすめナビに還元されることがあります。◆特定商品の広告を行う場合には、商品情報に「PR」表記を記載します。◆「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。◆商品スペックは、メーカーや発売元のホームページ、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。◆記事で紹介する商品の価格やリンク情報は、ECサイトから提供を受けたAPIにより取得しています。データ取得時点の情報のため最新の情報ではない場合があります。◆レビューで試した商品は記事作成時のもので、その後、商品のリニューアルによって仕様が変更されていたり、製造・販売が中止されている場合があります。
暮らし、ライフスタイルを主なテーマとするコラムニスト。 日々の暮らしから生まれるコラム、忙しくてもゆるりと楽しく暮らすためのアイデア、時短レシピ、生き方のアドバイスは男女問わず幅広い世代から支持を集めている。 新商品や話題の家電、生活用品などのヒット予測、使用分析にも強い。「願い事手帖の作り方」「スープジャーレシピ」など著書多数。