多点杖とは? どんな人におすすめ? 多脚杖とも呼ばれる!
多点杖とは、地面と接する杖の先が3点、または4点になっている杖を指す歩行補助杖のことで、多脚杖とも呼ばれています。杖の先が1本のT字杖よりも支柱が多いため、安定性が高いのが特徴。歩行にやや不安がある人や、ケガなどのリハビリでしっかりとした支えがほしいときなどに向いています。
とくに室内などの平坦な地面では高い安定性を誇ります。屋外で使用するときには、凹凸が大きな場所ではT字杖よりも不安定になってしまう場合があるため、シーンに応じて使い分けるのも便利です。
多点杖の選び方 自宅や病院での移動補助、リハビリに!
医療ライター・宮座美帆さんに取材をして、多点杖の選び方のポイントを教えていただきました。サイズや材質をよくチェックすることが大切です。ポイントは下記6点。
【1】杖の長さは身長にあわせて選ぶ
【2】使用する場所によって形状を選ぶ
【3】可動式かどうかをチェック
【4】素材は「アルミ製」がおすすめ
【5】利き手用を選ぶ
【6】折り畳みできるものが便利
それぞれ解説していくのでチェックしてみましょう。
【1】杖の長さは身長にあわせて選ぶ
多点杖を含めて、杖を使って快適に歩行するには実際に使う人の身長に合ったサイズのものを選ぶのが重要です。肘を30~40度曲げた状態でグリップをつかめる長さのものを選びましょう。
さらに、身長に対して適した杖の長さの目安となるのが「身長÷2+3」です。たとえば身長174cmの人なら、174÷2+3=90cmの長さの杖が、快適に歩ける目安になります。
【2】使用する場所によって形状を選ぶ
多点杖は室内で使いたいとき、屋外で使いたいときで重視するポイントが異なります。
室内用|接地面の広い多点杖を選んで
自宅や病院での移動補助やリハビリなど、室内で使用するときには安定性の高い接地面の広い多点杖が向いています。室内は平らな地面がほとんどのため、多点杖をひっかけたり、なにかを踏んだりして転倒する心配もほとんどありません。
接地面が広くてもスムーズに歩けるため、杖の幅が広くて安定性の高い多点杖を選びましょう。
屋外用|設地性を重視した多点杖を選んで
屋外で使用するときには、舗装されていない道路や砂利道など、屋外よりも凹凸のある地面を歩く機会も多くなります。接地面が広い多点杖の場合、なにかにひっかけて転倒してしまう可能性があるため、屋外での使用の際には杖幅のせまい、接地面が狭い多点杖を選びましょう。
ただし、接地面が狭いとその分だけ安定性が下がってしまいます。ある程度自力で歩行できる人が、屋外で補助程度に使いたいときに使用するようにしましょう。
【3】可動式なら凸凹道も歩きやすい
多点杖の3点または4点の支点が、地面の凹凸に合わせて動く可動式の多点杖もあります。ふいに小石や段差に杖をひっかけてしまうことがないため、舗装されていない道などを歩く機会の多いときには選択肢に入ります。
ただし、可動式の多点杖はしっかりと体重をかけたときの安定性がやや低くなるのがデメリットです。こちらも、ある程度自力で歩行ができる人に向いています。
【4】素材は軽くて丈夫な「アルミ製」がおすすめ
多点杖はいろいろな材質のものがあり、それぞれで特徴が異なります。たとえば、アルミ製の多点杖なら軽くて持ち運びしやすい、耐久性が高いといったメリットがあります。
多点杖に使われている材質によって、杖そのものの重量も異なってきます。体重のかけ方や取り扱い方法によって適した重さは人によって異なるので、特徴や重さを踏まえて材質にも注目してみましょう。
【5】右利き、左利き用かチェックしよう
多点杖は、T字杖と同じく利き手に持って自分の体重をかけて使用します。杖の持ち手が利き手と逆の場合、うまく体重がかけられないため、利き手に合わせたものを選びましょう。
右利き用、左利き用になっているもののほか、利き手に合わせて杖の向きを調節できるものもあります。ケガなどの影響で、利き手がうまく使えないときには逆の手で使う可能性もありますので、実際に杖を使う手の向きに合わせて選びましょう。
【6】折り畳み用なら持ち運びに便利
多点杖は、折りたたんでコンパクトに持ち運べるものがあります。ふだんの移動は自動車などを使う、または、屋外移動はT字杖で屋内だけ多点杖を使いたい、というときなど多点杖をメインで使わないときには、携帯性を重視して選ぶとよいでしょう。
なお、折りたためる多点杖は折りたためないタイプよりも体重がかけにくくやや安定性が劣りますので、サブとしての使用が向いています。
医療ライターからの購入アドバイス
多点杖を選ぶ際は、杖の握りやすさや、持ち手の幅が自分の手のなじむかにも注目してみましょう。持ち手が手になじまないと力を入れにくくなり、転倒の原因になることもあります。購入後のアフターフォローがあるかも確認して、使いやすい多点杖を選びましょう。
多点杖おすすめ11選 医療ライターと編集部が選んだ
選び方を踏まえて、医療ライター・宮座美帆さんと編集部で多点杖のおすすめ11商品を選びました。いろいろな材質や機能のものを選んでいますので、使う人にぴったりの多点杖選びに役立ててください。

補助グリップ付きの便利な折りたたみ杖
杖先の広い4点式の多点杖で、室内で使用するのに向いているアイテムです。グリップ部分の下に、折りたたみ式の補助グリップが付属。両手を使って体重をかけられるので、歩行時の杖として使用するほか、立ち上がりや起き上がりの補助にも使用できます。
シンプルな木目ブラウンと花柄のカラー展開があり、室内にそのまま置いておいてもなじむデザインになっています。

いろいろな人に使いやすい
支柱部分が広く安定性の高い、4点式の多点杖です。10段階の高さ調節機能がついているので、実際に使用する人の身長に合わせやすくなっています。アルミ合金を採用し、丈夫で軽く取り扱いしやすいのも魅力です。
左右についている調節ボタンで、かんたんに杖の向きを変えられるため、右利き、左利きどちらでも使用しやすくなっています。
支柱が可動するので坂道にも
4点、狭めの杖先の多点杖です。支柱部分が可動式になっているので、路面に設置しやすいのが特徴。舗装されていない道路や坂道も歩きやすいので、屋外での使用に向いています。
握りやすいTPE製のグリップカバーに、本体素材は軽くて丈夫なカーボンを採用。杖の長さは11段階調節できるので、使う人の身長に合わせて調節しやすいです。
外出時に便利な機能が豊富
杖先が3点、狭いため屋外での使用にも向いている多点杖です。使わないときには折りたたんで収納できます。ハンドル部分にやわらかい素材のカバーがついているので、握りやすく体重もかけやすいです。
手元のスイッチで点灯するLEDライトつき。夜道や暗い場所を歩くときにも便利です。屋外使用にうれしい機能がそろっています。
身長の低い人にも使いやすい
杖先が広めの4点式多点杖です。グリップ部分が細型ネックタイプで握りやすいだけでなく、軽量性の高いカーボン素材を採用しているため手首や肘に負担がかかりにくくなっています。着脱可能なTPE製グリップカバーも付属。
最短長さは60.5cmなので、身長の低い人にも使いやすい設計になっています。杖本体のデザインも、カーボン柄やチェック、花柄がそろっているので好みで選べます。
支柱が広くて安定性が高い
2カ所にグリップがついたS字型の多点杖です。支柱部分は22×17.5cmと広めに設計されているので、安定感が高いのが特徴。しっかりと体重をかけてもぐらつきません。
上下のグリップを使って、座った状態やベッドから起き上がるときの補助に活用できます。そのまま室内の歩行用杖として使用可能。着脱可能なストラップもついています。
可動式で歩きやすい、高めの身長の人にも
フジホームの歩行用ステッキかるがもシリーズの、4点式支柱のついた多点杖です。支柱が可動式になっているので、しっかり接地するのが特徴。屋外の使用でも歩きやすくなっています。
最長97.5cmまで伸縮するため、対応身長が約144~189cmまでと幅広いのが魅力。身長が高めの人にも使いやすくなっています。
滑りやすい場所もしっかりとらえる
3点式の多点杖で、杖先の幅が狭いため屋外での使用に向いています。3点の支柱が10度の角度まで動くので、接地面をしっかりとらえるのが特徴。坂道やスロープ、アスファルトなどでも歩きやすくなるようサポートします。
支柱が狭く可動式のため、ある程度自分で歩行ができる人にぴったり。本体カラーはバーズアイレッドのほかシンプルなステンカラーもあるので好みで選べます。
SINANO(シナノ)『カイノス かる楽4点杖360』
歩きやすい工夫が豊富
支柱部分が360度可動、高い接地性を誇る多点杖です。4点式のため、もちろん自立もします。グリップ部分には発泡ゴムを採用し、やわらかく握りやすいのが特徴。着脱可能なシリコン製のカバーもついています。
また、握ったときに中指と人差し指にかかる部分が細くなっているので、こぶしにかかる負担が少なくなっています。長時間の使用にも向いています。
左右両方対応のデザイン
グリップ部分が2カ所あり、歩行のほか立ち上がりや起き上がりのサポートにも使える4点式の多点杖です。ブラウンカラーのシンプルなデザインで、いろいろなシーンに使用しやすくなっています。
左右の向きを逆にできる調節ボタンが左右についているので、足部分を回転するだけで向きが変えられるのが特徴。左右両方の利き手に対応しています。手首に通せるストラップも付属しています。
杖をついたときの衝撃を吸収
屋外の歩行に便利な機能が豊富にそろっている3点式の多点杖です。ゴム製の支柱が360度可動するので接地性が高く、坂道や舗装されていない道路などでも歩きやすくなるようサポートします。
持ち手にかけられるストラップつき。杖先には、杖をついたときの衝撃を吸収するクッション機能も付属し、腕や肩にかかる負担も少なくなっています。
「多点杖」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする 多点杖の売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場での多点杖の売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
多点杖とあわせてチェックしたいほかのおすすめ記事 杖ホルダーや松葉杖、介護杖など!
行動範囲を広げて過ごしやすい毎日を 安定性が高い多点杖で不安を解消しよう!
医療ライター・宮座美帆さんと編集部で多点杖の選び方とおすすめ11商品を紹介しました。多点杖はT字杖よりも安定性が高いため、室内で支えがほしいときや、体重をかけたリハビリのときなどに活用できます。また、自立するのでT字杖のように立てかけておく必要がなく、病院やショートステイ先などの部屋にも置いておけるのもメリットです。
屋外では車いすでも、屋内なら支えがあれば歩ける、というときでも多点杖が役立ちます。多点杖を日常生活用具として上手に取り入れれば、もっと自力で歩行できる行動範囲が広がるでしょう。
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