筆箱・ペンケースの選び方
持ち運びに便利で散らばらない筆箱・ペンケースは、どこをポイントに商品を選べばいいでしょうか。本記事では、文房具ライターきだて たくさんに、筆箱やペンケースを選び方を教えてもらいました。ポイントは以下6点です。
【1】使用するシーン
【2】形やタイプ
【3】素材
【4】汚れに強いもの
【5】機能性
【6】デザイン性
それぞれ解説しているので、詳しくみていきましょう。
【1】使用するシーンに合わせて選ぶ
筆箱は目的に合ったものを選ぶのがポイントです。おもに使用するのは学校と職場なので、それぞれに適した選び方をご紹介します。
学校用ならたっぷり入る大きめサイズ
学校用の筆箱はサイズの大きなものを選んでください。小学生ならランドセルに入るぐらいの大きさで、一般的には幅が20cm以上なら使いやすいでしょう。
中学・高校用は使用する文房具が多くなるので、大容量を選びます。ポイントはマチ幅で、3cm以上のサイズなら使い勝手もマルです。
大学生の場合は、就活や社会人になったときにも使えるものを選んでおくと、長く愛用できます。
職場用ならシンプルでコンパクトなものを
職場用は持ち運びしやすく、必要最小限の筆記具が入るスリムな筆箱が適しています。ペンが2~3本入るものならビジネスシーンでも困りません。
商談などで使うことが多いので、見た目のデザインや素材などの選び方もポイントです。シンプルで高級感のあるものなら、ビジネスシーンにふさわしいでしょう。合皮製なら値段もリーズナブルで長年愛用できます。
【2】筆箱のタイプで選ぶ
筆箱やペンケースにはいろいろなタイプのものがあり、使うシーンによって選ぶのがポイントです。各タイプの特徴を説明しますので、選ぶときの参考にしてください。
スタンドタイプ|ペン立てのように使える
スタンドタイプの筆箱はペン立てとしてデスク上に置くことができます。デスクが狭い場合など、立てておけるので場所をとらずに使えるので便利です。事務仕事が多い方に向いている筆箱といえます。
小物などを収納できるアイデア商品もあり、使い勝手を考えて選んでください。大きいサイズは持ち運びに不便なので、その点も選ぶときに考える必要があります。
ペントレータイプ|中身を確認しやすい
トレータイプの筆箱は中身が見やすいのが特徴です。ひと目で鉛筆・ボールペン・消しゴムなどがわかるので探す必要がなく、使い勝手にすぐれています。勉強や仕事に集中したい方に向いているタイプです。
いろいろな文房具を持ち運びたい方にはトレー型が使いやすいでしょう。ただし、デスク上の見やすい場所に置く必要があり、デスクスペースの広さも考えて選んでください。
ポーチタイプ|大きめの文房具も収納できる
ポーチタイプは大容量のものが多く、たっぷりと文房具を収納できるのが特徴。たくさんの筆記具を持ち歩きたい方に向いています。筆記具だけでなく、ハサミや修正テープなども使う方には便利です。
ポーチタイプはデザインもいろいろあるので、お好みを探す楽しさがあります。ポーチ内の仕切りなども持ち運ぶ文房具に適したものを選びましょう。
がま口タイプ|ペンを取り出しやすい
がま口タイプの特徴はすぐれたデザイン性と、開口部が広いので筆記具の取り出しやすさです。かわいいデザインの製品が多く、見た目にこだわる方に向いています。お気に入りが見つかれば愛用品として長く使えるでしょう。
内部にポケットがついているものが多く、筆記具だけでなく化粧品などの小もの入れとしても使えます。使い勝手のよさで選ぶならがま口タイプもそのひとつです。
ロールタイプ|ペンにキズがつきにくい
ロールタイプは筆記具を一本ずつ差し込んで収納できます。ペンとペンが当たらないように工夫されているので、高価な筆記具を持ち歩く場合に便利です。収納量は少ないですが、ペンを大切に使い方に向いています。年上の男性や父の日のプレゼントにもピッタリです。
くるくる巻いて収納するタイプなので手軽に持ち運びができ、見た目もスマートな筆箱です。筆箱にこだわりたい方には満足感が得られるでしょう。
【3】素材で選ぶ
筆箱にはさまざまな素材のものがあります。扱いやすさや使うシーンをイメージして選んでみましょう。
布製|丈夫で洗える
布製の筆箱の特徴は、洗濯ができることです。ふだんから持ち歩く筆箱は汚れやすいものですが、いつもきれいに使いたい方は、洗える布製がぴったりでしょう。手軽に洗えるので清潔な状態で使えます。
また、布製は持った感触がソフトで柔軟性もあるため、小さなバッグや鞄に入れやすいというのもメリットです。ただし、無理に押し込むと、なかの筆記具が変形してしまうという保持力の弱さがあります。
プラスチック製|軽くてリーズナブル
カラーバリエーションが豊富なのがプラスチック製の筆箱です。フランスのガジョン社がプラスチック製のペンケースでは知られていますが、スマートでデザイン性にすぐれた製品が多いです。
特徴は軽くて持ち運びしやすいこと。種類が多いので、好みに合ったものを探す楽しみがあります。素材で悩んだらプラスチック製を選んでおけば間違いないでしょう。
ビニール製|水で洗える
ビニール製の特徴はかんたんに洗えることと、自分好みにカスタマイズできることです。ステッカーやプリクラなどで個性的なマイペンケースに仕上げたい方は、ビニール製の筆箱を選ぶといろいろアレンジが楽しめます。
また、インクペンなどでイラストを描けるのもビニール製のおもしろいところ。絵心のある方なら、自分だけのオリジナルなペンケースに仕上げられるでしょう。クリアな製品もあるので、中身が見やすく使いたいペンを取り出しやすいのも魅力です。
レザー製|高級感がある
高級感のある筆箱ならレザー製を選びましょう。使えば使うほどに愛着が出て、手放せないアイテムになります。レザーにもいろいろな種類があるので、目的に沿った素材を選ぶことが大事です。コスト面を重視するなら合成皮革やポリウレタンを使ったPUレザーが適しています。
ビジネスシーンでは見た目の印象も大事なので、レザー素材の筆箱はぴったりです。手になじんで使い勝手もよく、自分の分身のように思えてくるでしょう。新社会人のお祝いなどにもピッタリ。
【4】汚れに強いものを選ぼう
いろいろな場所へ持ち運びするので汚れがつきやすいのが筆箱です。勉強用なら図書館やカフェ、ビジネス用は会議室や取引先のデスクにも置きます。見た目は汚れがなくても、かんたんに水拭きできる素材のものを選ぶのがポイントです。
水に強い素材はビニール、シリコン、プラスチックなどです。このような素材なら水拭きができるので、いつもきれいな状態にキープできます。清潔感を重視する方は、水拭きできるこれらの素材を使った筆箱を選んでください。
【5】そのほかの機能もチェック
筆箱には筆記具を入れるだけでなく、そのほかの機能がついている製品があります。使ってみて便利なのがマグネット式のフタでしょう。開閉がかんたんで、バッグや鞄から取り出してすぐ使えます。また、学生用筆箱には、鉛筆削りがついている製品もあります。鉛筆をよく使う方に必要な機能です。
なお、スマホスタンドとして使えるものもあり、デスク上を整理して使いたい場合に役立ちます。自分の使い方に合わせて、必要な機能がついているものを選んでみてはいかがでしょう。
【6】デザイン性にもこだわろう
筆箱は勉強やビジネスには欠かせないアイテムのひとつですから、持っていて楽しくなるものを選びましょう。ポイントはお気に入りのデザインを見つけること。カラーや素材の好みも関連しますが、第一印象はデザインです。
ぬいぐるみ好きな方には、ぬいぐるみになっているペンケースもあります。キャラクター好きな方は好きなキャラクターが描かれたものを探してみてください。
お気に入りの筆箱を持つメリットは、モチベーションにつながるはず。いつも手元にお気に入りの筆箱があると、勉強やビジネスにもやる気が出ることでしょう。
筆箱・ペンケースのおすすめブランド・メーカー
ここでは、筆箱のおすすめブランド・メーカーをご紹介します。
キングジム
「キングジム」はラベルライターやファイルなどオフィス用品の開発・販売で知られているメーカーです。筆箱・ペンケースの分野でも独創的な製品が多く、高校生や大学生の方に向いています。
たとえば「オクトタツ」という製品は机にくっついて倒れないペンケースです。またシーンによって形を変えるペンケース、マグネット内蔵で開閉しやすく、フタを返せばペントレーになるものなどバラエティに富んだ品ぞろえ。どの製品も選ぶのが楽しくなるのが「キングジム」の筆箱です。
コクヨ
日本を代表する文房具メーカーが「コクヨ」です。文房具には定評があり、筆箱を選ぶときにもまっ先に候補に上がるブランドでしょう。シンプルなデザインでスリムな筆箱が多く、幅広い層に受け入れられているブランドです。
筆箱選びに迷ったときは、「コクヨ」にしておけば品質の面でも満足が得られます。満足度の高いメーカーの筆箱がほしい方にピッタリです。
デルフォニックス
「デルフォニックス」は1987年創業の文具メーカーで、新しいデザインアプローチで人気があります。オリジナル製品のアイテム数が多く、筆箱も実用性とデザイン性を兼ねそなえたものが多いです。
「デルフォニックス」の筆箱でロングセラーを続けている製品は「ロールペンケース」です。丈夫な帆布素材でつくられており、筆記具だけでなくハサミなども収納できるすぐれもの。おしゃれな筆箱を使いたい社会人向けのブランドです。
レイメイ藤井
女性に人気のあるブランドが「レイメイ藤井」です。創業130年の歴史あるメーカーで、和紙の販売業者として熊本で誕生しました。その後、オフィス用品や文具用品を手がけ、オリジナル文具で注目を浴びています。
「レイメイ藤井」の筆箱は手軽にカスタマイズできるので、中学生や高校生に人気です。透明でなかが見えるクリアタイプのものや、落としても壊れにくい厚手の素材を使用しているものなど、自分だけのお気に入りがほしい方に適したブランドといえるでしょう。
筆箱・ペンケースおすすめ27選
上記で紹介した筆箱・ペンケースの選び方のポイントをふまえて、文房具ライターであるきだて たくさんと編集部で選んだおすすめ商品を紹介します。
おしゃれ・かわいい・シンプルなものから大容量まで厳選しましたので、ぜひ参考にしてみてください。
シンプルで使う分だけ収納する小型のペンケース
ポーチやカバンのなかに、必要な筆記用具だけを収納して持ち運ぶのに適したペンケース。小さいので、持ち運びするのに向いています。たとえば会議や試験など、必要最低限のものだけ収納するにはちょうどよいサイズ感。
筆記用具や文房具をふだんあまり使わない人や、デスクに入れておいて持ち運びは多くしないようにしている人に向いています。

シンプルなデザインで軽くて丈夫なセミハードの筆箱
ビーチサンダルなどに使われる軽くて頑丈なEVA素材で作られたセミハード箱形ペンケース。ジャンルとしては小学生用ですが、大人にも充分使えるシンプルな仕立てです。
開けると上段はゴムベルトでペンをすっきり収納するペンホルダー、下段はテープのりのような厚みのあるものも収納できるケースになっています。
しかも、ペンホルダーはマジックテープで着脱可能なので、ケースにもっと厚みのあるものを入れたい場合でも対応できます。大容量ですが中身の整理がしやすい便利な筆箱です。

ポーチだけど開けばトレーのように使えるペンケース
働く女性が持ち歩くための文房具をテーマに作られたBloominシリーズのポーチ型筆箱です。やわらかな手触りのシリコン製で、スリムなポーチ型からジッパーを全開にするとペントレーに変形します。
また、ジッパーを途中のストッパーまでで止めれば、狭い机の上でも使いやすいコンパクトな状態で開くこともできます。ほかにはポケット等はついてないシンプルな作りですが、それでも機能性は充分で使いやすいです。
コンパクトに見えてたっぷり入れられる
人気文具メーカー・デルフォニックスのペンケースです。見た目は小ぶりですがマチがしっかりあるので、たっぷり入れられます。
シボの入った質感が上品さをプラスしてくれます。ベーシックなグレージュやブラックから、ピンクなどの鮮やかなカラーまで揃っているので、好みの色を見つけてみてくださいね。
スリム設計でかさばらない! 見た目もおしゃれ!
キングジムから発売されているFLATTYシリーズのペンケース。鮮やかなカラーにスケルトンのポケットがおしゃれ。軽量でスリム設計なのでバッグに入れてもかさばりません。
マグネット製の留め具でワンタッチで開け閉めでき、クリアポケットで中身も確認しやすいです。デザイン性と機能性どちらも兼ね備えたペンケースです。
手作りの個性的なペンケース
東京・国分寺の住宅街で独自のコンセプトで文具の企画販売をおこなっているのが「つくし文具店」です。リネン帆布を素材にした使いやすいペンケースで、ファスナーを全開にすると、ノートのように大きく開きます。
筆記具だけでなく、片側に消しゴムや付箋、メモ帳などを入れることも可能。手作りのよさがそのまま個性を感じさせるペンケースです。
シンプルゆえに飽きがこない筆箱
ポリプロピレン製のペンケースですが、着色しないで素材そのままの持ち味を楽しめる製品になっているのが「無印良品」らしさでしょう。スクエアなデザインも地味で、見たところは平凡な筆箱ですが、使いやすさへのこだわりが特徴です。
フタを開けるとなかの筆記具がすべて見渡せるので、すぐに取り出せます。シンプルなので飽きることなく、長く愛用できる筆箱です。

巻き型ペンケースとポーチがくっついた新しいタイプ
ポーチ型と巻型のメリットをあわせ持つ、ハイブリッドな筆箱です。ポーチに巻き付いた長いフラップを広げると、ペン4本が収納できる巻型の筆箱になっています。頻繁に使うレギュラーのペンはここに収納しておけば、探す必要なくすぐに取り出すことができるという仕組み。
ポーチは消しゴムや定規、ふせんなどを収納します。筆記具が外に出ているぶんだけ、こちらもスッキリとしてなかが探しやすくなります。また、内と外それぞれポケットも付いていますので、紛失しやすい小物はここに入れておけば安心でしょう。

ふたつでひとつの便利なペンケース
手帳サイズのセミハード筆箱です。全周ジッパーを開いてフルオープンにすることで、ペントレーとしても使えます。開いた右側はペンが5~6本入るポケットに、左側はポケット付きの硬い仕切りがついているので、定規やハサミなどと一緒に名刺やレシートといった紙類もスマートに収納可能。
そして最大のポイントは外側に付いているペンポケット。ペン2本が入る小さなポケットは、マグネットで筆箱本体から付け外しができるんです。会議ならペンポケットだけで出席して、外出するときはセットにして、など状況に合わせて使い分けられるフレキシブルさは、ほかにはないメリットです。
机にピタッとくっついて倒れない!
「オクトタツ」というユニークな名前のとおり、机にピタッとくっついて自立するペンケースです。底面の吸着パッドと衝撃低減バネで、せまい机の端に置いても倒れません。
底フタの上に外したキャップを重ねればペンがスムーズに取り出せるすぐれもの。キャップのなかには消しゴムやクリップなど小物を入れられます。カラーも豊富なので好きな色を選べますね。
「ペンケース」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする ペンケースの売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでのペンケースの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
自分の使い方に適したものを! 文房具ライターからのアドバイス
立つペンケースが人気となって以降、筆箱は文房具のなかでもっとも進化しているという話もあります。
多様化する社会にあわせて、さまざまなシチュエーションで文房具を便利に持ち運べるよう進化しているわけで、まさに筆箱のダイバーシティ化が起きているといっても過言ではありません。
だからこそ、自分がどういう場面で筆箱を使いたいかを考えて選ばないと、せっかく買ったものが結局使いにくかった、ということにもなりかねません。「機能的=便利」なのではなく、自分の使い方に合ったものがよい筆箱なのです。
お気に入りのペンケースを見つけて
学生やビジネスマンにとって筆箱・ペンケースはよき相棒のような存在です。勉強や仕事のときに、お気に入りの筆箱ならモチベーションも上がります。
筆箱の選び方をはじめ、厳選した商品についてもご紹介してきました。古くなった筆箱を買い替えたいと思っているなら、ぜひ本記事を参考にして長く愛用できる筆箱を探してください。
また進級や就職などで心機一転頑張りたいと思っている方にとっても、新しい筆箱は心強い相棒になることでしょう。
筆箱・ペンケースのおすすめ商品はどれですか?

文房具に関する著書を多数執筆している、文房具ライター・きだて たくさんが選んだおすすめの筆箱・ペンケースは、レイメイ藤井『クルマーレ ペンケース』、キングジム『ペンケース イッツイ』、レイメイ藤井『トップライナー ペンケース(EVA)』、リヒトラブ『Bloomin トレーペンケース』です。それぞれの特徴とそのほかのおすすめ商品は、こちらから確認いただけます。ギフトにもぴったりな革製のおしゃれなアイテムから、ぬいぐるみのようなかわいいデザインのもの、飽きずに長く使えるシンプルなものまで豊富にラインナップしました。ぜひチェックしてお気に入りを見つけてみましょう。
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最新機能系から駄雑貨系おもちゃ文具まで、なんでも使い倒してレビューする文房具ライター。 極端な悪筆と工作下手がコンプレックスゆえに自分を助けてくれる便利な文房具を探し求め続けており、その活動の結果得られた情報を雑誌・WEBなどの媒体で公開している。 文房具に関する著書多数。近著には『この10年でいちばん重要な文房具はこれだ決定会議』(共著 スモール出版)がある。