【子ども・幼児用】ピアノ楽譜の選び方 ピアニストがおすすめする!
ピアニストの神田朝子さんに、子ども・幼児用のピアノ楽譜を選ぶときのポイントを教えてもらいました。ポイントは下記。
【1】難しすぎないものを選ぶ
【2】子どもが知っている曲の楽譜を選ぶ
【3】指番号や音名の有無で選ぶ
【4】指導者向けの伴奏がついているものを選ぶ
【5】指導者が教えやすく使いやすいもの
上記のポイントを押さえることで、より欲しい商品をみつけることができます。一つひとつ解説していきます。
【1】難しすぎないものを選ぶ
子ども用のピアノ楽譜を選ぶときは、難しすぎないものを選びましょう。
1音で弾けるものは習いはじめた子どもにぴったり
はじめてピアノに触れる子どもや、音階をまだ知らない子どもには、1音で弾けるものがよいでしょう。まだ指がうまくうごかせないので、1~3歳の子には、「ド」や「レ」などひとつの音だけを使って、指を動かさずに弾けるものがぴったりです。鍵盤を押して出た音を楽しむことを重視してください。
3~4歳になったら、「ドとレ」「ミとファ」などふたつの音を使って弾いて、リズムや音の変化が楽しめるものを選んで少しずつ難易度をあげていきましょう。
演奏に慣れてきたら基礎トレーニングをはじめて
両手でピアノを弾くことに慣れてきたら、基礎トレーニングをはじめましょう。両手で同じ動きをするものからはじめ、段階を踏んで手の動きを複雑にしていってください。
トレーニングに適した楽譜を使って何度もくりかえしトレーニングすることで、指がよく動くようになります。スムーズに弾けるようになるには練習が必要ですが、幼いうちにピアノの基礎をしっかり身につけることで、より難易度の高い楽譜にも挑戦しやすくなります。
絵本のように見て楽しめる楽譜を選ぶ
子ども用のピアノ楽譜を選ぶときは、絵本のように見て楽しめる楽譜を選ぶことも大切です。とくに、音符や音階を知らない幼い子どもの場合、音符だけが並んでいる楽譜は退屈なものに見えてしまいます。かわいらしいイラストが入ったものや、絵本のようにストーリーがあるものであれば、楽しくピアノの練習ができるでしょう。
イラストは、指導者が子どもに曲のイメージを伝えるときも大きな助けになります。
【2】子どもが知っている曲の楽譜を選ぶ
子ども用のピアノの楽譜を選ぶときは、子どもが知っている曲が入っている楽譜を選びましょう。まったく知らない曲よりも、興味を持ってくれることが多いです。
子どもが知っている童謡や、子どもが好きなアニメソングなどが入っているものであれば、楽しく練習できるでしょう。ピアノ演奏の基礎を学ぶための教本と合わせて使用し、子どものモチベーションをあげるのが楽しくレッスンを続けるポイントです。
【3】指番号や音名の有無で選ぶ
ピアノを弾くことに慣れてきたら、指番号や音名が書かれた楽譜を選んで、少しずつ指運びや楽譜の読み方を覚えさせるとよいでしょう。
指番号とは、親指から小指まで1本ずつ振られた番号で、効率的かつスムーズな運指をマスターするうえで欠かせないものです。
楽譜を読むのが得意でない子どもの場合は、ひとつひとつの音に音名が振られている楽譜で、楽譜の読み方を覚えてから指番号が振られたものに移行していくとよいです。
【4】指導者向けの伴奏がついているものを選ぶ
子ども用のピアノ楽譜を選ぶときは、指導者向けの伴奏がついているものを選ぶとよいでしょう。指導者向けの伴奏がある曲であれば、単調なメロディのものでも一気に華やかになります。1台のピアノをふたりで弾く「連弾」用の楽譜も市販されているので、チェックしてみましょう。
知っている曲を先生や親御さんと連弾すれば、より楽しくピアノが演奏できるはずです。
【5】指導者が教えやすく使いやすいもの
課題だけでなく、そのページの学習ポイントが詳しく書いてあるものを選ぶと、その点にフォーカスして効率よく取りくむことができます。
また、自宅で学習する場合にも、レッスンの進め方がわかりやすく記してあれば家族がサポートしやすくなります。
CDやサポート動画がついている教材も楽しく活用すれば、より理解が深まるので良いでしょう。
いまのレベルよりも少し下くらいを選んでみましょう 【子ども・幼児用】ピアノ楽譜で上達に向けたアドバイス
「初心者」とひと口にいっても、成熟度や持って生まれた音楽性などの個人差は人それぞれ。おすすめの楽譜は現在の習熟度によっても変わりますので、「この年齢ならばこれ」と、ひとくくりにはできない難しさがあります。
早く上達してほしい、早く楽譜が読めるようになってほしい、とレベルの高い教材を選んでしまうと、モチベーションの妨げになる可能性があります。
少し挑戦してみて、もしスムーズに進まないようなら、教材をより娯楽性の強いものやかんたんなものに変えてみるといいかもしれません。
【子ども・幼児用】ピアノ楽譜おすすめ22選 譜面が読めない初心者や小学生、教本としても人気!
ここまで紹介した子ども・幼児用のピアノ楽譜の選び方のポイントをふまえて、ピアニストの神田朝子さんと編集部が選んだおすすめ商品を紹介します。

最初から両手で! 基本がつまった1冊
はじめから大譜表が登場します。初期は「ド」の周辺2音からはじまりますが、次第に音の数が増え、使用する鍵盤の範囲が広がります。練習と同時に、音符・休符の長さ、拍子、調など楽典の基礎が無理なく学習できます。まわりくどさが無く、必要な知識を直球で取り入れているのでひじょうに合理的です。
はじめから大譜表でスタートしますが、ピアノを少しでも触ったことのあるお子さんなら、問題なくはじめられるでしょう。
手が小さくとも弾きやすいよう配慮がなされており、全30曲に歌詞とイラストがつけられています。とくに最後の「まる木ぶね」はインパクトのある曲調で、ぜひ一度弾いていただきたい一曲です。

まるで画集のように美しい教材
たくさんのピアノ教材を執筆している田丸信明氏による人気シリーズです。ほぼ全曲が、田丸氏によるオリジナル曲。この教材はメルヘンチックな美しい挿絵が印象的で、紙質も高級感があり、まるで画集のようです。
イラストのみのページもあり、学習内容をふんだんにつめこんだ、というタイプの教材ではありません。紙面のスペースをたっぷりと使用し、イラストの雰囲気を楽しみながら、課題曲をひとつひとつこなしていくイメージです。
やさしいイラストは練習をする過程で、美しいものを感じる感性や思い浮かべた情景、イメージなどを演奏にこめるような表現力もはぐくまれそうですね。
かわいらしいイラスト付すぐ弾ける
曲は歌詞のついた短いフレーズになっていて1曲がすぐに弾き終わります。
一冊分もすぐ終わるので初めてのお子さんにぴったりです。うたとピアノの絵本という商品名の通り、全編カラーのイラスト付で楽しく練習することができます。右手だけで弾くことができ、ステップアップしたい場合は同シリーズの両手編を使うのがおすすめです。
一緒に弾けるから楽しい!ハーモニーを体感できる
こちらもイラストがたくさん載っています。日本人に合わせたオリジナル曲は短めですが、両手を使うことになるので初心者でも効率よくレッスンしたい場合にぴったりです。子どもがメロディ、先生が伴奏を担当して弾くので初めてでもリズム、ハーモニーのある曲を弾けます。音の重なりや音楽を体感させたい!と思ったらこの本がおすすめです。
棒人間と一緒に段階的に上達
短いフレーズの曲が入っているのでレッスンの導入にぴったりです。曲名も準備運動から逆立ちなど運動にちなんだものになっています。棒人間のイラストも非常にユーモラスで楽しみながら練習できます。
バーナムシリーズは、別売りのDVDやドリルなど関連商品が充実しています。併用することでさらにわかりやすく練習できるようになるでしょう。
誰もが知っている名曲を片手で弾ける
スタジオジブリの主題歌、劇中歌を片手で弾ける楽譜です。わかりやすい鍵盤図がついているので楽譜が読めない子にも安心して使うことができます。初心者でも早く知っている曲が弾きたい時やレベルがわからないけれどピアノを習っている子に楽譜をプレゼントしたい時におすすめです。一緒に練習する大人も楽しむことができるでしょう。

全米人気ナンバーワンの定番教材
幼児向けにレッスンブックとライティングブックの2冊で進めていく教材。音符の動く方向で高低を見極めるなど、五線譜が登場する前にさまざまなアイデアで楽しく読譜の下準備ができます。
前奏・後奏を創作させたり、指番号を作曲させるなど、限られたテクニックでも自発性や創造性をうながし、あの手この手で好奇心を引きだしてくれます。

思わず大人の方もやってみたくなってしまうかも!?
CD音源のほかにサポート動画や日本語版アプリ、また指導者向けにはこの教材の著者ランディーフェイバー氏のセミナーなど、これらのツールを使いこなせば変化に富んだ楽しいレッスンに。
小学生以上には「ピアノ・アドヴェンチャー」のシリーズもあり、長くつきあえるシリーズです。

五線譜までが早い! 学習に慣れているお子さん向け
教材自体が5〜6歳向け、とうたっているとおり、ピアノの前に30分座っていられるなど、幼児でもある程度学習に慣れているお子さんにおすすめです。
プレリーディング(指番号がわかれば音符を読めなくても弾ける、五線のない楽譜)につながるような、遊び要素の強い「楽しさ」がメインのものではなく、効率よく大譜表(おもにト音記号、ヘ音記号の2段組みで表記されたもの)が読めるようになるよう、組み立てられています。
まわり道ではなく近道、です。色鮮やかな挿絵がかわいく、課題曲も有名な童謡から季節を感じる曲までバリエーション豊かですので、小学生以上のお子さんならじゅうぶん興味をもって進められるでしょう。

学習のスパイスとしてプラスしたい1冊
純粋なピアノ教本のほかにちがうアプローチを取りいれ、より深く学びたい方にぜひおすすめしたい教材です。鍵盤の音名、リズム、シャープやフラットなどの基礎をカラフルなイラストで楽しく学習できます。
課題がわかりやすく比較的かんたんなので、むずかしいことを考えなくても楽典の知識がすんなり身につくのが特徴。間違い探し、穴埋めなど、ゲームやクイズ感覚でこなせるのもレッスンの息抜きとして最適ですね。即興での演奏や作曲の課題もあり、指導者も一緒になって楽しめます。
「子ども・幼児用ピアノ楽譜」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする 子ども・幼児用のピアノ楽譜の売れ筋をチェック
Amazon、Yahoo!ショッピングでの子ども・幼児用のピアノ楽譜の売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
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まずは興味をもつことが上達への第一歩
定番のものからなじみやすいものまで、さまざまな教本があります。子どもや幼児の楽譜は、カラフルで見やすく、さらに指導員が教えやすいもののほうが便利かもしれません。
また、知らない曲ばかりより、好きな曲や知っている曲で練習するほうが、子どものモチベーションも上がりやすいはずです。ディズニー作品など、子どもの好きな曲やよく知っている曲が収録された楽譜を、教本とは別に息抜きとして準備しておくと、より楽しくピアノを習得できるでしょう。
習いごとは、子どもの可能性や興味の幅を広げるいいチャンスです。ピアノを習っているのであれば講師の方と、そうでなければお子さんと相談しながら、ぜひ個性に沿った教材をみつけてあげてください。
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2009年渡米。ジュリアード音楽院、マネス音楽院で研鑽を積む。 室内楽、ミュージカル伴奏、教会奏楽などを手がける傍ら、約150名、25カ国の異なるルーツを持つ国際色豊かな生徒を指導。 2018年春に拠点を東京に移し、音楽教室『epiphany piano studio(エピファニーピアノスタジオ)』をスタート。レッスンの詳細・お問い合わせはHPまで。 またライターとして、ウェブメディアを中心にファッション、トレンド、ビューティ、フェミニズムなどを働く女性に向けて執筆中。