コンクリート接着剤選び方のポイント DIYアドバイザーに取材
普通の接着剤は屋外で使うことは想定されていませんが、コンクリート接着剤は違います。屋外の雨風や、太陽の照りつけにも耐えれるタフさが特徴。そのうえほかに準備するものがなく、接着剤を塗るだけで使えるので初心者さんにもおすすめです。
そんな便利なコンクリート接着剤の、選び方のポイントを解説します。
用途による対象素材との相性で選ぼう
コンクリート接着剤は基本的に、コンクリート同士の接着は可能です。しかしコンクリートに接着したいものが木材なのか金属なのかタイルなのかで、接着剤によって対応できる素材が違ってきます。
接着したい素材との相性を確認して選びましょう。
シックハウス症候群を避けるための目安とは
コンクリート接着剤には、シックハウス症候群の原因となる、ホルムアルデヒドが含まれる場合があります。
これを避けるためには、「Fフォースター」という星が4つならんだマークがついている商品を選びましょう。Fフォースターがついている商品は、ホルムアルデヒドの発散が少ないので比較的安心です。
接着剤の種類で選ぼう
コンクリート接着剤は、そのタイプによって特色が異なります。使い道に向いたものを選べるように、それぞれの特色を解説します。
温度が変わりやすい場所ではシリコーン樹脂系
シリコーン樹脂系は、金属や木材、プラスチックなどの素材と接着しやすいのが特徴です。
固まるとシリコンゴムになりますが、やわらかさを残し、振動や衝撃を吸収してくれる弾性があります。しかも温度が変わっても影響を受けにくく、低温から相当な高温まで、問題なく接着できます。
高湿度でも強く接着できるエポキシ樹脂
耐久性・耐水性が高いエポキシ樹脂タイプは、屋外使用に向いています。湿った状態でも強く接着してくれるのが特徴です。コンクリートやモルタル、金属、石材、レンガや陶磁器などの接着に適しています。
しかし温度が低いと固まりにくく、反対に温度が高いと固まりやすい性質があります。夏場などは樹脂が一瞬で固まってしまうこともあるため、取り扱いには注意しましょう。
ポピュラーでコスパのいい酢酸ビニル樹脂
とてもコストパフォーマンスがよくて広く使われているのが、酢酸ビニル樹脂系のコンクリート接着剤です。大容量タイプもあるので、接着剤をたくさん使いたいときにおすすめ。
コンクリートや木材、タイル、発泡スチロールなどにも使えます。ただし、高温や水には強くないので、その点は気をつけて使いましょう。
雨や濡れた部分でも接着しやすいのはアクリル樹脂
アクリル樹脂系はとても柔軟性に富んでおり、濡れた部分にも強いため、天候の変化にも対応できます。劣化なども起きにくいため、使いやすい接着剤といえるでしょう。
しかし、低い温度での接着力は高くないため、考慮して使用しましょう。
接着後の環境を考慮して選びましょう DIYアドバイザーがアドバイス
コンクリートは初期接着が比較的容易ですが、接着後の環境により不具合が出やすい素材でもあります。
そのため、接着剤を選ぶときは、接着後にどのような状態や場所で使われるかを確認し、環境にあった商品を選びましょう。商品情報やパッケージに記載されている、「耐候性」「耐熱性」「耐水性」「耐衝撃」などをよく確認することがポイントです。
コンクリート接着剤おすすめ8選 DIYアドバイザーと編集部が選ぶ
ここからはコンクリート接着剤の8商品を、特徴をふまえて紹介します。使い道との相性を考えて、参考にしてくださいね。

塀の凸凹面修理にも威力あり
屋外のブロック塀や車止め、コンクリート塀などの穴うめの補修に向いていて、凹凸面をしっかりとうめてすばやく固めてくれる、すぐれたコンクリート接着剤です。
まぜはじめると、たった5分ほどで硬化がはじまる速硬化タイプ。金属フェンスなどの補修や郵便ポストを取りつけたり、ほかにもタイルの接着などさまざまな用途に使えます。
垂直な面でも垂れず使いやすさ抜群
この接着剤はやわらかなペースト状なので、塗る場所が垂直面であっても下に垂れることなく作業できるのが特徴です。その特性から、凹凸の面を満たす充填性にもすぐれており、補修用途が広い商品。
コンクリート面に木材やタイルなどの素材への接着に適しています。接着するときは、接着面の汚れや油などを落とし、水分は乾燥させるようにしてください。
衝撃に強くニオイも少ないすぐれもの
接着部分がショックをしっかり吸収してくれるので、衝撃に対してとても強い性質を持っています。嫌なニオイが少なく、無溶剤タイプで安心なところも、使いやすいポイントです。
高温の状態や水気にも強く、また弾力性がはがれにくさを生みだすので、さまざまな場面で活躍できる接着剤。溶剤を使っていないので、いわゆる「肉やせ」も防げる商品です。

コンクリートのヒビ割れ補修に強い味方
コンクリートやブロックなどの、ヒビ割れた部分の補修に強い味方となるコンクリート接着剤。さまざまな下地の素材を接着できるため、その用途の広さもポイントです。
固まったあとは温度の変化にとても強く、マイナス30〜90℃間の変化に耐える性質を持っています。冬場であっても使いやすく、硬化スピードが速いのがメリット。また、Fフォースターマークがついているため、シックハウス症候群の心配も少ないです。
ザラザラ面でもしっかりついて水濡れにも強い
コンクリートやブロックなど凹凸のはげしい面や、ザラザラの素材にも難なく使えるたくましさがあります。そのうえ、水気にも強く頼りになるコンクリート接着剤です。
まぜないで使えるタイプのため、手軽に塗れて瞬間的に強く接着するすぐれもの。フックや郵便ポストの取りつけなど、幅広い用途に使えて汎用性があります。
タイル補修を強力かつ美しく
タイル張り専用の弾性接着剤です。耐久性があり、変形に対する追従性にもすぐれているのがポイントです。
一液タイプで作業もラクラク。下地は、乾燥していても湿っていても問題ありません。内装のタイルなどの使用にも向いています。また、Fフォースターマークがついているため安心です。

「コンクリート接着剤」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする コンクリート接着剤の売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでのコンクリート接着剤の売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
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知っておこう! つける前の事前処理
いざ接着剤を使ってみると、思ったほど接着しないときががあります。これは、使う面の事前処理がじゅうぶんにされていないことが原因。
たとえば、対象とする面が不純物で凸凹だと、接着力が弱くなりがちです。ワイヤーブラシなどで、きれいに取り除いておけば問題なく接着できます。また、チリやホコリも接着しにくくなるので、掃除機で吸いとりましょう。
できるだけ乾燥している状態のほうが接着効果は高いので、雨などにも注意しましょう。
使用する環境にあわせて最適な接着剤を選ぼう
コンクリート接着剤おすすめ商品を紹介しました。対象素材との相性や温度・湿気の変化に強いもの、凹凸面に強いものなど、さまざまな特色のコンクリート接着剤があります。作業の環境などによって使いわけ、選ぶのがいいでしょう。ぜひ、ぴったりのコンクリート接着剤を選んでください。
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徳島県の家具メーカーにて木製家具の製造に携わり、機械加工、仕上げ、組み立て、塗装など木工全般と家具製造ノウハウを培いました。 その後東京では業界新業態の体験型DIYショップで店長として勤務。店頭ではお客様の相談に乗りつつ、一人一人にぴったりのDIY用品を提案してきました。 同時にDIYレッスンの企画と講師を行い、日本のDIY文化発展のために努めてきました。 現在は大学のデザイン学部の助手として大学内工房に在中し、 学生に対しデザインやモノづくりの手法などを主に教えています。