モニターヘッドホンとは
モニターヘッドホンとは、音質の変化や曲のバランスなどを確認するためのヘッドホンのこと。録った音がどのように聴こえるのかをチェックするもので、原音を忠実に再現しているのが特徴です。
レコーディングスタジオなどの現場でプロが使うものですが、その音の忠実さから、DTM編集(デスクトップミュージック)や動画編集などの目的でも使われています。高解像度でより鮮明に音を聴きたいという方にぴったりのヘッドホンです。
普通のヘッドホンとの違いとは?
モニターヘッドホンと普通のヘッドホンの最大の違いは、音の傾向です。
■モニターヘッドホン
録音された音の様子や変化、音質が劣化していないかをチェックするもの。
■ヘッドホン
低音と高音に特化した「ドンシャリ系」のタイプや、中音を響かせる「かまぼこ系」のタイプなど、製品によって個性があります。
つまり、モニターヘッドホンは音を「鑑賞」するのではなく、商品として送り出す音源に不備がないかをチェックするのが役割となります。「原音を忠実に再生する能力」「周波数領域の広さ」が普通のヘッドホンと比べて優れています。
モニターヘッドホンの選び方
それでは、モニターヘッドホンの基本的な選び方を見ていきましょう。ポイントは下記。
【1】ハウジング形状
【2】再生周波数帯域
【3】片耳モニタリング対応かどうか
【4】リケーブル対応かどうか
上記のポイントを抑えることで、より具体的に欲しい機能を知ることができます。一つひとつ解説していきます。
【1】ハウジングの形状で選ぶ
モニターヘッドホンには、密閉型と開放型の2種類があります。それぞれ特徴が異なるので、自分に合うタイプを選びましょう。
▼密閉型|遮音性が高く、スタジオで重宝する
密閉型タイプのモニターヘッドホンは、耳に当てるハウジング部分が完全に密閉されている形状のため遮音性能が高いのが特徴です。
低音重視という場合や、まわりの雑音を気にせず音楽を聴きたい場合には密閉型がおすすめです。音漏れもしにくいです。ただ音がこもりやすいので、耳が疲れやすいという点も考慮に入れておきましょう。
密閉型に適した音楽ジャンルは、ロックやヒップホップ、EDMなど重低音をきかせた音楽です。また、ゲームなど外の音を遮断して集中したい場合などにも向いています。
▼開放型|自宅など静かな環境で使う方に
開放(オープンエアー)型は、ハウジング部分が密閉されておらずメッシュなどで覆われているので、抜けがよく広がりのある音を聴くことができます。長時間装着していても疲れにくいのもメリットのひとつ。
ただ遮音性能が低いため、まわりの雑音が気にならない静かな環境で使用する場合におすすめです。自宅やひとりで作業できる環境で使う方はチェックしてみてくださいね。
こちらのタイプは、クラシックなど高音の響きにこだわりのある音楽ジャンルが適しています。
【2】再生周波数帯域をチェック
再生周波数帯域とは、そのヘッドホンがどれだけの音域を再生できるかを示したものです。極力幅の広い製品を選ぶことがポイントで、5Hz~50kHzほどであれば広いといえます。
【3】片耳モニタリング対応かどうかチェック
DJのようにまわりの音を聴きながら使用する場合は、90度回転する片耳モニタリングに対応したものがいいでしょう。また、持ち運びをするならコンパクトになるものなど、目的や利用シーンによって選択しましょう。
【4】リケーブル対応かどうかチェック
リケーブルとは、ケーブルがつけ替えできる商品を指します。リケーブル対応商品であれば、もしケーブルが切断してしまったり劣化したりしても、ヘッドホン自体を買い換える必要はなく、ケーブル交換のみで済ませられます。お気に入りを長く愛用することができますね。
また、ケーブルを自分好みのものに変更することによって音質をよくすることもできますので、リケーブル対応商品も視野に入れて検討するといいでしょう。
エキスパートのアドバイス
音色や装着感、方式などの違いをチェック
モニターヘッドホンといえど、各機種により音色は違います。また、装着感も異なります。その他、リケーブル可否、オープン型や密閉型といった方式の違いもあります。
モニターヘッドホンのおすすめ16選
それでは、おすすめのモニターヘッドホンをご紹介いたします。すぐに各商品が見たい方は、下記のリンクをクリックしてくださいね。
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▼おすすめ4選|安い
▼おすすめ8選|密閉型
▼おすすめ4選|解放型
▼おすすめ4選|安い
最初に1万円以下で購入できる安いモニターヘッドホンをご紹介していきます。初心者におすすめのモデルをラインナップしているのでチェックしてみてくださいね。
楽器メーカーの電子楽器用・軽量モニターヘッドホン
電子楽器を扱う楽器メーカーのローランドが、電子楽器用に販売している密閉型モニターヘッドホンです。すべての音域をフラットに感じることができるように設計されているのがポイント。電子ピアノやV-ドラムなどの電子楽器の演奏から、オーディオ・リスニングまで楽しめます。
また、軽量設計なので楽器演奏時もストレスなく使用することができます。楽器練習用として集中したい場合にもおすすめです。
低コストながら丈夫でしっかりモニタリングできる
こちらは5,000円以下で購入できるリーズナブルなモデルでありながら、20〜20,000Hzと人間の可聴範囲もしっかりカバー。丈夫で壊れにくく、モニタリングもしっかりできるコスパの高さ。
予算的にヘッドホンまでまわらないという方にはこちらのヘッドホンがおすすめです。
抜けのある自然な音で、ギターなどの楽器演奏に
開放型ならではの抜けのある音と、軽量な装着感。電子楽器用にチューニングもされており、電子楽器をモニタリングしたい人におすすめ。
また、カラーも2色から選べるので自分の楽器に合った色をチョイスすることができます。楽器演奏時のトータルデザインにもこだわりたい人にぴったりなモニターヘッドホンです。
初心者にもおすすめ! プロ仕様なのにリーズナブル
プロ用の技術を低価格で手に入れたい人や、はじめてモニターヘッドホンを購入したい人におすすめです。プロ用に開発された独自技術や、音を正確に再現するためのバリモーション・テクノロジーを採用するなど、音質向上のための機能を搭載しています。
自在に動かせるイヤーカップと厚みのあるイヤーパットにより、長時間のモニタリングでも疲れにくい点も魅力。3年の長期保証つきで、リケーブルでケーブル破損の際も交換できます。
▼おすすめ8選|密閉型
密閉型は音漏れしにくく外部の音も遮断するため、音楽用として集中できるのがメリット。本格的なスタジオ向けから初心者向けまで、さまざまなモデルをご紹介しますので、それぞれ比較してみてくださいね。
長時間の装着でも疲れにくく低音までしっかり聴ける
原音に忠実かつ高精度のモニタリングができる密閉ダイナミック型ヘッドホン。耳への締めつけもなく長時間装着していても疲れにくく、低音までしっかり聴くことができます。
コードはくるくるカールしたカール・コードを採用しています。1万円前後の価格でおさえられているのもポイントです。
折りたたみ可能で音の再現度も申し分なし
しっかり空間が感じられる高音と、濁りのない音源に忠実な低音を聴くことができます。やや重さはあるものの、長さ調整が可能なスライダーとパッドの厚みが利いたフィット感で、長時間の使用にも適しています。
折りたたむことができるので携帯性もよい密閉ダイナミック型ヘッドホンです。
自分好みの使い方ではじめてでもおすすめ
はじめてモニターヘッドホンを検討している人におすすめのモデルです。再生周波数帯もある程度広く、片耳モニタリングも可能。リケーブルでコードも2種類ついているため、自分好みに使用できるなどさまざまな使い方ができるにもかかわらず低価格という点もポイントです。
首にかけながらモニタリングもできるため、自宅で自分のスタイルを崩さずミキシングなどを行ないたい人にぴったりです。
SONY(ソニー)『MDR-CD900ST』
長年スタジオで愛されてきたモニターヘッドホン
長年現場で愛されてきたスタジオ向けのプロ用モデル。定番のモニターヘッドホンがほしい人におすすめです。もともとはソニーのスタジオで使用するために作られたものでしたが、1989年以来そのよさからさまざまなスタジオで使用されてきたという歴史があります。
プロの現場に求められる音質・耐久性の追求、再生周波数帯も広い高クオリティながら比較的低価格なため、本格的なモニターヘッドホンがほしい人にぴったりです。
こだわり品質追求のハイレゾ対応モデル
ハイレゾ対応のプロ用モニターヘッドホンがほしい人はこちらを検討してみてはいかがでしょうか。高音領域が80,000Hzと高いため、ハイレゾの音楽を扱うならぴったりのモデルです。
独自のドライバユニットを採用しているほか、中域へ焦点を当てながら低音域や高音域もしっかりと聴こえるように磨き上げられた音質、音の響く空気感に対する忠実性も見逃せません。熟練の作業者が一つひとつていねいに手作業で作り上げた、品質にもこだわりのあるモニターヘッドホンです。
機能性と個性が際立つロングセラー
25年あまりの間、世界で使われてきたHD25シリーズのリニューアルバージョンです。ほかとは一線を画す二重構造のヘッドバンドに、丸い密閉型ハウジングが特徴的なデザインが目を惹きます。
安定したサウンドはもちろん、つけ心地が軽く長時間の装着でも疲れにくく、片耳モニタリングもできます。高い音圧レベルにも対応し、騒音に囲まれていてもモニタリングやオーディオ機器テストが可能です。
高音域と低音域がよい密閉型業務用ヘッドホン
高音域と低音域がよいとの定評があり、全体的にバランスのよいチューニングの密閉ダイナミック型ヘッドホンです。そのため、リスニング用としても向いています。
レコード針やスタジオ機材で知られるSHUREならではの設計で、適度な側圧により激しい動きでもずれることがありません。ドラムやDJプレイ中も安心ですね。
使いやすさと安心感! 定番モデルのワイヤレス版
オーディオテクニカの定評あるモデルのワイヤレスバージョンです。『ATH-M50x』と同等のパフォーマンスを再現しながら、Bluetooth接続で利便性も高いです。
最大40時間再生、スマートフォン専用アプリ「Connect」を使用することで電池残量や各種ガイドが確認できるなど、使い勝手も抜群です。
▼おすすめ4選|解放型
オープンエアー、セミオープン型なら、音抜けよくゆったりと自宅で音楽を楽しめます。ぜひおすすめ商品を参考にしてみてください。
モニタリングも音楽鑑賞もOK
モニタリング性能の高さと、使いやすさを兼備。スマホなどのポータブルプレーヤーと接続して利用することを念頭に入れた製品です。
開放型ならではの特徴で音漏れが多少あるため、公共の場での使用は難しいかもしれませんが、保管ケースに入れてスタジオや自宅を移動して使うことができて便利です。
40年の技術がつまった軽量高性能モデル
プロ用で広い周波数領域の高性能モデル。5~40,000Hzの広い再生周波数帯や、40年にわたる技術により、プロ用に耐えうる品質を追求したヘッドホンです。
インピーダンスが高いのでアンプが必要な場合がありますが、高性能で広い音域を聴きたい人におすすめです。210gと軽量なのも魅力のひとつで、長時間でも疲れにくい設計となっています。
中高域の再現度が高い開放型
メタリックなデザインが洒落た雰囲気を醸すヘッドホン。開放型で広がりのある音が魅力で、特に中高域の再現度の高さに定評があります。
人間工学に基づき立体的にデザインされた「3Dフォーム・イヤーパッド」は、ベロア素材で長時間の装着でも疲れにくく、交換が可能となっています。
ワンランク上のスタンダードモデル
AKG独自の技術や音を正確に再現し、迫力のあるサウンドを出すバリモーション・テクノロジーに加え、過渡特性にすぐれ、繊細な音にも瞬時に反応できる力を向上させたオープンエアー型のヘッドホン。
スタンダードなモデルながら再生周波数帯も幅広く、とくに中高域の音にすぐれています。ワンステップ上のモニターヘッドホンがほしい人におすすめです。
【比較一覧表】料金などを比べる
【ランキング】通販サイトの最新人気! モニターヘッドホンの売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでのモニターヘッドホンの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
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【まとめ】好みに合わせて選ぼう
本記事では、タイプ別にモニターヘッドホンの選び方やおすすめ商品をご紹介しましたが、いかがでしたか。
広い再生周波数領域のもの、リケーブル対応などさまざまな選び方があるので、自分の目的に合ったものを選択するといいでしょう。ぜひ、あなたがほしいモニターヘッドホンを選んでみてくださいね。
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ソニーにてシステムエンジニアとして勤務後、徳島へUターン。ソニーショップと一級建築士事務所を運営する、株式会社コールの代表を務める。 店舗、Web、ブログ、SNSを使った、リアル&ネット融合型の運営を行っている。 得意ジャンルは、ホームシアターを中心に、映像、音響、カメラ、IT全般。 ソニー情報を中心に発信している、毎日更新ブログ「店長のつぶやき日記ハイパぁ。。。」は、15年目を迎える。