ポータブルヘッドホンアンプの役割とは
ポータブルヘッドホンアンプ、略して「ポタアン」とは、スマホや携帯音楽プレイヤー、PCなどのヘッドホン出力をパワーアップする、持ち歩き可能なアンプです。
ハイレゾブームで脚光を浴びました。大型のヘッドホンを接続して高音質で鳴らしたい、さらに音質の良好なバランス接続でつなぎたいなど、高音質化を目的として購入される方も多いでしょう。
なお、iPhoneをはじめとしたスマートフォンなど、ヘッドホン出力端子が省略されている機種では、デジタル接続をするポータブルヘッドホンアンプと組み合わせることで、有線ヘッドホン・イヤホンを接続する目的でも利用できます。
ポータブルヘッドホンアンプの選び方
ポータブルヘッドホンアンプを選ぶときのポイントをご紹介します。ポータブルヘッドホンアンプとはそもそも何に使うものなのか? という入門者の方から、ヘッドホンを使った快適な音楽環境を模索中の方まで、解決のサポートになる情報がぎゅっと絞り込まれています。
給電方式をチェック!
ポータブルヘッドホンアンプには、おもに3つの給電方式があります。
繰り返し使える「リチウムイオン電池」
スマホやタブレットなどのバッテリーに使われているタイプです。充電ケーブルをつないで充電をおこないます。
充電の頻度が高くなると電池が劣化するため、リチウムイオン電池タイプを購入する場合は、事前にバッテリーが交換できるかどうかを確認しておくといいでしょう。なお、駆動時間はバッテリーの容量で変わります。
交換して使う「乾電池式」
ポータブルヘッドホンアンプに乾電池を入れた使うタイプです。充電の必要がないので、バッテリーの交換を気にしなくて済みます。ポータブルヘッドホンアンプを気軽に使いたいという方にもピッタリです。
ただし、電池が切れたときのために予備の乾電池を持ち歩くなどの手間がかかります。機種によって使える乾電池の種類は変わるので、事前にチェックしておきましょう。
端末とつなぐ「給電式」
スマートやタブレットに直接つないで給電するタイプです。スマホを音楽プレーヤーとして使っている場合は電池の減りが早いので、供給元のバッテリー残量には注意する必要があります。
「供給元の充電残量を気にしなければいけない」というデメリットを除けば、スマホにつなぐだけでポータブルヘッドホンアンプが使えるので手軽です。
接続端子から選ぶ
ポータブルヘッドホンアンプの購入を決めたら、まず接続したい音楽プレイヤーとの接続方法を考えましょう。
ポータブルヘッドホンアンプで利用できる入力は、大きく分けるとアナログ・デジタル2通りがあり、複数の接続方法に対応するモデルがほとんどです。
手軽に使える「アナログ」
イヤホンやヘッドホンをつなぐアナログのヘッドホン端子は、ほとんどの携帯型の音楽プレーヤーとポータブルヘッドホンアンプについています。
そのため、アナログは「組み合わせる音楽プレーヤーを選びやすい」というメリットがあります。音質よりも手軽さを重視したいという方も、アナログ接続タイプのポータブルヘッドホンアンプを選ぶといいでしょう。
高音質の伝送も可能な「デジタル」
USBなどのデジタル出力端子がついている音楽プレーヤーは、DACが内蔵されているポータブルヘッドホンアンプを選ぶと、デジタル接続による音楽が聴けます。
デジタル接続なら高音質な伝送ができるほか、デジタルからアナログへの変換もポタアンで処理をするため、音質の劣化も防げます。音にこだわりたいという方は、デジタル接続タイプを選んでみてください。
ハイレゾ音源対応の可否も確認しよう
高音質で音楽を聴きたいという方は、ハイレゾ音源に対応しているかどうかもチェックしておきましょう。原音に近いサウンドを楽しみたいという方も、ハイレゾ対応のポタアンを選択してみてください。
ただし、ポタアンだけではなく、イヤホンやヘッドホンもハイレゾに対応している必要があるため、合わせて確認しておくようにしましょう。
駆動時間をチェック!
ポータブルヘッドホンアンプは、できるだけ駆動時間も長いものを選びましょう。とくに、毎日のように音楽を聴くという方は、駆動時間のチェックは必須です。
駆動時間が短ければ頻繁に充電しなければならないので、音楽を聴くための手間がかかります。事前に駆動時間をしっかり確認して、「音楽を聴きたいときに充電残量がたりなかった」などということがないようにしたいところです。
ヘッドホンやイヤホンとの相性もチェック
ポータブルヘッドホンアンプを使えば音は増幅されますが、「音楽を聴くためのアイテム」が悪ければ音質の向上は望めません。そのため、イヤホンやヘッドホンの性能によっても、ポータブルヘッドホンアンプを使ったことによる音質の変化は異なります。
とくに、ノイズの増幅が気になるという方は、ノイズキャンセリング機能があるヘッドホンやイヤホンを選ぶといいでしょう。
予算に合わせて選ぶ
予算に合わせて選んでみるのも、ひとつの方法です。
はじめて購入するなら「10,000円未満」
ポータブルヘッドホンアンプを使って気軽に音質の変化を楽しみたいという方や、はじめてポータブルヘッドホンアンプを購入するという方は、10,000円未満のものから選んでみましょう。
本格的な高音質を楽しむにはものたりないと感じるかもしれませんが、入門機として購入するなら、この価格帯から選ぶのも悪くはありません。
手軽に高音質を楽しむなら「10,000~30,000円」
10,000~30,000円になると、高音質で音楽が楽しめる「デジタル接続対応」のポータブルヘッドホンアンプも選択肢に入ってきます。
ハイレゾ音源に対応していないスマホも、ポータブルヘッドホンアンプを使えば、音質の高さを実感することが可能です。はじめてデジタル接続に対応しているポタアンを購入するという方も、この価格帯をチェックしてみてください。
本格的な上位モデル「30,000円~」
30,000円以上になると、デジタル接続やハイレゾ音源対応のポータブルヘッドホンアンプも増えてきます。
ノートパソコンやテレビなど、さまざまな種機器と接続ができる出力端子が備わっているポータブルヘッドホンアンプも選択できるようになるでしょう。音質を調整できる機能が搭載されているタイプが多いのも、この価格帯の特徴です。
利用シーンから選ぶ
ポータブルヘッドホンアンプはどれもバッテリー内蔵で外にも持ち出せますが、購入する際には利用シーンも考えてみましょう。
日常的に外に持ち出して使う用途なら、接続端子の種類が少なくても100gを切るような小型・軽量タイプがおすすめです。例えば組み合わせるプレイヤーがiPhoneと決まっているなら、Lightning端子直結タイプを選んでしまった方が取り回しが良く、外にも持ち出しやすいでしょう。
自宅でじっくり音楽を聴くことがメインなら、本体サイズは大きめのタイプを選んでも問題ありません。
iPhone向けにはLightning端子用の専用品も
高音質化で最初に検討したい接続方法がUSBです。
USB接続では、音楽プレイヤーやスマホ、PCから、デジタル信号のままポータブルヘッドホンアンプに音声信号を伝送します。さらに、ヘッドホンアンプ側のDAC(Digital to Analog Converter)でアナログに変換するので、もっとも高音質化が期待できます。
USB端子搭載のヘッドホンアンプに接続できる機器は、iPhone(Lightning端子)、Androidスマホや音楽プレイヤー(microUSB端子)、PC(USB端子)、ウォークマン(WM端子)などさまざま。デジタルには小型光デジタル端子もあり、Astell&Kernブランドの音楽プレイヤーに対応します。
Bluetooth接続対応のヘッドホンアンプも
一般的なポータブルヘッドホンアンプから少し外れますが、Bluetooth版ポータブルヘッドホンアンプも存在します。
これはスマホなどからBluetoothで接続するヘッドホンアンプで、有線タイプのヘッドホン・イヤホンを接続して再生する、いわばワイヤレス版のポータブルヘッドホンアンプです。
音声データの伝送にBluetoothを介するので音質劣化は避けられませんが、お気に入りのヘッドホン・イヤホンをワイヤレス化して、高音質のポータブルヘッドホンアンプを通して鳴らせることが最大のメリット。複数の入力端子を備えるヘッドホンアンプのひとつの機能として、Bluetooth接続を利用できるモデルもあります。
おすすめ商品の比較一覧表
ポータブルヘッドホンアンプおすすめ17選
上でご紹介したポータブルヘッドホンアンプの選び方のポイントをふまえて、おすすめ商品をご紹介します。ポータブルヘッドホンアンプは接続方法、価格で効果が大きく変わる製品です。選び方を参考に、商品の特徴をしっかりととらえましょう。
iPhone直結にぴったりの薄型アンプ
重さ約101gと軽量ながら、フル機能のポータブルヘッドホンアンプです。
USB接続による高密度な384kHz/32bitのハイレゾ、さらにDSD(ダイレクト・ストリーム・デジタル)方式の上位規格「DSD256」(11.2MHz)までサポートしています。DAC用に旭化成の高音質半導体『AK4452』を搭載するなどスペックも本格的。
本体がアップルの認証を取得したiOS完全対応で、付属のLightning-to-micro USBケーブルで直結して音楽再生にも対応。
本格的なハイレゾ再生でも使いやすく、iPhoneに直結しても持ち歩きやすい、扱いやすさ抜群のモデルです。
高音質・ワイヤレスを両立した次世代アンプ
ロングセラーモデルの多いポータブルヘッドホンアンプの中でも、2018年4月発売のモデルがxDSD。
入力端子はアナログ、USB、光・同軸デジタル端子までそろい、USB入力で非常に高スペックの最大768kHz/32bit、DSD512まで対応。さらに最新のハイレゾ音源の方式であるMQA(Master Quality Authenticated)までサポートしています。
Bluetoothによるワイヤレス接続も対応という機能性も現代的で、重量127gという軽量化も実現。PC接続もスマホ接続もでき、あらゆるフォーマットに対応する、なんでもありの最上位級モデルです。
イヤホン・ヘッドホンをワイヤレス化
スマホとBluetoothで接続して有線イヤホン・ヘッドホンを高音質のままワイヤレス化することを目的に作られた、ワイヤレスポータブルヘッドホンアンプ。
特徴は「LDAC」をはじめ「aptX」や「AAC」など、対応するコーデック(圧縮技術)の豊富さが特徴です。特にLDAC対応のAndroidスマートフォンとの組み合わせで、ハイレゾ級の高音質を実現します。
DAC、アンプ部にグレードの高いチップを採用しているだけに、ただワイヤレス化するだけではなく、クリアでパワーのある高音質再生の実力も本物。お気に入りのイヤホン・ヘッドホンを音質に妥協なくワイヤレス化したい人に試してほしいモデルです。
DSDもPCMもトゥルーネイティブ再生可能!
イギリスのオーディオメーカーAMRの新しいブランド、iFi-Audioの製品です。連続再生時間はヘッドホンのタイプと再生モードにより6~12時間、バッテリー消耗時には充電中でも再生できます。
2014年にmicro iDSDがリリース、そのアップグレード・バージョンが2017年にリリース、そして2020年11月に筐体デザインや内部回路を改良し、使用感やパフォーマンスをさらに高めて登場したのがこちらのmicro iDSD Signatureです。iPhoneやiPad には、Apple社のLightning-USBカメラアダプタ(CCK)で接続して使用できます。
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする ヘッドホンアンプの売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでのヘッドホンアンプの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
ポータブルヘッドホンアンプに関連する記事のご紹介!
まとめ
最近はハイレゾ対応の携帯音楽プレイヤーの選択肢も増えています。しかし、同じ予算をかけるならポータブルヘッドホンアンプの方が音質で上回る、そんな音質に対するコスパの良さがポータブルヘッドホンアンプの特徴です。
使い方も幅広く、iPhoneやスマホ、携帯音楽プレイヤー、そしてPCの高音質化に一台で対応できます。
まずはじめは、自分の使う用途を考えて選ぶのがおすすめ。そして、買った後にPCに繋いでみたり、スマホにつないでみたりといろいろなことにチャレンジしてみると、製品購入後の満足度もアップするでしょう。
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※「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。
※商品スペックについて、メーカーや発売元のホームページ、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。
※レビューで試した商品は記事作成時のもので、その後、商品のリニューアルによって仕様が変更されていたり、製造・販売が中止されている場合があります。
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