7弦ギターとは 轟音ともいえる独特の低音が魅力!
低音弦を1つ追加することで、迫力ある重低音を鳴らせるのが7弦ギターです。80年代後半に初めて量産モデルが登場して以来、さまざまなメーカーが7弦ギターを製造していて、今やハードロック界では珍しくない存在になっています。
演奏のしかたをはじめ、通常の6弦ギターとは異なるところもいろいろある7弦ギターですが、轟音ともいえる独特の低音を鳴らせるので、ヘヴィメタルやラウドロックのギタリストにはかかせないものととなっています。
7弦ギターのおすすめブランド 音楽・DTMライターが厳選!
ここでは、音楽・DTMライターの田澤 仁さんがおすすめするブランドを紹介します。
Ibanez(アイバニーズ)
7弦ギターを出しているブランドはいくつかありますが、その筆頭ともいえるのがIbanez(アイバニーズ)。アメリカのミュージシャンであるスティーヴ・ヴァイとともに7弦ギターを開発し、初めて市販モデルとして発売したブランドだけに、7弦に関するノウハウもばっちりで、30年近くこの世界をリードしてきています。
ほかにも、同社看板モデルのRGシリーズにも7弦ギターがあり、選択肢も幅広いので、7弦ギターを探すならまずIbanezをチェックしましょう。
Sterling(スターリング)
スティーヴ・ヴァイ以外のシグネチャーモデルとしては、アメリカのメタルバンドのギタリストであるジョン・ペトルーシが有名ですが、これはミュージックマン傘下ブランドのSterling(スターリング)から出ています。
GrassRoots(グラスルーツ)
ESPの低価格機種を扱うブランド、GrassRoots(グラスルーツ)。ESPブランドの代表的機種のHorizonシリーズのスタイルを継承したモデルが人気。コスパを重視するならこのあたりが狙い目です。
Jackson(ジャクソン)
ハードロック/ヘヴィメタル系に人気のあるブランド、ジャクソンの7弦モデルです。スタンダードなものから、見た目が特殊な変形シェイプといったラインナップが魅力のブランドです。
7弦ギターの選び方 ネックの厚みやフレットの位置に注意!
音楽ライターの田澤 仁さんに、7弦ギターを選ぶときのポイントを教えてもらいました。ポイントは下記。
【1】ネックの厚みやジョイント部分の構造で選ぶ
【2】スケールやフレットの位置で選ぶ
【3】ピックアップの種類で選ぶ
上記のポイントを押さえることで、より欲しい商品をみつけることができます。一つひとつ解説していきます。
【1】ネックの厚みやジョイント部分の構造で選ぶ
通常の6弦のギターに比べて弦が1本多い7弦ギターは、ネックもそのぶん太くなっているのが普通です。6弦ギターから持ち替えたときには、弾きにくさを感じる人もいるでしょう。ただし、太くなったといってもその差は数ミリ程度です。クラシックギターほど太いものはあまりないので、それほど気にする必要はありません。
それよりも、ネックの厚さに注目しましょう。個人差もありますが、一般的には薄いネックのほうが弾きやすくなるので、初めて7弦ギターを使うならネックが薄めのものをおすすめします。
また、とくにソロを弾く人はネックジョイントやカッタウェイの形状も確認しておきましょう。ネックジョイントにカット加工がされているヒールカットのものや、カッタウェイが広くとられているものが、ハイポジションが弾きやすいのでおすすめです。
こういった弾きやすさについては、一度は店頭などで手に取って確認するとよいでしょう。
【2】スケールやフレットの位置で選ぶ
スケールとは弦長のことで、ギターのナット部分からブリッジまでの長さをあらわしています。メーカーやブランド、モデルによっても違いはありますが、ここでは一般的な長さを紹介します。
ロングスケール:25.5インチ(648mm)
ロングスケールのメリットは、6弦ギターから持ち替えても違和感が少ない点です。Ibanezなどエントリーモデルも多く、現在の7弦ギターの主流になりつつあります。はじめて7弦ギターを演奏するギタリストは、このスケールを選ぶとよいでしょう。
エクストラロングスケール:26.5インチ(673mm)
ロングスケールから1インチ(約25mm)長くなるモデルがエクストラロングスケールです。SCHECTERやPRSなどの7弦ギターで採用されいます。
弦長が長くなるぶんテンションが強くなり、張りのあるタイトなサウンドを奏でることができます。その分、タッチが硬くなってしまうため、上級者向きといえるでしょう。
マルチスケール
7弦ギターの弱点として、低音弦の張りがゆるくなり、音が引っ込み気味になったり、ビビりやすくなったりすることがあります。
これを解決するために、低音弦になるほどスケールが長くなるようにしたマルチスケールやファンフレットと呼ばれる、フレットが低音弦に向かって広がっていく機構を採用しています。
フレットの間隔も低音弦側が広くなるため、フレットが扇形に開いたような形になります。これには、どのポジションを基準にしてフレットの間隔が広がっていくかによって次の2種類があります。
【0フレットを基準にしている場合】
ローポジションではフレットの開きが少ないためコードが弾きやすいです。色々なコードを弾く場合はこちらがおすすめです。
【弦の長さの中央を基準にしている場合】
ローポジションのコードは運指が難しくなりますが、低音弦をより長くできるため、低音に張りが出ます。
【3】ピックアップの種類で選ぶ
7弦ギターに採用されているピックアップはおもに「ソープバータイプ」と「ハムバッカータイプ」の2種類にわけることができます。
ソープバータイプ
ソープバータイプはシングルコイルピックアップの1種ではありますが、EMGが開発したマウント耳を持たないモデルが人気となり、その高い出力性能とサウンドで7弦ギターのピックアップとして主流となりました。
アクティブモデルもパッシブモデルもどちらも多くのメーカーがラインナップしています。
ハムバッカータイプ
7弦ギターのさきがけであるIbanezのスティーヴ・ヴァイモデルのUniverseに採用されたのがこのハムバッカータイプのピックアップでした。
6弦用のハムバッカーをそのまま大きくしたようなDiMarzioのピックアップで、その後も有名7弦ギタリストの開発に携わり、この規格もほかのメーカーに浸透していくこととなりました。
シングルコイルに比べノイズに強くパワフルなサウンドを奏でられるため、7弦ギターでも多く採用されています。
7弦ギターのメリット・デメリットも頭に入れて 音楽・DTMライターからのアドバイス
7弦ギターでは、6弦ギターに比べてネックが太くなるほか、場合によって7弦をミュートする必要があるなど、運指も6弦のときとは違って難しくなることがあります。
また、通常モデルよりボディが大きい場合もあり、ヘッドが大きくネックが太くなるため重量バランスが変わって、持ったときにヘッドが下がる、いわゆる“ヘッド落ち”することもあります。
弦もセットなら7弦専用セットを購入する必要があり、ピックアップ交換をしたくなっても、7弦用は数が少なく選択肢も限られてしまいます。
7弦ギターを使うなら、このような7弦ギターならではのデメリットもあることを頭に入れておいてください。単に低い音程を出したいだけなら、ドロップDチューナーのように、6弦ギターでも一時的に音程を下げる方法もありますので、それもあわせて検討するとよいでしょう。
7弦ギターのおすすめ9選 人気のIbanezをはじめ初心者に最適なエントリーモデルも!
ここまで紹介した、7弦ギターの選び方のポイントをふまえて、音楽ライターの田澤 仁さんに選んでもらったおすすめ商品と編集部がおすすめする商品を紹介します。

コストパフォーマンスのよいシンプルな7弦モデル
ESPの低価格機種を扱うブランド、GrassRootsの7弦ギター。こちらも7弦入門に最適なコストパフォーマンスのよい低価格なギターですが、ゆるやかな曲面で構成されたアーチドトップのボディはつや消しブラックで、ルックスには高級感があります。
トレモロユニット(ギターアームのユニット部分)はなく、2つのハムバッカー、1ボリューム、1トーンというシンプルな構成ですが、ボリュームつまみを引き上げればコイルタップが可能なので、シングルコイルピックアップとして使うことも可能。多彩な音作りができます。
ネックジョイントはセットネックで、ジョイント部もなめらかな曲面に加工されているので、ハイポジションの弾きやすさも確保されています。

張りのある重低音を鳴らせる低価格モデル
メタル系に人気のあるブランド、ジャクソンの7弦モデルです。低価格モデルですが、上位機種と同様に、メイプルネックには内部にグラファイトの補強材が入れられていて、7本の弦の強いテンションに耐える強度を確保しています。
また、スケールはストラトキャスターの標準より1インチ長い26.5(約673mm)インチ。それに加えてブリッジも弦をボディの裏から通す方式なので、低音弦のテンションがゆるくなることがありません。ダウンチューニングしたときにも張りのある音でプレイできます。
7弦ギターの重低音を試してみたい人におすすめです。

弦ごとに「裏通し」を選べるモデル
コスパにすぐれた高品質のギターで評価の高いフジゲンの7弦モデル。ピックアップは、アクティブタイプでローノイズ、ハイゲインのダンカン製「Blackouts」を搭載し、パワフルに低音を鳴らせる製品です。
最大の特徴はテイルピース(弦を留めている部分)。弦をテイルピースのエンド側から通す一般的な方法に加えて、ボディ裏からも通せるようになっています。しかも、弦ごとにどちらの方法を使うかを決められます。「裏通し」をすると弦のテンションを高くすることができるので、たとえばゆるくなりがちな7弦だけを裏通しにしたり、ダウンチューニングのときに低音弦4本を裏通しにするなど、弾きやすさや出したい音によって弦の張り方を変えることができます。
弦とフレットがどの位置でも直角に接する、フジゲン独特のサークルフレッティングシステムも採用されていて、正確な音程で演奏できるのも特徴です。

Sterling by MUSICMAN(スターリン・バイ・ミュージックマン)『JP70』
演奏しやすさが特徴のジョン・ペトルーシモデル
ドリーム・シアターのギタリスト、ジョン・ペトルーシのシグネチャーモデルです。Sterlingにある彼のシグネチャーモデルの中では低価格なモデルで、ミュージックマンらしい丸っこいデザインにハイゲインのハムバッカーピックアップ2個搭載、ロック式トレモロやコイルタップなどの凝った機構はなし、というシンプルな構成です。
それでも、激しいアーミングでもチューニングのずれが少ないロック式のペグや、大きくえぐるように削られたエルボーカットなど、上位機種と同様にジョン・ペトルーシのこだわりが見える作りで、演奏しやすさは抜群です。
ネックはナット幅49.5mmと太いですが、厚みがとても薄いのが特徴で、彼のようにテクニカルなプレイスタイルのギタリストにおすすめです。

マルチスケール採用のスタンダードモデル
Ibanezのスタンダードシリーズ、RGの中のファンフレット採用モデルです。低音弦ほどスケールが長くなっているので7弦も適度なテンションで張ることができ、低音が埋もれてしまうことがありません。ダウンチューニングでも張りのある低音を鳴らせるので、重低音を鳴らしたい人、低音弦のリフ(繰り返しのコード進行やメロディ)をカッコよく決めたい人におすすめです。
フレットは中央を基準に開いているので、低音域のコードは運指がやや難しくなりますが、ネックは12フレット付近で21ミリと、とても薄いので、高速フレーズのソロなどは弾きやすいでしょう。
ピックアップは7弦専用のオリジナルハムバッカーを2個搭載。コイルタップ機能もあるので、多彩な音作りが可能です。
エントリーモデルとしておすすめ
Gio Ibanez(ジオ・アイバニーズ)シリーズ グラビュア・キルテッド・メイプル・トップのGIO7弦モデル!!“ステージへ最速“ をコンセプトとする、楽器をこれから始めるエントリー層に向けたギター&ベース・シリーズです。「7弦モデルでギターを始めてみたい! 」、「1本は多弦ギターを持っておきたい! 」、そんなニーズに応える為のGIOシリーズ7弦モデルです。
軽いフィンガリングに適したネック
薄い握り心地と握り易さを追求したWizard II 7弦ネック、Ibanezの代名詞でもある弾きやすさを追求した薄めのネック"Wizard"直系の7弦仕様のネックシェイプです。瘤杢入りのポプラ材TOPを艶消しフィニッシュで仕上げたエキゾチックモデル。
軽いフィンガリングに適したネック
プログレッシブメタルやジェントミュージックシーン内でも屈指の人気を誇る“Periphery”のギタリスト、マーク・ホルコムのシグネイチャーモデルに7弦モデルが登場。26.5インチスケール、ネック裏のサテンフィニッシュや20インチRの指板は演奏面の向上だけではなく、従来のサウンドメイクの幅はもちろん、セットアップの幅も追求した形となっております。コストパフォーマンスに優れながらも妥協を許さない仕様も魅力的です。
エクストラロングスケール採用の7弦ギター
M-SEVENの最大の特徴でもある666ミリのエクストラロングスケール指板は上質なエボニー材が使用され、ミディアムサイズのフレットが丁寧な処理で打たれております。エクストラロングスケールはどうしてもダウンチューニングのイメージが強くなりますが、実際に弾いてみると心地良い弦のテンション感と分離の良さ、そして張りのあるローB弦のサウンドとディストーションだけではなくクリーン、クランチサウンドでもその影響が大きく感じられます。
「7弦ギター」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする 7弦ギターの売れ筋をチェック
楽天市場、Yahoo!ショッピングでの7弦ギターの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
7弦ギターに関するそのほかの記事はこちら 【関連記事】
迫力ある重低音がたまらない
これまで7弦ギターの選び方とおすすめの商品を紹介してきました。
6弦のエレキギタリストなら一度は弾いてみたいと思う7弦ギター。価格の安いモデルもあるので、まずは1本試してみてはいかがでしょうか?
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90年代にプロドラマーとして活動、その後、音楽ライターとして書籍、雑誌などの執筆を行なっている。 DTM、PCオーディオ関連の著書、DTMソフト、シンセサイザーの日本語マニュアル制作など多数。 Webでは2007年~2009年までサイトAll Aboutで「ロック」のガイドを務めたほか、音楽情報サイトBARKSでは国内外の数多くの有名アーティストのインタビュー、ライブ取材などを行なっている。 得意分野はAOR、ハードロック、フュージョン、80年代。