猫用ミルクを選ぶときのポイント 子猫からシニア猫まで
愛玩動物飼養管理士の古川諭香さんへの取材をもとに、猫用ミルクを選ぶときのポイントをご紹介します。商品を選ぶときの参考にしてみてくださいね。
猫の年齢を考慮したものを選ぼう
愛玩動物飼養管理士/キャットケアスペシャリスト
猫用ミルクは子猫に与えるものというイメージが強いかもしれませんが、食欲がない成猫や老猫にもおすすめ。猫用ミルクでドライフードをふやかすと、食いつきがよくなる場合があります。しかし、年齢によって適した猫用ミルクは異なるので注意が必要です。
体が作られる子猫期は高タンパク、高脂肪(高カロリー)な猫用ミルクを与えたいものですが、成猫や老猫にとってそれらは肥満の原因になることもあります。そのため、記載されている成分と飼い猫の年齢を照らし合わせながら選んでいきましょう。
子猫には栄養価の高いミルクを
成長過程の子猫には、栄養価の高いミルクを選びましょう。高タンパク、高脂肪なものが適しています。離乳前の子猫に与える場合は、猫の初乳に含まれるラクトフェリン入りのものなど、母乳に近い成分で作られたミルクがおすすめです。
子猫に与えることができるミルクには、パッケージなどに「子猫用」と記載があります。購入前に確認してみてくださいね。
成猫にはカロリー控えめなミルクを
成長スピードが落ち着いた成猫にミルクを与える場合は、カロリーに要注意。栄養価の高い子猫用ミルクを与えすぎると、肥満を招くおそれがあります。病気などで体力が落ちている場合は別ですが、もし子猫用ミルクを利用するなら、おやつとしてほどよく与えるのがおすすめです。
成猫には、高タンパク、低脂肪な成猫用ミルクを用意してあげるといいでしょう。
シニア猫には低脂肪で栄養補助に役立つミルクを
運動量が少なくなりがちなシニア猫に与えるなら、低脂肪で栄養豊富なミルクが適しています。コンドロイチンやグルコサミンなど、体の機能をサポートする成分が入ったものもいいでしょう。
噛む力が弱ったシニア猫には、フードにミルクをかけてふやかしてあげると食べやすくなります。シニア猫用のミルクは栄養補助食品としての役割を持つ商品もあるので、うまく活用してみてください。
液状と粉末のメリット&デメリットを吟味
愛玩動物飼養管理士/キャットケアスペシャリスト
猫用ミルクは紙パックなどに入った液状タイプと哺乳瓶を使用して与える粉末タイプに分けられ、そのどちらにもメリットとデメリットがあります。よく吟味して、ライフスタイルに合ったものを選ぶことが大切。
たとえば液状タイプは手軽にあげられる半面、長期保存に向いていません。対して粉末タイプは栄養素が高くて長期保存することができますが、やや手間がかかります。飼い主さんのライフスタイルも考慮して検討していきましょう。
長期保存に適した粉末ミルク
粉末ミルクは、栄養価の高いものが多く、長期保存できるのがメリットです。毎回必要なぶんだけを作れるので無駄がありません。また、濃度を自由に調整できるのもポイントです。
その一方で、粉末状のミルクは、水やぬるま湯で溶かして与えるため、少々手間がかかります。時間に余裕がない場合に備えて、液状ミルクをストックしておくのもひとつの手です。
手軽に与えられる液状ミルク
液状ミルクのメリットは、手軽で便利なところです。粉末ミルクのように溶かす手間がかからず、開封してそのまま猫に与えることができます。ふだん忙しくて時間に余裕がないという方にもぴったりです。
ただし、液状ミルクは手軽な反面、開封してしまうとあまり保存がききません。開封後の保存期間が短いのがデメリットといえます。
ミルクに含まれる栄養素をチェック!
猫用ミルクにはさまざまな成分が含まれています。代表的なものを紹介しますので、愛猫に合うものを選んであげてください。
お腹の調子を整える成分に注目
ビフィズス菌などの乳酸菌には、お腹の調子を整えるはたらきがあります。胃腸の調子が気になる猫はもちろん、体がデリケートな子猫やシニア猫のミルク選びでも注目したい成分です。
また、お腹を壊しやすい猫には、乳糖が入っていない猫用ミルクを選んであげるといいでしょう。
愛玩動物飼養管理士/キャットケアスペシャリスト
私たち人間と同じで、牛乳を飲むと下痢を起こす猫もいます。これは牛乳のなかに含まれている「乳糖」という成分を分解する「ラクターゼ」が不足していることが原因。
一般的に猫用ミルクは、この「乳糖」をカットして作られていますが、猫用ミルクでも飼い猫がお腹の調子がよくない場合は、「乳糖ゼロ」のものを選びましょう。
また、子猫の下痢は重篤な症状になるケースもあるので、早めに獣医師へ相談することが大切です。
元気をサポートする成分に注目
ドコサヘキサエン酸(DHA)やアラキドン酸(ARA)といった必須脂肪酸は、体にとって重要な役割を持つ成分です。免疫に作用するラクトフェリンも注目したい成分で、これらは子猫用ミルクにもよく含まれています。
また、ビタミンやミネラルもすべての猫にとって必要な栄養素です。商品によって配合成分に違いがあるので、しっかりチェックしておきましょう。
体内で生成されにくい成分に注目
アミノ酸の一種であるタウリンには、抗酸化作用や体のバランスをたもつ役割があり、多くの猫用ミルクに配合されています。猫にとってタウリンは必要な成分ですが、体内での合成能力が低いため、食事から摂取することが大事です。
タウリンが配合されているかどうかは、商品のパッケージや原材料欄で確認できます。購入時にチェックしてみてください。
猫用ミルクのおすすめ12選 人気のロイヤルカナンやキャッティーマンなど
ここまで紹介した選び方のポイントをふまえ、愛玩動物飼養管理士の古川諭香さんと編集部で選んだおすすめ商品をご紹介します。

森乳サンワールド『キャットミルク』

出典:Amazon
商品タイプ | 粉タイプ |
---|---|
内容量 | 50g、270g |
対象 | 子猫、成猫 |
乳糖ゼロ | × |

森乳サンワールド『プレミアムキャットミルク』

出典:Amazon
商品タイプ | 粉タイプ |
---|---|
内容量 | 150g |
対象 | 子猫、成猫 |
乳糖ゼロ | × |
生後間もない子猫を保護したときはコレ!
うえの『キャットミルク』と同じ森永サンワールドの製品ですが、こちらは「初乳(牛)」が含まれているのが特徴。動物病院で見かけたことがある方も多いかもしれませんね。
猫は母猫の初乳を飲むことで母乳に含まれる抗体を摂取し、免疫力を高めるといわれています。しかし、生後間もなく母猫と離れてしまった子猫は初乳を飲めておらず、免疫力が低い場合も。
保護猫は初乳を飲んでいるかどうかの判断が難しいため、このように初乳が含まれている猫用ミルクで免疫グロブリン配合のものを選ぶのが大切です。生まれたばかりの猫のためのミルクとしてもおすすめです。

ドギーマンハヤシ『CattyMan(キャティーマン) ねこちゃんの国産低脂肪牛乳』


















出典:Amazon
商品タイプ | 液体タイプ |
---|---|
内容量 | 200ml |
対象 | 離乳後の幼猫、成猫 |
乳糖ゼロ | ○ |

森乳サンワールド『キャットメンテナンスシニアミルク』












出典:Amazon
商品タイプ | 粉タイプ |
---|---|
内容量 | 25g(アルミパウチ)、280g(缶) |
対象 | 成猫、シニア猫 |
乳糖ゼロ | × |

ミルク本舗『オトナのヤギミルク 犬猫用』

出典:Amazon
商品タイプ | 粉タイプ |
---|---|
内容量 | 50g |
対象 | 子猫、成猫、シニア猫 |
乳糖ゼロ | × |

ROYAL CANIN(ロイヤルカナン)『ベビーキャット ミルク』




















出典:Amazon
商品タイプ | 粉タイプ |
---|---|
内容量 | 300g |
対象 | 誕生~離乳期の子猫 |
乳糖ゼロ | × |

共立製薬『エスビラック リキッド「猫用」』

出典:Amazon
商品タイプ | 液体タイプ |
---|---|
内容量 | 236ml |
対象 | 子猫 |
乳糖ゼロ | × |
森乳サンワールド『ワンラック ゴールデンキャットミルク』

出典:Amazon
商品タイプ | 粉タイプ |
---|---|
内容量 | 130g |
対象 | 全猫種の幼猫 |
乳糖ゼロ | ‐ |
栄養を全面的にサポート
全猫種の幼猫を対象とした粉状のミルクで、お湯にすぐに溶けるので調乳が簡単です。合成保存料や着色料は不使用。食品原料にこだわって作られています。ビフィズス菌やミルクオリゴ糖が配合されていて、猫の元気をサポートします。ほかにも、タウリンやヌクレオチド、DHAなど体に優しく嬉しい働きがある成分を配合。栄養面で総合的にサポートしてくれるのがおすすめポイントです。一度に与える量は猫の成長に合わせましょう。
ほかにも、タウリンやヌクレオチド、DHAなど体に優しく嬉しい働きがある成分を配合。栄養面で総合的にサポートしてくれるのがおすすめポイントです。一度に与える量は猫の成長に合わせましょう。
ドギーマンハヤシ『CattyMan(キャティーマン) ねこちゃんの国産牛乳』

出典:Amazon
商品タイプ | 液タイプ |
---|---|
内容量 | 200ml |
対象 | 幼猫、成猫(離乳後から) |
乳糖ゼロ | 乳糖ゼロ |
エスビラック『エスビラックパウダー』

出典:Amazon
商品タイプ | 粉タイプ |
---|---|
内容量 | 170g |
対象 | 幼猫、成猫 |
乳糖ゼロ | ‐ |
森乳サンワールド『初乳粉末』

出典:Amazon
商品タイプ | 粉タイプ |
---|---|
内容量 | 30g |
対象 | 幼猫、成猫 |
乳糖ゼロ | 乳糖24% |
ニチドウ『キャットフード ベビーミルク』

出典:Amazon
商品タイプ | 粉タイプ |
---|---|
内容量 | 300g |
対象 | 幼猫、成猫 |
乳糖ゼロ | ‐ |
「猫用ミルク」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする 猫用ミルクの売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでの猫用ミルクの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
【解説】はじめて猫用ミルクをあげるときは? 愛玩動物飼養管理士からのアドバイス
愛玩動物飼養管理士/キャットケアスペシャリスト
はじめて猫用ミルクをあげるときはどんな症状があらわれるか要チェック。もし下痢などが見られたら自己判断でミルクの種類を検討し続けるよりも、動物病院で相談するようにしましょう。
また、猫用ミルクを哺乳瓶であげるときは人間の赤ちゃんのように仰向けであげるのはNG。必ず腹ばいにしながら与えるようにしましょう。なお、粉末の猫用ミルクを溶かすお湯の温度は猫の母乳に近い38度くらいを意識してみてください。液体ミルクを温める場合も同様です。
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※「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。
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※2020/12/16 コンテンツ追加のため、記事を更新しました。(マイナビおすすめナビ編集部 矢部栞)
愛玩動物飼養管理士やキャットケアスペシャリストの資格を活かしながら、様々なWebサイトや紙媒体で猫情報を配信中。 産まれてから今まで猫がいなかった日はなく、現在は3匹の猫たちと生活中。「猫と人間が幸せに暮らす」をテーマに、猫が喜ぶ注文住宅も建築済み。