Bluetoothスピーカーとは?
Bluetoothスピーカーとは、通信規格であるBluetoothを使用して、デバイスと接続できるスピーカーです。ペアリングによって接続するので、インターネット回線がない場所でも無線で使用できます。
室内はもちろん、アウトドアやお風呂、キッチンなどいろいろな場所で活用できる便利なスピーカーです。携帯性が重視されていますが、Bluetoothスピーカーのなかでも高音質のモデルも発売されています。
高音質Bluetoothスピーカーの選び方
オーディオ・ビジュアル評論家の野村ケンジさんにお話をうかがい、高音質Bluetoothスピーカーの選び方のポイントを教えていただきました。音質やコーデックをよくチェックすることが大切です。ぜひ高音質Bluetoothスピーカー選びの参考にしてください。
スピーカーのサイズに応じて音質を選ぶ
高音質Bluetoothスピーカーを選ぶポイントは、スピーカーのサイズによって異なります。音質を重視するうえで知っておきたいポイントを解説します。
「パッシブラジエーター」搭載モデルを選ぶ
小型のBluetoothスピーカーは持ち運びに特化していることもあり、音質が充実していないものもあります。そのため、小型タイプのBluetoothスピーカーを選ぶなら低音域を増幅させる「パッシブラジエーター」が搭載されているものを選びましょう。
小型の筐体でも低音が響くので、高音質を楽しむことができます。
「スピーカーユニット数」で選ぶ
Bluetoothスピーカーは、スピーカーユニットがひとつのみのフルレンジスピーカーのものと、スピーカーユニットが複数あるものがあります。
中型のBluetoothスピーカーを選ぶなら、低音域用の「ウーファー」と高音域用の「ツイーター」にスピーカーユニットが分離されているものを選ぶと、重低音や中高音を楽しめます。
対応コーデックを確認
Bluetoothスピーカーが対応するコーデック(音声伝送方式)といえば、スタンダードなSBCやiPhone採用の(もう少し良質な音の)AACが主流ですが、近年はLDACやaptX HDなど、CDクオリティを超える高音質コーデックに対応した製品も増えてきました。
もちろん、先に紹介した「音にこだわった製品」か否かが最も重要ですが、LDACやaptX HDに対応していることで多少なり音質的な優位性を得られるのも確かなので、対応コーデックの種類はしっかりチェックしましょう。
アンプの出力を確認
アンプの出力はBluetoothスピーカーの音量や性能に関わる重要な要素になっています。アンプ出力は「W(ワット)」で表記されており、数字が大きいほど音量も大きくなります。
たとえば10畳ほどの空間であれば5~15W、広い部屋や出先で利用するなら20W以上が目安になるでしょう。また、「5W+5W」のような表記の場合は、5Wのドライバーユニットが2台搭載されているという意味になります。
駆動時間や充電方法を確認
外出時に利用するなら、バッテリー内蔵型の場合はバッテリーの持続時間についてチェックしておきましょう。連続再生時間が長いタイプであれば、外出時の利用にも適しています。
また、充電が切れたときのために充電の方法を確認しておきましょう。USBケーブルで充電できるタイプなら、スマートフォン用のケーブルなども使えるので容易に充電ができます。
防水・防塵機能の有無を確認
アウトドアで使うことを想定している場合は、防水防塵機能など利用シーンに合わせてスペックを選びましょう。防水防塵機能は「IP〇〇」と表記され、防水のみなら「IPX5」、両方備えていれば「IP56」のようになります。
小雨程度であれば「IPX4」以上、完全に濡れることを想定しているなら「IPX5」以上の防水性能があるモデルを選ぶようにしましょう。
使用場所に合わせて選ぶ
メインの使用場所によって適したBluetoothスピーカーは異なります。使用場所に合ったものを選びましょう。
家の中で使うなら「形状・サイズ」を重視
家の中で利用するなら、全方向から聞こえる360度タイプがよいでしょう。より多くの発音ユニットを搭載しているものや、音が広がりやすい長方形や円筒形の形状のものを選ぶのが重要です。
家の中で使用するスピーカーでも、リビング、自室など移動させて使いたいときには、持ち運びしやすい重量や大きさのものを選びましょう。
浴室で使うなら「防水性能」の高いものを
お風呂で使用するときには、防水機能のついているBluetoothスピーカーが選択肢になります。防水機能も製品によって異なるので、どの程度防水ができるかもチェックしておきましょう。
IPX5なら、水しぶきや小雨程度まで防水できますが、お風呂では湯船にスピーカーを落としてしまう可能性もあります。IPX7以上の防水性能のあるものを選びましょう。
アウトドアで使うなら「高出力」のものを
アウトドアシーンでは、高出力のものを選ぶと屋外でも音が分散せず聞きやすいです。複数台を接続できる機能があると、より広範囲で音楽などを楽しめます。LEDライトがあると、夕暮れ時や夜間にも使いやすいです。
また、登山やウォーキングで利用するなら、首にかけて使える持ち運びに便利なネックスピーカータイプもあります。ネックスピーカータイプは長時間使っても首が疲れにくいので、アクティブな活動にも適しています。
車載用は「使いやすい機能」を搭載したもの
車のなかで使用するBluetoothスピーカーを探しているなら、車の運転に支障が出ないものを選びましょう。車載スピーカーとしてサイドボードに据え置きできるモデルのほか、サンバイザーなどにはさんで設置できるモデルもあります。
シガーソケットに電源が対応しているものなら、充電が切れることなく車内で使い続けられます。
Wi-Fi対応ならより高音質
Bluetoothスピーカーのなかには、Wi-Fiを搭載してパソコンやNAS(ネットワーク[LAN]上に接続することができるハードディスク)内の音源を再生できるネットワーク対応製品があります。
実はこちらが、音質にこだわっていることの証明となっていたりします。
というのも、Wi-Fiによる音楽再生はBluetooth接続よりも圧倒的に音質面で有利なため、スピーカーまわりなど音質に直接関係する部分をしっかりと作り込んでいるものが多いのです。
Wi-Fi対応製品はその分コスト高になりますが、屋外では手軽なBluetooth、室内ではよりいい音のWi-Fiで、と使い分けるのもおすすめです。
Bluetoothスピーカーの人気メーカー
Bluetoothスピーカー選びに迷ったら、メーカーの特徴で選ぶのもよいでしょう。ここでは、人気のメーカーをご紹介します。
SONY(ソニー) ラインナップが豊富
幅広い電化製品を展開するソニーでは、スピーカーなどのオーディオ機器も多くリリースされています。とくに、ウォークマンをはじめとしたコンパクトで持ち運びに便利なオーディオ機器を多く生み出しているので、Bluetoothスピーカーもコンパクトながら高音質のものがそろっています。
高音質のものはもちろん、アクティブなシーンにも使えるネックスピーカーなど、シーンに応じたいろいろなスピーカーを選べます。
JBL(ジェイビーエル) 高音質で比較的安いモデルが多い
ジェイビーエルは、アメリカのオーディオ機器メーカーです。高音質の据え置き型スピーカーのほか、近年ではBluetoothスピーカーも多く展開しています。
手にしやすい価格のものも多く、手ごろなものを探しているときに向いています。防水性能やいろいろな場所につけられるフックがついたものなど、アウトドアシーンでの使用に特化したモデルもそろっています。
BOSE(ボーズ) 長時間バッテリーと迫力の重低音
ボーズはアメリカのオーディオ機器メーカーです。高度な技術を駆使したオーディオ機器がそろっていて、Bluetoothスピーカーも迫力のある重低音が楽しめるモデルがそろっています。
軽量仕様、丈夫なボディ、長時間の連続稼働など、使いやすい機能もそろっています。価格はやや上がりますが、高音質かつ機能性の高いBluetoothを探しているときに選択肢になります。
高度な技術がつまったボーズ(Bose)
ボーズはアメリカのオーディオ機器メーカーです。高度な技術を駆使したオーディオ機器がそろっていて、Bluetoothスピーカーも迫力のある重低音が楽しめるモデルがそろっています。
軽量仕様、丈夫なボディ、長時間の連続稼働など、使いやすい機能もそろっています。価格はややあがりますが、高音質かつ機能性の高いBluetoothを探しているときに選択肢になります。
おすすめ商品の比較一覧表
高音質Bluetoothスピーカーおすすめ33選
選び方のポイントをふまえて、オーディオ・ビジュアル評論家の野村さんと編集部が厳選したBluetoothスピーカーのおすすめ商品をご紹介します。

コンパクトなのにいい音! な理想のモデル
約幅204×高さ62×奥行き60mmという比較的コンパクトなサイズ感ながら、本格的なサウンドが楽しめる良製品で、音質に対して徹底したこだわりが盛り込まれています。
コーデックはLDACに対応しています。しかしそれ以上にサウンドチューニングが絶妙で、中高域のクリアさと低域のパワフルさが巧みに両立した、良質なサウンドを楽しませてくれます。
重低音を楽しめる「Extra Bass」ボタンや、スマートフォン用アプリ「Music Center」によってイコライザー設定が可能など、好みに合わせて音を変えることができる点もうれしいかぎりです。
コンパクトサイズがマストだけど、いい音も諦めたくない人に。


SONY(ソニー)『ワイヤレスポータブルスピーカー SRS-XB60』
迫力の低音が楽しめるいっぽうで音質も良好
がっちりとした木製キャビネットに130mm口径ウーファーと50mm口径トゥイーターを2基ずつ搭載することで、迫力のサウンドを実現したモデル。
その一方で、LDACコーデック対応やソニーの多彩な音質技術が結集しているサウンド設定技術「ClearAudio+」搭載など、音質にもこだわったモデルに作り上げられています。
実際、サイズが音質に優位性を与える典型例の製品となっていて、低域のパワフルさと中高域のクリアさが巧みに両立した、良サウンドを楽しむことができます。
設置スペースに余裕がある人や、大音量で音楽を楽しみたい、という人におすすめです。


Bluetoothもいい音で聴ける本格スピーカー
英国の老舗スピーカーメーカーKEFのパワードスピーカー(パワーアンプを内蔵したスピーカー)。
左右のスピーカーユニットが独立したタイプで、デスクトップスピーカーとしても活用できる、(ブックシェルフスピーカーと呼ばれるタイプとしては比較的)小さめのボディサイズが特徴となっています。
もちろん、Bluetoothスピーカーとしてはかなり大柄となります。本来はWi-Fi接続による音楽再生がメインですが、スマートフォンなどとのBluetooth接続でも、メリハリのいい、いきいきとしたサウンドが楽しめるようになっています。
バラエティに富んだカラーバリエーションを取り揃えているなど、リビングとの調和にも配慮されています。
Anker『Soundcore 3(A3117011)』
HUAWEI(ファーウェイ)『Mini Speaker』
logicool『X300 MOBILE WIRELESS STEREO SPEAKER』
360°の立体サウンドと光で新しい音楽体験
斬新なアイデアで数々のヒット商品を生み出しているバルミューダが発売した初めてのスピーカー。楽器やボーカルの声をリアルに再生する77mmスピーカーや、奥行きのある音像を生む独自のドライブユニットを搭載。また、スピーカーを上向きに設置するというユニークな構造により、360°どこにいても立体的なサウンドを楽しめるのが特徴です。
楽曲に合わせて輝くLEDユニットは、3つのモードから光り方を選択できます。Bluetooth・AUX入力対応で、スマホはもちろん、オーディオ出力を搭載するすべての機器から再生可能です。真空管のような美しいフォルムは、お部屋のインテリアとしてもよく映えます。
最大出力40Wでハイブランドに迫る高音質
透明の丸みを帯びた外観が印象的で、電源を入れると内部が光ることから「クラゲ」の愛称で親しまれてきたスピーカーです。真ん中にデンと構えるサヴウーファーは2200gとかなりのサイズ感ですが、透明なので悪目立ちすることなくインテリアに馴染みます。
低音域を担当するサヴウーファーと、8基のフルレンジスピーカーで構成され、最大40Wの出力が可能です。Bluetoothの音質低下を抑える「トゥルーストリーム機能」がサウンドを美しく再生します。3.5mm音声入力も備えているため、Bluetoothだけでなく、さまざまな機器と接続することでゲーム、音楽、映画と幅広く楽しめます。
伝統的なルックスに詰め込まれた最新テクノロジー
Marshallのラインナップの中では中間のサイズで、設置する場所や部屋の広さに関係なく良質なサウンドを楽しめるのが特徴です。Marshallのアンプのような特殊加工のビニール張りのフレームや、正面のロゴマークがMarshallの伝統を感じさせます。
高音域用の15W×2と低音域用の50W×1のデジタルアンプが、クリアな高・中音、迫力のある低音を再現。低遅延コーデックaptXにも対応しています。上部には「音量」「低音」「高音」を好みに応じて調節できるつまみが並んでいて、レトロな雰囲気です。マルチホスト機能搭載で、2つのBluetoothデバイスを同時に接続できます。
ペアリング不要で簡単に使えるポータブルスピーカー
面倒なBluetoothのペアリング作業をすることなく、ワイヤレス送信機をテレビにつなぐだけですぐ使えます。スピーカー部はシンプルな丸型で、直径約9cmのコンパクトサイズなので置き場所を選びません。スピーカーが上向きなので、広がりのあるサウンドを楽しめます。
コーデックはaptX、aptX Low Latency対応で、映像と音のズレによる違和感を解消。また、人の声を強調する「快聴音」という機能が搭載されています。手元に置けばドラマやニュースの音声がクリアに聴こえるので、テレビの音が聞こえにくいという高齢者の方にもおすすめです。AC電源を使えば充電切れの心配もありません。
縦置きも横置きもOK!スマホの音を高音質で
シンプルな円柱型のポータブルスピーカーです。スピーカーユニットを従来の丸形から新開発の非対称型「X-Balanced Speaker Unit」にすることで、高音質の広がり、高い音圧と重低音を実現しています。横置きと縦置きが自由に選択でき、モノラルモードに切り替えることで、縦置きでも高音質・重低音をキープできます。
圧縮音源を原音に近づけて再現する「DSEE」搭載で、高音質コーデックAAC、LDACにも対応しているので、スマホの音を高音質で楽しめます。本体表面は耐久性に優れたファブリック素材で、選ぶのが楽しい5色展開。防水・防塵IP67相当で錆にも強いので、アウトドアでも安心して使えます。
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする Bluetoothスピーカーの売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでのBluetoothスピーカーの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
高音質Bluetoothスピーカーに関するQ&A よくある質問
Bluetooth接続中に音が途切れます。

無線LANのアクセスポイントや電子レンジ、TVやラジオ機器といった電波を発するものの周辺から離れてご使用ください。
スピーカーとの接続が突然切れます。

Bluetoothスピーカーは、接続中でもほかのペアリング済みの機器に接続される場合があります。たとえば、スマホと接続中に、同じくペアリング済みのPCを立ち上げた場合、自動接続してしまうことがあります。これを防ぐには、スピーカー側のペアリング情報を一度初期化してみる方法などがあります。
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まとめ
スピーカーというとステレオイメージ、左右への音の広がりや定位感の確かさも気になるところかもしれません。
しかし、一体型がメインのBluetoothスピーカーでは、音場感をシビアに追求している製品が少数派で、KEF『LSX』のような普通のステレオスピーカーと大差ない製品は珍しいほうです。
Bluetoothスピーカーを選ぶ際は音場よりも音質や音の特徴を優先しましょう。
※記事で紹介した商品を購入すると、売上の一部がマイナビおすすめナビに還元されることがあります。
※「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。
※商品スペックについて、メーカーや発売元のホームページ、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。
※レビューで試した商品は記事作成時のもので、その後、商品のリニューアルによって仕様が変更されていたり、製造・販売が中止されている場合があります。
※本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。
ポータブルオーディオやホームオーディオなどのAV機器をメインに、専門誌やモノ誌、Web媒体などで幅広く活躍。 特にヘッドホン&イヤホンに関しては、年間300以上の製品を10年以上にわたって試聴し続けるなど、深い造詣を持つ。 また、TBSテレビ「開運音楽堂」やレインボータウンFM「かをる★のミュージックどん丼885」にレギュラー出演するなど、幅広いメディアでの活動を行っている。