そもそもBluetoothスピーカーとは
Bluetoothスピーカーとは、近距離無線通信規格「Bluetooth」に対応した音楽再生機器です。パソコンやノートパソコン、DAP、スマホ、タブレットなどと「ペアリング」(同期)することにより、ワイヤレスで音楽を再生することができます。
また、一度再生すれば次から電源を入れるだけで同じ楽曲を再生することができる手軽さが魅力です。そして、防水Bluetoothスピーカーの大きな特徴は、コンパクトで防塵防水に対応しているため、アウトドア、とくに海やプールなど水辺で使えることです。
防水Bluetoothスピーカーの選び方
オーディオ・ビジュアル評論家の野村ケンジさんとIT・家電ジャーナリストの安蔵靖志さんにお話をうかがい、防水Bluetoothスピーカーを選ぶときのポイントについてご紹介していきます。
【1】防水レベル
【2】音質を決める形式
【3】バッテリー駆動時間
【4】Bluetoothのバージョン
【5】耐衝撃性
それぞれについてご紹介しますので、購入するときの参考にしてみてください。
【1】防水レベルを確認
Bluetoothスピーカーで使われる防塵・防水のタイプをご紹介します。自分の使用する環境はどれがベストなのかをチェックしましょう。
防水等級
IPX0……水の侵入に対してとくに保護されない。
IPX1……垂直に落ちてくる水滴によって有害な影響を受けない。
IPX2……垂直より左右15度以内からの降雨によって有害な影響を受けない。
IPX3……垂直より左右60度以内からの降雨によって有害な影響を受けない。
IPX4……いかなる方向からの水の飛沫によっても有害な影響を受けない。
IPX5……いかなる方向からの水の直接噴射によっても有害な影響を受けない
IPX6……いかなる方向からの水の強い直接噴流によっても有害な影響を受けない。
IPX7……規定の圧力、時間で水中に没しても水が浸入しない。
IPX8……水面下での使用が可能。
粉塵等級
IP0X……保護なし。
IP1X……手の接近からの保護。
IP2X……指の接近からの保護。
IP3X……工具の先端からの保護。
IP4X……ワイヤーなどからの保護。
IP5X……粉塵からの保護。
IP6X……完全な粉塵構造。
これらの性能はIP規格という形で統一されており、IP◯◯の1番目の数字が「防じん」性能、2番目の数字が「防水」性能の程度を示しています。
キッチンや洗面所、バスルームなどの水回りや、アウトドアで使うことを考えた場合、「防滴」ではなく、「防水」性能を実現しているモデルがおすすめです。
このように、使用する環境によって必要となる防水レベルは変わってきますので、どんな場所で使いたいか、その場合、どのレベルの防水性能が必要かを、購入前に確認するようにしましょう。
【2】音質を決めるポイントを確認
防水Bluetoothスピーカーでも、よい音質を楽しみたい人も多いです。音質を決めるうえで確認しておきたいポイントを解説します。
対応音声コーデック(音声伝送形式)で選ぶ
Bluetoothスピーカーの音質は、実際に聴いてみて音を確かめるのが一番ですが、スペック面で重要なポイントの一つに「対応音声コーデック」があります。
音声コーデックとは音声をワイヤレスで伝送するための圧縮形式のこと。Bluetoothスピーカーはすべて「SBC」に対応していますが、より高音質な「AAC」にも対応しているモデルもあります。さらに「aptX」、それをさらに高音質化した「aptX HD」、そのほかにも「LDAC」といった音声コーデックがあります。
aptX HDやLDACは対応する機器がまだ少ないのですが、対応するスマートフォンなどをお持ちの方はそのあたりもチェックしましょう。
ステレオ・360度など音の出方で選ぶ
Bluetoothスピーカーには次の3つのタイプがあります。
モノラルタイプ……スピーカーを1つだけ搭載。
ステレオタイプ……スピーカーを2つ搭載。
360度タイプ……スピーカーを1つ搭載し周囲に音を拡散させる。
お風呂に入るときにゆっくり音楽を楽しみたいという人ならステレオタイプがおすすめですし、キッチンやリビングなどさまざまな場所に置いて、家事などをしつつ動きながら楽しみたいという人は360度タイプがおすすめです。
使う場所に応じたW数を確認する
Bluetoothスピーカーがどのくらいの音圧や音量を出せるかの目安が、W(ワット)数です。W数が大きければ大きいほど、大きな音が出せます。
テントや室内など、音が響きやすい場所ではW数が5~10Wの小さいものでも問題ありませんが、屋外やシャワー中などに使用するときには、20W以上のW数が大きなものを選びましょう。
【3】バッテリー駆動時間の長さで選ぶ
外に持ち出してアウトドアで音楽を楽しんだり、出張先のホテルの部屋で仕事をしながら音楽を聴きたいといったニーズを満たすためには、バッテリー駆動時間の長さも重要です。
もちろん室内なら電源に接続して聴くこともできますが、ちょっとした出張などにはACアダプターや充電器などを持ち出さなくても聴けるくらいの駆動時間がほしいところです。途中で充電せずに丸一日聴けることを考えると、8時間以上楽しめるモデルがおすすめです。
【4】Bluetoothのバージョンを確認
防水Bluetoothスピーカーが対応している、Bluetoothのバージョンもチェックしておきましょう。バージョンの数値が大きいほど新しいバージョンになり、とくにバージョン5.0から転送速度が速くなります。バージョンが新しいBluetoothには、省電力対応、自動再生可能など新しい機能がついています。
また、送信機器もスピーカーと同じBluetoothのバージョンに対応しているかもチェックしておきましょう。
【5】耐衝撃性で選ぶ
防水Bluetoothスピーカーは、水まわりやアウトドアシーンでの使用を前提として購入したい人も多いです。落としてしまったり、衝撃がかかったりするシーンも多いため、防水性と同時に耐衝撃性もチェックしておきましょう。
耐衝撃性は、1.5m以下で落とした衝撃に耐えられるものと1.5m以上で落とした衝撃に耐えられるものがあります。使用するシーンに応じた耐衝撃性のものを選びましょう。
おすすめ商品の比較一覧表
防水Bluetoothスピーカーおすすめ24選
ここまで紹介した防水Bluetoothスピーカーの選び方をふまえて、IT・家電ジャーナリスト安蔵靖志選さんとオーディオ・ビジュアル評論家の野村ケンジさん、そして編集部が厳選したおすすめ商品をご紹介します。さまざまなタイプの商品が並んでいますので、自分にとって使いやすい防水Bluetoothスピーカーを見つけてみてください。


大迫力の重低音を楽しめる
約48mm口径のフルレンジスピーカーユニットを2基搭載しつつ、低音を強化する「EXTRA BASS」モードを採用。サイズを超えた迫力の重低音サウンドが楽しめるモデル。
「従来機種に比べ開口率を約14%アップし中高域もよりクリアに」とメーカーがアピールするとおり、重低音だけでなく明朗快活なヴォーカルの歌声も楽しめます。
姉妹機としてサイズのひとまわり小柄な「SRS-XB22」もラインナップされていますが、低音の迫力に関してはこちらの方が一枚上手。重低音派にはこちらがおすすめです。
また、ヴォーカルの声の厚みや存在感の確かさも「SRS-XB32」のほうが良好で、よりパワフルな歌声が音楽を楽しく感じさせてくれます。


完全防水で水に浮くBluetoothスピーカー
円筒形ボディにファブリックカバーがあしらわれた、全方位Bluetoothスピーカーの元祖といえるULTIMATE EARS(アルティメットイヤーズ)「BOOM」シリーズの最新モデル。
標準サイズの「BOOM 3」と、大型の「MEGABOOM 3」の2タイプがラインナップされています。そのうち「MEGABOOM 3」は、フル充電で約20時間の連続再生が可能なほか、パーティスピーカーとしても活用できる大音量&迫力サウンドを持ち合わせています。
IP67相当の防塵・防水性能を確保し「最長30分間、水に完全に浸した状態でも問題なく動作する」とのこと。また、何千回ものボタン押下や転倒試験、複数回の落下テストなど、25種類以上の耐久テストもクリア。
開発者と会った際に目の前で製品を床にぶつけたり水槽に投げ込んだりしていたので、丈夫さについて大いに自信を持っているようです。
浜辺など屋外のパーティ用スピーカーとしてもおすすめ。


コンパクトボディながら約16時間の再生時間を確保
どんな場所でも手軽に持ち運べるコンパクトサイズを採用。同時に、IP67相当の防水性能を持ち合わせているため、キッチンやバスルーム、プールに海岸など、さまざまな場所で音楽を楽しむことができます。
また、ここまでの小柄さながらも、4.5時間の充電で約16時間音楽再生ができるバッテリーライフを確保していますので、キャンプや旅行などの際にも大いに活躍してくれそうです。
ちなみに、付属しているストラップを活用することで、「SRS-XB12」を木に引っ掛けるなど、なかなか便利な利用ができる点も魅力となっています。
いつでも何処でも使える小柄なBluetoothスピーカーが欲しい、という人に。

キャンプにピッタリのランプ形スピーカー
ランタンのような外観に、揺れる炎のランプがレイアウトされたBluetoothスピーカー。
スピーカーユニットは小型のものが採用されているため、大迫力のサウンドは望めないものの、ランプ然とした照明と合わせて、雰囲気の良いBGMサウンドが楽しめます。
バッテリー持続時間は、ランプだけだと約20時間持ちますが、音楽も一緒に聴くと約5時間(音量60%時)となってしまうため、メインはランプとして活用し、時々スピーカーをオンにして活用する、という楽しみ方がよさそうです。
IPX5の防滴性能を持ち合わせています。キャンプにピッタリの雰囲気良いスピーカーが欲しい、という人におすすめしたい製品です。

カラビナ(クリップ)採用でどこでも音楽を楽しめる
40mm径フルレンジスピーカーとパッシブラジエーターを組み合わせることで、コンパクトなボディサイズながらメリハリのしっかりした良質なサウンドを楽しむことができるBluetoothスピーカーです。
本体にはビルトインカラビナ(クリップ)が付属し、デイパックやベルトストラップなど、さまざまな場所に取り付けて“移動しながら”音楽を楽しむことも可能となっています。
また、IPX7の防水性能も採用されているので、プールサイドなどでも大いに活躍させることができます。まさに、バカンスにピッタリの1台といえます。
また、約10時間のバッテリーライフも確保されていますので、キャンプや旅行、長時間ドライブなどで音楽を楽しみたい人におすすめです。


パワフルな重低音が特徴のEXTRA BASS搭載
約48mm口径のフルレンジスピーカーユニット2基だけではなく、低音を増幅させるパッシブラジエーターを前後に2基搭載したデュアル・パッシブラジエーター方式で、パワフルな重低音を実現したモデルです。
独自の高音質デジタルアンプ「S-Master」を搭載。また、音声を圧縮する際に失われてしまう高音域を補完する「DSEE」などの高音質化技術も搭載しています。さらに、低音を強化する「EXTRA BASS」モードも搭載されています。
音声コーデックはSBC、AACに加えてソニーが開発したLDACにも対応。約24時間の連続再生に対応するバッテリー駆動時間の長さや、IP67の防水・防じん性能も魅力です。

複数台接続などさまざまな機能を楽しめる
IPX7の防水性能を実現した、比較的コストパフォーマンスの高い防水Bluetoothスピーカーです。
約40mm口径のフルレンジスピーカーを2基とパッシブラジエーターを搭載しますが、モノラル再生タイプとなっています。ただし、JBL独自の「JBLコネクトプラス」機能を搭載しているので、2台以上を同時に接続して、家中で同じ音楽を楽しむといった使い方ができます。
2台のFLIP4を左チャンネル用と右チャンネル用に設定すれば、ステレオ再生することも可能です。バッテリー駆動時間も約12時間とじゅうぶん。ハンズフリー通話機能に加えて、SiriやGoogle Nowを利用した音声操作にも対応しています。

何処でも使える手頃なサイズと防水性能
IPX7の防水性能を持つ、JBLの定番Bluetoothスピーカー「FLIP」シリーズの最新モデル。
500mlのペットボトル相当のスマートな本体は置く場所を選ばず、それでいて約12時間の連続再生が可能となっています。
新モデルでは、Bluetoothワイヤレスの接続安定性を向上させたほか、豊富なカラーバリエーションも取り揃えています。特におすすめのポイントが、そのサウンドです。
それほど大きくはないサイズ感にもかかわらず、パワフルな低音を持った迫力のサウンドを楽しませてくれます。
さまざまな場所に持ち運びして楽しみたいので、手頃なサイズの製品が欲しい、でも音には妥協したくない、という人におすすめです。

音楽とともにイルミネーションを楽しめる
本体上部にマルチカラーLEDを搭載し、カラフルなイルミネーションを楽しめるIPX7対応の360度スピーカーです。お風呂に入りながらスピーカーの光だけで幻想的な空間を演出したり、プールサイドに置いて音と光を味わったりするのも楽しそうです。
ウェーブ、ジェット、エクスプロージョン、イコライザー、レイブ、レインボー、ファイアーという7種類のイルミネーションテーマを内蔵していますが、スマートフォンアプリを使って明かりをカスタマイズすることも可能です。
約12時間の連続再生が可能で、ハンズフリー通話に加えて、SiriやGoogle Nowを利用した音声操作にも対応しています。
どこでも高音質ステレオサウンドが楽しめる
海外で人気の高い「Tribit」というブランドの商品です。最大の特徴は音質の高さ。大音量で聴いても音割れすることなく、低音から高音までクリアに再生します。また、低音を強化する先端技術を採用しているため、ライブ会場のような臨場感を味わえます。
IPX7の完全防水で、1mの水中に30分間入れても影響なし。キッチンやお風呂はもちろん、海やプールなど、水がある環境で音楽を聴くのに最適です。汚れたら水洗いできるというメリットもあります。ほかにも、24時間再生可能な4,400mAhの大容量バッテリー、Bluetooth5.0に対応するなど、3,000円台とは思えないクオリティです。
イヤホンなしでストレスフリー!肩のせが新しい
イヤホンで長時間音楽を聴いていていて耳が痛くなる、そんなイヤホンの圧迫から解放してくれるのが、肩にのせるだけのウェアラブルスピーカー。ネック部はやわらかいシリコン製で175gと軽量なので、長時間の装着でも首に負担がかからず快適です。スピーカーユニットは、音声が適切に耳に届くように位置と角度にこだわっており、小音量でも迫力たっぷりのサウンドが楽しめます。
IPX5防滴仕様なので、運動中やキッチンでの料理中に使うぶんには濡れてダメになる心配はありません。低遅延apt-X Low Latency対応の新機能が加わって、テレビなどに接続したときに音ズレが起きにくいのも魅力です。
ファッションにマッチするファブリック仕様
2015年の発売以来、世界各国で愛用されている大人気モデルの「JBL GO」シリーズ。特徴であるコンパクトサイズはそのままに、音質から外観までフルリニューアルしたのがこの「JBL GO 3」です。ボディの全周がファブリック素材で、サイドにはストラップが付いています。
カラーバリエーションが豊富なので、好きな色を選んで、カラビナなどでバッグに付けてファッションの一部として取り入れてもおしゃれです。防水機能に加え、防塵機能も搭載しているので、砂埃が気になる屋外などでも安心して使えます。Bluetooth5.1にバージョンアップ。約2.5時間の充電で、最大約5時間の連続再生が可能です。
ボディサイズを超えたパワフルサウンド
コンパクトボディと高音質を両立させたDENONの「Envaya」シリーズ中、最小最軽量モデルです。IP67の防水・防塵機能、高音質・低遅延のBluetoothコーデック aptX Low Latency対応など、あったらいいなと思う機能は各モデル共通となっています。
バッテリーのもちは同シリーズの2モデルに劣りますが、それでも最大10時間再生可能なので、持ち運びを考えるなら断然おすすめ。Bluetoothペアリング機能により、初めて電源を入れたときに自動でスマホと接続できる手軽さも嬉しいですね。カラーはシンプルなブラックのほかに、縞模様が個性的なブラック/グレーもあります。
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする 防水Bluetoothスピーカーの売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでの防水Bluetoothスピーカーの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
【関連記事】防水Bluetoothスピーカーに関するそのほかの商品情報
まずは利用シーンを想定しましょう
スマートフォンなどの音楽を再生するスピーカーという観点だと重要なのは「音質」と「コストパフォーマンス」かと思います。しかし「防水Bluetoothスピーカー」となると、やはりまずは利用シーンを想定し、それに合う防水性能を選ぶのがポイントです。
積極的に海やプールなどアウトドアに持ち出して使ったり、お風呂の中で音楽を聴きたいといった場合には、IPX6やIPX7といった高い防水性能が必須になりますが、キッチンの近くに置いて聴くのが中心であれば、防滴性能でもじゅうぶんです。そのうえで、音質や機能などの面で絞り込んでいくといいでしょう。
※記事で紹介した商品を購入すると、売上の一部がマイナビおすすめナビに還元されることがあります。
※「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。
※商品スペックについて、メーカーや発売元のホームページ、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。
※レビューで試した商品は記事作成時のもので、その後、商品のリニューアルによって仕様が変更されていたり、製造・販売が中止されている場合があります。
※本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。
一般財団法人 家電製品協会認定 家電製品総合アドバイザー(プラチナグレード)、スマートマスター。AllAbout オーディオプレーヤー、スピーカーなどのガイドを務める。 日経BP社『日経ネットナビ』『日経ネットブレーン』『デジタルARENA』『日経トレンディネット』などを経てフリーに。 デジタル家電や生活家電に関連する記事を執筆するほか、家電のスペシャリストとしてテレビやラジオ、新聞、雑誌など多数のメディアに出演。 KBCラジオ「キャイ~ンの家電ソムリエ」に出演するほか、ラジオ番組の家電製品紹介コーナーの構成などにも携わっている。