FLIP5の実機を試してみました
音質がいいという評判をよく耳にする「FLIP5」。価格も1万円以下で手に取りやすく、Bluetoothスピーカーを選ぶ際は候補に挙がりやすい製品だと思います。検討する際には、どのような強み・弱みがあるのか、本当に音質はいいのかなど、気になるポイントは沢山あります。
今回『FLIP5』を手に入れたので、使用感や個人的に気になるポイントを検証してみました。購入を検討している方は参考にしてみてください!
FLIP5とは? 公式サイトの情報などを調査
『FLIP5』は、大手音響機器メーカーJBLの製品。JBLは家庭用スピーカーからプロの現場で使われる放送機器まで、幅広い音響機器を世に送り出しています。低音域の強さに定評があり、人気のあるメーカーのひとつです。
『FLIP5』はIPX7の防水性能をもつポータブルモノラルスピーカー。ペットボトルサイズで持ち運びもしやすく、高い防水性と併せてシーンを選ばず使えるのが強みです。IPX7は1mの水深に30分もの時間耐えられるため、お風呂やプール、川辺などの水回りでも安心して使えます。
また、44×80mmの楕円形ドライバーとパッシブラジエーターにより、高品質な音と豊かな低音を楽しめます。出力も20Wと充分にあり、屋外でも使いやすいスピーカーです。
前モデル『FLIP4』と比較すると、下記のような違いがあります。
・ドライバーが2基から1基になり大型化
・出力が8W×2から20Wに増加
・充電端子をUSB Type-Cに変更
・マイク機能廃止
・有線接続(3.5φステレオジャック)の廃止
マイク機能は利用ユーザーが少ないため廃止。有線接続も同様の理由に加え、防水キャップを無くすために廃止されました。単純なスペックアップではなく、前モデルの方が勝っている部分もあるようですね。
FLIP5の口コミ・評判は? SNSやECサイトでの評価を調査
『FLIP5』の口コミや評判をまとめてみました。よく見られた内容を詳しくご紹介します。
音質の評価は高め! しかしモノラルゆえの弱点も?
『FLIP5』は音質に関する口コミが多く見られました。「低音に迫力がある」「中高音の解像度が高い」など好意的な意見が多く、音に満足している人が多い印象です。
ただ、中には「音の広がりが悪い」「薄っぺらい音がする」という評価も見られます。『FLIP5』はモノラルスピーカーなうえにドライバーを一基しか搭載しておらず、スペックで見ても苦手な部分です。ステレオスピーカーと比較すると差が出てしまうと思われます。
アプリの出来が悪くて使いにくい
否定的な意見の中には専用アプリ「JBL Connect」が使いにくいという声もありました。専用アプリを使用すると「JBL PARTYBOOST」という複数の対応スピーカー同士を接続する機能が使えます。2台でステレオ再生ができたり、複数台で同じ音を鳴らして迫力を増したりなど、使い方の幅が広がる機能です。
しかし専用アプリによる接続がうまくできない、アプリの操作性が悪いなど、使ってみた人からの不満の声が見受けられます。「JBL PARTYBOOST」を使おうと考えている方は、気にしておいたほうがいいでしょう。
FLIP5を使ってみた感想 検証レビュー
高級感のある質感! 外観やパッケージを紹介
まずはパッケージと外観からチェックしていきます。
パッケージ
正面は白とオレンジを基調とした明るいパッケージです。水に落ちる『FLIP5』が写っており、防水性の高さをアピールしています。
裏面には「12時間再生可能」「IPX7の防水性」「JBL PARTYBOOST対応」との機能説明がありました。裏面と両サイドはブルーカラーでクールな印象。
スピーカー本体
ドライバー部分には光沢のあるファブリック素材が使われており、サイドはプラスチックがラバーで覆われています。全体的に質感がよく、高級感があります。レッドメタリックの中央ロゴもいいアクセントになっており、デザイン性を重視する方も満足できる仕上がりかと。
両サイドにはパッシブラジエーターを搭載。指で軽く押すとフニフニ動きます。音楽再生時はこの部分が振動することで、低音域を補強してくれます。音楽の再生中プルプル震えるので、見たり触ったりしても楽しいです。
操作系は上部にまとめられています。「再生・停止」「音量+」「音量-」「JBL PARTYBOOST」と並んでおり、電源ボタンやBluetoothボタンは別の場所。個人的にはボタン類は一カ所にまとめてほしかったですね。
裏側中央に電源とBluetooth接続ボタンがあります。右側には充電用のUSB Type-Cとバッテリーランプ。端子自体が防水仕様なので、よくある防水キャップは無し。コード接続がしやすい反面、濡れた直後は充電ができないので要注意。水回りで使うことが多い人だとたまに不便かもしれません。
また、AUX端子は無く、有線接続による音楽再生はできません。公式によると、ユーザー使用頻度が低いのと防水キャップを付けたくなかったため廃止したようです。
丸いデザインでコロコロと転がりそうですが、この裏側部分に重心が偏っており、出っ張りがストッパーの役割になっているので転がりません。多少の傾きなら問題なく置いておけます。
縦置きにも対応しており、安定性も充分。接地部には隙間があり、パッシブラジエーターの音をちゃんと逃がす設計になっています。
サイズ・重量比較
500mlペットボトルとサイズを比較してみると、大体同じくらいだと分かります。ボトルホルダーのサイズによっては差し込めそうです。
重さも中身入りの500mlペットボトルとほぼ同じ。携帯性が気になる方はサイズ・重量とも500mlペットボトルを参考にしてみましょう。
ペアリング方法を確認
ペアリング方法は以下の通りです。
1)スピーカーの電源ON、スマホ等のBluetoothをONにする
2)スピーカーのBluetoothボタンを押してペアリングモードにする(初回はBluetoothボタンを押さなくてもペアリングモードになる)
3)スマホ等で『FLIP5』を選択して接続する
ペアリング後は電源を入れた際に再生機のBluetoothがONになっていれば、勝手に接続してくれます。上手く接続してくれなかったときは、再度ペアリングをやり直してみましょう。
起動音やペアリング待機音は結構うるさいですが、後述する専用アプリ「JBL Connect」を使用すると消音できます。
接続能力をチェック
Bluetoothスピーカーといえば気になるのが接続能力。『FLIP5』が快適は快適に使えるのか確認してみました。
接続距離は15m以上で安定性も良好
屋内にスマホを置き、スピーカーをもって屋外に出てみたところ、接続可能距離は15m以上であることが確認できました。障害物があっても問題なく接続できます。
しばらく使っていますが、音飛びやノイズが混じることもなく快適です。接続能力については問題ないですね。
遅延は発生する?
『FLIP5』は対応コーデックがSBCのみのため、音の遅延が発生します。アニメやドラマを見ると口の動きと声にズレを感じるため、動画視聴には向きません。
実際に音ズレ確認動画でどの程度の遅延が発生しているのか確認してみました。
結果は約266.7msec=0.2667秒の遅延が発生していました。一般的なSBCコーデックによる遅延と同程度ですね。(動画撮影時の音ズレも入っている可能性もあるため、参考程度の数値になります。)
『FLIP5』は有線接続ができないため、音の遅延を改善する手立てはありません。音楽鑑賞用と割り切って使うのが吉です。
音質は上等! ボーカル曲におすすめ
音質は中音~低音域に強い印象。とくに中音域はいい意味で主張が強く、はっきりとした音を奏でてくれます。男女問わずボーカルの声が聞きやすく、解像度が高い印象です。ボーカルメインの曲ならワンランク上のスピーカーとも十分戦っていける音で、価格以上の音質だと思います。
低音も豊かで重厚感のある音が楽しめます。両端のパッシブラジエーターのおかげか、音を振動として肌で感じられます。音量が低すぎると上手く低音が鳴らないので、そこそこボリュームを上げて使うのがおすすめ。
高音はマイルドな印象です。キレイな音は出ていますが、少しだけボヤっとしています。特筆して強い要素はありませんが、疲れにくく聞きやすい音だと思います。
口コミにあった音の広がりの弱さは確かに感じますが、ポータブルスピーカーとしてみれば許容できるレベルです。ステレオポータブルスピーカーと比べてみると、至近距離だと差を感じますが距離を開けると気になりません。
全体的に、サイズに対して大きめの44×80mmドライバーがいい仕事をしている気がします。前モデルからドライバー数を減らし、出力のクオリティーを1点に絞って上げてきたのはいい判断だったのではないでしょうか。
専用アプリ「JBL Connect」も使ってみました
『FLIP5』はJBLの専用アプリ「JBL Connect」を使えるのですが、あまり評判がよくないので確認してみました。
JBL Connectでは、以下のことができます。
・Party Boost接続
・スピーカーシステム音のON/OFF
・スピーカーのファームウェアバージョンアップ
PartyBoostは2台以上必要となるためできませんでしたが、ほかの2項目は試してみました。使ってみた感想は「動作が不安定で使いにくい」といったところです。
スマホによっては使えない?
Xperia XZ3(Android10)と初代iPad Air(iOS12.1.1)でJBL Connectを使ってみましたが、Xperiaだとうまく動作しませんでした。アプリがスピーカーを検出できなかったり、検出しても「準備中…」という表示から進まなかったりします。iPadAirだと問題なく準備が完了し、各種機能が使えるようになりました。機器によってはほぼ使えないかもしれません。
システム音設定のやり方と注意点
起動音等のシステム音を切り替える方法は、下記の通りです。
1)スピーカーとスマホをBluetoothで接続する
2)JBL Connectを起動し、アプリにスピーカーを認識させる
3)右上の歯車マークをタップ
4)設定画面の「オーディオ・フィードバック・サウンド」のボタンをタップして切り替える
5)設定画面左上の「<」マークで戻る
注意点として、スピーカーの認識が完全に完了していないと設定を変更できません。「準備中…」となっている状態だと設定が変わりませんでした。
また、設定項目のボタンを切り替えただけで反映されないため、必ず設定画面から戻りましょう。
ファームウェアアップデートは時間がかかる
ファームウェアのバージョンアップができるのはうれしいポイントです。今後の拡張性が期待でき、ファームウェアに問題があっても対応してくれるという期待が持てます。
試しにファームウェアアップデートを行なってみたところ、1時間半掛かりました。結構時間がかかるので、余裕があるときに行ないましょう。Bluetoothでデータの更新を行なっているようなので仕方がないのかもしれませんが、もう少し早くしてほしいですね。
サイズ | 幅178×奥行68×高さ72mm |
---|---|
重量 | 550g |
出力 | 20W |
通信方式 | Bluetooth5.1 |
連続再生可能時間 | 12時間 |
サイズ | 幅178×奥行68×高さ72mm |
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重量 | 550g |
出力 | 20W |
通信方式 | Bluetooth5.1 |
連続再生可能時間 | 12時間 |
FLIP5はお値段以上 総合評価:3.8点
JBL FLIP5を試した感想をチャートにしてみました。
中音:5
高音:3
ビジュアル:4
使いやすさ:3
低音:4
※執筆者の主観を数値化したものです。
『FLIP5』は価格に対して音質が非常に良いと思います。とくに中・低音域に強く、ボーカル曲をよく聞く方や、いい音のBluetoothスピーカーを探している方におすすめです。
デザインも高級感があり、ビジュアルにこだわる方も満足できるのではないでしょうか。
気になったところは、前モデルにはあった有線接続端子とマイク機能が無くなっているところ。同サイズのBluetoothスピーカーではよくある機能なので、ほかの製品より機能性では劣ってしまいます。
ですが、一部の機能を減らしたおかげで価格が安くなっていると考えれば、大いにアリです。音楽再生用スピーカーとして使うのならとくに問題もありません。もし削られてしまった機能が欲しい場合は、前モデルの『FLIP4』も検討してみましょう。
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