スタッドレスタイヤの選び方と比較方法 カージャーナリストが教える
カージャーナリストの松村 透さんに、スタッドレスタイヤを選ぶ時のポイントを教えてもらいました。あなたやご家族の命を預けるアイテムです。価格も重要ですが、性能や口コミに目を向けて慎重に選んでください。

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この記事で紹介する各スタッドレスタイヤの特性を図にしました。「雪上・氷上・ドライ路面を問わずグリップ力があり、ロングライフを実現、しかも安価」というスタッドレスタイヤは残念ながら存在しません(もちろんサマータイヤも同様です)。雪上・氷上かドライか、ライフ(長持ち)かグリップ力か。これらはコインの表裏です。上記を参考に必要状況に最適なものを選ぶ必要があります。
コストか安全かの選択なら、迷わず安全を選ぶべき
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サマータイヤ以上に、安全性を重視すべき
ここで改めてお伝えしたいことがあります。「タイヤは命綱であること。スタッドレスタイヤであればなおさら」ということです。
シビアな状況でも確実に路面をつかみ、グリップ力を発揮させるスタッドレスタイヤでなくてはなりません。また、雪道や氷上の走行に慣れていないドライバーであれば、スタッドレスタイヤがリカバリーの役割を担ってくれます。
コストか安全か? という二者択一を迫られたとき、サマータイヤ以上に後者、つまり安全を重視してスタッドレスタイヤを選んでください。値段を見てタイヤ代を削ったことで起こりうる事故は、ともすれば遭難になる可能性があり命の危険につながるおそれがあるからです。
スタッドレスタイヤの性能は事前に比較しておきましょう。
雪道や氷上、凍結路面をドライブする時間で比較検討

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上記は、「雪上・氷上を走行する時間や距離」を軸としてスタッドレスタイヤが選べるチャートです。例えば、降雪地帯にお住まいで、お車で通勤されているとなれば、雪上・氷上での走行向きのタイヤを選ぶほかはない、となります。
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ドライブ時間と状況をリサーチして比較しましょう
お家近辺に雪は降らないけれど、冬場はウィンタースポーツを楽しんでいる方であれば、雪上・氷上でのグリップ力に加えて、ドライ路面の走行性能や快適性(ロードノイズの大きさ)を含めた総合性能が求められます。
頻繁ではないものの遠い場所まで行く予定があれば、長持ちする方がいいでしょう。
その他、通勤や通学でクルマを使う方で「冬場にときどき降る突然の大雪に備えた予防策として」スタッドレスタイヤを選ぶ方もいらっしゃるはず。そうなると、ドライ路面の走行性能や快適性(ロードノイズの大きさ)をより重視することをおすすめします。
普段使いの条件だけではなく、年に数度のイベントも考慮にいれましょう。
ネット販売か、店頭販売か。コスパ比較にも注意

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ネット購入か、店頭購入か? 言い換えれば「価格重視か手間いらずか」の二者択一となります。まず①のネット専業の最大の魅力は価格の安さに尽きます。条件がそろえば、店頭購入よりワンランク上のタイヤを選べる場合もあるほどです。しかし、そうなると、タイヤ交換をしてくれるところを探す必要があり、そのために費用も発生します。最近では「持ち込み歓迎」を掲げる店舗も増えつつありますが、まだまだ日本全国に浸透している段階にはありません。
店舗で行うのであれば、どこが安いのか、軽自動車も対応しているのかなど事前に調べ評判の良いところを探してみてください。
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取り付け費用、方法を見極めて
タイヤは安く買えたけれど、交換工賃や廃タイヤ処理が高くついた、では本末転倒です。その点、店頭購入であれば、購入したその場で交換してくれるだけでなく、空気(または窒素ガス)充填サービスなどのアフターフォローが充実しています。
「交換先のメドがついているならネット購入を、手間が掛からず、その場で交換してくれる便利さを望むなら店頭購入」をおすすめします。
ネット購入と店頭購入のタイヤ交換費用比較表

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上の図が、ネット購入と店頭購入の交換費用のおおまかな比較です。この程度のコストの差額があるものとして、最適な購入方法を選んでください。国産がいいのか、世界的に有名なものの方がいいのかなども大きく違う部分でしょう。また、Amazonでは、タイヤ交換作業なども商品のように購入ができます。※上記図はタイヤ4本分、バランス料こみの値段です。価格はあくまで目安であり、作業実施店舗や車種、作業内容等により異なります。
ゴーゴーガレージ『タイヤ交換、バランス調整15インチ以下-4本』
スタッドレスタイヤをネット購入するユーザーのため、Amazonでは交換作業などのサービスチケットが商品のように購入できます。あとは、このチケットが使用できる工場が近辺あるかどうか、探しておきましょう。
>> Amazonで詳細を見るスタッドレスタイヤ 各メーカーの比較ポイントは? 2019年〜2020年シーズンにおける
では、最新の各メーカーのドレンドはどうなっているのでしょうか? 各社の傾向などについて、松村さんにお聞きしました。どういった種類のスタッドレスタイヤが多いのか見てみましょう。
ブリジストンやヨコハマなど、氷上性能アップを強調するメーカーが増えている
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スタッドレスタイヤの最大のアピールポイントであり、生命線ともいえる「氷上性能アップ」を強調するタイヤメーカーが多い印象です。ブリザック VRX2(ブリヂストン)は氷上ブレーキ10%アップ(VRX比)、アイスガード 6(ヨコハマ)は15%UP!をうたい文句にブレーキングとコーナリングを、ウインターマックス 02(ダンロップ)は「液状ファルネセンゴム」採用で効きもち性能の向上、オブザーブ・ガリットギズ(トーヨー)は鬼クルミ殻のスパイク効果…といった具合です。
一方、バイキング・コンタクト 7(コンチネンタル)や、エックス アイス スリー プラス(ミシュラン)など、あらゆるウインターシーズンの使用環境下における総合性能をアピールするメーカーも。予算はもちろんのこと、氷上性能、つまりタイヤのグリップ力が問われる環境を重視するか、ドライ路面の走行を含めた総合性能に目を向けるかが、2019年〜2020年シーズンにおけるスタッドレスタイヤ選びのポイントといえそうです。
スタッドレスタイヤ 2019年〜2020年おすすめランキング カージャーナリストが比較して選ぶ
ここまで紹介したスタッドレスタイヤ選びのポイントをふまえて、カージャーナリストの松村 透さんに選んでもらったおすすめ商品をスタッドレスタイヤ性能に注目し、ランキング形式で紹介します。スタッドレスタイヤは、命を守るものです。しっかり見極めてくださいね。※9位→1位の順に掲載しています。

9位:Pirelli (ピレリ)『アイス・アシンメトリコ プラス』










出典:Amazon
発売年 | 2014年 |
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対応サイズ | 14〜18インチ |
対応ボディタイプ | 乗用車・SUV |

8位:TOYO TIRES(トーヨータイヤ)『オブザーブ・ガリットギズ』

出典:Amazon
発売年 | 2014年 |
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対応サイズ | 13〜18インチ |
対応ボディタイプ | 軽自動車・セダン |

7位:FALKEN(ファルケン)『エスピア ダブルエース』














出典:Amazon
発売年 | 2018年 |
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対応サイズ | 13〜18インチ |
対応ボディタイプ | 軽自動車・コンパクトカー・セダン・ミニバン |
タイヤの目、ラッセルパターンが生み出すグリップ力
エスピアシリーズとしては実に11年ぶり、2018年にモデルチェンジを果たしたばかりの最新モデル。この『エスピア ダブルエース』の特徴のひとつがタイヤパターンになります。
「ラッセルパターン」と名づけられ、雪上および氷上の走行はもちろんのこと、氷上でのコーナリングの安定性にも寄与しています。滑ることなく安心して運転をすることができるでしょう。
また、スタッドレスタイヤとしては速度レンジS・Hを実現。よりハイスピードの走行に耐えうる設計となっている点にも注目したいところです。
普段は都市部に住んでいて、冬場はクルマに乗ってウィンタースポーツを楽しみたいという方におすすめしたいスタッドレスタイヤです。

6位:GOODYEAR(グッドイヤー)『アイスナビ セブン 7』

出典:Amazon
発売年 | 2017年 |
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対応サイズ | 13〜19インチ |
対応ボディタイプ | 軽自動車・コンパクトカー・セダン・ワゴン・ミニバン |
プレミアムな進化をとげた新モデル
総合性能が売りの『アイスナビ セブン 7』。先代モデルにあたる『アイスナビ セブン 6』と比較して氷上のブレーキ(ABS作動)が7%も向上。
また、ウェット性能にも配慮がなされており、ウェットブレーキ(ABS作動)においても、先代モデルと比較して2%向上しています。
さらに、ドライ性能がありドライ路面での転がり抵抗も、先代モデルと比較して4%低減。
雪上および氷上の走行性能、氷上のコーナリング性能に重きが置かれつつも、タイヤの耐久性にも配慮がなされており、プレミアムスタッドレスタイヤの位置づけにふさわしいモデルといえます。評価も高いおすすめです。

5位:ダンロップ『ウインターマックス 02』

出典:Amazon
発売年 | 2016年 |
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対応サイズ | 12〜20インチ |
対応ボディタイプ | 軽自動車・コンパクトカー・セダン・ワゴン・ミニバン・SUV |

4位:MICHELIN(ミシュラン)『エックス アイス3+』

出典:Amazon
発売年 | 2017年 |
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対応サイズ | 15〜19インチ |
対応ボディタイプ | 軽自動車・コンパクトカー・セダン・ワゴン・ミニバン・スポーツカー・SUV |
タイヤの使用限界まで続く安心感が魅力
「エッジ効果」「グリップ効果」「雪踏み効果」をバランスよく融合したスタッドレスタイヤがこの『エックス アイス3+』です。最新技術「Mチップ」を内蔵した表面再生ゴムが、履き替え時まで性能を維持します。
また、トレッド溝底まで細かな溝が深く刻まれたトレッドデザインを採用することで、スタッドレスタイヤとしては使用限界となる50%まで摩耗してもトレットパターンをくっきりと残し、ブレーキング性能も確保しているという安心感が魅力であり特長のひとつといえます。
バランスよくまとまっており、総合的に優れたスタッドレスタイヤを比較して探している方にこそおすすめしたいモデルです。

3位:Continental(コンチネンタル)『バイキング・コンタクト 7』

出典:Amazon
発売年 | 2018年 |
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対応サイズ | 14〜20インチ |
対応ボディタイプ | 乗用車 |
ウィンター性能とウェット性能を高次元で両立
2018年に発売されたばかりの最新スタッドレスタイヤ。氷雪路面におけるトラクション(路面で滑らず引っ張る力のこと)とブレーキ性能を実現していることはもちろん、ウェット路面においても優れたグリップ性能を確保。
スタッドレスタイヤに求められるあらゆる矛盾と性能を高次元で両立した、新世代のモデルといえます。降雪地帯の走行をはじめとして、多くのシビアな状況においてもタイヤのグリップが確保されます。
さらに、トータルバランスにも優れたプレミアムスタッドレスタイヤとして、総合力を重視する方におすすめしたいモデルです。
氷上・雪上性能とウェット性能を高次元で両立していますし、日本車オーナーの方はもちろん、輸入車オーナーの方で、スタッドレスタイヤも海外メーカーにこだわりたい方にもおすすめできる、という点で3位としました。

2位:YOKOHAM(ヨコハマタイヤ)『アイスガード 6』

出典:Amazon
発売年 | 2017年 |
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対応サイズ | 13〜20インチ |
対応ボディタイプ | 軽自動車・コンパクトカー・セダン・クーペ・ミニバン・スポーツカー・SUV |
氷に強い! 30年を超える進化の集大成モデル
1985年に誕生した第1世代スタッドレスタイヤ「GUARDEX」から進化を遂げたアイスガードブランド。
2017年に誕生した『アイスガード 6』は、その名のとおりシリーズ第6世代にあたり、これまでのノウハウを集約した集大成モデルと位置づけられています。
特長としては氷上性能の高さが挙げられ、従来のモデルと比較して氷上性能が15%向上。さらに、耐久性・燃費に加えてウェット路面やパターンノイズにいたるまで配慮がなされた総合性能が売りのスタッドレスタイヤといえます。
高い氷上・雪上性能が高く滑らないのはもちろん、約4年後でも高い性能をキープするロングライフ(長持ち)を実現した品質も考慮して2位としました。

1位:BRIGESTONE(ブリヂストン)『ブリザック VRX2』

出典:Amazon
発売年 | 2017年 |
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対応サイズ | 12〜20インチ |
対応ボディタイプ | 軽自動車・コンパクトカー・セダン・ミニバン・スポーツカー |
北海道など、降雪地帯のユーザーからの圧倒的な支持
北海道および北東北主要5都市(2019年1月~2月に札幌市、旭川市、青森市、盛岡市、秋田市の5地区において調査を実施)で、装着率18年連続No.1の人気はもはやスタッドレスタイヤの王者といえるブリザックシリーズ。
そのなかでも、「ブリザック史上最高性能」がうたい文句のスタッドレスタイヤがこの『ブリザック VRX2』です。
このモデルの強みは「総合性能の高さ」にあります。雪道・氷上の性能はもちろんのこと、ドライ路面の快適性、タイヤの耐久性を高次元で融合。
スタッドレスタイヤのチョイスに迷ったなら、なにはともあれこのモデルという実績、性能のため、1位に選びました。
「スタッドレスタイヤ」のおすすめ商品の比較一覧表
スタッドレスタイヤ採点表を公開! カージャーナリスト松村 透さんが評価
カージャーナリスト松村 透さんの選ぶ、スタッドレスランキング9選、いかがだったでしょうか。ここでは、松村さんの採点表を公開します。松村さんが、各性能をどう評価したかがわかりますので、参考にしてください。

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氷上、雪上、ドライ・ウェット性能を5点満点で採点し、さらに燃費、寿命などが考慮されました。トップのブリザックと2位のアイスガードは性能の順位は同じでしたが、新モデルでの進化度と圧倒的なシェア率でブリザックが1位になっていますね。
スタッドレスタイヤの各社シリーズにおける特徴を比較 カージャーナリストが教える
命を預けるアイテムだけあって、長年支持されているブランドはどこもしっかりしたものばかりです。軽バン、ミニバンやワンボックスなど車種も注目すべき点ですが、ここでは各社タイヤの特徴について、カージャーナリストの松村さんに解説してもらいました。
ブリヂストン(BRIDGESTONE)
ブリヂストンの設立は1931年。150もの国で事業展開を行っています。またタイヤだけでも、乗用車・小型トラック・トラック/バス・航空機・建設/鉱山車両・モーターサイクル・農業機械・産業車両など、あらゆる乗りもの用のタイヤを開発・販売しています。その他、自動車用シートパッドやコンベヤベルト、免震ゴムをはじめとする自動車用部品や産業資材、建設資材なども同社の製品も展開しています。
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乗用車およびSUV用のタイヤでは「スタッドレスタイヤ"ブリザック"」、「プレミアムタイヤ"レグノ"」「レース・スポーツタイヤ "ポテンザ"」「SUVタイヤ "デューラー/アレンザ"」など、幅広いランナップを展開しています。
タイヤメーカーのなかでトップのシェアを誇り、かつてはF1(フォーミュラーワン)用タイヤも供給。さらには月面探査機に装着するタイヤも同社のものが採用されるなど、極限状態の使用も可能にする技術力が特長といえます。
ヨコハマ(YOKOHAMA)
横浜ゴムの創業は1917年。世界120カ国以上でビジネスを展開しています。また、タイヤで培ったノウハウを活かして、ホース配管・工業資材・接着剤・航空部品・ゴルフ用品を開発しています。
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乗用車およびSUV用のタイヤでは「スタッドレスタイヤ"アイスガード"」「低燃費タイヤ"ブルーアース"」「レース・スポーツタイヤ "アドバン"」「SUV用タイヤ"ジオランダー"」「低燃費タイヤ"エコス"」など、幅広いランナップを展開しています。また近年では、クラシックカー用のタイヤの復刻などにも力を入れています。
国内外のレーシングチームへのタイヤ供給や、ポルシェをはじめ、メルセデス・ベンツ、BMW、アウディなどのドイツ車にも新車装着されるなど、世界に認められた高い技術力が特長といえます。
ダンロップ(DUNLOP)
住友ゴム工業の創業は1909年。同社としての主な事業は、タイヤ(自動車・建設車両・農耕機・産業車両・レース/ラリー・モーターサイクル・新交通システム用)、アルミホイール、自動車関連用品のパーツです。
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ダンロップブランドにおける乗用車およびSUV用のタイヤでは「スタッドレスタイヤ"ウィンター マックス"」「プレミアムコンフォートタイヤ"ビューロ"」「コンフォートタイヤ"ル・マン"」「ミニバン用"エナ・セーブ"」「スポーツタイヤ "ディレッツァ"」「SUV用"グランドトレック"」「輸入車用タイヤ"エスピースポーツマックス"」などを展開しています。
1888年に空気入りタイヤを実用化。その後、1905年にトレッドに横溝のパターンをつけた自動車用タイヤを初めて開発。1913年に日本初となる自動車用タイヤを製造をはじめたのもダンロップ製のタイヤです。同社の特長は、現在のタイヤの礎を築いたともいえます。
ファルケン(FALKEN)
ファルケンブランドを擁する住友ゴム工業の創業は1909年。同社としての主な事業は、タイヤ(自動車・建設車両・農耕機・産業車両・レース/ラリー・モーターサイクル・新交通システム用)、アルミホイール、自動車関連用品のパーツです。
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ファルケンブランドにおける乗用車およびSUV用のタイヤでは「スタッドレスタイヤ"エスピア"」「プレミアムタイヤ"アゼニス FK510"」「スポーティ&コンフォートタイヤ"ジークス"」「SUV用プレミアムタイヤ"アゼニス FK510 SUV"」「4×4用タイヤ"ワイルドピーク"」などを展開しています。
過酷なモータースポーツの舞台で鍛えられ、磨かれ、進化してきたテクノロジーこそがファルケン製タイヤの特長であり、強みといえます。
トーヨー(TOYO TIRE)
東洋ゴム工業(現TOYO TIRE)の設立は1945年。主な事業は、乗用車・トラック/バス・建築車両用などの自動車タイヤを製造・販売しています。その他、自動車用防振ゴムなど、ゴム関連技術、振動制御を生かした製品を展開中。
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トーヨーブランドでは「スタッドレスタイヤ"ウィンター オブザーブ・ガリットギズ"」「プレミアムタイヤ"プロクセス"」「オフロード用"オープンカントリー"」「ミニバン&軽自動車用"トランパス"」「低燃費タイヤ"ナノエナジー"」などを展開中。
さらにクルマ好きのニーズに応える「ニットー」ブランドを2005年より展開しています。ミニバンブームの到来に先駆けて1995年に発売した「TRANPATH(トランパス)」がミニバン専用タイヤの代名詞として支持を得ています。また冬用のタイヤでは、1991年にタイヤに胡桃(クルミ)を配合する技術を開発。先見性と独自の視点が同社の特長といえます。
グッドイヤー(GOODYEAR)
日本グッドイヤーの設立は1952年(※1898年に米国で創業)。22カ国の48施設でタイヤを製造しています。
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乗用車およびSUV用のタイヤでは「スタッドレスタイヤ"アイスナビ"」「SUV用スタッドレスタイヤ"アイスナビ SUV"」「プレミアムコンフォートタイヤ"イーグル エルエス プレミアム"」「コンフォートタイヤ"イーグル エルエス エグゼ"」「スポーツタイヤ"イーグル"」「SUV用タイヤ"エフィシェントグリップ"」「4×4用タイヤ"ラングラー"」など、幅広いモデルを展開しています。
ミシュラン(MICHELIN)
日本ミシュランタイヤの設立は1975年(※1889年にフランスにて設立)。主な事業はミシュランおよびBFグッドリッチブランドの乗用車用タイヤの展開をはじめとして多岐におよびます。さらに、2007年11月にアジアでは初となるミシュランガイド「ミシュランガイド東京2008」を発行。それ以降、現在にいたるまで東京を皮切りに日本各地の名店を紹介しています。
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乗用車およびSUV用のタイヤでは「スタッドレスタイヤ"エックスアイス"」「低燃費タイヤ"ブルーアース"」「レース・スポーツタイヤ "パイロット"」「コンフォートタイヤ"プレマシー"」「SUV用コンフォートタイヤ"プレミア"」「低燃費タイヤ"エネルギー"」など、幅広いランナップを展開しています。
多くの欧州車に標準装着されている同社のタイヤ。なかでもモータースポーツとのつながりは強く、この世界のトップブランドでもあります。過酷なレースフィールドで得られたノウハウが市販車用のタイヤにフィードバックされている点が同社の特長といえます。
ピレリ(PIRELLI)
ピレリの設立は1872年。世界160カ国以上でビジネスを展開しています。現在のロゴを採用したのは1908年。何と100年以上も前なのです。
カージャーナリスト
乗用車およびSUV用のタイヤでは「スタッドレスタイヤ"アイス・アシンメトリコ"」「低燃費タイヤ"ブルーアース"」「レース・スポーツタイヤ "ピーゼロ"」「コンフォートタイヤ"チントゥラート"」「SUV&クロスオーバー用タイヤ"ドラゴン"」「オンロード&オフロード用タイヤ"スコーピオン"」などに加え、クラシックカー用のタイヤの販売にも力を入れています。
また、同社のタイヤの特長として、4500件以上の特許を取得し、主要自動車メーカーとOEMパートナー関係にあるほど確固たる地位を確立しています。
コンチネンタル(Continental)
コンチネンタル・ジャパンとしての設立は2000年。日清紡との合弁会社として誕生しました(※1871年にドイツにて設立)。タイヤに限らず、クルマのシャシーやパワートレイン、インテリアなど、あらゆる部門に精通しています。
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乗用車およびSUV用のタイヤにおいても「スタッドレスタイヤ"バイキング・コンタクト"」「ハイパフォーマンス・エコタイヤ"エココンタクト"」「プレミアムタイヤ"コンチプレミアムコンタクト"」「スポーツタイヤ "プレミアムコンタクト"」「コンフォートタイヤ"プレマシー"」「SUV用タイヤ"ウルトラコンタクト"」など、幅広いランナップを展開しています。
いまや、世界有数の自動車サプライヤーメーカーに成長した同社。包括的に自動車を造りあげることが可能となった同社だからこそ、広い視野とノウハウをタイヤの技術革新にフィードバックしていることが大きな特長といえます。
スタッドレスタイヤに関する12のQ&A カージャーナリストが答える
知られているようで、意外と知られていないスタッドレスタイヤの秘密や疑問について、カージャーナリストの松村さんに答えていただきました。
Q1:そもそもスタッドレスタイヤとは?
カージャーナリスト
低温でも硬くなりにくいゴムを採用したタイヤのこと
かつて雪道を走るためにタイヤにスタッド(鋲)を埋め込んだ「スパイクタイヤ」が使われていました。しかし、乾いた路面ではアスファルトの路面と接触することで起こる粉じんが問題となり、使用が禁じられることとなりました。その代わりに主流となったのが、文字どおりスタッドがない「スタッドレスタイヤ」というわけなのです。
氷上および雪上の両方の場面で安全に走行できるためのグリップ力性能を保持するべく、タイヤと路面が接するブロックの形状やパターン、ゴムの素材など、各タイヤメーカーが技術の粋を結集してスタッドレスタイヤが開発されています。その結果、氷上や雪道などで滑りにくく、安定した走りが実現しているのです。
Q2:まもなく冬到来! 替え時はいつ?
カージャーナリスト
初雪の半月〜1カ月前を目安に交換するのがよい
降雪地帯にお住まいであれば、初雪の降る時期はだいたい予想がつくはずです。週間天気予報などで雪のマークがつきはじめると、あわててスタッドレスタイヤに交換する方が増えてお店が混み合います。また、外気温が3度以下になると路面が凍結する可能性が高まります。雪が降らない地域でも油断はできません。余裕をもってスタッドレスタイヤに履き替えたいのであれば、初雪の半月〜1カ月前を目安に交換するのがよいでしょう。
店舗・ネットどちらでも問題ないですが、ネットで買うなら余裕を持って早めに注文することをおすすめします。相場と照らし合わせて調べてから購入を考えると計画が立てやすいです。
Q3:スタッドレスタイヤにも売りきれがあるって本当?
カージャーナリスト
あります。人気銘柄・サイズは要注意
スタッドレスタイヤはいわゆる「季節商品」です。と同時に、長期保存が効かない「生鮮商品」ともいえます。各タイヤメーカーも流通数を予想してタイヤを生産します。人気銘柄のスタッドレスタイヤやタイヤサイズなど、需要が集中するもの、反対に少量生産のものは早々に売りきれになってしまうこともあります。コスパが良く、金額が低いものであればなおさらです。
通勤やレジャーなど、確実にスタッドレスタイヤを使うことが予想されるのであれば、早めに在庫を押さえてください。
Q4:スタッドレスタイヤは何年使えるの?
カージャーナリスト
3年がひとつの目安とされています
タイヤ公正取引協議会が実施した試験結果によると、「適正な環境に保管されていたタイヤであれば、2シーズン前のものでも性能上は維持している」というデータがあります。つまり3年間ということになります。あくまでも参考値ではありますが、毎年交換する方はレアケースのはず。そこで、3年をひとつの目安として考えることをおすすめします。
定期的に耐久性のチェックをするのに加え、乗り心地に違和感などを感じたら交換することを視野に入れましょう。
Q5:型落ちの方がコスパいい?
カージャーナリスト
「保存状態のよいものなら…」という条件つきです
性能上は3年間使用できるわけですから、昨年のモデルでも使えます。その代わり「保存状態のよいものなら…」という前提になります。今回のご紹介したランキング上位のタイヤは、その設計思想自体が優れており、前年モデルにおいても優れた性能を発揮してくれるでしょう。
たとえばブリザック VRX2の前年モデルのVRXなどですね。4本セットで、1万円ぐらいは価格差がありますので、コスパのいいスタッドレスタイヤといえます。
潤沢に在庫があるわけではないですし、人気のモデルには注文が集中します。保存状態のいいものがあれば購入してもいいかもしれませんが、面倒でも販売店にどのように保管しているのか事前に確認をするようにしてください。 ポイントは直射日光を避け、湿気のない場所で保管されているかどうかです。
Q6:スタッドレスタイヤの寿命を見極めるポイントや目安はどこなの?
カージャーナリスト
プラットホームが露出で寿命切れ、ゴム劣化にも注意
スタッドレスタイヤは、溝の深さが50%に減り、プラットホームが露出している(タイヤのサイドウォール部分に4箇所矢印があり、位置を確認することができます)時点で寿命です。また、紫外線を浴びることによって起こるゴムの硬化や、細かいひび割れを目視で発見した場合も交換時期です。
Q7:スタッドレスタイヤのおすすめの保管場所は?
カージャーナリスト
カバーを被せて冷暗所で保管を!
紫外線はゴムの大敵です。カバーを被せて保管することが必須条件となります。できれば物置やガレージ、ベランダ、建物の陰など、日が当たらない冷暗所がおすすめです。ホイールに装着したまま保管する場合、空気圧を規定値の半分にしてください。また、タイヤの溝に挟まっている小石などを取り除くことも忘れずに。
Q8:スタッドレスタイヤは冬以外に使っても大丈夫?
カージャーナリスト
使えます。しかし、おすすめはできません
スタッドレスタイヤは冬用タイヤという位置づけであり、雪上や氷上などで性能を発揮するように作られています。春〜夏〜秋の季節にそのまま履きつづけても問題はありませんが、確実にスタッドレスタイヤの寿命を縮めるだけでなく、サマータイヤよりもクルマの走行性能を発揮することができません。よっておすすめではできません。
Q9:スタッドレスタイヤも空気圧を気にする必要はあるの?
カージャーナリスト
もちろんあります!
雪上または氷上など、ドライ路面と比較してもはるかにシビアなコンディションでグリップ力を発揮することが求められるスタッドレスタイヤ。タイヤ1本あたりハガキ1枚分の面積でクルマを支えているのは有名なたとえです。
車体に貼られている空気圧を規定値が記載されたステッカーや、取扱説明書を確認して、適正の空気圧を保つようにしてください。そのためにも、こまめな空気圧チェックが必要です(ガソリンスタンドでもチェックできます)。
Q10:スタッドレスタイヤもタイヤローテーションをする必要はあるの?
カージャーナリスト
もちろんあります!
駆動輪や加重がかかりやすいフロント側など、負荷に応じてスタッドレスタイヤの溝も減っていきます。そのために、定期的にタイヤの前後左右を交換するタイヤローテーションは必須といえます。交換時期の目安など、可能であれば店舗のスタッフなどに確認してもらうのがいいでしょう。
しかし、フロント/リヤで17インチと18インチなどでタイヤサイズが異なる場合、タイヤローテーションができない場合もあるので要注意です。
軽自動車などでもスタッドレスタイヤとホイールセットなどがあるので、上手く利用してみてください。
Q11:中古品のスタッドレスタイヤを買うのはあり?
カージャーナリスト
あまりおすすめはできません
ネットオークションなどでさまざまな中古品のスタッドレスタイヤが出品されています。新品に比べて価格が安く、ときには人気のアルミホイールとセットで出品されていることもあり、魅力的であることは確かです。しかし、おすすめはできません。その理由として、手元に届くまでタイヤのコンディションが分からないからです。安心を求めるなら新品をおすすめします。
Q12:スタッドレスタイヤにもチェーンを装着の義務化とは?
カージャーナリスト
大雪特別警報などの際、適用されます
大雪特別警報のほか、大雪に対する緊急発表が行われるような状況の際にも適用されます。ここ数年、大雪による立ち往生でクルマが渋滞を引き起こし、何日にもわたって動けなくなる事態が相次ぎました。そこで、急な上り・下りがある峠などで、過去に雪による立ち往生や通行止めが起こった場所のなかでも「タイヤチェーンを着脱できる場所」または「通行止めが解除されるまで待機できる場所がある区間」においてチェーン規制が実施されます。これは、スタッドレスタイヤを装着している場合でも適用されますので注意が必要です。
スタッドレスタイヤのもっともおすすめしたいモデルは 設計年次の新しいスタッドレスタイヤを選ぼう
カージャーナリスト
多くのクルマの部品がそうであるように、最新のテクノロジーやノウハウを惜しみなく投入して開発・販売されたモデルが最強であり、おすすめしたいモデルです。つまり2020年製造で新製品のものがいいということになります。
スタッドレスタイヤに求められる最大の要素は「氷上性能」。凍結した路面であっても、長期にわたりしっかりとグリップしてくれるモデルでなければなりません。
さらに、トータルバランスに優れたスタッドレスタイヤであれば文句なしです。そういう意味では、冬の日本の路上を研究しつくしたからこそ見えてくることもあるはず。今回の結論として、もっともおすすめしたいスタッドレスタイヤは『BLIZZAK VRX2(ブリザック ヴィーアールエックスツー)』となります。
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする スタッドレスタイヤの売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでのスタッドレスタイヤの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
そのほかのタイヤ関連の記事はこちら 【関連記事】
※「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。
※商品スペックについて、メーカーや発売元のホームページなどで商品情報を確認できない場合は、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。
※マイナビおすすめナビでは常に情報の更新に努めておりますが、記事は掲載・更新時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。修正の必要に気付かれた場合は、ぜひ、記事の下「お問い合わせはこちら」からお知らせください。(掲載:マイナビおすすめナビ編集部)
※2021/02/01 コンテンツ修正のため、記事を更新しました。(マイナビおすすめナビ編集部 平野慎也)
輸入車の取扱説明書の制作を経て、2006年にベストモータリング/ホットバージョン公式サイトのリニューアルを担当し、Webメディアの面白さに目覚める。 その後、大手飲食店ポータルサイトでコンテンツ企画を経験し、2013年にフリーランスとして独立。現在はトヨタ GAZOO愛車紹介の監修・取材・記事制作、ベストカー誌の取材等で年間100人を超えるオーナーインタビューを行う。 また、輸入車専門の自動車メディア・カレントライフの編集長を務める。現在の愛車は、2016年式フォルクスワーゲン ゴルフ トゥーランと1970年式の古いドイツ車。妻と、平成最後の年に産まれた息子、動物病院から譲り受けた保護猫と平和に(?)暮らす日々。