ウォッシャー液の選び方
カージャーナリスト・松村 透さんに、ウォッシャー液の選び方を教えてもらいました。ポイントは以下です。
【1】コスパ重視か機能重視か?
【2】撥水や油膜取りなど目的に応じて
【3】原液タイプか希釈タイプか
【4】凍結温度を確認
【5】成分を要確認
それぞれ詳しく見ていきましょう。
【1】コスパ重視か機能重視か?
コスパを重視して、本来の役目である「フロントガラスの汚れを除去するだけ」のウォッシャー液を選んでもいいと思います。その一方で、値段は高くなりますが、撥水(はっすい)加工や油膜(ゆまく)取りなどの付随する性能を持ちあわせたウォッシャー液にこだわるのもありです。
もし、判断に迷ったときは、幅広い用途に対応できるコスパ重視のウォッシャー液を選ぶことをおすすめします。それで物足りないと感じたら、プラスアルファの性能を追求してもよいと思います。
【2】撥水か油膜取りかなど、目的を事前に確認
ウォッシャー液にもさまざまな種類があります。たとえば、フロントガラスの水分をはじきたいのであれば撥水タイプを。とくに夜間など、フロントガラスがギラギラと反射して見えにくいときは油膜取りタイプを選んでください。
効果を持続させるため、用途を決めたらできるだけ同じ製品のウォッシャー液を使い続けることをおすすめします。置き場所が確保できるのであれば、気に入ったウォッシャー液を見つけたら、何本かまとめ買いをしてもいいかもしれません。
【3】原液タイプか希釈タイプかを確認
原液タイプは、開封すればそのままウォッシャー液用の注入口に流し込めるので、外出先などですぐに使いたいときに薄める必要がなく便利です。一方、希釈タイプは基本的に水と混ぜ合わせて使うタイプなので、濃度を調整できるメリットはあります。
しかし、割合次第では本来の性能を発揮できないこともあるので、使用前に取り扱い説明書をよく確認してから使うようにしてください
【4】冬季や寒冷地では凍結温度を確認
ウォッシャー液の凍結温度も、原液タイプと希釈タイプで異なります。原液タイプのほうがアルコール分が高いため凍結温度が低く、北国や高地など、冬場に外気温が低い場所でもウォッシャー液本来の性能を発揮します。
ラベルに「原液:−30℃まで、希釈:−10℃まで」と具体的な温度が記載されているので、使う前によく確認してください。
【5】フロントガラスを撥水加工している場合は成分を要確認
ディーラーやカー用品店などでフロントガラスに撥水加工を施している場合、専用のウォッシャー液を指定されることがあります。それ以外のウォッシャー液を使うと、ワイパーが作動しているときにビビリ音がしたり、折り返しの部分にワイパーの拭き取り跡が残ったりして、かえってフロントの視界を遮ることになりかねないので注意が必要です。
指定品の入手がむずかしい場合は、容器のラベルに「撥水加工対応」と記載されているものを選んでください。
ウォッシャー液おすすめ10選
それでは、ウォッシャー液のおすすめ商品を紹介します。それぞれ用途の異なるアイテムをご紹介いただいたので、ぜひ参考にしてみてください。

汚れ落としとクリアな視界にこだわりたい方へ
中性タイプが多いなか、こちらは弱アルカリ性。不純物をほとんど含まない水質グレード「A3」相当の精製水を使用している超純水タイプのウォッシャー液です。噴射後に水分が乾いても、フロントガラスに跡が残らないのは魅力です。
撥水加工を施しているクルマや、マイナス30度まで凍らないため、冬場に気温が下がる地域やウインタースポーツを楽しむ方、ワイパー作動時の跡残りが気になる方にもおすすめです。
ただし、ほかのウォッシャー液と混ぜると超純水ではなくなるため、本来の性能が発揮されなくなります。最初に使うときはウォッシャータンクを空にする必要があるため注意が必要です。

強力な油膜取りにこだわるならこのウォッシャー液
いちどフロントガラスに油膜が付着すると、通常のウォッシャー液では除去できません。
そこでおすすめなのが、油膜取り機能を備えたこちらのタイプ。原液であれば「−20℃」まで使えますので、多くの厳冬地でフロントガラスに付着した塩化カルシウムを取り除く効果も期待できそうです。しかし、水分が乾くと跡が残るケースもあるので、やわらかいタオルなどで拭き取ってください。

フッ素系界面活性剤が耐久性と撥水を実現
30年ほど前、ひんぱんにテレビCMがオンエアされていた時期があり、いまだに根強いファンが多いスーパーレイン・X。こちらの製品はフッ素系界面活性剤を採用したことにより、撥水被膜の耐久性が向上。また、コーティング被膜表面をなめらかにすることで、ワイパーのビビリを減少しています。
ガラスコーティングが施工されたクルマにも対応しており、耐久性と撥水性を重視したい人におすすめです。

原液なら「−60℃」まで使えるウォッシャー液
原液で「−30℃」まで使用可能というウォッシャー液が多いなか、こちらはなんと「−60℃」までOK! さらに、フロントガラスに付着した氷や霜を溶かしてくれるだけでなく、油膜取りや塩化カルシウムまで除去してくれるので、厳冬地にお住まいの方や、ウインタースポーツなどで出かける機会がある方にはとくにおすすめしたい商品です。
ただし、撥水効果はないので、その点は購入前に用途を確認してください。
寒冷地でもオールシーズン使えるウォッシャー液
原液は−40℃まで凍らないので、オールシーズン活躍。寒冷地でも季節によって入れ替える必要がないので、手間がかからないのがポイントのウォッシャー液です。パウチ容器入りで、液を注ぐときもラクラク。ゴミを捨てるのも簡単なエコ仕様です。
原液のままでも使用できますが、水で2倍、3倍に薄めても洗浄や撥水の効果は変わらず経済的ですね。車のボディに駅跡が残りにくく、ガラスをクリアにキープするため、視界が良好で安全です。ボディコーティング施工車での使用も可能です。
気化性洗浄剤VAC配合で、白いシミ跡が残らない
洗浄成分による白いシミが残らない、気化性洗浄剤VACを配合したウォッシャー液です。超純水を使用しているので、不純物の可能な限りの除去に成功。ウォッシャー液の跡が残らず、快適に使用できます。薄めずに使用するストレートタイプで、−30℃までは不凍のオールシーズン対応型。
フロントガラスの汚れをすっきり洗浄して、クリアな視界を保ちます。フロントガラスに撥水加工のコーティングをしている車にも、問題なく使用できるのが嬉しいですね。
環境や車に優しい中性タイプ
車の塗装やワイパーゴムを痛めず、環境にも優しい中性タイプのウォッシャー液です。ウォッシャータンクに入れるだけで、簡単に撥水効果を実感できます。雨の日の視界が良好になり、安全性が高まるでしょう。−20℃でも凍らないので、冬場にも使えて便利。
ガンコな油膜をしっかり落として、撥水効果抜群。エコロジーパッケージ入りなので、捨てるときもかさばりません。人や環境にも優しいのが嬉しいですね。水で希釈しての使用も可能です。
「激落ちくん」シリーズのウォッシャー液
ガラスの撥水コーティングを施工している車に特におすすめ、「激落ちくん」シリーズのウォッシャー液です。不純物を含まない純水を使用しているため、ウォッシャー液の白い跡が残りにくいのが特徴。オールシーズン使用できて、−30℃まで凍結しません。
薄めずにそのままタンクに入れるタイプなので、手軽に使えるのが嬉しいですね。洗浄力の高いウォッシャー液が、ガラスの汚れをすっきり落として、雨の日でもクリアな視界で安全です。

コスパ重視! 希釈しても使えるウォッシャー液
撥水や油膜取りなどの機能を持たないもっともシンプルなタイプのウォッシャー液。
原液のまま使えば強力に汚れを除去してくれますし、コスパ重視であれば、希釈して使えば長持ちさせることも可能です。汎用性と必要最低限の性能である、フロントガラスの汚れを除去してくれる機能をクリアしてくれたらそれでOKという人であれば、こちらの製品で充分です。
気温に合わせて希釈するタイプのウォッシャー液
利用する気温に合わせて希釈するタイプのウォッシャー液です。原液1:水2で−6℃、原液1:水2で−9℃、原液のまま−22℃まで凍結することなく利用できて便利。撥水型なので、雨の日でもウインドウの水滴が視界を邪魔することなく、快適で安全に走行できます。
油膜や汚れを落とし、常にガラスはクリアを状態に保ちます。塗装やワイパーゴムを痛めないのも嬉しいですね。ガラスの撥水コーティングをした後のメンテナンスとしても、効果を発揮します。
おすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする ウォッシャー液の売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでのウォッシャー液の売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
ウォッシャー液に関するQ&A 補充方法は? 水を入れるのはNG?
ウォッシャー液の補充方法はどうやるの?

エンジンを開けてウォッシャータンクに注ぐだけ
フロントガラスが汚れた際、ワイパーレバーを手前に引くとウォッシャー液が噴出されます。エンジンオイルなどの油脂類よりも早くなくなることが多いので、ガソリンスタンドやディーラーなどで補充することもできますが、別途工賃がかかる場合があるので、自分で補充する方も多いと思います。
やり方はかんたんで、以下の2stepで完了です。
①エンジンを開いて半透明のタンクを探す(扇形に噴水のようなマークが描かれている)
②タンクが見つかったら、ウォッシャー液を目盛りに合わせて注ぐ
なお、基本的に補充だけで問題ありませんが、ウォッシャー液にはノーマルタイプや撥水タイプなどの種類があるので、大きく性質が異なる場合は交換する方がいいでしょう。
ウォッシャー液は水で代用できる?

一概にNGとは言えないがおすすめはしない
先程もお伝えした通り、ウォッシャー液にはいくつかの種類があり、ガラスの表面やウォッシャータンク内部にある液の凍結を防いでくれます。なので、ウォッシャー液が無くなったタイミングで手元に補充できるものがない場合は水道水でも構いません。
しかし、寒冷地の場合は凍結の危険性が増すので、あまりおすすめしません。なお、ミネラルウォーター腐敗スピードが速いので、使わないようにしましょう。
そのほかのカー用品の記事はこちら 【関連記事】
最後に|エキスパートのアドバイス
ウォッシャー液の液跡の残りにくさにも着目!
ウォッシャー液としては使い勝手がよかったとしても、噴射後、水分が乾いてきたときに跡が残ることがしばしばあるので注意が必要です。これがガラス面やボディなどに固着してしまうと、除去作業がさらに大変になり、費用もかかります。
ウォッシャー液を選ぶときの判断材料のひとつとして「液跡の残りにくさ」にも着目してみてください。多少、コストがかかってもいいとしたら、純水タイプを使用してみることをおすすめします。また最初に使うときは、ウォッシャータンクを空にして、それまで使っていた液剤をすべて使い切ってください。
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輸入車の取扱説明書の制作を経て、2006年にベストモータリング/ホットバージョン公式サイトのリニューアルを担当し、Webメディアの面白さに目覚める。 その後、大手飲食店ポータルサイトでコンテンツ企画を経験し、2013年にフリーランスとして独立。現在はトヨタ GAZOO愛車紹介の監修・取材・記事制作、ベストカー誌の取材等で年間100人を超えるオーナーインタビューを行う。 また、輸入車専門の自動車メディア・カレントライフの編集長を務める。現在の愛車は、2016年式フォルクスワーゲン ゴルフ トゥーランと1970年式の古いドイツ車。妻と、平成最後の年に産まれた息子、動物病院から譲り受けた保護猫と平和に(?)暮らす日々。