フェンダーのベース選びのポイントは? 音楽ライターに聞く
音楽ライターの田澤 仁さんに、フェンダーのベースを選ぶときのポイントを教えてもらいました。
ポイントは下記の4つ。
【1】フェンダーベースの2大定番モデル
【2】個性をアピールするなら「ジャガー」や「ムスタング」
【3】価格帯別にシリーズ(生産国)を決めてから選ぶ
【4】超有名ベーシストの使用モデルで選ぶ
上記のポイントを押えることで、より欲しい商品をみつけることができます。一つひとつ解説していきます。
【1】フェンダーベースの2大定番モデル 「プレシジョン・ベース」と「ジャズ・ベース」
フェンダーのベースの中でも大定番といえるのが、「プレシジョン・ベース(プレベ)」と「ジャズ・ベース(ジャズベ)」です。
プレシジョン・ベース(プレベ) メタルやパンク、ロック系に適した
歴史が長いのは、世界初のエレキベースとして登場したプレシジョン・ベース(プレベ)。太くパワフルなサウンドが持ち味で、ピックアップ1つのシンプルな構成で使いやすいところも人気です。
ジャズ・ベース(ジャズベ) ジャズやR&Bに適した
ジャズ・ベース(ジャズベ)は2つのピックアップによってより幅広い音作りができ、抜けがよく明るい音を出せるので、スラップも派手に決まります。
プレベかジャズベで迷ったら見た目で選んでよし
どちらも世界のエレキベースの標準ともいえる存在ですから、迷ったらこのどちらかを選んでおけば間違いなしです。
あえて言うならメタルやパンク、ロック系ならプレベ、ジャズやR&Bならジャズべ、という分け方もできますが、どちらもオールラウンドに使えるベースです。見た目の好みで選んでしまってもまったく問題ありません。
【2】個性をアピールするなら「ジャガー」や「ムスタング」
みんなと同じ定番のベースなんてつまらない、という人もいるでしょう。そんな人におすすめなのが、「ジャガー」や「ムスタング」です。
ジャガー・ベース 多彩な音色を楽しめる
ジャガー・ベースは、ボディに数多くのスイッチを備えた特徴的なルックスを持ち、アクティブとパッシブの切り替えにより瞬時に音のキャラクターを変えられることで人気があります。
ムスタング・ベース 女性や手が小さい方に最適な
ムスタング・ベースもかわいらしいルックスがユニークなベースです。ショートスケールで指が届きやすく、弦のテンションも低めなので押さえやすいし、ボディも小ぶりなので女性でも持ちやすいです。弾きやすさを重視する人におすすめのモデルです。
【3】価格帯別にシリーズ(生産国)を決めてから選ぶ メキシコ・日本・アメリカ
フェンダーのベースには生産国ごとにさまざまなシリーズがあり、価格も違います。価格に見合ったシリーズから選ぶのもひとつです。
「プレイヤーシリーズ」「デラックスシリーズ」 価格重視ならメキシコ製
価格重視なら全モデルの中でエントリーモデルにあたるメキシコ製がねらい目です。幅広いモデルがある「プレイヤーシリーズ」や、アクティブピックアップ搭載の「デラックスシリーズ」がメキシコ製です。
「トラディショナル」「ハイブリッド」 中程度の価格なら日本製
中程度の価格になるのが日本製で、ビンテージを再現した「トラディショナル」と、もう少し高級モデルの「ハイブリッド」があり、どちらも作りのよさとコストパフォーマンスが魅力です。
「アメリカンパフォーマー」「アメリカンプロフェッショナル」 多少高価でも本家を味わいたいならアメリカ製
アメリカ製では、比較的手の届きやすい価格帯の「アメリカンパフォーマー」、現代的な仕様を取り入れた「アメリカンプロフェッショナル」などがあります。他シリーズより少し高価になりますが、本家USAフェンダーの雰囲気を味わいたいならアメリカ製シリーズを選んでください。
予算も考慮しながら自身に最適なシリーズを
メキシコ製、日本製、アメリカ製、シリーズごとに特徴があり、価格帯もおおむね決まっているので、まずシリーズを決め、そのなかから選ぶのもひとつの方法です。
【4】超有名ベーシストの使用モデルで選ぶ アーティストシリーズ
憧れのベーシストがいれば同じモデルを
フェンダーのベースは、もちろん世界中のトッププロに使われています。そんな著名ベーシストの使用モデルと同じ仕様のベースは、アーティストシリーズとしてラインナップされています。
たとえば、ジャズやR&Bの名プレイヤーのジャコ・パストリアスや、アイアン・メイデンのスティーヴ・ハリス、プログレの大御所ラッシュのゲディ・リーなど、さまざまなベーシストのモデルがあります。憧れのベーシストと同じベースを使いたい人は、アーティストシリーズを探してみるとよいでしょう。
フェンダーのベースを購入する前に 音楽ライターからアドバイス
一度は店頭で試奏するのがおすすめ
楽器で気になるのが個体差です。フェンダーのベースの場合、メイドイン・ジャパンシリーズならほとんど気にする必要はありませんが、海外製の場合は個体差がある場合もあります。
とくに初めてのベースを選ぶときには、できれば一度はショップに足を運んで試奏させてもらうことをおすすめします。その場合には、たとえば同じジャズ・ベースを何本か弾いてみるのもよいですし、プレベやジャガーなど違うタイプのベースを弾き比べてみるのもよいでしょう。いろいろと試してみて、自分にぴったりのベースを見つけてください。
フェンダーのベースおすすめ5選 音楽ライターが厳選
ここまで紹介したフェンダーベースの選び方のポイントをふまえて、音楽ライターの田澤 仁さんに選んでもらったおすすめ商品を紹介します。

オールラウンドに使える米国製ジャズ・ベース
カリフォルニアの工場でハンドメイドで作られる、アメリカンパフォーマーシリーズのジャズ・ベースです。フェンダーはUSAに限るという人にはもちろん、米国製としては比較的低価格なので、初心者にもおすすめです。
中音域がよく伸び、抜けのよい音を鳴らせるアルダー材をボディに使用し、本シリーズ用に開発されたパワフルなサウンドが持ち味のYosemiteピックアップを搭載。ジャズからハードロック系まで、ジャンルを問わずオールラウンドに使えるベースに仕上がっています。
※通販サイトのリンク先のカラーはすべて「3-Color Sunburst」となっています。

ていねいな作りの日本製プレシジョン・ベース
歴史あるフェンダー・ベースらしい伝統的なデザインに、弾きやすさを考慮した現代的な仕様を取り入れたのが日本製のメイドイン・ジャパン・ハイブリッドシリーズです。
このプレベも、まさにプレベど真ん中のルックスですが、握り心地のよいサテンフィニッシュのネック、比較的フラットで弦高を低くしやすい250Rの指板、押さえやすいミディアムジャンボフレットを採用しており、弾きやすさは抜群。細部まで緻密に作られているのも日本製の特徴なので、作りのよさを重視する人にもおすすめです。
ブラックやサンバーストの定番カラーのほか、チャコールやグリーンのメタリックなどカラーバリエーションも豊富です。
※通販サイトのリンク先のカラーはすべて「2-Color Sunburst」となっています。

コスパのよいプレイヤーシリーズのジャガー・ベース
コストパフォーマンスを重視する人におすすめの、メキシコ製プレイヤーシリーズのジャガー・ベースです。高価なモデルのような、ピックアップのアクティブとパッシブの切り替え機能は持っていませんが、プレベタイプとジャズベタイプの2個のパッシブピックアップを備える、いわゆるPJタイプなので、幅広い音作りが可能です。
スイッチも少なめでシンプルなデザインですが、左右のくびれの位置をずらしたオフセットボディは抱えやすいし、まさにジャガー・ベースらしいルックス。定番以外のベースを探している人にもおすすめです。
※通販サイトのリンク先のカラーはすべて「Capri Orange」となっています。

小ぶりなサイズで弾きやすいムスタング・ベース
弾きやすさを重視する人におすすめなのが、ムスタング・ベース。通常のベースより約10センチ短いスケールなので、弦の張りが弱く押さえやすいこと、ボディも小型で抱えやすいことなど、手の小さい人や小柄な人でも弾きやすい設計です。
アメリカンパフォーマーシリーズの本製品は、リア側にジャズベースタイプのピックアップを追加した2ピックアップの構成。どちらも新開発のYosemiteピックアップで、ムスタング・ベースらしく抜けがよく、パワフルなサウンドを鳴らせるので、ロック系ベーシストにおすすめです。
※通販サイトのリンク先のカラーはすべて「Aubergine」となっています。

フェンダー『STEVE HARRIS PRECISION BASS』



メタル系ベーシスト向きスティーヴ・ハリスモデル
メタル系ベーシストにぴったりのプレベ。アイアン・メイデンのベーシストとしてカリスマ的人気を誇る、スティーヴ・ハリスの使用モデルです。ピンストライプの縁取り、West Ham United FCの紋章、ミラータイプのピックガードという特徴あるルックスがそのまま再現されています。
中域の抜け、高域の張りがある専用のダンカン製ピックアップを搭載、さらにボディがやや重めに作られていて引き締まった重低音も出せるので、全域に渡ってパワフルに鳴らせます。本人と同じように指弾きであの音を出すのは難しいですが、ピックを使えばかなり近づけるかもしれません。
「フェンダーのベース」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする フェンダーのベースの売れ筋をチェック
Yahoo!ショッピングでのフェンダーのベースの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
フェンダーのベースに関するそのほかの記事はこちら 【関連記事】
生産国に応じたシリーズでお気に入りの1本を探そう
フェンダーベースの特徴や選び方はおわかりいただけたでしょうか。
おさらいですが、迷ったら「プレシジョン・ベース」と「ジャズ・ベース」のフェンダーベースの2大定番モデルから選びましょう。個性をアピールするなら「ジャガー」や「ムスタング」もおすすめです。そのうえで、メキシコ・日本・アメリカといった生産国に応じたシリーズでお気に入りの1本を探してみてください。
あなたにぴったりのフェンダーベースを見つけ、音楽ライフを充実させてみてはいかがでしょうか。
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90年代にプロドラマーとして活動、その後、音楽ライターとして書籍、雑誌などの執筆を行なっている。 DTM、PCオーディオ関連の著書、DTMソフト、シンセサイザーの日本語マニュアル制作など多数。 Webでは2007年~2009年までサイトAll Aboutで「ロック」のガイドを務めたほか、音楽情報サイトBARKSでは国内外の数多くの有名アーティストのインタビュー、ライブ取材などを行なっている。 得意分野はAOR、ハードロック、フュージョン、80年代。