ガメイ種ワインの特徴とは?
日本ソムリエ協会認定ワインエキスパート
「ボジョレー・ヌーヴォー」に代表されるガメイですが、年間を通して楽しめるおいしいものがたくさんあります。また、ガメイのワインは渋みが穏やかで軽やかなため、赤ワイン入門や、赤ワインの苦手な方にもピッタリなワインといえます。
やはりフランスのボジョレー地区なので、まずはボジョレー地区のものから試し、そこからロワール地方やスイスなど、産地を広げていくのがおすすめです。そうすれば、より一層ガメイの魅力や奥深さに気づくことができるでしょう。
ガメイ種のワインの選び方
日本ソムリエ協会認定ワインエキスパートの石関華子さんに、ガメイ種のワインを選ぶときのポイントを教えてもらいました。
産地ごとの特徴で選ぶ
毎年11月の第3木曜日に解禁される「ボジョレー・ヌーヴォー」。ガメイの生産量が高いのはブルゴーニュ地方南端のボジョレー地区、ついでロワール地方トゥーレーヌ地区です。フランス国境に近いスイス・ヴァレー州などでも栽培されています。ここではガメイ種ワインの、産地での選び方を解説します。
「ボジョレー・ヌーボー」スタイルを好むならボジョレー産を選ぶ
ガメイの代表的な産地と言えば、やはりフランスのブルゴーニュ地方のボジョレー地区です。そのため、はじめてガメイのワインに挑戦する方や、典型的なガメイのワインが味わってみたいという方は、まずはボジョレー地区のものを選ぶといいでしょう。
ガメイ種のブレンドワインならボジョレー以外の地域も試そう
ボジョレー地区のガメイのワインをすでに飲んだことがあるという方や、ちょっと変わったガメイのワインが飲んでみたいという方は、ロワール地方やスイスなど、ボジョレー地区以外の産地のガメイのワインに挑戦してみるのもおすすめです。
ガメイのみでつくられたワインは、トゥーレーヌ・ガメイ。しかしロワール地方では、ほかの品種とブレンドされたガメイ種ワインがほとんどです。スパークリングワインもガメイ種からつくられています。
ロゼやスパークリングワインという選択肢もあり
フレッシュでフルーティーな味わいがガメイ種ワインの特徴です。カジュアルに楽しめる若いガメイの特徴を生かした、ロゼやスパークリングワインもぜひ試してみましょう。
ロゼやスパークリングワインは軽快な味わいに加え、見た目に華やぎがあるのがポイント。パーティーや特別な日にぴったりなチョイスです。パーティーシーズンのテーブルを飾るのにふさわしい1本といえるでしょう。
生産者から選ぶ
日本ソムリエ協会認定ワインエキスパート
同じ産地のガメイのワインでも、生産者ごとにワインの個性は変わってくるので、生産者に注目して選ぶというのもいいでしょう。たとえば、この記事で紹介している「ジョルジュ・デュブッフ」は、醸造家(じょうぞうか)として比類ない才能を発揮し、「ボジョレー・ヌーヴォー」を世界に広めたことから、「ボジョレーの帝王」と呼ばれる実力者。
一方、「ポール・ボーデ」は1869年からボジョレーでワイン造りをおこなってきた、伝統のある生産者。極力、農薬を減らしてブドウを栽培する「リュット・レゾネ」にも取り組んでいます。
このように、生産者ごとに異なる特徴やヒストリーに注目しながらワインを選ぶと、ワインの奥深さを一層感じられるでしょう。
ボジョレー地区の格付けで選ぶ
180年以上のワイン造りの歴史がある名門生産者が手掛ける『ボジョレー・ヴィラージュ』。フルーティな味わいの奥に、しっかりとした骨格と複雑味も感じられる赤ワインです。
日本ソムリエ協会認定ワインエキスパート
ボジョレー地区のワインには独自の格付けが存在するため、格付けから選ぶというのもおすすめです。ボジョレー地区で最も高い格付けは「クリュ・デュ・ボジョレー」。とくにすぐれたワインを生み出すボジョレー地区の10の村で生産されるワインが該当します。
その次が「ボジョレー・ヴィラージュ」。指定された約39の村で造られたワインが、これを名乗ることができます。
そのほかのボジョレー地区全域で造られたものが「ボジョレー」。格付けとしては最も下になりますが、価格も手ごろで、コストパフォーマンスが高いものもたくさんあります。
なお、贈り物には「ボジョレー・ヴィラージュ」以上の格付けのものを選ぶといいでしょう。
長期熟成可能なガメイ種ワインにも注目!
若いうちに飲むフルーティーなワインというイメージがボジョレーにはあります。しかし長期熟成できる「別格」と称されるほど品質の高いガメイ種ワインを生産している地域が、クリュ・デュ・ボジョレーです。
ボジョレー地区の北部に位置し、ガメイ栽培にぴったりな花崗岩を基盤とした丘陵地帯が広がっています。この地区のガメイ種ワインは、タンニンも豊富で複雑で深い味わいをうみだすのが特徴です。
ガメイ種ワインのおすすめ10選 ワインエキスパートが厳選
ここまで紹介した、ガメイ種のワインの選び方のポイントをふまえて、日本ソムリエ協会認定ワインエキスパートの石関華子さんに選んでもらったおすすめ商品をご紹介します。

ジョルジュ デュブッフ『ムーラン・ナ・ヴァン 2015』




出典:楽天市場
生産地 | フランス/ボジョレー地区 |
---|---|
生産者 | ジョルジュ・デュブッフ |
タイプ | 赤/ミディアムボディ |
アルコール度数 | 14% |
内容量 | 750ml |
「ボジョレーの帝王」のクリュ・デュ・ボジョレー
ガメイのワイン入門におすすめの、ボジョレー地区の1本がこちら。「ボジョレーの帝王」と呼ばれる名醸造家、ジョルジュ・デュブッフが手掛ける「ムーラン・ナ・ヴァン」です。「ムーラン・ナ・ヴァン」は、ボジョレー地区で最高峰の格付けの「クリュ・デュ・ボジョレー」に選ばれた村のひとつ。その土壌の影響で、とくに深い味わいで熟成能力にすぐれたワインを生み出す産地です。
このワインはフローラルで華やかな香りに、力強く、なめらかな口当たりで、ガメイの持つ魅力が存分に引き出されているため、ガメイ入門にはピッタリの1本といえるでしょう。格付けも高く、実力もあるワインなので、贈り物にもおすすめです。

アルベール・ビショー『ボジョレー・ヴィラージュ』








出典:Amazon
生産地 | フランス/ボジョレー地区 |
---|---|
生産者 | アルベール・ビショー |
タイプ | 赤/ライトボディ |
アルコール度数 | 12.5% |
内容量 | 750ml |
名門生産者が手掛けるボジョレー・ヴィラージュ
ガメイの個性がよくわかるワインをお探しの方におすすめの1本が、アルベール・ビショーが手掛ける「ボジョレー・ヴィラージュ」です。アルベール・ビショーは、ボジョレー地区が含まれるブルゴーニュ地方で、180年以上のワイン造りの歴史がある名門生産者。各地区の個性を表現することに重きを置いたワイン造りをおこなっている生産者です。
このワインの格付けは、ボジョレー地区で2番目に高い「ボジョレー・ヴィラージュ」。ガメイ種のフレッシュかつフルーティな特徴がよく表れており、同時にしっかりとした骨格と複雑味も感じられます。ガメイの個性を味わってみたい、という方にはうってつけの1本です。

ポール・ボーデ『ボジョレー 2017』


出典:Amazon
生産地 | フランス/ボジョレー地区 |
---|---|
生産者 | ポール・ボーデ |
タイプ | 赤/ライトボディ |
アルコール度数 | 14% |
内容量 | 750ml |

ドメーヌ・ド・ラ・ギャルリエール『ガメイ・サン・トラララ 2018』

出典:Amazon
生産地 | フランス/ロワール地方 |
---|---|
生産者 | ドメーヌ・ド・ラ・ギャルリエール |
タイプ | 赤/- |
アルコール度数 | 13% |
内容量 | 750ml |
ロワール地方の自然派のガメイワイン
フランスのロワール地方のガメイのワインをお探しの方やオーガニック志向の方におすすめの1本が、こちらの「ガメイ・サン・トラララ」です。産地はロワール地方のなかでも代表的なワインの産地、トゥーレーヌ地区。
生産者のドメーヌ・ド・ラ・ギャルリエールは、できるだけ化学肥料や農薬に頼らず、自然の力でワイン造りをおこなう「自然派ワイン」の生産者としても知られています。
赤い果実の甘酸っぱいような香りと、フレッシュな果実味と繊細な味わいが特徴的。ボジョレーのガメイよりも引き締まった酸味が感じられ、飲み比べてみるとその違いがよくわかるでしょう。

ドメーヌ・ジャン・ルネ ジェルマニエ『ヴェスパ 2017』

出典:楽天市場
生産地 | スイス/ヴァレー州 |
---|---|
生産者 | ジャン・ルネ ジェルマニエ |
タイプ | 赤/ミディアムボディ |
アルコール度数 | - |
内容量 | 750ml |
ワイン通必見の珍しいスイスのガメイワイン
珍しいワインや、話題性のあるワインをお探しの方におすすめの1本がこちら。日本ではあまり見かけることのない、スイスのガメイのワインです。産地はフランスと国境を接する場所に位置し、スイス最大の生産量を誇るヴァレー州。生産者のドメーヌ・ジャン・ルネ ジェルマニエは、1896年創業という老舗のワイナリーです。
赤い果実の香りや、繊細なタンニンなどのガメイの特徴は残しつつ、独特のエレガントでスタイリッシュな味わいを感じることができます。
スイスのワインは、その希少価値の高さからも、ワインの持ち寄りパーティーなどで持参したら、注目の的となること間違いありません。
ジャイアンス『キュヴェ・インペリアル・ロゼ』














出典:Amazon
生産地 | コート・デュ・ローヌ |
---|---|
生産者 | ジャイアンス |
タイプ | スパークリングロゼ |
アルコール度数 | 7% |
内容量 | 750mL |
デ・ボルトリ『ラ・ボエム アクト フォー シラー ガメイ 2018』




出典:楽天市場
生産地 | ヤラ・ヴァレー(オーストラリア) |
---|---|
生産者 | デ・ボルトリ社 |
タイプ | 赤/ミディアムボディ |
アルコール度数 | 14% |
内容量 | 750mL |
ウヴァヴァン『ガメイ ヴァン スイス』

出典:Amazon
生産地 | ヴォー州(スイス) |
---|---|
生産者 | ウヴァヴァン |
タイプ | 赤/ミディアムボディ |
アルコール度数 | 13% |
内容量 | 750mL |
『ハローキティ ボージョレ・ヴィラージュ・ヌーヴォー 2020 ギフト・エディション』

出典:Amazon
生産地 | ボージョレ・ヴィラージュ |
---|---|
生産者 | エルヴェ・ケルラン&オリバー・デパートン |
タイプ | 赤/ライトボディ |
アルコール度数 | 12.5% |
内容量 | 750mL |
マルセル・ラピエール『モルゴン 2019』

出典:Amazon
生産地 | ボジョレー・モルゴン |
---|---|
生産者 | マルセル・ラピエール |
タイプ | 赤/ミディアムボディ |
アルコール度数 | - |
内容量 | 750mL |
「ガメイ種ワイン」のおすすめ商品の比較一覧表
※「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。
※商品スペックについて、メーカーや発売元のホームページなどで商品情報を確認できない場合は、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。
※マイナビおすすめナビでは常に情報の更新に努めておりますが、記事は掲載・更新時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。修正の必要に気付かれた場合は、ぜひ、記事の下「お問い合わせはこちら」からお知らせください。(掲載:マイナビおすすめナビ編集部)
※2020/12/23 一部コンテンツを追加しました。(マイナビおすすめナビ編集部 渡辺裕美)
埼玉県出身、高知県在住。一児の母。慶應義塾大学文学部仏文科卒。三越日本橋本店の洋酒担当を経てワインやビール、ウィスキーなどの洋酒全般の知識を培い、2016年、J.S.Aワインエキスパートの資格を取得。 現在はOffice Le Lionの代表として、高知県内のワイナリーのアドバイザーやワイン検定の講師を務める一方、ワインに関連する記事やコラム等の執筆も多数手がけています。2019年、日本ソムリエ協会高知支部副支部長に就任。