マルベックの特徴
マルベックとは、フランス南西部のカオールを起源とする赤ワイン用のブドウ品種です。マルベックを使用したワインの最大の特徴は、「ブラックワイン(黒ワイン)」とも呼ばれるほどの、紫色から黒色に近いような濃い色調。果実味が濃厚で、酸とタンニン(渋み)も比較的強く、総じて飲みごたえのある味わいになっています。
マルベック種ワインの選び方 ワインエキスパートが解説
日本ソムリエ協会認定ワインエキスパート・石関華子さんに、マルベック種のワインを選ぶポイントを教えていただきました。
好みに応じて産地から選ぶ
ワイン選びにおいて産地が重要といわれるのは、産地ごとに原料にするぶどうの出来が異なるからです。土壌や天候が違えば、自然のなかで育つぶどうの味わいが変わるのも納得してもらえるでしょう。そこでまずはじめにマルベック種の産地を見ていくことにしましょう。
フランスはカオール地区が有名
日本ソムリエ協会認定ワインエキスパート
同じマルベックのワインとはいっても、産地が変われば、その味わいの個性もがらりと変化します。フランスのカオールのものは、凝縮した果実味としっかりとした渋みが感じられ、重厚感のある味わいのものが多く、しっかりとしたフルボディの赤ワインが好きな方にはとくにおすすめです。
穏やかな味わいのアルゼンチン産
日本ソムリエ協会認定ワインエキスパート
アルゼンチンのものはカオールのものに比べると穏やかな味わいで、比較的飲みやすいものが多い傾向にあります。そのため、マルベック入門にも最適です。このように、産地ごとに特徴が異なるので、好みに応じて産地から選ぶというのもいいでしょう。
ほかのブドウ品種とのブレンドの有無で選ぶ
日本ソムリエ協会認定ワインエキスパート
フランスのカオールでは、マルベックを70%以上使用すれば、メルローやタナといった品種をブレンドすることも認められています。そのため、カオールのワインであっても、必ずしもマルベック100%のワインとは限りません。また、アルゼンチンでも、マルベックとほかの品種のブドウがブレンドされたワインも生産されています。
もし「マルベックの特徴や個性を存分に味わいたい」ということであれば、マルベック100%のものがおすすめです。一方、飲みやすさを重視する方は、他品種とブレンドされたものも選択肢に入れるといいでしょう。
生産者から選ぶ こだわりやヒストリーが味わいの違いに
日本ソムリエ協会認定ワインエキスパート
ワインを選ぶのに慣れてきた方は、ワインの生産者にも注目しながら選ぶといいでしょう。なぜなら、ここで紹介しているフランスの「シャトー・ピネレ」は減農薬栽培を実践していたり、アルゼンチンの「ルイージ・ボスカ」はマルベックの栽培をいち早くはじめたマルベックのパイオニア的存在であったりと、それぞれの生産者に特徴やこだわり、ヒストリーがあるからです。
生産者の特徴やこだわり、ヒストリーに注目し、もっとも共感できるものや応援したくなったものを選ぶというのもおすすめです。
ヴィンテージ(年代)も確認する
ワインの味わいは、産地や生産者以外にも、原料となるぶどうの品質が大きく関わってきます。ぶどうの良し悪しは、天候などの影響で年ごとに違うため、同じ産地のワインでも毎年味わいが変わってくるのです。
またマルベック種は、長期熟成に向いているぶどう品種といわれているので、ヴィンテージワインを楽しめるのもマルベック種の楽しみのひとつでしょう。
マルベック種ワインのおすすめ15選 ワインエキスパートと編集部が厳選
ここまで紹介した選び方のポイントをふまえ、日本ソムリエ協会認定ワインエキスパート・石関華子さんにおすすめの商品を選んでいただきました。

シャトー・ピネレ『カオール ロタンティーク 2012』

出典:Amazon
生産地 | フランス/シュド |
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生産者 | シャトー・ピネレ |
タイプ | 赤ワイン、辛口、フルボディ |
容量 | 750ml |
ヴィンテージ | 2012 |
品種 | マルベック100% |
カオールらしさあふれる1本
マルベックの原産地カオールの、マルベックの個性を味わいたいという人におすすめの1本がこちら。カオールのなかでもとくに伝統があり、減農薬栽培を実践しているシャトー・ピネレの「カオール ロタンティーク」です。ワインの名前にある「 ロタンティーク」とは、フランス語で「正統派」を表す言葉。その名のとおり、選りすぐりの畑のマルベックのみを使用して造られた1本です。
厚な果実味と豊かなタンニン(渋み)が調和した、パワフルな味わいが特徴濃で、しっかりとしたフルボディーのワインが好きな方にもおすすめ。また、殺虫剤などは最小限度しか使用されていないため、オーガニック製品を好む方にもおすすめです。

シャトー・サンディディエ・パルナック『パルナック』
![シャトー・サンディディエ・パルナック[2018赤ワインミディアムボディフランス750ml]](/assets/loading-gif-831efa60fcaad8b543579bb1809cf3a0cded0accde7b020d68cf390d70415d6c.gif)
出典:Amazon
生産地 | フランス/カオール |
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生産者 | シャトー・サンディディエ・パルナック |
タイプ | 赤ワイン、やや辛口、ミディアムボディ |
容量 | 750ml |
ヴィンテージ | 2015 |
品種 | マルベック、メルロー |
比較的飲みやすい味わいのカオールのマルベック
比較的飲みやすい味わいのワインをお探しの方におすすめのカオールのワインが、シャトー・サンディディエ・パルナックのパルナックです。生産者のシャトー・サンディディエ・パルナックは、カオールを拠点にフランス南西地方のワイン造りの発展に貢献してきた長い歴史のある生産者。
メルローが少量ブレンドされていることから、マルベック100%のワインに比べると、いくらか軽やかなテイストになっています。とはいえ、カオールのマルベックらしい芳醇(ほうじゅん)な香りと濃厚な味わいも感じられ、バランスのとれた味わいのワインといえるでしょう。さまざまな好みの人が集まるワイン会にもおすすめの1本です。

トラピチェ『ブロッケル マルベック』












出典:Amazon
生産地 | アルゼンチン/メンドーサ |
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生産者 | トラピチェ |
タイプ | 赤ワイン、辛口、フルボディ |
容量 | 750ml |
ヴィンテージ | 2017 |
品種 | マルベック100% |

ルイージ・ボスカ『フィンカ ラ リンダ マルベック 2017』

出典:楽天市場
生産地 | アルゼンチン/メンドーサ |
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生産者 | ルイージ・ボスカ |
タイプ | 赤ワイン、辛口、ミディアムボディ |
容量 | 750ml |
ヴィンテージ | 2017 |
品種 | マルベック100% |
手ごろな価格で本格的な味わいの掘り出しワイン
手ごろな値段でも本格的な味わいのマルベックのワインをお探しの方におすすめの1本がこちら。アルゼンチンにおけるマルベック栽培のパイオニア的存在、ルイージ・ボスカが手掛ける「フィンカ ラ リンダ マルベック」です。
100年以上家族経営を続けるルイージ・ボスカのワインは、その品質の安定感から多くの高級レストランに採用され、世界的にも高く評価されています。ダークチェリーや黒コショウのようなスパイシーな香りに、豊かな果実味としっかりとした骨格が感じられ、高級ワインにも匹敵する味わいです。これで1,000円台とはたいへんお買い得な1本だといえるでしょう。

ボデガ・エル・エステコ『ミッシェル・トリノ クマ オーガニック マルベック』








出典:Amazon
生産地 | アルゼンチン/カファジャテ |
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生産者 | ボデガ・エル・エステコ |
タイプ | 赤ワイン、辛口、フルボディ |
容量 | 750ml |
ヴィンテージ | 2018 |
品種 | マルベック100% |
リーズナブルなオーガニックのマルベック
オーガニック志向の方におすすめの1本が、こちらの「クマ オーガニック マルベック」です。アルゼンチンの大手生産者、ボデガ・エル・エステコのオーガニックワインシリーズのひとつで、アルゼンチンの有機認証機関「アルゼンサート」の認証を受けています。
産地はアルゼンチン北西部のサルタ州。湿度が低いうえに昼夜の寒暖差が大きく、ブドウ栽培に理想的な環境がそろう場所です。カシスやプラムのような香りに果実味と酸味のバランスのいい味わいが特徴的で、マルベックのワインのなかでは比較的軽めに感じられます。オーガニック製品は高価なイメージもありますが、お値段が手ごろなのも魅力的なポイントのひとつです。

アンデルーナ・セラーズ『アンデルーナ・マルベック 2017』
![アンデルーナマルベック(アンデルーナ・セラーズ)AndelunaMalbec(AndelunaCellars)赤/アルゼンチン/メンドーサ/750ml[現行ヴィンテージ]](/assets/loading-gif-831efa60fcaad8b543579bb1809cf3a0cded0accde7b020d68cf390d70415d6c.gif)
出典:Amazon
生産地 | アルゼンチン/メンドーサ |
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生産者 | アンデルーナ・セラーズ |
タイプ | 赤ワイン、辛口、フルボディ |
容量 | 750ml |
ヴィンテージ | 2017 |
品種 | マルベック85%、カベルネ・ソーヴィニヨン11%、メルロー4% |
クセが少なくバランスのいい味わいの1本
あまりクセがなく、それでいてしっかりおいしい、万人受けしやすいワインをお探しの方におすすめの1本がこちら。アルゼンチンでもっとも高い、標高1,300mの場所でブドウ栽培とワイン造りをおこなうアンデルーナが手掛ける「アンデルーナ・マルベック」です。
ブドウはマルベックを主体として、カベルネ・ソーヴィニヨンとメルローが少量ずつブレンドされています。オーク樽で熟成させているため、プルーンのような濃厚な果実の香りに加え、バニラやチョコレートのような樽由来の香りも感じられます。果実味とタンニン(渋み)が溶け合い、バランスがよく、取っつきやすい雰囲気も持ち合わせた1本です。

ビニャルバ『マルベック・レゼルバ』

出典:Amazon
生産地 | アルゼンチン/メンドーサ |
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生産者 | ビニャルバ |
タイプ | 赤ワイン、辛口、フルボディ |
容量 | 750ml |
ヴィンテージ | ‐ |
品種 | マルベック100% |
ミッシェル・トリノ コレクション マルベック

出典:Amazon
生産地 | アルゼンチン/カファジャテ |
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生産者 | ミッシェル・トリノ |
タイプ | 赤ワイン、辛口、フルボディ |
容量 | 750ml |
ヴィンテージ | 2015 |
品種 | マルベック100% |
ボデガ・ノートン『プリヴァーダ マルベック』




出典:楽天市場
生産地 | アルゼンチン/メンドーサ |
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生産者 | ボデガ・ノートン |
タイプ | 赤ワイン、フルボディ |
容量 | 750ml |
ヴィンテージ | 2016 |
品種 | マルベック100% |
モンテス『カイケン ウルトラ マルベック』

出典:Amazon
生産地 | アルゼンチン/メンドーサ |
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生産者 | モンテス |
タイプ | 赤ワイン、フルボディ |
容量 | 750ml |
ヴィンテージ | 2017 |
品種 | マルベック100% |
モンテス『モンテス アルファ マルベック』

出典:楽天市場
生産地 | チリ/コルチャグア・ヴァレー |
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生産者 | モンテス |
タイプ | 赤ワイン、フルボディ |
容量 | 750ml |
ヴィンテージ | 2017 |
品種 | マルベック95%、カベルネ・ソーヴィニョン5% |

ドメーヌ・ド・ラグレゼット『プルプル・ド・グレゼット・ルージュ』

出典:Amazon
生産地 | フランス/カオール |
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生産者 | ドメーヌ・ド・ラグレゼット |
タイプ | 赤ワイン、フルボディ |
容量 | 750ml |
ヴィンテージ | - |
品種 | マルベック85%、メルロ15% |
トラピチェ『オークカスク マルベック』












出典:Amazon
生産地 | アルゼンチン/メンドーサ |
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生産者 | トラピチェ |
タイプ | 赤ワイン、フルボディ |
容量 | 750ml |
ヴィンテージ | - |
品種 | マルベック100% |
トラピチェ『マノス』




出典:楽天市場
生産地 | アルゼンチン/メンドーサ |
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生産者 | トラピチェ |
タイプ | 赤ワイン、フルボディ |
容量 | 750ml |
ヴィンテージ | - |
品種 | マルベック100% |
テラザス『レゼルヴァ マルベック』
















出典:Amazon
生産地 | アルゼンチン/メンドーサ |
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生産者 | テラザス |
タイプ | 赤ワイン、フルボディ |
容量 | 750ml |
ヴィンテージ | - |
品種 | マルベック100% |
「マルベック種ワイン」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする マルベックの種ワインの売れ筋をチェック
楽天市場、Yahoo!ショッピングでのマルベックの種ワインの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
産地や生産者などにも注目して選ぶ ワインエキスパートからのアドバイス
日本ソムリエ協会認定ワインエキスパート
ワインを選ぶときは、ブドウ品種ばかりを気にする方も少なくありません。確かにブドウ品種はワインの味わいに大きく影響するので、ブドウ品種に注目すれば好きなテイストのワインを手っ取り早く選べるのは事実です。
とはいえ、ワインの味わいを形成しているのは、ブドウ品種だけではありません。産地や生産者なども、ワインの個性を生み出す重要な要素となっています。ぜひブドウ品種だけではなく産地や生産者などにも注目しながら、もっとも自分に合った個性や飲むシチュエーションにぴったりの個性を持つ、マルベックのワインを選んでくださいね。
※「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。
※商品スペックについて、メーカーや発売元のホームページなどで商品情報を確認できない場合は、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。
※マイナビおすすめナビでは常に情報の更新に努めておりますが、記事は掲載・更新時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。修正の必要に気付かれた場合は、ぜひ、記事の下「お問い合わせはこちら」からお知らせください。(掲載:マイナビおすすめナビ編集部)
※2021/1/25 商品情報更新のため、記事を更新しました。(マイナビおすすめナビ編集部 桑野美帆子)
埼玉県出身、高知県在住。一児の母。慶應義塾大学文学部仏文科卒。三越日本橋本店の洋酒担当を経てワインやビール、ウィスキーなどの洋酒全般の知識を培い、2016年、J.S.Aワインエキスパートの資格を取得。 現在はOffice Le Lionの代表として、高知県内のワイナリーのアドバイザーやワイン検定の講師を務める一方、ワインに関連する記事やコラム等の執筆も多数手がけています。2019年、日本ソムリエ協会高知支部副支部長に就任。