M.2 SSDヒートシンクとは? 一定以下の温度に抑えることで、高速転送機能を十分に発揮
M.2 SSDの性能を十二分に発揮するなら、ヒートシンクの取り付けは必須と言っても過言ではありません。パソコンのパーツすべてに共通しますが、M.2 SSDも熱に弱く、一定以上の高温になると、「サーマルスロットリング」という機能が働き、性能が低下します。性能の低下を防ぐためにも、ヒートシンクの設置が必要です。
取り付けることで、一定の温度に発熱を保ち、M.2 SSDが持つ高速転送性のが十分に発揮されます。
M.2 SSDヒートシンクの選び方 パソコンのスペック低下を防ぐ
家電ライターの秋葉けんたさんに、M.2 SSDヒートシンクを選ぶときのポイントを3つ教えてもらいました。
【1】パソコン構成に合わせ、手軽さか冷却性能の高さを選ぶ
IT&家電ライター
M.2 SSDの冷却方法には大きく分けて「小型ヒートシンク」タイプと「変換カード」タイプの2種類あります。
ここで紹介する小型ヒートシンクは、マザーボード上のM.2 SSD本体に金属製のヒートシンクを直接取り付けて放熱するタイプ。取り付けが簡単で、スペースも取らないため、初心者にもおすすめの方法です。ただし、大きさが小型なため冷却性能に限界があります。
一方、変換カードタイプは、PCI Express接続の変換カード上にM.2 SSDと大型ヒートシンクを装着するもの。ヒートシンクが大きいため冷却性能は高いのですが、PCI Expressスロットが空いていなければ利用できません。こちらは中〜上級者向けのヒートシンクといえるでしょう。
【2】SSD本体への取り付け方法を要チェック
IT&家電ライター
小型ヒートシンクの取り付けにはいくつか種類があります。一番手軽なのが熱伝導両面テープや耐熱絶縁テープで直接貼り付ける方法です。しっかり固定できますが、はがすときに製品ラベルが汚れる可能性があります。
パーツをいずれ売却するのでラベルを汚したくない方、あるいはパーツ交換を頻繁に行う方には、ゴムリングや金属クリップ、ブランケットなどで圧着させる方法がおすすめです。
また、小型ヒートシンクはM.2 SSD本体にヒートシンクを密着させることで熱を伝えますが、金属製同士ではどうしてもわずかな隙間が空いてしまいます。なので、間に柔らかな熱伝導パッドをはさめば密着度が上がり、熱伝導率を上げることができます。
【3】小型ヒートシンクでも取り付け場所に注意
IT&家電ライター
小型ヒートシンクは高さが5〜10mm程度と厚みはそんなにありませんが、他のパーツに当たらないように気をつけなければなりません。
まず、マザーボードのどこにM.2 SSDスロットがあるのかを確認。グラフィックカードなどの陰になっている場合もありますので、隙間の高さを測ってから製品を選ぶことが大切です。あまり狭いところに無理やり設置しても、熱循環がうまくいかなければ意味がありません。そんなときは変換カードタイプの利用も検討してみましょう。
M.2 SSDヒートシンクおすすめ10選 初心者にも使いやすい、信頼性が高い日本製など
ここまで紹介したM.2 SSDヒートシンクの選び方のポイントをふまえて、家電ライターの秋葉けんたさんに選んでもらったおすすめ商品を5つ紹介します。シールやテープなどで貼り付けたり、バンドで固定したりと、使い方が異なります。ぜひぴったりなものを見つけてください。

AINEX(アイネックス)『HM-21』




出典:Amazon
サイズ | W22×D66.5×H5.1mm |
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材質 | アルミニウム |
熱伝導率 | - |
カラー | シルバー |
付属品 | 熱伝導両面テープ |

長尾製作所『SS-M2S-HS01』










出典:Amazon
サイズ | 20×70×0.5mm |
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材質 | アルミニウム |
熱伝導率 | 5.2W/m・k |
カラー | ブラック |
付属品 | 固定用絶縁テープ2枚 |
信頼性も高い日本製高性能ヒートシンク
精密加工とPCパーツ製造の長尾製作所で、一貫生産されたM.2 SSD専用のヒートシンク。両端が独特の形状をしたヒートシンクは放熱性が高いアルミニウムを使用し、厚さ1.5mm。黒アルマイト処理(アルミニウム専用のメッキ加工処理で黒の染料を用いるもの)されています。
日本製の超低硬度放熱シリコーンパッドは熱伝導率が極めて高いだけでなく、柔らかく粘着性があるため表面に密着して、優れた熱伝導効果を発揮します。
SSDへの取り付け用に耐熱絶縁ポリイミドテープ(15mm×50mm)を2枚付属。微粘着なので貼り直しができ、製品ラベルなどを傷付けることがありません。初心者から上級者までおすすめのモデルです。

Silver Stone『SST-TP02-M2』
















































出典:Amazon
サイズ | 70mm (W) x 10mm (H) x 20mm (D) |
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材質 | アルミニウム合金 |
熱伝導率 | 1.5W/m.k |
カラー | ブラック |
付属品 | パッド2枚 |
独特の二重層構造のヒートシンクで効率アップ
シルバーストーンは台湾のPCケース/アクセサリーメーカー。高品質アルミニウム合金製のヒートシンクは、複雑な形の放熱プレートによって放熱表面積を増やした二重層構造で、ブラック塗装とヘアライン加工がシャープな印象を与えています。機能面だけでなく、デザイン性を重視する方におすすめ。
高効率熱伝導パッドは厚さ1.0mmと1.5mmの2枚を同梱。薄い片面実装のM.2 SSDには1.5mm厚パッド、両面実装なら1mm厚パッドを使用します。
SSDへは平たいシリコンバンド2本で固定。柔らかいゴム製なので簡単に装着でき、SSD本体を傷つけることがありません。

Akineko『AKINEKO-031J』


















出典:Amazon
サイズ | W22.5×D66.5×H5mm |
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材質 | 高性能アルミニウム |
熱伝導率 | 5.2W/m.Kv |
カラー | シルバー |
付属品 | 放熱シリコーンパッドx1、無痕テープ、熱伝導両面テープx1、シリコーンリングx2 |
両面テープとリングの2種類の固定方法を同梱
シンプルさで人気なAkinekoのヒートシンク。高性能アルミニウム製ヒートシンクは薄いフィン形状で、表面積を広げると同時に、隙間が大きいので空気を流れやすくなっています。
高い熱伝導性と柔軟性を両立させた放熱シリコーンパッドを付属。絶縁性も高いので、ショートする心配がありません。
SSDへの固定には3M製の熱伝導両面テープと、絶縁性があり高温にも耐えるシリコーンリング2つを用意。しっかり固定したい方は両面テープ、SSDに傷をつけたくない方はリングで巻くのがおすすめです。
SSD以外にACアダプターや充電器などの熱対策にも使用可能。幅広く使えるヒートシンクです。

長尾製作所『SS-M2S-HS02』












出典:Amazon
サイズ | 20×70×0.5mm |
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材質 | アルミニウム |
熱伝導率 | 5.2W/m・k |
カラー | シルバー |
付属品 | 放熱シリコーンパッド1枚・固定用絶縁テープ2枚 |
サイドフレームの取り外しも可能な薄型ヒートシンク
自社一貫生産されたM.2 SSD専用ヒートシンク。本体の冷却プレートはアルミニウム製で、2mm厚の本体に0.6mm厚のサイドフレームをビスでとめるW構造。表面は白アルマイト処理が施されています。品質重視のユーザーにおすすめできる商品です。
熱伝導率が極めて高い超低硬度放熱シリコーンパッドは柔らかく、粘着性があるためデコボコにも密着して、優れた熱伝導効果が得られます。
SSDへの固定には絶縁テープを使用。15mm×50mmの耐熱絶縁ポリイミド製テープが2枚付属しており、微粘着なので貼り直しても製品ラベルなどを傷つけにくくなっています。
monofive『MF-RADI-A1B』






出典:Amazon
サイズ | 70mm×21mm×6mm |
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材質 | アルミニウム |
熱伝導率 | - |
カラー | 放熱板(黒) |
付属品 | - |
AINEX(アイネックス)『CB-7010M2』






出典:Amazon
サイズ | W22×D70×H10mm |
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材質 | アルミニウム |
熱伝導率 | 5.2W/m・K |
カラー | ブラック |
付属品 | シリコーンゴム2個入り |
AINEX(アイネックス)『AIF-08』

出典:Amazon
サイズ | 25 x 120 x 120 mm |
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材質 | - |
熱伝導率 | - |
カラー | - |
付属品 | フルハイト用ブラケット、ロープロファイル用ブラケット、ブラケット固定用ネジ×3 |
アクアコンピュータ『kryoM.2 evo』










出典:Amazon
サイズ | 12.8 x 8.6 x 1.9 cm |
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材質 | - |
熱伝導率 | - |
カラー | - |
付属品 | - |
SCYTHE(サイズ)『SCYM2SDHT』






出典:Amazon
サイズ | 22 × 5.6 × 70mm |
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材質 | アルミニウム |
熱伝導率 | - |
カラー | マットブラック |
付属品 | ヒートシンク1枚本体、ゴムリング2個、熱伝導両面テープ |
おすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする M.2 SSDヒートシンクの売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場でのM.2 SSDヒートシンクの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
【最後に】家電ライターからのアドバイス ファン付きのヒートシンクも候補に!
IT&家電ライター
ゲーミングPCなどで冷却性能をさらに高めたい場合は、ファン付きのヒートシンクも候補に入れてみましょう。ヒートシンク本体の上に装備された冷却ファンによって、強制的に冷却できます。ただし、ファンのぶんだけ厚みが増すので、使用できるマザーボードが限られます。ファンの電源も必要になるため、中上級者向けです。
一方、変換カードタイプには空冷のほか、冷却性能がさらに高い水冷式の製品もありますが、取り付けもかなり難しくなります。
また、変わったところではLEDライトやアクセスランプを搭載したモデルがあります。内部のパーツも見せたい方は使ってみたら面白いでしょう。
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※2020/12/13 コンテンツ修正のため、記事を更新しました(マイナビおすすめナビ編集部 平野慎也)
編集プロダクション「マイカ」所属のIT&家電専門ライター。 スマホやパソコン、ストレージ、ネットワークなどIT全般のみならず、家電についての執筆実績が多い。書籍、雑誌、新聞、業界誌やWebコンテンツなど、様々な媒体に記事を提供している。 また、広告やカタログ、導入事例といったB2Bの営業支援ツール制作にも携わる。IT系、家電を中心にコンセントにささるいいモノをおすすめしていきます。 略歴 1973年生まれ。 高等学校の教職員勤務経験を経て、マイカに勤務。雑誌や専門誌のライターとして活躍する。 その後、IT流通の専門誌の記事制作を担当し、B2BからB2Cまで幅広い専門知識を獲得。 最近では、Webメディアやオウンドメディアのの編集企画制作も担当。 著書歴 ・iCloud&iTunes超使いこなしガイド 2019最新版 (三才ムック) ・今すぐ使えるかんたん はじめる&使える MacBook入門(技術評論社) ・スマホの困ったを解決する本 (三才ムック) ・iPhone超活用ガイド (三才ムックvol.988) ・今すぐ使えるかんたんEx iPhone プロ技BESTセレクション(技術評論社)