ガラスペンとは 透明感と繊細なデザインが美しい
ガラスペンは、その名の通り「ガラスで作られたペン」のこと。日本発祥のペンで、1902年に風鈴職人が考案したといわれています。ガラスならではの透明感と繊細で独特なデザインは、芸術品ともいえる美しさです。
デザイン面での美しさはもちろん、インクの持ちもよく、実用性が高いのが魅力です。ガラスペンのサラサラとなめらかな書き心地に、夢中になる人も多いです。
▼ガラスペンの選び方をじっくり読みたい方はこちらから!
ガラスペンの選び方
日本発祥のガラスでつくられたつけペンの一種である「ガラスペン」。ペン先をインクに浸して使います。ガラス素材特有の美しさと透明感がとてもすてきです。この記事では、ガラスペンの選び方のポイントをご紹介します。ポイントは下記。
【1】形状
【2】素材
【3】グリップ部分
【4】ペン先の太さや書きやすさ
【5】転がりにくいデザイン
【6】キャップ付き
【7】インクセット
上記のポイントをおさえることで、より欲しい商品をみつけることができます。一つひとつ解説していきます。
【1】ガラスペンの形状で選ぶ
ガラスペンは、ガラスを捻ってできた溝にインクをためて、ペン先が紙に当たったときにインクが紙に向かってながれることで文字を書けます。筆記具としての性能や使い勝手は、ほとんどペン先の形状によって変わります。
ガラスの球面が紙に当たるタッチはやわらかいので、万年筆ほど書き味自体には差はありませんが、筆圧との関係もあり、筆圧が強い人は細字タイプはあまり向かないかもしれません。
一体型|ひとつのガラスで作られるタイプ
一体型のガラスペンは、ペン先から軸の部分まで、すべてひとつのガラスで作られています。統一感のある造形美はまさに芸術品といえます。
一般的なペンのようにパーツを紛失してしまうことはないですが、ペン先を取り替えるということはできないので、劣化した場合は買いなおす必要があります。ただし、メーカーによってはペン先の補修に対応している場合もあります。
分離型|ペン先を交換できるタイプ
分離型のガラスペンは、ペン先と軸を切り離すことができるタイプ。劣化してもペン先だけ交換できるので、ペン自体を買いなおす必要がありません。
分離型はペン先がガラス製、軸はアセテートなど別の素材が使われていることもあります。購入前に確認してみてください。
【2】ガラスの素材で選ぶ
ガラスペンの素材には、一般的なガラスとより丈夫で強固な硬質ガラスがあります。それぞれのメリット・デメリットを理解して、合うものをチョイスしましょう。
▼一般ガラス(お試しで使ってみたい方向け)
安い値段で手に入る商品が多いものの、耐久性はさほど高くない。
▼硬質ガラス(長く使いたい方向け)
一般ガラスより丈夫で割れにくいが、値段が高め。
【3】グリップ部分が太いものが書きやすい
ガラスペンはツルツルとした質感で硬いのが特徴です。そのためグリップ部分が細いものだと、書いているうちに手が疲れてしまいます。絵やイラストなど長時間の作業にわたる場合は、グリップ部分が太いものを選ぶのがおすすめ。しっかりと握れて持ちやすく、書きやすさに直結します。
【4】ペン先の太さや書きやすさにも注目
こまかい文字を書いたりイラストで繊細な表現を描くなら、ペン先が細字のものが書きやすいです。一方、アルファベットや略字を書くなら、安定して書きやすい太字がおすすめ。
また、溝の数にも注目してみましょう。溝の数が少ないものは、ガラス特有のカリカリとした硬めの書き心地が楽しめます。反対に、溝の数が多いものだと、サラサラと流れるような書き心地を味わえますよ。
【5】転がりにくいデザインを選ぶと安心
ガラスペンは繊細で破損しやすいのが難点。全体的に丸みを帯びたデザインのものは、デスクに置いた表紙にコロコロと転がって落ちて割れてしまうおそれがあるので、取り扱いには注意が必要です。
ねじれや凹凸のあるデザインを選ぶと、そういった心配は少ないです。また、転がりやすい形状のものは、ペンレストやペンホルダーなどのペン置きがセットになっている商品を選ぶと、保管しやすく安心です。
【6】持ち歩きにはキャップ付きが便利
ガラスペンを外出先でも使いたい方には、キャップ付きの商品だと持ち歩きでも安心です。
また、一部のガラスペンには、万年筆同様にペンのなかにインクを補充できるタイプもあります。インクを持ち歩く必要がないので、外で使う機会が多い方には便利でしょう。
【7】初心者・プレゼント用にはインクセットがおすすめ
初心者の方やプレゼントでガラスペンを探している方には、インクがセットになっている商品がおすすめです。多彩なカラーを使ってイラストを描きたい人には、数種類のインクがセットになっているものがぴったり。
文章を書きたいという方は、インク1種がセットになっているものがいいでしょう。わざわざ自分でインクを選ぶ必要がないので悩む手間が省けます。またネット通販で注文すれば、届いたその日にすぐ使い始めることができますよ。
プロからの選び方に関するアドバイス
ガラスペンの現在の主流は、軸からペン先まですべてガラスで作られた工芸品的な要素が強いものです。しかし、元々はつけペンとして実用品だったもので、軸は竹などでペン先だけがガラスのタイプもあります。こちらは安価で買いやすいのが特徴ですが、書き味は工芸品タイプと変わりません。
持っていて充実感があるのは工芸品タイプですが、実用品タイプもガラスペンとしての機能は同じですので、自分がガラスペンにどちらの要素を求めているのかで、選び方も違ってきます。
個人的には、安価な実用品タイプを使ってみてから、工芸品タイプを購入する流れがおすすめです。
ガラスペンのおすすめ17選
ここからは、ガラスペンのおすすめ商品をご紹介します。高品質な日本製からおしゃれなヨーロッパ製までそろえていますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
▼単品
本体の繊細な模様が美しい
1670年にパリで生まれたエルバン製のガラスペンです。らせん状にねじれた本体の模様が繊細で美しい逸品。1本1本ハンドクラフトでつくられています。
ペン先にあたるニブ部分に細かなみぞが施されており、インク切れすることなく数行にわたり文字を書き続けることができます。スムーズな書き心地とやわらかなタッチの書体を楽しむことができるアイテムです。
エントリーモデルにぴったり
価格が安いのでガラスペンを試してみたい人のエントリーモデルにぴったりな商品です。ハンドクラフトでつくられており、クリアベースに泡の模様が美しく映えています。ペン先も繊細に美しくねじれており、インクをほどよく吸い上げます。
パーティや結婚式などの署名に用意しておけば、エレガントな雰囲気に。プチギフトにもぴったりなアイテムです。
インパクトのあるカラーとデザイン
イタリアの職人によってひとつひとつつくられた、フランチェスコルビナート社のガラスペンです。大胆にねじったペン軸がインパクトのある逸品。あざやかな軸のカラーもおしゃれで存在感があります。
こまかいみぞがたくさんつくられたペン先は、インクをほどよく吸い上げます。デザイン性と書き心地のよさを両立したガラスペンです。
ベネチアンガラスのペン
イタリアのムラーノ島の職人によってひとつひとつ手づくりされたベネチアンガラスペンです。ベニスはムラノ島にあるガラスペンメーカー、Tommasi製です。ペンの軸の中に銀箔が入っているツイストデザインがインパクトのあるアイテム。
繊細なペン先なので、こまかい字を書くことができます。ガラスとは思えない滑らかな書き味を実現しています。
インクを入れられる便利なスタンド付き
ガラスペンを普段使い用に購入した場合、他の文房具と一緒にしまって置くのはちょっと不安ですよね。こちらは便利なガラスペンのスタンドも付いてくるので、安心して保管できます。
またスタンドもペン同様、ガラスで作られています。部屋のオブジェとして利用するのも趣があって良いですね。インクは別売りとなっているので注意してください。
格安でインク持ちも良くコスパに特化
このClaurysのガラスペンは、綺麗にペン先前部分の持ち手が捻られていることが特徴的。捻りのある形状によって、転がって床に落ちにくいだけではなく、手にフィットして持ちやすいので、筆の進みが良いことも評判の製品です。
そして、インク持ちも良いので、何かギフトに添える際に、他の割高なガラスペンに初めて手を伸ばすより、こちらの商品を手にとっていることがおすすめです。
銀箔が中に入ったツイストデザイン
歴史あるベネチアンガラスメーカー「トマージ」のガラスペン。925シルバーの銀箔が入ったツイストデザインは工芸用としても優雅なデザインです。
海外製のガラスペンとしては比較的細い文字が書けるのもポイント。美しい5色のカラーがそろっているので、好みのものを選んでみてはいかがでしょうか。
口紅サイズでキュートなルックス
ガラスとアクリルでできた美しい印象のガラスペン。サイズはなんと口紅と同等というミニマムさ。小さいけれど非常に目を引くデザインで、持っているとなんだか気分も上がります。ポケットサイズだから、出張や旅行など、胸ポケットに忍ばせておくと便利ですね。
ボックス入りでギフトにもおすすめできます。
「書く」ことのを再確認できるガラスペン
職人が一本一本心をこめて丁寧に作られている「ガラスペン」です。特に筆先にこだわり、インクを湛える溝の一本一本まで手作業で丁寧に作り上げていきます。ペン先を360°加工することでペン先のどの面でも書け、筆圧をかけなくてもペンの重みだけで滑らかに線が引けるように重心や溝の本数も考えられています。
一度インクを浸けると、およそ100~200文字の連続筆記が可能です。
大西製作所『キャップ付きガラスペン アセテート(さくら)』
キャップ付きのガラスペン
一見万年筆にも見える、キャップ付きのガラスペンです。丸みのある軸とアセテートがつややかな質感を与えるボディを採用。キャップが付いているので、ペン先の破損を気にすることなく持ち歩くことができます。しっくりと手になじむアセテート樹脂を職人がロクロを回して仕上げました。
ガラスペン先の破損が気になる人や持ち歩きたい人に使ってほしい商品です。
▼インクセット

インクもついたセットで、ギフトにもおすすめ
ヨーロッパのつけペンの文化のなかで作られたエルバンのガラスペンは、国産のものとはひと味違った、エレガントなデザインです。長くて細い柄が特徴で、デスクペンなどの軸に近い形状は、クラシカルな筆記具が好きな人におすすめです。
この商品はインクもついているので、初心者にギフトとして贈るのもいいし、ガラスペンを使ってみたいという人にも最適です。
エルバンのガラスペンは、製品としての完成度も高く、スムーズな書き味なので、最初のガラスペンとしてもおすすめできます。
軸内のらせんデザインが印象的
イタリアのフランチェスコルビナート社製のガラスペンとインクのセットです。職人による手作りで1本1本つくられています。透明のガラスペンの軸の中にゴールドとカラーのラインがらせん状に巻かれている上品なデザイン。
インクがセットになっているので、手元に届いたらすぐに試し書きできます。エントリーモデルにも、贈り物にもなる商品です。
J Herbin『ガラスペン マーブル&ミニインクセット(hb21341set)』
透明感のある涼しげなマーブルデザイン
ペンの軸表面に施されたマーブル模様が特徴のガラスペンです。ひとつひとつ職人による手づくりなので、マーブル模様はすべて微妙に異なっており、ふたつと同じデザインがありません。ペンの軸はしっかりにぎれるようくびれが設けられています。
透明感のある涼しげなボディ。10mlのインクつきなので、手元に届いたらすぐに書きはじめられます。
イタリア発の優美且つシンプルなデザイン
イタリア発の高級ハンドメイド雑貨ブランド「ダライッティ」のこちらの製品は、イタリアらしいおしゃれで洗練されたデザインが特徴。
ペン立ても付いており、ペンの置き場所にも困らずに便利です。日本のブランドとはまた一味違った、この気風あるガラスペンはギフトとしても、インテリアとしても最適でしょう。インクも付随しているのが嬉しいですね。
ペン2本とカラフルなインクのセット
涼しげなカラーのガラスペン2本と12色のカラフルなインクのセットです。ペンホルダーとクリーニングカップも入っているので、エントリーモデルにもぴったり。洗練されたデザインのギフトボックスに入っているので、贈りものとしても使えます。
ほぼ手作りのガラスペン先はするどくないため、書き心地がよく紙質を損なうことがありません。
異なるペン先の3本セットのガラスペン
極細、細、ミディアムと3種類の異なるペン先を持ったガラスペン3本と、鮮やかな色の6色のインクがセットになっています。3種類のペンはふだん使いやメモ、署名などの場面で使い分けることが可能。涼しげで洗練された外観です。
インクには高密度ゴールドファインパウダーが入っており、繊細でロマンチックな雰囲気の文字や絵に仕上がります。
12種類のインクがセットに
金粉が入った12色のインクといっしょになったガラスペンセット。筆記用として使うことはもちろん、イラストなどを描く道具としても使用できます。
結婚式やパーティーなど、フォーマルな場面での署名用として利用したり、ちょっとしたプレゼントやギフトとしても喜ばれそうな商品です。
おすすめ商品の比較一覧表
各通販サイトの最新人気ランキング ガラスペンの売れ筋をチェック
Amazon、Yahoo!ショッピングでのガラスペンの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
ガラスペンの人気メーカー紹介 日本のみならず海外の人気メーカーをご紹介!
「どんなガラスペンを選べばいいか分からない」という方は、メーカーで選ぶのもひとつの方法です。もともと、ガラスペンは日本で発明されたもの。国産メーカーのガラスペンは高品質で、耐久性にすぐれています。川西硝子や、ガラス工房まつぼっくり、佐瀬工業所などが有名です。
海外製のガラスペンは、イタリアやフランスなどヨーロッパ製のものが多く、デザインの美しさが特徴。コレクションしたい方にもおすすめです。エルバンや、ルビナート、トマージなどが人気のメーカーです。
プロからのワンポイントアドバイス
万年筆もそうですが、ざっくりいえば技術の日本製、デザインのヨーロッパ製という感じです。工芸品としての要素を重視するならヨーロッパ製の方が選択肢が広く、デザインの幅も広いので、コレクションなどにも向いています。
一方で、性能や信頼性は日本製の方が高く、元々ガラスペンは日本で生まれたということもあり、専門メーカーも多くいい物が買いやすい環境にあります。
国産なら、硬質ガラスにこだわる京都の「ガラス工房ほのお」や、ガラスペンを開発した「佐瀬工業所」。海外なら種類も多く手に入りやすい「エルバン」、イタリアのガラスメーカー「トマージ」などが有名です。
ガラスペンに関するQ&A
ガラスペンはどういう仕組みで文字が書けるの?

ガラスペンは、万年筆のようにインクを吸入するものではなく、ペンの先端にインクを浸して文字を書く「つけペン」です。ペン先にはこまかい溝が施されていて、インクに浸たすと溝に流れ込んで文字が書けるという仕組み。これは「毛細管現象」という物理的な現象を利用したものです。
一般的なガラスペンであれば、一度インクに浸けるとハガキ1枚分の文字が書けます。
ガラスペンと万年筆・ボールペンとの違いは?

ボールペンや万年筆との違いは、どの方向にもペン先を走らせることができるという点。ガラスペンは自由自在に好きな方向に書けるので、左利きの人も使いやすいペンといえます。
また万年筆とは違い、インクの入れ替えが不要なのでお手入れもかんたんなのも魅力のひとつです。
ガラスペンの使い方・書き方は?

まずはガラスペンをボトルインクに浸けましょう。ペンは垂直にしてペン先を浸し、インクを含ませます。しばらくすると、毛細管現象によって溝にインクが浸透していきます。
書き方のコツは、ペンを少し寝かせて筆圧をかけずに書くこと。ガラスペンのサラサラとした書き心地を楽しめます。また、ペンを回しながら角度を変えて書くことで、溝に溜まったインクが均一に流れて、文字のかすれを防ぐことができます。ペン先はデリケートで欠けやすいので、トントン叩いたり、インクをつけるときに突き当てたりしないように注意しましょう。
ガラスペンのお手入れ方法は?

ガラスペンのお手入れ方法は、とてもかんたんです。
水かぬるま湯でインクを洗い落とし、ティッシュまたはやわらかい布で拭き取れば完了です。溝にたまったインクが残っている場合は、歯ブラシでやさしく擦るか、中性洗剤で洗浄するときれいに落とせます。
そのほかの万年筆や関連アイテムをチェック 【関連記事】
ガラスペンで書く楽しさを味わおう
ガラスペンはつけペンで、ペン先が繊細で割れやすい点を除けば、万年筆よりも癖がなく書きやすい筆記具です。インクをペン先につけるのが面倒でなければ、インクを使う筆記具として、書きやすい部類に入りますので、使ってみたいと思ったら迷わず使ってみましょう。
決してハードルが高い筆記具ではないのです。価格も安価なものから高価なものまで幅広く選べます。とにかく気軽に買ってみることをおすすめします。
◆記事で紹介した商品を購入すると、売上の一部がマイナビおすすめナビに還元されることがあります。◆特定商品の広告を行う場合には、商品情報に「PR」表記を記載します。◆「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。◆商品スペックは、メーカーや発売元のホームページ、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。◆記事で紹介する商品の価格やリンク情報は、ECサイトから提供を受けたAPIにより取得しています。データ取得時点の情報のため最新の情報ではない場合があります。◆レビューで試した商品は記事作成時のもので、その後、商品のリニューアルによって仕様が変更されていたり、製造・販売が中止されている場合があります。
文化、飲食、メディア、ガジェット、雑貨、伝統芸能など、娯楽全般をフィールドに雑誌、書籍、テレビ、ラジオ、講演などで活動する。 文具系、カバンなどの装身具、お茶、やかん、ガジェット、小説、落語などに関する著書もある。テレビ「マツコの知らない世界」ではボールペンの人、「嵐にしやがれ」ではシステム手帳の人として出演。