三脚の選び方
手ブレを抑えて、好きな構図を決めて写真が撮れる「三脚」。クオリティが高い写真や動画の撮影をするのに、あると便利なアイテムです。ただし、対応するモデルや素材もさまざまな種類があるので、どれを選べば良いのか迷ってしまいますよね。
そこでこの記事では、三脚の選び方のポイントをご紹介します!用途によって合う製品もありますので、ぜひチェックしてみてくださいね。
ポイントは下記。
【1】パイプの素材をチェック
【2】耐荷重をチェック
【3】持ち運び方を考えて段数をチェック
【4】撮影スタイルを具体的にイメージする
【5】携帯性をチェック
【6】脚の太さや雲台のかたちをチェック
【7】そのほかの便利な機能をチェック
上記のポイントを押さえることで、より欲しい商品をみつけることができます。一つひとつ解説していきます。
【1】重量や耐久性などパイプの素材をチェック
三脚の重量や耐久性も重要なポイントです。パイプの素材にも注目しましょう。
アルミ素材の三脚はカーボンよりは重いですが、種類が多く、コストも求めやすいです。集合写真やお子さんの発表会の動画撮影など、初心者の決まった場所での撮影に便利です。
カーボン製は軽量で携帯性にすぐれており、しかも強度や安定性があります。海外旅行やスポーツ・釣りなど屋外での撮影頻度が多い方に向いています。
【2】安定感を得るために耐荷重をチェック
軽くて持ち運びに便利で、高さも充分だったとしても、手持ちのカメラを乗せて安定しなければ意味がないですよね。
とくに望遠レンズなどの大型レンズを使う方や、フルサイズ一眼レフを使っている方は耐荷重にも注意してみてください。耐荷重ギリギリではなく、余裕のある三脚が安全です。
基準がメーカーによって異なるため、海外メーカーの場合は表示の半分ほどで使うなど、耐荷重に余裕を持たせた状態での使用から試したほうがいいようです。
【3】持ち運び方を考えて段数をチェック
三脚の脚の長さは、おもに脚の段数で決まります。段数とは脚の折りたたみ数・パイプ数のことで、一般的には「3段」と「4段」が多いです。
3段の場合、折りたたみサイズが長いですが、パイプ数が少ないぶん安定感があります。4段は、折りたたんで小さくでき収納しやすく、持ち運びが容易ですが、3段よりは不安定になりがちです。
三脚の使い方を考えて段数を決めましょう。
【4】撮影スタイルを具体的にイメージする
撮れる写真に関してだけいえば、全伸高と最低高の基準がほぼすべてです。
あと10cm上げて柵をよけて撮りたいとか、あと5cm下げて小さい草花に少しでも近づいて撮りたいなどの現場での欲求は、三脚選びですべて決まります。
どれぐらいの高さ、低さで撮りたいのか、自分の撮影スタイルや撮りたいものを具体的に想像すれば、おのずとほしい三脚は見つかるでしょう。
【5】持ち運びが多ければ携帯性をチェック
撮りたい写真は屋外で撮りたいのか、部屋のなかなのか。人物を撮るのか物を撮るのか、それとも風景なのか。どこで撮るかによって三脚選びは違いがでてきます。
さらに、持ち運びの重さは気にならないか、どのくらい小さく収納できるかなどを含め、三脚を買ったらどこで、どういうシチュエーションで撮りたいのかを具体的に思い描いてみるのが三脚選びの第一歩です。
今回はいろいろなシーンで使ってもらえるように、持ち運びに便利なものを多く選定しています。
【6】脚の太さや雲台のかたちをチェック
三脚の脚は、単純に脚が太ければ安定しやすく、細いほうが不安定になりやすくなります。ですが、太くなるほど価格も高くなる傾向にあるので、手持ちの機材に応じて必要な太さを選びましょう。
三脚にカメラをつける部分を雲台(うんだい)といい、写真用の三脚ならおもに3way雲台と自由雲台がスタンダードです。3way雲台は水平・平行を整えた撮影に向いていて、自由雲台はスピーディーな撮影に向いています。
どんな被写体を撮りたいのか、自分のスタイルで使いやすいほうを選んでみましょう。
脚の固定(ロック)方法も同時に確認しよう!
脚の固定方法(ロック方法)は、「レバーロック」や「ツイストロック」があります。レバーロック式は、レバーで脚を締めて固定します。ワンタッチで固定でき、固定されているかどうかが一目でわかるので、締め忘れの心配はありません。
ツイストロック式は、ナットやネジを回すように三脚の節目を回して固定する方式です。締めて固定しますので、故障やトラブルが少なく、コンパクトに折りたためる携帯性にもすぐれています。
【7】そのほかの便利な機能をチェック
水平をたもちたい風景での撮影は、三脚の雲台に水準器が搭載されているものが便利です。また、エレベーター機能があればセンターポールを上方向へ伸ばして、脚部の最大伸高より高くできます。
ほかにも、カメラの取り付けがレバーひとつで可能で、迅速・かんたんに脱着できる「クイックシュー式」などの便利機能もあります。三脚にはものによってさまざまな便利機能が付いているため、どのような便利機能が付いているかチェックしましょう。
また、三脚ケースなどアクセサリーが付いているとより◎。
三脚おすすめ21選【タイプ別】
三脚の選び方のポイントをふまえて、おすすめ商品をご紹介します。
【デジタルカメラ向き】【スマホ向き】【ビデオカメラ向け】とタイプ分けで紹介しますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
【デジタルカメラ向き】三脚おすすめ10選
まずは、一眼レフやミラーレス機などのデジタルカメラ向きの三脚をご紹介します。
特に大型一眼レフは、鉄道写真や星景・野鳥撮影などで三脚を使うことが多いです。その場合は、高めの視線を確保でき、上下・左右・縦横などの位置調整のしやすさが大切です。
高パフォーマンスでコンパクト設計
レオフォトは中国で設立された三脚や撮影用品の総合メーカーです。コンパクトで持ち運びやすい設計で、足には10層カーボンを使用しているので圧倒的な安定感で撮影ができます。
脚の角度を好きな角度に調整できるので、好みのアングルで撮影ができます。

軽くスリムな収納を可能にした小型のトラベル三脚
1kgに満たない軽くてコンパクトなボディながら、エレベーター込みの全高は154.3cmあり、アイレベル(眼の高さ)での撮影も可能なエアリーシリーズのロングモデル。アイレベルでの撮影と持ち運びが多い人におすすめする三脚です。
ウェストレベルの撮影でじゅうぶんな人には縮長30cm、重量750gでさらに持ち運びに便利な「エアリーS100」もおすすめです。
エレベーターを分割して短くすれば、10cm以下のローアングル撮影もバッチリ。耐荷重はどちらも1.5kgです。
各部に堅牢性や剛性にすぐれた素材を使用
レンズ付き軽量一眼レフカメラやミラーレス一眼カメラを使うフォトグラファー向けです。自重265g、格納高22cmと、バッグに入れても邪魔になりません。
本体は削り出しアルミニウム、雲台は硬くて丈夫なアルミニウム、脚チューブはカーボンエグザクトを使用しているので、剛性にすぐれています。
コラム脚で高さ45から200cmまで調整可能
360度回転する28mmメタルボールヘッドで、マルチアングルやローアングル撮影もできる三脚です。
作業高さは、4セクションのコラム脚で、18インチから78インチ(約45cmから200cm)まで調整可能です。
一脚にするのもかんたんで、杖に取り付けできる2-In-1。多様な写真撮影ができるでしょう。

軽量でコンパクトだから持ち運びに便利
雲台が交換できないタイプのアルカスイス互換モデル。軽量化に特化しているため、開脚角度も一段のみですが、縮長295mmとA4サイズに収まるコンパクトさで、持ち運びに便利です。最大135cmまで調整ができます。
アルカスイス互換シューは、正方形のため縦横どちらからでも装着することができます。

本格的に写真をはじめたい方に
45年続くイタリアブランド「マンフロット」の三脚は、黒いボディに赤のエンブレムが映えます。
全伸高175.5cmの撮影から、「Q90°センターポール機構」を使った最低高5.5cmまでの幅広い高低差と、最大パイプ径30mmの安定した脚で、どんな撮影にも対応してくれます。
長さ調整のためのレバーロックがまわし締めできるなど長く使ってほしいというメーカーの気持ちが伝わるプロ三脚シリーズ。
最大4kgの高い耐荷重を備え、信頼性が高く、万能に使える三脚を探している方におすすめします。

カーボン製なのに価格が安い軽量三脚
4段式の脚とツイストロックでコンパクトなうえに、軽量なカーボンボディなので、軽くて持ち運びにもってこいです。このサイズ・価格帯で耐荷重8kgはかなりの高ポイントです。
アルカスイス互換のホットシューが標準装備なので、アルカスイスのストラップを使う人や、持ち運びの多い人におすすめの三脚です。
アルカスイスのストラップは、かなり評判がいいので、この三脚購入を機会に統一してしまうのもいいでしょう。

日本を代表するメーカーの珍しいマルチアングル三脚
日本を代表する三脚メーカー「Velbon」のマルチアングル三脚。20cmの伸縮ができるエレベーターを、脚を固定したまま自由な角度に移動できるめずらしいタイプの三脚です。
この機能を使えば、真俯瞰(まふかん=真上から撮ること)の写真撮影やローアングルでの撮影にも便利で、微調整をしながら近くの被写体を撮るときに重宝するでしょう。
変わったアングルで写真を撮りたい人におすすめです。耐荷重は3kgありますが、マルチアングル撮影の際にはなるべく脚を大きく開くなどし、転倒への注意が必要です。

超コンパクトなトラベル三脚
ウルトラレックという独自の伸縮機構を使い、伸縮比が5.2倍にもなるので、縮長28.8cmの収納状態から、アイレベルの148.5cmまで全伸高が上がります。
耐荷重は3kg。パイプ径が太いので伸縮比が高くても安定した撮影ができます。
自由雲台には水平パン機能がついているので、微妙な構図調整に便利なのもうれしいですね。ハードな撮影にも気軽に持ち歩きたい人におすすめの三脚です。
コンパクトに収納できて旅行用に便利
脚を180度に反転することでコンパクトに収納が可能。トラベラーにピッタリのスタンドです。
センターポールは反転して取り付けることができ、低い位置での撮影も実現できますよ。また、付属のショートポールへ取り換えることで、ローアングルも自由自在に撮影できます。
【スマホ向き】三脚おすすめ5選
続いてご紹介するのは、スマホ向きの三脚です。持ち運びに便利な軽量・小型の三脚で、撮影用だけでなく、動画鑑賞にも使用できますよ。
【ビデオカメラ向け】三脚おすすめ6選
続いてご紹介するのは、ビデオ用三脚のおすすめ製品です。手ブレ防止機能や、リモコン機能などを搭載して機能性にすぐれた三脚がありますよ。ぜひ参考にしてください。
三脚があれば快適にビデオの撮影・鑑賞ができますよ。
三脚おすすめ9選【5000円以内で買える】
最後に、5000円以内で買える、比較的安い高コスパの商品をご紹介します。

最強? のミニ三脚
収納長20.5cm、重量250gのポケットサイズにも関わらず、耐荷重は2.5kgもあるのでフルサイズ一眼レフにも対応できます。
開脚角度や高さの調整ができるので、フラットではない場所での撮影にも対応できて、縦構図での撮影ができるのはうれしいですね。
ミニ三脚ながらマンフロットの本気が見えるような三脚。全伸高は20cm。室内での撮影に活躍してくれる三脚を探している人におすすめです。

高さも出せる軽量なファミリー向け三脚
とにかくコスパがよい三脚。リーズナブルであるにもかかわらず、アイレベルの撮影ができて、1.5kgの耐荷重があります。
コンパクトに収納できる5段式でクランク式のエレベーターは、高さの微調整がしやすく、ステーロックのおかげで脚をはさめて立てることができるので、学校イベントなど三脚がたくさん並ぶ場面でも使いやすいはずです。
雲台は樹脂製で、脚も24mmと太くはないため耐久性や安定感は望めませんが、ミラーレスやAPS-C以下のサイズのコンパクトカメラを使っていて、とりあえず三脚を買ってみたいという人におすすめです。
おすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする 三脚の売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでの三脚の売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
三脚に関するQ&A
アルカスイスとは?

カメラのボディ下には、ネジ穴があり、そこに雲台のネジ部分をはめ込んで固定することができます。ただ、毎回三脚にカメラを固定するたびにネジを締めるのは面倒です。
そこで、簡単にワンタッチで取り付け・取り外しを可能にさせるのがクイックシューです。クイックシュータイプのものなら、ワンタッチで雲台にはめ込むだけで取り付けられます。しかし、クイックシュータイプの雲台は、ネジ式と比べてガタつきが多く、ブレの原因につながることもしばしば。
アルカスイス互換のクイックシューは、プレート部分をクランプでガッチリ締め付けて固定するタイプを採用しています。結果、ガチガチに固定でき、さらにかんたんにカメラを雲台に取り付けることができることから、多くのメーカーがこのタイプの製品を作り出しました。このタイプを本家アルカスイスの名を取って「アルカスイス互換」と呼ぶようになったのです。
集合写真を撮るときの注意点は?

集合写真を撮るときは、手前と奥の人両方にピントを合わせたいですよね。そんなときは、背が高くなる三脚があるとよいでしょう。撮影時は、目の高さよりも高い位置にセットして脚立に乗って撮ってください。
花火や夜景を撮るときの注意点は?

パイプ径28mmクラスのある程度重量があるものが安定してよいでしょう。花火や夜景は手ぶれを起こしやすい環境なので、レリーズなども併用すると安心です。
「三脚」や「一脚」のおすすめ記事はこちら!
フォトグラファーからのアドバイス
できることなら実際に触ってみよう
もし三脚を実際に試す機会があれば、触らないとわからない使い勝手や安定感を調べてみましょう。
レバーロックとツイストロックの使い勝手はどうなのか、自由雲台はどのくらいの角度まで傾けられるのかや、3way雲台で構図を決めるときの使い方、エレベーターの使い勝手はどうなのか。
また、軽く叩いて揺れがおさまるまでの時間などに気をつけて選ぶことができれば、より自分に合った三脚選びができると思います。
◆記事で紹介した商品を購入すると、売上の一部がマイナビおすすめナビに還元されることがあります。◆特定商品の広告を行う場合には、商品情報に「PR」表記を記載します。◆「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。◆商品スペックは、メーカーや発売元のホームページ、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。◆記事で紹介する商品の価格やリンク情報は、ECサイトから提供を受けたAPIにより取得しています。データ取得時点の情報のため最新の情報ではない場合があります。◆レビューで試した商品は記事作成時のもので、その後、商品のリニューアルによって仕様が変更されていたり、製造・販売が中止されている場合があります。
人物撮影を得意とし、フリーのカメラマンとして「ブライダル」や「企業HP用の撮影」を中心に「選挙ポスター」「ダンス」など多彩なジャンルを撮影。女優でモデルの中別府葵や、ロアッソ熊本のスタジアムDJスガッシュをモデルにポートレート作品の制作等も行う。2017年、ラフォーレ原宿の「くまモンコレクション in LAFORET MUSEUM」内で熊本の日常を切り取った作品を展示販売した。