塩麹とは?
「麹(こうじ)」とは、蒸した穀類や豆類に、麹菌(または麹カビ)と呼ばれる微生物を繁殖させたもので、日本古来の調味料に多く使われています。この「麹」と「塩」でつくられる調味料が「塩麹(しおこうじ)」です。
塩麹の効能
「塩麹」は食材本来の甘みやうまみを引き出すだけでなく、「麹」に含まれる消化酵素のはたらきで、肉や魚を柔らかくしてくれます。肉の下味つけ、魚の塩焼き、煮物や汁物の仕上げなど、いつもの「塩」の代わりに「塩麹」を使うだけで、美味しさがアップします。
また、ビタミンB群を豊富に含んでいることから、疲労回復や美容が気になる人にも注目されています。
塩麹の選び方
フードコーディネーター・佐々木ちひろさんに、塩麹を選ぶときのポイントを教えてもらいました。早速見ていきましょう!
ポイントは下記の5つ。
【1】形状
【2】麹の種類
【3】無添加
【4】加熱処理方法
【5】パッケージ
上記のポイントを押えることで、より欲しい商品をみつけることができます。一つひとつ解説していきます。
【1】料理に合わせて形状を選ぶ
ペーストタイプ
もっともポピュラーな形状がペースト状タイプです。肉や魚などに付け込んで塩麹調理も楽しめます。ただし、鍋などにこびりついて、焦げの原因になることもあるので調理するときは気を付けましょう。
液体タイプ
液体タイプは食材を漬け込むだけでなく、さらっとしているので塩や醤油の代わりの調味料としても使いやすいので、鍋やうどん、スープに使うことも簡単にできます。洋風や和風、中華など幅広い料理に使いやすいですよ。
粉末タイプ
粉末タイプは下味や炒め物にも使える便利な形状です。魚や肉などにそのまま振りかけて焼いたり煮たりすることができるので、ペースト状のように拭き取る手間もかかりません。ペーストタイプにある塩麹のツブツブ感が気になる人におすすめです。
【2】麹の種類で選ぶ
塩麹に使われる麹は、米麹がほとんどです。麹には麦麹や豆麹などもありそれぞれ味わいや香りが違います。特徴を知り、おいしく使いこなしましょう。
米麹
米麹の原料は、白米と玄米の2種類。白米麹は甘みが強く、発酵香がさわやかで、クセが少なく食べやすいことから、塩麹に使われる最も一般的な麹。一方、玄米麹は、白米より栄養価が高く、クセがありコクのある味わいが楽しめます。
麦麹
麦麹は甘みが少なめですが、麦の香りが強いのが特徴です。麦独特の香ばしい香りが肉や魚の味付けに一役かってくれるでしょう。あっさりとした味わいになりますが、つぶつぶとした食感も楽しめます。
豆麹
豆麹は八丁味噌やコチュジャンなどの原料としても使われています。味わいは大豆のうまみが強く、乳酸系の独特な発酵香が特徴です。大豆好きの方や大豆のうまみを料理に取り入れたい方におすすめです。
【3】麹そのままの味を楽しむなら『無添加』にこだわる
塩麹本来の純粋な味を味わいたい場合は、酒精が入っていない無添加の塩麹をおすすめします。一般的に塩麹の主な原材料は米麹と食塩ですが、保存性を高めるために酒精などを加えている場合があります。
また、お米そのものにこだわる方は、有機米使用の塩麹がおすすめです。農薬や化学肥料を使わずに生産された有機米は添加物などに敏感な方や安全性を重視する方、また、調理した際の素材の味を存分に引き出したいという方におすすめです。
【4】加熱処理方法で選ぶ
塩麹には加熱タイプと非加熱タイプがあります。
加熱タイプは、発酵させないようにあえて加熱してあります。逆に非加熱タイプは、発酵をどんどんさせるため非加熱の状態にしています。塩麹は発酵が進むにつれ状態が変わっていくため、商品によっては加熱することで麹を非活性にし、発酵が進まないようにしています。発酵が十分にされている麹を選ぶなら、非加熱のものがいいでしょう。
【5】使い勝手のいいパッケージを選ぶ
スタンドパウチ
食材に直接かけたり、少量だけ使うといった、微調整が必要な場合におすすめのスタンドパウチタイプ。市販のペースト状の塩麹によく使われているパッケージです。容器が柔らかいので絞りやすいですが、量があまり多く入っていないため家族が多い場合はなくなるのが早いでしょう。
ペットボトル
容器の傾け具合で必要以上の量が出てきてしまったりと、若干扱いが難しいパッケージです。酸素透過率が比較的高く、発酵が進みやすいのであまり使わない方は容量が少なめがおすすめです。そのため容器を移し替えて使う場合は密閉性の高いものにしましょう。
ガラス瓶
塩麹を買ってみたものの、あまり使う機会がないと塩麹の発酵が進んで塩辛くなってきます。ガラス瓶に入った塩麹は密閉性が高く、保存性も高いので、発酵が進みにくいのが特徴です。あまり塩麹を使わない人におすすめです。
塩麹『ペーストタイプ』おすすめ14選 マルコメなど人気メーカーを紹介
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生タイプの塩麹で自然の旨みが広がる逸品
こちらは塩麹を初めて使う方におすすめ。製造元は、味噌でおなじみの大手メーカー・マルコメです。古くから親しまれてきた糀を、日々の生活で手軽に取り入れてほしいという想いから誕生した「プラス糀シリーズ」の塩麹です。
酵素がのこった、生タイプの塩麹という点も特徴のひとつ。塩気が強すぎず、どんな料理にも使いやすい点が魅力。また、スーパーなどで気軽に手に入りやすいため、これまで塩麹を試したことがない方にも使いやすい商品となっています。

国産有機玄米と伝統海塩が織りなす味のハーモニー
原料にこだわった、おいしい塩麹をお探しの方におすすめです。塩麹の味の決め手となる塩に、伝統海塩の「海の精」を使用しているのがポイント。塩以外にも、有機JAS認証の国産有機玄米と米麹を使用した厳選素材の塩麹です。
玄米麹を使っているので、すべて白米麹で作ったものよりは甘さが控えめで深いコクがあります。そこに伝統海塩「海の精」が加わることで、しっかりとした塩の旨みが感じられるコクのある塩麹に仕上がっています。

自家製白麹でつくられた無添加の塩麹
塩分が控えめな塩麹をお探しの方におすすめの塩麹。製造元のちこり村は、ちこりの焼酎をつくる焼酎蔵の蔵元として知られています。焼酎作りに使われる白麹を使っているため、ほのかな酸味とやさしい甘味が特徴です。
一般的な塩麹は麹の量に対して30~33%の塩を使ったものが多いなか、こちらの製品は25%の塩でつくられています。そのため、塩気が強すぎず麹の味を実感でき、素材の味を存分に楽しむことができるでしょう。
熊本県の老舗メーカーこだわりの塩麹
熊本県で1906年に創業された、醤油や味噌の販売を中心に販売している、ホシサンの「塩麹」です。こちらの塩麹は、こだわりの選び抜かれた希少な逸品で、素材のおいしさを引き出します。
容器はペットボトルタイプで、600gとたっぷり使える容量となっています。冷蔵庫のポケットにも収納できて便利なので、日頃から塩麹を使いたい方にぴったり。
五島灘の塩のまろやかさがプラスされた塩麹
広島県にある新庄みそでは、素材にこだわった塩麹を販売しています。塩麹の仕上がりにも大きく影響する水は、江の川水系にある可愛川近くの地下水脈から採取した軟水です。
塩は五島灘に面している崎戸町の海水を原料として使っています。このように素材にこだわって仕上げられた塩麹は、旨み成分を引き出し、おいしさをプラスしてくれます。
また、キャップ付きのスタンドパックとなっており、必要量に応じて使えるので便利ですね。
無添加・無着色・安全な国産原料にこだわった製品
大分県産の厳選米を使用し、手ごね手もみで丁寧に作られた塩麹。まろやかな味わいが人気です。肉や魚、野菜に漬け込んで使うほか、ご飯を炊くときや麺類を茹でるときに入れると、食感が増し、より一層美味しくなります。
漬け込んでも、つけだれにも使えるすぐれもの
創業1772年のみそ・しょうゆの老舗・イチビキの塩麹。塩やしょうゆの代わりに使えば、まろやかで深い味わいに、肉や魚を漬け込めば、やわらかく旨みが増します。市販のポン酢や薬味に加えるとおいしいつけだれに!キャップ付きのスタンドパウチで保存も使用後の処理も楽々です。
こだわりの素材でじっくり仕上げた塩麹
府中味噌の老舗「金光味噌」の白みそ用米麹と「海人の藻塩」を配合したこだわりの塩麹。白みその豊かな甘さが特徴。料理の下ごしらえの隠し味として、塩や醤油、ドレッシング代わりにも使える上品な味わいです。
塩麹『液体タイプ』おすすめ1選 鍋やスープなどに使いやすい!
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分量は材料の10分の1! 手軽に楽しめる
液体塩麹を初めて使う方におすすめしたいのが、ハナマルキの「液体塩こうじ」。これは、粒状の塩麹を液体にした商品です。ハルマルキ独自の非加熱製法で製造しているため、麹の酵素の働きが活発で、素材のおいしさを存分に引き出します。液体なので計量がしやすく、スープなどにも混ざりやすいのが大きな魅力です。
また米の粒々が残っていないため、肉や魚を焼いた際に焦げつきにくく使いやすいのもポイント。スーパーなどでも比較的購入しやすいので、液体の塩麹ビギナーさんにぜひおすすめしたい商品です。
塩麹『粉末タイプ』おすすめ2選 下味や炒め物などに!
ちょい足しに便利な粉末タイプの塩麴を紹介します。
麹を使ったレモンサワーが人気!? 売り切れ続出!
「塩麹」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする 塩麹の売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでの塩麹の売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
塩麹の使い方&簡単レシピを紹介! 自宅で塩麹料理
簡単にできる塩麹レシピをご紹介します。分量はすべて2人前です。
<塩麹の唐揚げ>
鶏もも肉400gを一口サイズに切ります。鶏肉に塩麹大さじ3杯、おろしにんにく、おろししょうがを適量いれて揉みこみます。冷蔵庫に30分ほど寝かせます。片栗粉に薄力粉を少々混ぜ合わせたものに、鶏肉をまぶして揚げていきます。
<塩麹のノンフライチキンカツ>
皮と余分な脂を取り除き、一口大のそぎ切りにした鶏むね肉1枚、山盛り大さじ1杯の塩麹をビニール袋に入れて、冷蔵庫で1時間以上置き、味をなじませる。フライパンで乾煎りしたパン粉をまぶし、オーブントースターで15分ほど焼く。油で揚げないのでヘルシーなチキンカツのできあがり。
<ぶりの塩麹オーブン焼き>
ぶり2切れそれぞれの両面に塩麹(2切れで大さじ3杯程度)を塗りラップをかけて冷蔵庫で約30分置く。200℃に予熱しておいたオーブンの天板にクッキングシートを敷いて、ぶりを並べ、約12分焼く。器に盛り、青ネギを散らして完成。
<かぶのあっさり塩麹漬け>
皮をむきスライスしたかぶ、かぶの葉、塩麹(かぶ1個に対して大さじ1/2)をビニール袋に入れて軽くもみこみ、冷蔵庫で約3時間ほどで経ったら、器に盛ってできあがり。
<塩麹で作る鶏もも肉とキャベツのレンジ蒸し>
余分な脂を取り除き、一口大に切った鶏もも肉300gと塩糀大さじ1杯をビニール袋に入れてもみこみ、10分ほど置く。一口大に切ったキャベツの半量を耐熱容器に敷き、鶏もも肉を乗せ、上から残りのキャベツを乗せたらラップをかけ、600wの電子レンジで10分加熱する(様子を見て火が通っていないようであれば追加で加熱)。器に盛りつけ、パセリをふりかけて完成。
<電子レンジでかんたん! なすの塩麹蒸し>
なす1本(80g目安)を一口大に切って水に5分ほどさらし、水気を切ったら、塩麹小さじ1とごま油小さじ1/4を耐熱容器に入れる。混ぜ合わせてから、ラップをかけ、600wの電子レンジで4分半ほど加熱。ごま油の風味豊かな副菜の出来上がり。
<トマト味の塩麹ドレッシング>
ミニトマト3~4個、塩麹大さじ4杯、オリーブオイル40g、酢40g、砂糖20gをミキサーで混ぜるだけ。
塩麹の作り方
乾燥タイプの米麹を使って塩麹を作ります。
① ボウルで米麹200gと塩95gを混ぜ、全体になじませる。
② タッパー等の容器に移し、箸で混ぜながら水を麹がかくれるくらいひたひたになる程度加え、ふたをする。
③ 半日くらい経ったらさらにひたひたになるくらい水を足し、かき混ぜる。
④ 必ず1日1回上下ムラなく混ぜ、冬季であれば暖かい部屋で1週間~10日、夏季は5日程度発酵させる。
⑤ 麹の形が崩れてきて、水の色がべっこう色になり、ほんのり甘い香りがしてきたら完成。
*「ひたひたの水」厳守!水が少なすぎると、発酵不良をおこし、水が多すぎると塩分濃度が下がって腐敗してしまいます。
*発行を均一に進めるために、必ず毎日かき混ぜること。
*かき混ぜる際に、表面の麹が膨張して水面上に頭を出していても、分離していても問題ないので、水は足さないこと。
米麹・甘酒のおすすめ特集!
塩麹で料理の質もグンとアップ!
塩麹には様々な種類があるとわかりましたね。料理や食材に合わせて塩麹の種類を使い分けることで、調理レシピの幅も広がります。いつも同じ味に飽きてしまった方こそ一度塩麹を使った料理に挑戦してみてはいかがでしょうか!
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