一人暮らし向きエアコンの選び方! プロの家電販売員に聞く
プロの家電販売員のたろっさ さんのアドバイスをもとに、一人暮らしに向くエアコンの選び方を紹介します。ポイントは下記の5つ。
【1】タイプ
【2】サイズ
【3】部屋の畳数に合うもの
【4】省エネ性能
【5】コンセント・電圧
上記の5つのポイントをおさえることで、より具体的に自分に合うエアコンを選ぶことができます。一つひとつ解説していきます。
エアコンのタイプで選ぶ
壁掛けエアコン
壁掛けエアコンは、誰もがイメージするスタンダードなエアコン。天井の近くの壁に取り付けて使用します。取り付けには工事が必要で、値段と時間はかかりますが、一番使いやすく、そして心地いい空調をしてくれるタイプです。手間がかかる分、冷暖除湿能力は折り紙付きと言えるでしょう。
窓用エアコン(ウインドエアコン)
窓用エアコンは、窓にはめ込む形で設置するエアコン。工事が不要で、窓の形に合う機種であれば、購入してすぐに使用することも可能です。しかし、音がうるさかったりセキュリティ上の問題があったりとあくまでも簡易エアコンとしての使用になります。
置き型エアコン
置き型エアコンは、空気清浄機や加湿器のように、床の上に置いて使用するエアコン。電気ストーブのような形で、足元から涼しい空気を発生させます。こちらも工事不要で、購入した後すぐに使用することができます。
ただし、熱交換をした後の空気を別の場所に排出することが出来ないため、狭い空間で使用するとあまり意味がない場合も多いです
エアコンの設置場所に合うサイズを選ぶ
一人暮らし向け物件の場合、エアコンが取りつけられる場所が極端に狭い場合があります。カーテンレールの上のスペースギリギリに設置されていたり、棚や天袋等の脇にピッタリ収まっていたりとさまざま。
製品によっては非常に狭い隙間でも問題なく取り付けができる機種などもあるため、チェックしてみましょう。
部屋の畳数に合うものを選ぶ
エアコンには、すべて「省エネ達成率」が表記されています。こまかい数字もありますが、ここで見ていただきたいのは達成パーセンテージ。当然パーセンテージが高いほうが省エネであり、電気代もかかりづらくなっています。それとは別に統一省エネラベルという星を使用した表記もあり、あわせて見ることによって視覚的にも省エネ性能がわかりやすくなっています。
省エネ性能は単機能の価格を抑えたモデルより、各メーカー上位機種のほうが概して高いです。コストを抑えたモデルでは運転をするかしないかしか選ぶことができず、センサーの精度もあまり高くないためどうしても余分な運転が発生しがち。
しかしながら、上位機種になってくると省エネを行なうためのさまざまなセンサーが働き、ムダが少なく効率がいい運転をしてくれます。その分の電気代でかなり差が出ますので、将来的なことを考えるのであれば上位モデルから選びたいところです。
省エネ性能の高いのは各メーカーの上位モデル
10畳の部屋に6畳用のエアコンと12畳用のエアコンを取りつけた際、どちらが省エネになるかご存知ですか?大きいほうが電気代がかかりそうという印象を受けますが、実はまったくの正反対。6畳用のエアコンを取りつけた場合、設定の温度になるまでなかなか時間がかかります。つまり、設定温度にならないのでつねにエアコンはフル運転をするため、電気代も時間もかかってしまいます。
一方、出力に余裕を持っている場合は、最低限の出力でしっかりと部屋が快適になるため、運転時間も抑えることができます。部屋の畳数を確認してからエアコンを購入するようにしましょう。
コンセントと電圧も確認しよう
現在取りつけされているエアコンのコンセントを見てみましょう。実はみなさんが一番慣れ親しんでいる豚の鼻の形のコンセント以外にも、さまざまな形のコンセントがあります。
エアコンの場合は出力が高く、普通のコンセントでは電力供給が充分でない場合があるので、形を確認してそれに合うものを選ぶようにしましょう。コンセントの形状変更自体はエアコンの工事業者で請け負ってくれますが、電柱からの配線引込などになると電力会社も巻き込まなければいけなくなります。
また、供給されている電圧が100Vか200Vかというところも大事なポイントです。200Vが供給されていない場合は、大規模な電線の引き入れ工事が必要になる場合もありますのでご注意ください。
エアコン購入のタイミングは? プロの家電販売員のアドバイス
エアコンは長期間もつし、壊れてからでも大丈夫だよね……と考えている方は多いかと思いますが、実際にはそうはいきません。壊れる前からというのは少し無駄な気がしますが、たとえば夏場のエアコン取りつけが一番混む時期に壊れてしまい、2週間待ちになんてなってしまっては目も当てられません。
また、近年の真夏は異常気象で40℃を超える地点も観測されており、危険な暑さとなっています。そんな中で1ヶ月もエアコンが使えないということになると、熱中症のリスクが伴うため大変危険です。必ずシーズン前に試運転を行い、少しでも異常があるようなら早めにクリーニングや買い替えを検討するようにしましょう。
毎年エアコンの分解掃除を頼んでるなどの場合は少し状況が変わってきますが、多くの場合は一度取りつけたら取りつけっぱなしの状態で、内部のフィルターや送風羽根などが非常に汚れていることがほとんど。そうなると冷えも悪くなりますし効率が悪くなるので電気代も上がり、衛生面でも心配が残ります。
取りつけから10年以上経過していたり、冷えが悪くなったりフィルターが黄ばんでいるときなどは早急に交換をしましょう。
「一人暮らし向きのエアコン」のおすすめ商品の比較一覧表
一人暮らし向きエアコンおすすめ12選 プロの家電販売員がセレクト
うえで紹介した一人暮らしに向くエアコンの選び方のポイントをふまえて、プロの家電販売員のたろっささんと編集部が選んだおすすめ商品を紹介します。2023年の最新機種も紹介しています。ぜひ、チェックしてみてくださいね!
限られたスペースにもすっきり収納
一人暮らしの部屋では広大なスペースを確保するのが難しいかもしれません。本機は室内機も室外機もコンパクトな設計になっており、限られたスペースでもすっきり収納が可能です。
ストリーマ内部クリーン搭載でエアコン内部のカビやニオイのもとになる菌も抑制してくれます。スマホやスマートスピーカーに対応しているので、手軽に操作ができる点も魅力です。
使うだけで部屋の空気を清潔・快適に!
冷房、暖房を使いながら部屋の空気を清潔に保つナノイーX(9.6兆)を搭載。本機のモデルから抗菌エアフィルターを備えたことでホコリに含まれる菌の増殖を抑制します。
外気温50℃でも冷房のパワーを持続させることできる高外気温対応室外機なので、夏の猛暑でも心配なく使えます。0.5℃刻みの温度設定により節電にも貢献できます。
薄型スリム設計のベーシックモデル
一人暮らしの部屋や子供部屋にも最適な薄型スリム設計のエアコンです。熱交換器加熱除菌でエアコン内部のカビ菌・細菌を除去します。季節や用途に合わせて「ソフトクール除湿」、「ひかえめ除湿」の2パターンの除湿モードを選択可能。外気温は50℃に対応しているので、夏の猛暑でも問題なく使えますよ。
給水いらずのうるおい加湿で冬の乾燥も安心
無給水で外の空気中の水分を取り込み、部屋にうるおいを届けてくれます。給水の手間が省けるだけでなく、タンクレスによりお手入れが不要な点も特徴。冬の乾燥しやすい時期には重宝すること間違いなしです。
さらに換気ができる点も魅力です。屋外から新鮮な空気を取り込み、エアコンとしての機能を使いながら、室内換気が行えます。室温パトロールでは、高温と低音を自動で検知して快適な空間を維持してくれます。
AI搭載の暖房強化プレミアムモデル
北海道・東北地方を中心に寒い地域の多くの方から支持されている「ズバ暖霧ヶ峰」シリーズの暖房強化プレミアムモデル。霜取り中でもあったかさは途切れない快適ノンストップ暖房により、外気温が15℃でも約60℃までの温風が吹き出します。
さらに、高精度赤外線センサーで部屋にいる人間の体温を検知し、その空間に最適な室温を届けます。AIが室温の変化も予測し、ちょうどいい運転に切り替えてくれます。

プラズマクラスター搭載のシンプルモデル
シャープのシンプル機能型のエアコンです。シャープといえばプラズマクラスター。こちらにも搭載されており、除菌、脱臭の効果が期待できます。その効果は室内だけでなく、本体にももちろん有効なため、エアコン内部を常に清潔に保つことが可能。
リモコンのボタンも大きくわかりやすいため、家電製品の操作が苦手な人にもおすすめです。とりあえずコスパのいい商品を……という方の非常に有力な選択肢になるでしょう。
コスパに優れた1人暮らし用エアコン
Panasonicのエアコンの中でも機能を限定することによって特に高いコストパフォーマンスを実現したモデルです。とはいえ、内部にホコリや油分などがたまりやすい構造になっており、カビの発生を防いでくれるという点も嬉しいポイント。低価格帯のモデルではありますが、Wi-Fi機能も搭載しているのでスマホによる操作も可能となっています。
換気できるエアコン
高性能な空調機器で知られるDAIKINのプレミアムモデルです。新鮮な空気を取り入れることができるので、室温を維持しながら換気することができるモデルです。エアコンを長時間入れたままの状態にすると空気が淀んでしまうことがありますが、こちらのモデルであればその心配はありません。空気の質をしっかり維持できるエアコンを探している方におすすめです。
センサーによって部屋を快適に
赤外線センサーが床、壁などの温度をチェックし、体感温度を自動で調整してくれる高性能なエアコンです。冷やしすぎ、暖めすぎを防止してくれるので常に快適に過ごすことができます。また、センサーは人のいる場所を確認して、その場所を中心に気流を届けることによって部屋の中にいる人全員が快適に過ごすことができるという点も魅力です。
プラズマクラスターで空気をクリーンに
独自の空気浄化技術である、「プラズマクラスター7000」を搭載した一人暮らし向けエアコンです。冷暖房を使っていないときでも、プラズマクラスター単体の送風運転が可能なので、部屋の空気をきれいにたもつために1年中活躍します。また、運転停止後の内部清浄機能やフィルター自動掃除機能などが搭載されていて、お手入れがらくなのも魅力です。
排熱利用ですぐれた冷暖房機能を発揮
カビ菌や花粉など、空気中に漂うあらゆる汚染物質を抑える「ナノイーX」を搭載したシリーズです。脱臭ができる「においケア」機能のほか、冷暖房しながら汚れた空気をきれいにする、空気清浄機能も備わっています。また、排熱を有効活用する独自のエネチャージシステムによって、サラッと快適な冷房&足元からあたためる暖房を実現。基本の冷暖房機能も、すぐれているのが特徴です。
便利な洗浄機能を搭載
冷房運転によって出た結露水を利用しながら、熱交換器が洗浄できる「水内部クリーン」機能を搭載しています。1カ月に1回程度の頻度で行えば、熱交換器がきれいにたもちやすいのがメリットです。また、天井気流システムによって、エアコンの風が上方へ持ち上げられるため、風が直接身体にあたりにくくなって、快適に利用できるでしょう。
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする エアコンの売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでのエアコンの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
エアコンを購入・設置する際の注意点

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分譲マンションや賃貸では取り付け許可を
分譲マンションや賃貸物件などではエアコンを設置する際、許可が必要になるので注意しましょう。
そもそも、エアコンは「室内に設置するエアコン」と「室外機」の2種類がセットになっており、配管パイプで繋がっています。新しくエアコンを設置する際は、壁に穴を空け、エアコンと室外機を設置する必要があります。この「壁に穴を開ける」ことは、分譲マンションや賃貸物件では管理組合の許可が必要になります。
もし、許可が下りなかった場合、エアコンの設置ができません。また、無許可で設置してしまうと、最悪の場合、部屋を退去しなければいけない可能性もあります。エアコンを購入したけど、設置許可が下りなかったということがないよう、許可を取ってからエアコンを購入するようにしましょう。
エアコンの取り付け工事の工程や費用も考慮しよう
エアコンを取り付け工事する際の工程は以下になります。
1)配管パイプ用に、壁に穴を開ける
2)エアコン・室外機・配管パイプを設置する
3)エアコンへアース線を接続
4)起動するかどうか確認
設置業者やエアコンのサイズ、その他、設置場所の環境などにより変動しますが、各工程で料金が発生します。ざっくり、取り付け工事費用は約1万円〜3万円ほど。(設置環境により左記以上になる場合もあり)エアコンの代金だけでなく、設置費用なども考慮しておきましょう。家電量販店などでは店員に工事費の確認を、通販サイトで購入の場合は、値段が工事費込みかどうかも確認しましょう。
エアコンを買うなら安い時期がおすすめ
価格が下がる傾向は各家電で同じ。たいていは新しいモデルが発売される直前が一番価格が下がることが多いです。エアコンの場合は、各メーカーが上位モデルを発売するのが秋口の10月〜12月。
そのため、安くエアコンを購入したい場合は、9月くらいがおすすめです。また、通販サイトなどでは、生産終了モデルなどが低価格で販売していたり、アウトレット品なども販売されることも多いため、ぜひチェックしておきたいポイントです。
一人暮らし向きエアコンに関連する記事のご紹介 【関連記事】
エアコンの型番の見方を伝授! プロの家電販売員が教える
ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、エアコンは同じグレードの製品でも型番が2つある物が多く、ネットなどで調べると訳が分からなくなることがあります。実は、これは「個人向け」「住宅設備用」という2種類の卸ルートから来るエアコンの型番の違いです。
家電量販店などで取り扱っているものは「個人向け」、ハウスメーカーなどで住宅を建てる際に一緒に提案するのが「住設向け」です。一般的に同じグレードの物を比べると家電量販店向けの型番の方が高いことが多いので、ネットなどで注文する際は留意しましょう。
ただ、家電量販店で購入すると保証がサービスになったりする場合もありますので、どちらが得かというところは人によって変わってきますので注意しましょうね。
◆記事で紹介した商品を購入すると、売上の一部がマイナビおすすめナビに還元されることがあります。◆特定商品の広告を行う場合には、商品情報に「PR」表記を記載します。◆「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。◆商品スペックは、メーカーや発売元のホームページ、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。◆記事で紹介する商品の価格やリンク情報は、ECサイトから提供を受けたAPIにより取得しています。データ取得時点の情報のため最新の情報ではない場合があります。◆レビューで試した商品は記事作成時のもので、その後、商品のリニューアルによって仕様が変更されていたり、製造・販売が中止されている場合があります。
家電量販店、家電情報ブログ「家電損をしない買い方をプロの販売員が教えます」を運営するプロの現役家電販売員。 学生時代から家電に対する並々ならぬ興味を持ち、アルバイトを経てそのまま家電量販店の道へと進んで15年弱。 個人で年間2億円を売り上げ、数々の法人内コンテスト等で表彰された経験を持っています。 家電アドバイザーの資格を有し、家電と名の付く物全てに精通しています。家電で分からないことはありません。 現在は家電ライターの業務も通して「全ての人が平等に良い家電に巡り会える機会の提供」に尽力しています。