登山カメラの選び方 機能、持ち歩きやすさ、通信機能、バッテリー対策を考慮
まずは、登山用カメラの選び方をご紹介していきます。ポイントは下記4点!
【1】機能面、耐久性などを確認!
【2】カメラの持ち歩きやすさや撮影のスタイルで選ぶ
【3】予備バッテリー対策も考慮
【4】Wi-FiやBluetoothなどの通信機能の有無で選ぶ
それぞれ解説していくので参考にしてみてください。
【1】機能面、耐久性などを確認!
まずは機能面と耐久性を確認しておきましょう。カメラといっても登山時となると普段のカメラとは違い、登山中のアクシデントや厳しい環境でも耐えられる性能性など普段のカメラと全く別の視点を見る必要があります。
耐衝撃性にすぐれたものを選ぶ
登山カメラを選ぶときは、そのカメラの耐衝撃性を忘れずにチェックしましょう。登山中、岩や木にぶつけたり、落としたりする可能性もないとは言い切れません。
とくに、足元の悪いところで撮影するときや、カメラをカラビナでリュックなどにぶら下げておきたい人は、耐衝撃性が高いものを選ぶことが重要です。「耐衝撃性〇m」などの記載があるものを選びましょう。
耐衝撃性があるものは、落としても壊れにくく、大事な写真のデータも失われにくいです。
耐水性や防塵性があるものを選ぶ
登山中は屋外での撮影になるので、耐水性や防塵性があるカメラを選びましょう。山の天候は変わりやすく、急に雨に降られたり、強い風で土埃が舞ったりします。耐水性や防塵性があるカメラであれば、過酷な環境の撮影にも耐えられるでしょう。
道中にある沢や滝などを撮影したいときは、水しぶきがかかってもよいように防水機能がある機種を選んでください。
冬山登山なら耐低温性もしっかりチェック
0度以下の冬山登山にもって行くなら、耐低温性能は見逃せないトピックです。夏山であれば、たいていのカメラは使用温度に問題はないですが、悪天候のなかでもハードに使えるカメラは耐水性のすぐれたカメラに限られてきます。
それも降雪や積雪のなかをバリバリ撮影するとなったら、いずれも一歩リードしたものを選びたいところ。温度に関しては仕様書の「使用温度」という項目を確認します。耐水性は「防滴」や「防水」といった言葉が使われているかによって判断しましょう。
【2】カメラの持ち歩きやすさや撮影のスタイルで選ぶ
次にどのくらいの時間山登りをするのか、どのような場所で撮影をするのか、またどのような写真を撮りたいのかという携帯性と性能性をみてみましょう。
軽くて丈夫なタフネスコンデジタイプ
登山を楽しむついでに写真を撮影したいという人は、アウトドアでの撮影に特化した「タフネスコンデジ」がよいでしょう。タフネスコンデジには、軽くて丈夫なだけでなく、コンパクトで機能性にすぐれた機種が多くあります。センサーサイズはそれほど大きくありませんが、幅広い撮影に使えるのがポイントです。
ポケットに入れられるサイズのタフネスコンデジであればすばやく構えられるので、登山中のシャッターチャンスも逃しにくいでしょう。
綺麗な写真を撮りたい場合はミラーレス一眼タイプ
写真を撮影するために山に登るのであれば、コンパクトタイプのミラーレス一眼カメラがよいでしょう。一眼レフよりも軽いので、コンパクトなタイプであれば大きな荷物になることもありません。センサーサイズが大きなものであれば鮮明な画像が撮れるため、撮影した写真を引き伸ばして飾りたい人にもぴったりです。
ただし、ミラーレス一眼はバッテリーの持ちが短いです。長時間の登山になるときは、予備のバッテリーも忘れずに持っていくようにしましょう。
【3】予備バッテリー対策も考慮 充電手段を複数用意
登山中の時間は当然、無電源の時間でもあります。日帰りの場合や電源のある宿泊施設などがあればなんとかなるとしても、充電せずに2〜3日撮り続けられるデジタルカメラはほとんどなく、電池持ちが悪いカメラだと予備のバッテリーを準備しなくてはいけないようになってしまいます。電池持ちがよいカメラならその分、荷物が軽くできますよね。
バッテリー1個で何枚撮れるかというカタログの数字も参考にしたいですが、市販のポータブルバッテリーから給電が可能かどうかや、予備バッテリーの価格も気にしておきたいところです。
【4】Wi-FiやBluetoothなどの通信機能の有無で選ぶ
撮影した写真を誰かに送りたいときや、パソコンで編集したいときは、Wi-FiやBluetoothといった通信機能がそなわっているものを選びましょう。通信機能がそなわったものであれば、スムーズに写真が送れます。
スマートフォンに専用アプリがある機種であれば、リモート撮影やその場でのかんたんな編集が行なえるのもポイント。
登山カメラを選ぶときは、ぜひ通信機能の有無にも注目してみましょう。
登山向けカメラのおすすめ13選
ここまでで紹介した登山カメラの選び方のポイントをふまえて、カメラマンの山下大祐さんに選んでもらったおすすめ商品と編集部で選んだ商品を紹介します。

大口径内蔵レンズが作品性の高い写真撮影をサポート
『RX100Ⅵ』はポケットに入れても取り出しやすい大きさと形状がウリの1台。その一役を担うポップアップ式のビューファインダーは、日光が照りつける雲の上においても撮影画像の見やすさを確保するために重要な装備です。
そして内蔵レンズが比較的大口径であることも特徴です。大きなボケをつくること、夜空を写せば小さな星まで捉えることが可能なので、作品性の高い写真に挑戦したいと考える方におすすめ。
予備バッテリーも良心的な価格で、かつUSBケーブルでパソコンから給電を受けることが可能です。ただメーカーのスペック表に耐水性や使用可能温度についての表記がありません。要するに水分や低温には注意して扱う必要があるということです。

広角から望遠までカバーする防塵防滴対応カメラ
レンズ内蔵のコンパクトデジカメでありながら、35mm換算24ー600mmと広角から望遠までのズーム域をカバーしているため、大パノラマを広く撮ることも遠くの景色を大きく撮ることもできる万能カメラです。
登山で出くわすいろいろなシャッターチャンスに妥協せず撮りたい方にはおすすめ。パワーショットGシリーズの中で唯一、防塵・防滴をうたっているので、少々ラフに取り回したい方にもおすすめです。
そういうメリットのある半面、123.3mmの横幅に対してレンズを含めた奥行きが105.3mmとポケットでは収まりません。ザックのショルダーストラップに取り付けたり、首から下げたりして行動しやすくする工夫が必要あります。

小型でも高倍率。すばやい動物撮影もサポート
ジャケットやザックのちょっとしたポケットに収まるサイズにも関わらず、35mm換算24〜840mmの高倍率ズームが特徴です。
野鳥や小動物など、山の上でしか出会えない動物たちの記録をしたいという方におすすめ。およそ3段分の手ぶれ補正機能のほか「クイックバックズームボタン」「サイドズームレバー」などが備わっています。
動きの読めない動物たちをファインダー上で追いやすくするサポート機能はよく考えられた設計です。
フル充電時の撮影可能枚数も少なくなく、予備バッテリーも入手しやすい価格ではありますが、昨今のデジカメの中ではかなり控えめな1604万画素という画素数。なので、写真を大きくプリントするには少々不利な部分にはなるでしょう。

多彩な「セルフィー」機能で人物と一緒の記念撮影に
レンズ交換式のミラーレス一眼に分類されるカメラです。
イメージセンサーも比較的大きく高感度にしてもノイズが出にくいのが特徴です。専用レンズ群のなかから自分のレベルや用途に応じたレンズ選択ができるのが楽しいところ。腕前の成長とともに拡張していけるシステムです。
デザインはレトロでかわいく3色のカラーバリエーションが展開されています。
ソロ登山でも自分撮りがしやすい「セルフィー」機能や「瞳AF」機能などが充実しているほか、女性ユーザーを意識してか「自動美肌」機能なども備えます。耐水性や耐低温性に特筆すべき点はないものの、バッテリー1個の撮影可能枚数は多く、推奨モバイルバッテリーからなら充電も可能です。
風景だけでなく、人物も収めた記念撮影をしたい方におすすめ。

耐水耐衝撃性にすぐれ、マクロ撮影も得意なカメラ
アクションカメラのように、とにかくタフに使いまくりたい方におすすめのカメラです。
水滴だらけの藪(やぶ)のなかでも豪雨のなかでも、はたまた水のなかに浸けてしまっても撮影可能。ダブルガラス構造でレンズ前が曇りにくく、-10℃まで使用に耐えます。耐衝撃性も抜きん出ていて、多少岩場にぶつけてしまっても気になりません。
カメラ性能としては「顕微鏡モード」という被写体まで1センチの距離でマクロ撮影が可能で、昆虫や花にグッと寄って肉眼では見えない世界を撮ることができます。マクロ撮影用のライティングオプションの充実など、遊べるカメラといえるでしょう。
一方、山の上からの大パノラマを緻密に撮るには画素数が少なく感じる面もあります。
カメラバッグおすすめ2選【番外編】
登山カメラのおすすめ商品をご紹介していきましたが、カメラを持ち運ぶのに便利なカメラバッグも併せて確認してみましょう。
おすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする 登山カメラの売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでの登山カメラの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
カメラを持ち運ぶ方法
カメラ自体の選び方はもちろんですが、ここからは実際に登山にカメラを持っていくための持ち運びの方法も見てみましょう。主に2つの方法をご紹介していきます。
ネックストラップで写真をすぐ撮影する
1つ目はネックストラップを使用した持ち運び方法、中でもショルネオプレーン素材を使用したストラップを選ぶと良いでしょう。8mmのクッションが入っており重量のある機材でも首や肩の負担を軽減することができます。写真を撮りたい時にすぐに手に取ることができますが、ずっと首にかけた状態になるので、首・肩が疲れやすく、またカメラをそのままの状態で持ち歩くことになるので、破損・故障のリスクあります。
カメラバッグを利用して安全に運ぶ
2つ目は、カメラバッグを利用することです。それぞれのカメラに合ったカメラバックが販売されていますが、より安全にカメラを持ち歩きたいという方は、登山向けのカメラバッグもあるので、そちらを使用してカメラを持ち歩くことをおすすめします。
登山向けカメラに関するQ&A よくある質問
登山に適したカメラの画角・焦点距離は?

焦点距離が~50mmまでの広角レンズがおすすめす。広角レンズは広範囲の景色をフレーム内に収めることができるため、風景写真の撮影に適しています。一方で、望遠レンズの使い方としては、山の麓(ふもと)から山頂を撮る場合など、遠くの被写体を拡大して撮る場合に適しています。
初めてのカメラやレンズはどれがおすすめ?

まずはレンズキットから始めるのがおすすめです。レンズキットとは、カメラボディにレンズがもれなく1本セットになったものです。また、レンズが2本セットになったダブルズームキットもあります。いずれも、最もよく撮影するであろう50mm前後の標準域から50mm以下の広角域、そして85mm以上の望遠域もカバーした使い勝手のよいズームレンズがセットになっています。さらに、それぞれレンズ単体で買うよりも少し割安で手に入るのもメリットです。
登山スタイルに合ったカメラ選びとバッテリー対策を カメラマンからのアドバイス
カメラマン
そもそも登山カメラという名のカメラはありません。
ハイキングから本格的なトレッキング、クライミングまで、登山といってもいろいろあるように、カメラにも適材適所があるのです。登山スタイル・写真を撮る目的、このふたつが見えればカメラの選択肢も絞られてくることでしょう。
また、どんなカメラも電池がなくなればただの金属の重りと化します。撮影可能枚数が多いことは魅力ですが、どのカメラにしても予備のバッテリーはひとつ以上用意しておくべきです。
バッテリー残量を気にしながらの登山は避けたいですから。
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※「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。
※商品スペックについて、メーカーや発売元のホームページ、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。
※レビューで試した商品は記事作成時のもので、その後、商品のリニューアルによって仕様が変更されていたり、製造・販売が中止されている場合があります。
※本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。
1987年生まれの兵庫県出身 日本大学芸術学部写真学科卒業後、フリーランスとしてwebや雑誌等の撮影をする。2014年からレイルマンフォトオフィス所属。鉄道会社のカレンダーや車両カタログ等の撮影に携わるなか、カメラ広告、鉄道誌のグラフ等で独創性の高いビジュアルを発表している。日本鉄道写真作家協会会員。