薄力粉と小麦粉との違い
小麦粉には強力粉、中力粉、準強力粉、薄力粉などいくつか分類があります。大まかに言うと、小麦粉の中に含まれているタンパク質の含有量によって種類分けされています。なので、「薄力粉」は小麦粉の一種です。
タンパク質の含有量が多いもの(=水を加えて練ったときに粘弾性が高いもの)が強力粉、少ないものが薄力粉です。このタンパク質の含有量は、原料となる小麦の品種によって変わります。お菓子作りには、おもに薄力粉が使われます。
お菓子作りにおすすめの小麦粉の選び方 お菓子研究家に聞きました
お菓子研究家の熊谷真由美さんに、お菓子作りにぴったりの小麦粉を選ぶときのポイントを3つ教えてもらいました。
まずは「小麦粉」の種類をチェック
「小麦粉」は、大きく分けて「強力粉」「中力粉」「薄力粉」の3つの種類があります。使用する小麦の種類によって分類されています。まずは、それぞれの特徴をチェックしていきましょう!
強力粉|もちもちクレープからふんわりカステラまで
強力粉の特徴は、グルテンを多く含み、コシのある生地を作ることができること。強力粉を使用すると膨らみをキープしやすいという特徴もあります。コシがありもちもちとした食感になるので、クレープを作るときにおすすめ。
また、ひとくちに強力粉といっても、さらに多くの種類があります。強力粉のなかでも種類によって特徴に差があるので、タンパク質をどのくらい含むかに注目すると選びやすいです!
たとえば、クレープと違いふんわりとした軽い食感にしたいカステラなどを作るなら、タンパク質が12%以下のものがおすすめです。
薄力粉|ケーキやクッキーなどオールマイティ
お菓子作りをあまりしない方でも、薄力粉はよく目にするのではないでしょうか。一般的に、小麦粉というとこの薄力粉をさすこともあるくらいメジャー。
ケーキやクッキーなど幅広いお菓子に使えます。「薄力粉」を選びましょう。タンパク質や灰分の含有量が、強力粉>中力粉>薄力粉と少ないのが特徴。そのため、サクッと軽い食感や、少し軽めのソフトクッキー、スポンジケーキに向いています。
中力粉|ずっしりしたドーナッツやパウンドケーキに
中力粉は、タンパク質の含有量が10%~12%ほどで、ちょうど強力粉と薄力粉の間くらい。中力粉を使ってお菓子を作ると、ずっしりとしていて食べ応えがある仕上がりになるのが特徴です。
ドーナッツやパウンドケーキなどずっしりしたお菓子を作るのにぴったり。ドライフルーツやナッツなどの具を入れたい場合も、中力粉を使えば混ぜ込んだ具がしずまなくて上手に焼き上がりますよ!
作るお菓子に合わせて、グルテン量を選ぶ
スポンジなどは、グルテン量が少ない、軽い粉を使うと粘りが少ないのにフワフワに仕上がります。それに対し、フランスの焼き菓子やタルト生地などを作る場合は、ある程度のグルテン量があったほうが失敗しにくいです。
食パンの窯(かま)伸びをうたうような、グルテン量強化の強力粉はお菓子作りに向かないことが多いです。作るお菓子に合わせてフワフワとした軽さを追求したいのか、粉の風味を味わいたいかでグルテン量を選んでみると、お菓子作りの幅が広がります。
海外産は、灰分(かいぶん)量をチェック!
おもにヨーロッパでは、灰分の含有値によって粉の分類がされています。最近は日本の商品説明にも記載があるので、チェックしてみましょう。灰分が0.45〜0.55%までの間ならば、日本のレシピの薄力粉として使うことで、フランス菓子をはじめとするヨーロッパ風の粉の風味豊かな仕上がりが期待できます。また、灰分の量は「Type45」や「Type55」などと表記されている場合もあります。
1か月以内に使い切れる量を選ぶ
小麦粉は、保存方法によっては品質が劣化するスピードが早くなってしまいます。 お菓子を作る頻度(ひんど)、消費するサイクルに合わせて、1カ月以内に使い切れる量がおすすめ。分量が小分けになっているかどうかや、袋にチャックがついているかどうかというのもポイントです。
酸化するだけでなく、においも吸収しやすいので、できれば挽きたてのうちにお菓子を作りたいところです。そうすれば、よりおいしく楽しめますよ。
お菓子作りにおすすめの小麦粉3選|強力粉 もちもち食感が特徴!
ここまで紹介した、お菓子作りにぴったりの小麦粉の選び方をふまえて、お菓子研究家の熊谷真由美さんと編集部で選んだおすすめの商品を紹介します。
強力粉・中力粉・薄力粉の順に紹介していきます!

フランスパンだけでなくパリ風お菓子ができる小麦粉
パンを本格的に習ったことのある方ならばきっと誰でも知っている、フランスパン専用粉『リスドォル』は準強力粉タイプ。パンも焼き菓子も、本格的に焼く方におすすめです。小麦の産地はアメリカ、カナダ、オーストラリアが主体。国産小麦粉にこだわる方には向いていません。
灰分が「Type45」で、フランスのお菓子を焼くときに使う小麦粉タイプなので、フランス菓子をフランス風に焼きたい方にぴったりです。パウンドケーキやマドレーヌなどを焼くと、粉の風味が豊かなパリ風に仕上がります!
内容量も2.5kgで多すぎず、少なすぎず。しかもチャックつきなので保管にも便利です。

かわいいパッケージ! イタリア産の粉で本格パイを
1924年創業のカプート社は、イタリア・ナポリの実力のあるブランドメーカーです。かわいい紙袋に入った、思わずお菓子作りのテンションが上がってしまうこちらは、準強力粉。この『クラッシカ』は、精製度が高い小麦粉のことを指す「00粉」という分類にあたります。
きめがこまかく吸水しやすいので、軽い仕上がりの生地ができ、パスタだけでなくお菓子用にも大人気な小麦粉。 イタリアのお菓子、カンノーリやスフォリアテッラにチャレンジしたい方に、ぜひ使っていただきたい小麦粉です。
小麦粉の味わいがわかるパスタの国ならではの、深い味わいのお菓子が作れることでしょう。
菓子パン作りにぴったりの高コスパ商品
品質の良い小麦を使用してしあげた小麦粉。強力粉は、タンパク質の割合が12%以上の小麦粉を指します。焼くと固くなってしまう特徴があるので、焼き菓子よりも菓子パン作りにおすすめの商品。
この品質で1kgでこの価格はコスパ高いですよね。日ごろからパン作りが趣味の方にぜひ試してほしい商品です!
お菓子作りにおすすめの小麦粉3選|薄力粉

フランス産のType45の本格焼き菓子用小麦粉
日本にいながらにして、フランス産・Type45のお菓子用小麦粉が買える時代になりました。日本とフランスでは小麦粉の区分基準が異なるので、日本のグルテン量で分類した小麦粉ではどうしても、本場パリで食べる味わいにはなりにくいです。こちらは、マドレーヌやフィナンシェ、タルトをフランスのお菓子屋さんのように焼きたいという方にはぜひ試していただきたいひと品。
Type45はほどよく表皮が入っているので、日本の小麦粉とはまた違った小麦粉のうま味を感じることができるかと思います。取り扱いが富澤商店なので、お菓子の型や材料も一緒に注文しやすいのでおすすめです!
色が白くきめが細かい、特選薄力小麦粉!
日清フーズが長年の知見で培った製粉技術で良質の小麦を挽いた、色が白くきめが細かい、特選薄力小麦粉。いつも作るケーキは、よりふんわりと。天ぷらなど揚げ物を作る場合も、よりサクッと仕上がります。
また、意外と悩む保存本法も心配なし。カンタンで便利な密封チャック付き商品になっているのもポイントです!
ホットケーキやお好み焼きをさらにおいしく!
こちらは、北米産オーガニック小麦を使用した薄力小麦粉です。「いつもスーパーで買ってる小麦粉とは香りが全然違う!」とびっくりします。JAS認定された有機栽培小麦を製粉して作ったこだわりの小麦粉です。
合成保存料などの添加物は使用していなく、 土作りから品質管理まで世界に安全性が認められた商品。なので、赤ちゃんの離乳食に取り入れたり、子どものためにホットケーキなどのおやつを作るのにおすすめです!
※Amazon・楽天市場は1袋、Yahoo!ショッピングは3袋の価格です。
お菓子作りにおすすめの小麦粉2選|中力粉
ドーナッツやサクサクのクッキーづくりに!
良質の小麦を使用した中力小麦粉です。ずっしりと食べ応えがある仕上がりになる中力粉。ドーナッツやサクサクのクッキーづくりにぴったりです。
お菓子作りのみならず、天ぷらやお好み焼、うどんなどの麺料理にもおすすめで、幅広く使えるのがポイントです。保存しやすい密封チャック付き商品なのもうれしいですよね。
プロの味に! 本格的なお菓子を作りたい方に
パンやスコーン、クッキー作りにぴったりの中力粉。北海道の広い大地で育った美瑛産・きたほなみ産の小麦を使用していて、美しい乳白色ともちもちした食感が特徴です。
都内の人気ベーカリーでも使用されているこの小麦粉。うどん作りにもおすすめのようです。家でのお菓子作りに使用すれば、いつもの味もワンランクアップします。ぜひ試してみてください!
「お菓子作りに向く小麦粉」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする お菓子作りに向く小麦粉の売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでのお菓子作りに向く小麦粉の売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
ホットケーキミックスや全粒粉など、おすすめをチェック!
お菓子研究家からのアドバイス
どんなお菓子を作るかを考えて小麦粉を選ぶと、お菓子作りがもっと楽しくなります。メーカー公式HPなどから、記載されている表示の粉のグルテン量と灰分を一緒にチェックすると、本場のお菓子に近づけますよ。
ここでおすすめした小麦粉は、お菓子をよりヨーロッパ風に作れるのを目指して、粉をご紹介しました。 国産やイタリア産、フランス産の粉が自由に手軽に選べるので、気になるものをぜひ試してみてください。
粉の種類によって、卵など水分量が変わってくることもあるので、1回だけでなく数回つくって粉のクセを把握できるといいですね。
美味しいお菓子作りを楽しんで
お菓子作りにおすすめの小麦粉の記事はいかがでしたか? 薄力粉と小麦粉の違い、作るお菓子に合わせて種類を選ぶ必要があることがわかりました。この記事を参考に、ぜひ美味しいお菓子作りを楽しんでくださいね。
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フランス料理・菓子・ワインとチーズ、薬膳を深く学ぶ。東京とパリのミシュランのフレンチレストランで修業。 現在は、海外から、飛行機で通うおもてなし料理教室とフランス菓子教室 ラクレムデクレムを東京駅から20分の新浦安駅すぐにて主宰するほか、FoodSNS(食のSNS)、くまの巻き(レシピサイト)運営、レシピ開発・製作・撮影、セミナー講師、執筆活動(現在 著書20冊)を行う。 きれいで美味しい健康レシピが得意なプロの料理研究家としてNHKテレビ出演はじめ、新聞・雑誌でもレシピをたびたび紹介。考え抜かれた成功法則に基づいた《かんたん/かわいい》レシピには、業界からも定評がある。 【略歴】 パリのフィリップ・コンチーニ氏の《ターブル・ダンベール》で修業 恵比寿《タイユヴァン・ロブション》勤務 ル・コルドンブルー料理学校パリ本校卒業グランディプロム取得 日本菓子専門学校卒業 国立北京中医薬大学日本校中医薬専科卒業 【資格】 製菓衛生師/JSA認定ソムリエ フランスチーズ鑑評騎士/国際中医薬膳師/国際中医師 【著書】 『卵1個のフレンチ』(日本ヴォーグ社) 『ワインとチーズを楽しむ生活』(河出書房) 『晩酌おつまみ』(コスミック出版) 『一生使える季節の飾り切り大全』(PHP研究所) 『かんたんかわいいデコロールケーキの作り方』/『かんたんかわいいプリントクッキーの作り方』(メディアソフト社) ほか合計20冊