色鉛筆セットの選び方 大人や子供におすすめ!
イラストレーター/絵本作家のおさだ かずなさんに、色鉛筆セットの選び方のポイントを教えてもらいました。
どんな絵が描きたいかで芯のかたさを選ぶ
イラストレーター/絵本作家
マルチに使いたいなら中硬筆の鉛筆を選ぼう
どんな表現で絵を描きたいかによって、おすすめする芯のかたさが変わってきます。
ボタニカル調(植物画など)のような緻密な絵を描きたい場合は、硬質の芯をできるだけ尖らせて薄く塗り重ねて描きます。目のこまかい紙との相性がいいです。
やわらかな色鉛筆の風合いを活かしたイラストを描きたい場合は、軟質の芯を使用します。少し先の丸くなった芯で描くことで、紙の凹凸を活かした味わいのある仕上がりに。少し目の粗い紙を使うことで表現できます。
とくにイメージする絵柄がない場合は、中硬質の芯を選んでおくと、別の色鉛筆と併用しやすくマルチに使えます。
DERWENT(ダーウェント)『カラーソフト メタルケース 72色セット(0701029)』
軟質の芯が特徴の色鉛筆セットです。やわらかみのある絵をかくときに向いています。
>> Amazonで詳細を見る色数は多色であるほどいい
イラストレーター/絵本作家
初めは24~36色で買い足ししても
色鉛筆は絵の具と異なり、紙のうえで少しずつ色を塗り重ねてイメージした色を作ります。そのため、できるだけたくさん色数があったほうが表現しやすく、中間色があればあっただけ繊細でナチュラルなグラデーションを作りやすくなります。ブランドやメーカーによって発色の仕方やノリが違うので、お好みで選んでみてください。
はじめて色鉛筆を購入する方には、24~36色くらいのものをおすすめします。描いていくうちにほしい色が出てきますので、バラ売りしている色鉛筆をチョイスすると便利です。
Faber-Castell(ファーバーカステル)『アルブレヒト・デューラー 水彩色鉛筆36色(#117536)』
全36色の色鉛筆セットです。色鉛筆のアナログ感を活かした仕上がりが楽しめます。
>> Amazonで詳細を見る子供や大人など自分の手にしっくりくる色鉛筆を
イラストレーター/絵本作家
子供か大人か、持つ人によって形を選ぼう
断面が三角形や六角形、丸型になっているもの、グリップにつぶつぶがついたものからフラットなものまで、ブランドやメーカーによって形状や太さがさまざまです。長時間握って描くものなので、自分の手に合った形状の色鉛筆を選んでみてください。
ペンだこの防止や、できてしまったペンだこの痛みの緩和にジェルクッションを併用するのもいいですよ。私自身、とても重宝しています。
しかし、まずは長時間描いてもペンだこになりにくい色鉛筆を選ぶようにしましょう。
「水彩色鉛筆」と「油性色鉛筆」について
イラストレーター/絵本作家
水彩画や油絵タッチを表現したいなら重視
色鉛筆は水や油などを使用し、絵の具風に表現する技法があります。
水彩色鉛筆で薄く塗り重ねたうえに水を含ませた筆でなぞったり、直接芯から筆に色をとって着彩したりすることで水彩画風のタッチで表現することができます。油性色鉛筆も同様にキャンバスとペインティングオイルなどを使用することで油絵のような表現が可能です。
水彩色鉛筆のほうが水を使用するぶん手軽で、ペインティングオイルを使用する場合は乾くのに1週間程度かかるので注意が必要。水や油を使用して着彩しない場合はどちらでもほぼ同様の表現ができるので、このふたつの特性はあまり重要ではありません。
使い心地のよさや、色みの好みなどで色鉛筆を選んでいただいて大丈夫です。自分が描きたい絵が表現できる色鉛筆選びを楽しんでください。
色鉛筆セットおすすめ7選 人気のファーバーカステルやトンボ、三菱など!
上で紹介した色鉛筆セットの選び方のポイントをふまえて、イラストレーター/絵本作家のおさだ かずなさんにと編集部が選んだおすすめ商品を紹介します。

Faber-Castell(ファーバーカステル)『水彩色鉛筆 丸缶 36色(TFC-115936)』




















出典:Amazon
種類 | 水性 |
---|---|
色数 | 36色 |
バラ売りの有無 | × |
使いやすい色が多く価格も手頃! 初心者におすすめ
この商品は、私が色鉛筆画を描きはじめたときから使用していて、今でも愛用している色鉛筆です。初心者でも手が出しやすい価格帯ですので、「本格的な色鉛筆はちょっとハードルが高いな……。」と思っている方は、この色鉛筆からはじめてみるのがおすすめです。
使いやすい色が多く、コンパクトな丸缶は持ち運びにも便利です。缶の底に筆洗(ひっせん)代わりになるキャップと細い筆がついていますので、幅広い表現を試すことができます。
バラ売りしておらず、色は薄づきで退色しやすく保存に向いていませんが、かための芯でこまかい絵に適しているのが特徴です。

Faber-Castell(ファーバーカステル)『アルブレヒト・デューラー 水彩色鉛筆36色(#117536)』
















出典:Amazon
種類 | 水性 |
---|---|
色数 | 36色 |
バラ売りの有無 | ○ |

DERWENT(ダーウェント)『スタジオ メタルケース 72色セット(32201)』
















出典:Amazon
種類 | 油性 |
---|---|
色数 | 72色 |
バラ売りの有無 | × |

DERWENT(ダーウェント)『カラーソフト メタルケース 72色セット(0701029)』




















出典:Amazon
種類 | 油性 |
---|---|
色数 | 72色 |
バラ売りの有無 | - |

Charandache(カランダッシュ)プリマズロ『アクアレル 30色セット』






出典:Amazon
種類 | 水性 |
---|---|
色数 | 30色 |
バラ売りの有無 | × |
トンボ鉛筆『色鉛筆NQ シリーズ36色』
















出典:Amazon
種類 | 水性 |
---|---|
色数 | 36色 |
バラ売りの有無 | - |
三菱鉛筆『色鉛筆 880 36色』


















出典:Amazon
種類 | 水性 |
---|---|
色数 | 36色 |
バラ売りの有無 | - |
「色鉛筆セット」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする 色鉛筆セットの売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでの色鉛筆セットの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
色鉛筆セットは重ね塗りやイラストなどマルチに使える イラストレーター/絵本作家が教える
イラストレーター/絵本作家
初心者からプロまで使える画材
色鉛筆は、準備や後片付けの手間が比較的少なく、初心者でも扱いやすい画材です。緻密な塗りのリアルテイストな絵柄から、ふわふわとした温かみのあるタッチまで、幅広い表現をすることができます。他の画材との併用もしやすく、持っていると便利な画材の一つでもあります。
少しずつ描き進めていくので下絵をきちんと描いておけば失敗しづらく、失敗してしまった場合でも消しゴムや練り消しゴムで修正することができます。同系色の色を重ねれば美しく発色し、反対色や明度の低い色を重ねれば深みが増します。
塗れば塗っただけ絵のクオリティが上がるので、変化を楽しみながら描くことができますよ。細かい作業が好きな方におすすめです。
色鉛筆セットだけじゃなく紙質にもこだわる 仕上がりを左右するのは?
イラストレーター/絵本作家
描きたい作品によって紙も一緒に選ぼう
自分に合った色鉛筆を選ぶことと同じくらい、紙選びも大切な作業。同じ色鉛筆で同じものを描いても、紙によって仕上がりがまったく異なってしまいます。
緻密な塗りの絵を描きたい場合はできるだけ目のこまかいヴィフアール細目のような紙、やわらかな色鉛筆の風合いを活かしたイラストを描きたい場合はマーメイド紙などの少し目の粗い紙を使用するなど、自分の表現したい絵柄に合わせた紙選びをすることが重要です。
また、水を使用する場合は、厚みのある水彩用の画用紙やイラストボードを使うことで、紙を歪ませにくくすることができます。色鉛筆との相性や、自分の表現したい絵のテイストに合わせた紙選びを楽しんでください。
色鉛筆画の魅力は、終わりがないことだと思います。私自身、色鉛筆で着彩し少しずつ色を重ねるひとときは、自分自身と向き合う大切な時間になっています。絵やイラストに決まりはありません。描くモチーフも、重ねる色も、完成にするタイミングもすべて自由です。みなさんにしか描けない、自由で美しい色鉛筆画を楽しんでください。
※「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。
※商品スペックについて、メーカーや発売元のホームページなどで商品情報を確認できない場合は、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。
※マイナビおすすめナビでは常に情報の更新に努めておりますが、記事は掲載・更新時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。修正の必要に気付かれた場合は、ぜひ、記事の下「お問い合わせはこちら」からお知らせください。(掲載:マイナビおすすめナビ編集部)
※2020/12/03 一部コンテンツと価格を更新しました。(マイナビおすすめナビ編集部 大熊武士)
広告・店舗装飾・アパレルブランドとのコラボなど幅広い分野で活動。 クライアントワークを中心に、手がけるすべてのイラストに独自のストーリーや背景を持たせた作品を制作している。 色鉛筆のみで緻密に塗り重ねた繊細なグラデーションと少し陰のある独特な世界観が特徴。 絵本作家としてスターバックスコーヒー「Drip Circus(ドリップサーカス)」、AR絵本「プリンセス・プーパックとナオ」を出版。