色鉛筆セットの選び方 大人や子供におすすめ!
イラストレーター/絵本作家のおさだ かずなさんに、色鉛筆セットの選び方のポイントを教えてもらいました。
油性か水性か種類で選ぶ 技法で使い分ける
色鉛筆には、油性色鉛筆と水性色鉛筆の2種類があります。また、水や油などを使用し、絵の具風に表現する技法があります。それぞれどのような違いがあるのでしょうか。
油性色鉛筆:絵の具の重ね塗りで油絵タッチに
油性色鉛筆は発色がよく子どもから大人、アーティストまで幅広く使用されている色鉛筆です。
水をはじく顔料でつくられているため、絵の具の重ね塗りなども楽しむことができ、キャンバスとペインティングオイルなどを使用することで油絵のような表現が可能です。
また、比較的価格が安いため子ども向けや初心者の方はこちらを選ぶとよいでしょう。
水彩色鉛筆:手軽で水彩画風に
水彩色鉛筆は水性色鉛筆とも呼ばれています。水彩色鉛筆で薄く塗り重ねたうえに水を含ませた筆でなぞったり、直接芯から筆に色をとって着彩したりすることで、水彩画風のタッチで表現することができます。
水彩色鉛筆のほうが水を使用するぶん手軽で、ペインティングオイルを使用する場合は乾くのに1週間程度かかるので注意が必要です。
なお、水や油を使用して着彩しない場合はどちらでもほぼ同様の表現ができます。そのため使い心地のよさや、色みの好みなどで色鉛筆を選んでいただいて大丈夫です。
芯の硬さで選ぶ
色鉛筆の芯には「硬質」「中硬質」「軟質」の3種類があります。どんな表現で絵を描きたいかによって、おすすめする芯のかたさが変わってきます。
硬質:繊細な線や画を描きたい人におすすめ
硬質の芯は、ボタニカル調(植物画など)のような緻密な絵を描きたい場合におすすめです。硬質の芯をできるだけ尖らせて薄く塗り重ねて描いていきます。目のこまかい紙との相性がよく、繊細な線や画を描く製図やマンガなどにむいているでしょう。
軟質:表現の幅を広げたい人におすすめ
やわらかな色鉛筆の風合いを活かしたイラストを描きたい場合は、軟質の芯を使用します。少し先の丸くなった芯で描くことで、紙の凹凸を活かした味わいのある仕上がりになるからです。少し目の粗い紙を使うことでがポイントです。
また、発色と伸びがよいのが特徴で、プラスチックや金属などにも描くことができ、表現の幅がひろがります。
中硬質:塗り絵などマルチに使いたい人におすすめ
とくにイメージする絵柄がない場合は、中硬質の芯を選んでおくと、別の色鉛筆と併用しやすくマルチに使えます。塗り絵など全般に使用したい人におすすめです。
カラーバリエーション(本数)で選ぶ
色鉛筆は絵の具と異なり、紙のうえで少しずつ色を塗り重ねてイメージした色を作ります。そのため、できるだけたくさん色数があったほうが表現しやすくなります。
12色:幼稚園や小学校低学年におすすめ
市販の色鉛筆セットでは一番本数が少ないものになります。黒、赤、青といった基本のカラーが含まれています。そのため、幼稚園や小学校といった小さなお子さんにおすすめでしょう。
ただ、小さなお子さんには取り扱いに十分注意してください。
24色:グラデーションも描きたい人におすすめ
24色になると、白や金、銀のほか、基本の色における中間色も含まれます。中間色はあればあるだけ繊細でナチュラルなグラデーションを作りやすくなります。
小学校高学年になってくると、ある程度繊細な色使いができるようになるので、12色で物足りなくなってきたら24色にするとよいでしょう。
36色:大人が利用するのにおすすめ
36色は大人が利用するのに最適な本数でしょう。少なすぎず多すぎず、大人の塗り絵などにぴったりです。
はじめて色鉛筆を購入する方には、36色くらいまでのものをおすすめします。描いていくうちにほしい色が出てきますので、その時はバラ売りしている色鉛筆をチョイスすると便利です。
代表的なメーカー・ブランドで選ぶ
ブランドやメーカーによって発色の仕方やノリ、価格など特徴がかわってきます。ここでは代表的なメーカー・ブランドを紹介します。
ファーバーカステル
1761年設立で世界最古参のドイツの鉛筆メーカーです。画家やイラストレーターなど、世界中のプロから愛されているメーカーです。値は少々はりますが、なめらかな描き心地と鮮やかな発色の良さが特徴のハイブランド仕様です。
ダーウェント
世界中のアーティストに信頼されているイギリスの鉛筆・色鉛筆ブランドです。 アーティストのニーズや目標に対応できるよう、デッサンの基礎となるグラファイト鉛筆からイノベイティブな色鉛筆まで幅広い画材を展開しています。繊細でナチュラルな色みとノリが特徴です。
ステッドラー
製図用品が世界的に有名なドイツの文具メーカー。芯折れを防止する独自技術のABS加工がほどこしつつも、柔らかな描き心地を実現しています。子ども用も大人用も多数のラインナップを取り揃えており、価格もそれほど高いというわけではありません。
トンボ鉛筆
いわずとしれた日本の老舗文具メーカーです。海外のブランドと比較すると発色や種類が豊富なわけではありませんが、子どもの頃から使い慣れた安心のジャパンブランドです。価格もお手頃ではじめて買う色鉛筆としておすすめです。
油性色鉛筆セットのおすすめ5選 人気のダーウェントやトンボ、三菱など!
上で紹介した色鉛筆セットの選び方のポイントをふまえて、イラストレーター/絵本作家のおさだ かずなさんにと編集部が選んだおすすめ商品を紹介します。

DERWENT(ダーウェント)『スタジオ メタルケース 72色セット(32201)』
















出典:Amazon
種類 | 油性 |
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色数 | 72色 |
バラ売りの有無 | × |

DERWENT(ダーウェント)『カラーソフト メタルケース 72色セット(0701029)』




















出典:Amazon
種類 | 油性 |
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色数 | 72色 |
バラ売りの有無 | - |
トンボ鉛筆『色鉛筆NQ シリーズ36色』
















出典:Amazon
種類 | 油性 |
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色数 | 36色 |
バラ売りの有無 | - |
三菱鉛筆『色鉛筆 880 36色』


















出典:Amazon
種類 | 油性 |
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色数 | 36色 |
バラ売りの有無 | - |
サクラクレパス『色鉛筆 クーピー 60色』


















出典:Amazon
種類 | 油性 |
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色数 | 36色 |
バラ売りの有無 | - |
水彩色鉛筆セットのおすすめ5選 人気のファーバーカステルやステッドラーなど!

Faber-Castell(ファーバーカステル)『水彩色鉛筆 丸缶 36色(TFC-115936)』




















出典:Amazon
種類 | 水彩 |
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色数 | 36色 |
バラ売りの有無 | × |
使いやすい色が多く価格も手頃! 初心者におすすめ
この商品は、私が色鉛筆画を描きはじめたときから使用していて、今でも愛用している色鉛筆です。初心者でも手が出しやすい価格帯ですので、「本格的な色鉛筆はちょっとハードルが高いな……。」と思っている方は、この色鉛筆からはじめてみるのがおすすめです。
使いやすい色が多く、コンパクトな丸缶は持ち運びにも便利です。缶の底に筆洗(ひっせん)代わりになるキャップと細い筆がついていますので、幅広い表現を試すことができます。
バラ売りしておらず、色は薄づきで退色しやすく保存に向いていませんが、かための芯でこまかい絵に適しているのが特徴です。

Faber-Castell(ファーバーカステル)『アルブレヒト・デューラー 水彩色鉛筆36色(#117536)』
















出典:Amazon
種類 | 水彩 |
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色数 | 36色 |
バラ売りの有無 | ○ |

Charandache(カランダッシュ)プリマズロ『アクアレル 30色セット』






出典:Amazon
種類 | 水彩 |
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色数 | 30色 |
バラ売りの有無 | × |
STAEDTLER(ステッドラー)『 カラト水彩色鉛筆 125M24 24色』
![ステッドラーカラト水彩色鉛筆125M2424色ホビーエトセトラ画材絵具その他の画材絵具top1-ds-1293100-sd5-ah[独自簡易包装]](/assets/loading-gif-831efa60fcaad8b543579bb1809cf3a0cded0accde7b020d68cf390d70415d6c.gif)
出典:Amazon
種類 | 水彩 |
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色数 | 24色 |
バラ売りの有無 | 〇 |
スタビロ『水彩色鉛筆 アクアカラー 36色』
















出典:Amazon
種類 | 水彩 |
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色数 | 36色 |
バラ売りの有無 | 〇 |
「色鉛筆セット」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする 色鉛筆セットの売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでの色鉛筆セットの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
イラストレーター/絵本作家からのアドバイス きれいに描くために
イラストレーター/絵本作家
色鉛筆は初心者からプロまで使える画材
色鉛筆は、準備や後片付けの手間が比較的少なく、初心者でも扱いやすい画材です。緻密な塗りのリアルテイストな絵柄から、ふわふわとした温かみのあるタッチまで、幅広い表現をすることができます。他の画材との併用もしやすく、持っていると便利な画材の一つでもあります。
少しずつ描き進めていくので下絵をきちんと描いておけば失敗しづらく、失敗してしまった場合でも消しゴムや練り消しゴムで修正することができます。同系色の色を重ねれば美しく発色し、反対色や明度の低い色を重ねれば深みが増します。
塗れば塗っただけ絵のクオリティが上がるので、変化を楽しみながら描くことができますよ。
イラストレーター/絵本作家
描きたい作品によって紙も一緒に選ぼう
自分に合った色鉛筆を選ぶことと同じくらい、紙選びも大切な作業。同じ色鉛筆で同じものを描いても、紙によって仕上がりがまったく異なってしまいます。
緻密な塗りの絵を描きたい場合はできるだけ目のこまかいヴィフアール細目のような紙、やわらかな色鉛筆の風合いを活かしたイラストを描きたい場合はマーメイド紙などの少し目の粗い紙を使用するなど、自分の表現したい絵柄に合わせた紙選びをすることが重要です。
また、水を使用する場合は、厚みのある水彩用の画用紙やイラストボードを使うことで、紙を歪ませにくくすることができます。色鉛筆との相性や、自分の表現したい絵のテイストに合わせた紙選びを楽しんでください。
色鉛筆画の魅力は、終わりがないことだと思います。私自身、色鉛筆で着彩し少しずつ色を重ねるひとときは、自分自身と向き合う大切な時間になっています。絵やイラストに決まりはありません。描くモチーフも、重ねる色も、完成にするタイミングもすべて自由です。みなさんにしか描けない、自由で美しい色鉛筆画を楽しんでください。
まとめ
これまで色鉛筆セットの選び方とおすすめの商品を紹介してきました。
子どもに買ってあげるもよし、自分の趣味として使うもよし、あなたにぴったりの色鉛筆を見つけて、おうち時間を楽しんでみてはいかがでしょうか。
※「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。
※商品スペックについて、メーカーや発売元のホームページなどで商品情報を確認できない場合は、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。
※マイナビおすすめナビでは常に情報の更新に努めておりますが、記事は掲載・更新時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。修正の必要に気付かれた場合は、ぜひ、記事の下「お問い合わせはこちら」からお知らせください。(掲載:マイナビおすすめナビ編集部)
※2021/04/02 一部コンテンツと価格を更新しました。(マイナビおすすめナビ編集部 大熊武士)
広告・店舗装飾・アパレルブランドとのコラボなど幅広い分野で活動。 クライアントワークを中心に、手がけるすべてのイラストに独自のストーリーや背景を持たせた作品を制作している。 色鉛筆のみで緻密に塗り重ねた繊細なグラデーションと少し陰のある独特な世界観が特徴。 絵本作家としてスターバックスコーヒー「Drip Circus(ドリップサーカス)」、AR絵本「プリンセス・プーパックとナオ」を出版。