「色鉛筆セット」のおすすめ商品の比較一覧表
色鉛筆セットの選び方 大人や子供におすすめ!
イラストレーター/絵本作家のおさだ かずなさんに、色鉛筆セットの選び方を教えてもらいました。ポイントは以下です。
【1】種類(油性・水性)
【2】芯の硬さ(硬質・軟質・中硬質)
【3】カラーバリエーション(本数)
【4】代表的なメーカー・ブランドから選ぶ
それぞれ詳しく見ていきましょう。
【1】油性か水性か種類で選ぶ 技法で使い分ける
色鉛筆には、油性色鉛筆と水性色鉛筆の2種類があります。また、水や油などを使用し、絵の具風に表現する技法があります。それぞれどのような違いがあるのでしょうか。
油性色鉛筆:絵の具の重ね塗りで油絵タッチに
油性色鉛筆は発色がよく子どもから大人、アーティストまで幅広く使用されている色鉛筆です。
水をはじく顔料でつくられているため、絵の具の重ね塗りなども楽しむことができ、キャンバスとペインティングオイルなどを使用することで油絵のような表現が可能です。
また、比較的価格が安いため子ども向けや初心者の方はこちらを選ぶとよいでしょう。
水彩色鉛筆:手軽で水彩画風に
水彩色鉛筆は水性色鉛筆とも呼ばれています。水彩色鉛筆で薄く塗り重ねたうえに水を含ませた筆でなぞったり、直接芯から筆に色をとって着彩したりすることで、水彩画風のタッチで表現することができます。
水彩色鉛筆のほうが水を使用するぶん手軽で、ペインティングオイルを使用する場合は乾くのに1週間程度かかるので注意が必要です。
なお、水や油を使用して着彩しない場合はどちらでもほぼ同様の表現ができます。そのため使い心地のよさや、色みの好みなどで色鉛筆を選んでいただいて大丈夫です。
【2】芯の硬さで選ぶ
色鉛筆の芯には「硬質」「中硬質」「軟質」の3種類があります。どんな表現で絵を描きたいかによって、おすすめする芯のかたさが変わってきます。
硬質:繊細な線や画を描きたい人におすすめ
硬質の芯は、ボタニカル調(植物画など)のような緻密な絵を描きたい場合におすすめです。硬質の芯をできるだけ尖らせて薄く塗り重ねて描いていきます。目のこまかい紙との相性がよく、繊細な線や画を描く製図やマンガなどにむいているでしょう。
軟質:表現の幅を広げたい人におすすめ
やわらかな色鉛筆の風合いを活かしたイラストを描きたい場合は、軟質の芯を使用します。少し先の丸くなった芯で描くことで、紙の凹凸を活かした味わいのある仕上がりになるからです。少し目の粗い紙を使うことがポイントです。
また、発色と伸びがよいのが特徴で、プラスチックや金属などにも描くことができ、表現の幅がひろがります。
中硬質:塗り絵などマルチに使いたい人におすすめ
とくにイメージする絵柄がない場合は、中硬質の芯を選んでおくと、別の色鉛筆と併用しやすくマルチに使えます。塗り絵など全般に使用したい人におすすめです。
【3】カラーバリエーション(本数)で選ぶ
色鉛筆は絵の具と異なり、紙のうえで少しずつ色を塗り重ねてイメージした色を作ります。そのため、できるだけたくさん色数があったほうが表現しやすくなります。
12色:幼稚園や小学校低学年におすすめ
市販の色鉛筆セットでは一番本数が少ないものになります。黒、赤、青といった基本のカラーが含まれています。そのため、幼稚園や小学校といった小さなお子さんにおすすめでしょう。
ただ、小さなお子さんには取り扱いに十分注意してください。
24色:グラデーションも描きたい人におすすめ
24色になると、白や金、銀のほか、基本の色における中間色も含まれます。中間色はあればあるだけ繊細でナチュラルなグラデーションを作りやすくなります。
小学校高学年になってくると、ある程度繊細な色使いができるようになるので、12色で物足りなくなってきたら24色にするとよいでしょう。
36色:大人が利用するのにおすすめ
36色は大人が利用するのに最適な本数でしょう。少なすぎず多すぎず、大人の塗り絵などにぴったりです。
はじめて色鉛筆を購入する方には、36色くらいまでのものをおすすめします。描いていくうちにほしい色が出てきますので、その時はバラ売りしている色鉛筆をチョイスすると便利です。
【4】代表的なメーカー・ブランドで選ぶ
ブランドやメーカーによって発色の仕方やノリ、価格など特徴がかわってきます。ここでは代表的なメーカー・ブランドを紹介します。
ファーバーカステル
1761年設立で世界最古参のドイツの鉛筆メーカーです。画家やイラストレーターなど、世界中のプロから愛されているメーカーです。値は少々はりますが、なめらかな描き心地と鮮やかな発色の良さが特徴のハイブランド仕様です。
ダーウェント
世界中のアーティストに信頼されているイギリスの鉛筆・色鉛筆ブランドです。 アーティストのニーズや目標に対応できるよう、デッサンの基礎となるグラファイト鉛筆からイノベイティブな色鉛筆まで幅広い画材を展開しています。繊細でナチュラルな色みとノリが特徴です。
ステッドラー
製図用品が世界的に有名なドイツの文具メーカー。芯折れを防止する独自技術のABS加工がほどこしつつも、柔らかな描き心地を実現しています。子ども用も大人用も多数のラインナップを取り揃えており、価格もそれほど高いというわけではありません。
トンボ鉛筆
いわずとしれた日本の老舗文具メーカーです。海外のブランドと比較すると発色や種類が豊富なわけではありませんが、子どもの頃から使い慣れた安心のジャパンブランドです。価格もお手頃で、はじめて買う色鉛筆としておすすめです。
油性色鉛筆セットのおすすめ5選 人気のダーウェントやトンボ、三菱など!
上で紹介した色鉛筆セットの選び方のポイントをふまえて、イラストレーター/絵本作家のおさだ かずなさんと編集部が選んだおすすめ商品を紹介します。
幅広い分野で使われる定番の色鉛筆
三菱鉛筆の880級は、日本国内で多く普及しているスタンダードな製品です。そのため初めての色鉛筆が本商品と言う方が、リピートしてご購入されるのも本商品の特徴です。長い間、安心して多くの人たちに使用されてきた実績と信頼性がある色鉛筆なので、親子代々と受け継がれているのかもしれません。

とにかく美しい繊細な色みと豊富な色数
硬質の芯でこまかい描写がしやすく、落ち着いた美しい色みが豊富なシリーズです。絶妙な色の刻みで展開されているため、繊細なグラデーションを作ることが可能。発色とノリがすぐれている色鉛筆はほかにもありますが、こちらはナチュラルな色みで優しい表現ができます。
私は絵柄によって、こちらのシリーズをメインに使用して製作することもあります。「この色がほしかった!」と思える、ダーウェントにしかない色があり、重宝している色鉛筆のひとつ。ハッキリとした原色のような色みが苦手な方におすすめです。

パステル画のようなやわらかい表現におすすめ!
ご紹介する色鉛筆のなかでも、とくに軟質の芯の色鉛筆。ダーウェント特有の繊細でナチュラルな色みが美しく、パステルやクレヨンに近いなめらかな描き心地は、描いていて楽しいです。
パステル画のこまかい部分や、大きな絵を描く方におすすめ。私のような緻密な塗りをする方にとっては使いづらいかもしれませんが、やわらかで温かみのある表現に向いている色鉛筆なのでおすすめです。
定番トンボ鉛筆のロングセラー色鉛筆
いわずとしれた定番トンボ鉛筆の人気ロングセラー商品です。鮮やかな発色、優れた定着性、滑らかな書き心地が魅力で世代を問わず幅広く利用されています。まず、紙への定着性に優れていますので、重ね塗りをしたさいの色の表現の幅を広げてくれます。そして、滑らかなタッチの書き心地を実現していますので、創造性を止めることもなく、鮮やかな発色を保ちながら描くことができます。
軸全体が芯の色鉛筆でキッズに大人気
色鉛筆の書きやすさとクレヨンの持つ発色を生かした新しいタイプの色鉛筆で、時代を問わず子どもに大人気の商品です。折れにくく、描いた画が消せ、軸全体が色鉛筆というのが最大の特徴。クーピー消しゴム・クーピー削り器付き。
水彩色鉛筆セットのおすすめ5選 人気のファーバーカステルやステッドラーなど!

使いやすい色が多く価格も手頃! 初心者におすすめ
この商品は、私が色鉛筆画を描きはじめたときから使用していて、今でも愛用している色鉛筆です。初心者でも手が出しやすい価格帯ですので、「本格的な色鉛筆はちょっとハードルが高いな……。」と思っている方は、この色鉛筆からはじめてみるのがおすすめです。
使いやすい色が多く、コンパクトな丸缶は持ち運びにも便利です。缶の底に筆洗(ひっせん)代わりになるキャップと細い筆がついていますので、幅広い表現を試すことができます。
バラ売りしておらず、色は薄づきで退色しやすく保存に向いていませんが、かための芯でこまかい絵に適しているのが特徴です。

落ち着いた色みが多くマルチに使える!
あざやかすぎない落ち着いた色が多く、ナチュラルな色みのグラデーションを作りやすい色鉛筆。ノリがよく芯がやわらかいので、紙質や色鉛筆のアナログ感を活かしたイラストにおすすめです。
この色鉛筆だけで緻密な塗りの色鉛筆画を描くことは難しいですが、硬質の色鉛筆と併用することでバランスが取れます。使い方次第でやわらかなタッチも緻密な表現もできる、使い勝手のいいマルチな色鉛筆です。
水彩絵の具にもなる色鉛筆
絵筆で水と混ぜることによって色々な遊び方が楽しめるスタビロの水彩色鉛筆です。ディテールにこだわった細かい描写が可能で、柔らかすぎず固すぎない、ほどよい滑らかな描き味が特徴です。六角形のボディーが書き手にしっかりとなじむのもうれしいポイントです。

芯先が丸くなりづらく、なめらかな描き心地
芯先をとがらせて描いても安定感があり、なめらかな描き心地で大変使いやすい色鉛筆です。他社ブランドの色鉛筆よりも芯が細めで硬質なため、芯先が丸くなりにくく細かい作業に向いています。
全体的に細めに作られている色鉛筆なので、お子様や手が小さい方でも握りやすいと思います。上品な発色とノリのよさが特徴で、自然な色みが多くバラ売りもこまかく展開されているので、長く付き合っていける色鉛筆です。
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする 色鉛筆セットの売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでの色鉛筆セットの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
色鉛筆は初心者からプロまで使える画材 イラストレーター/絵本作家からのアドバイス
色鉛筆は、準備や後片付けの手間が比較的少なく、初心者でも扱いやすい画材です。緻密な塗りのリアルテイストな絵柄から、ふわふわとした温かみのあるタッチまで、幅広い表現をすることができます。他の画材との併用もしやすく、持っていると便利な画材の一つでもあります。
少しずつ描き進めていくので下絵をきちんと描いておけば失敗しづらく、失敗してしまった場合でも消しゴムや練り消しゴムで修正することができます。同系色の色を重ねれば美しく発色し、反対色や明度の低い色を重ねれば深みが増します。
塗れば塗っただけ絵のクオリティが上がるので、変化を楽しみながら描くことができますよ。
そのほかの色鉛筆に関連する記事はこちら 【関連記事】
あなたにぴったりの色鉛筆を
これまで色鉛筆セットの選び方とおすすめの商品を紹介してきました。
子どもに買ってあげるもよし、自分の趣味として使うもよし、あなたにぴったりの色鉛筆を見つけて、おうち時間を楽しんでみてはいかがでしょうか。
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広告・店舗装飾・アパレルブランドとのコラボなど幅広い分野で活動。 クライアントワークを中心に、手がけるすべてのイラストに独自のストーリーや背景を持たせた作品を制作している。 色鉛筆のみで緻密に塗り重ねた繊細なグラデーションと少し陰のある独特な世界観が特徴。 絵本作家としてスターバックスコーヒー「Drip Circus(ドリップサーカス)」、AR絵本「プリンセス・プーパックとナオ」を出版。