家庭用スモーカーの選び方 アウトドアカフェの代表に聞く
アウトドアカフェBASE CAMP代表・A-sukeさんに、家庭用のスモーカーを選ぶときのポイントを教えてもらいました。
何よりまずサイズが大事
家庭用スモーカーを選ぶ上で、まずはサイズがとにかく大事。スモーカー以上のサイズの食材は燻(いぶ)せないからです。
小型のスモーカーは、少ない空間で燻すので煙の量も少なく、短時間で済むためその日に食べる分をチャチャっと作るのには向いています。ただし、大きな食材は燻せないし熱も必要以上に上がりやすいのがデメリット。
大きいスモーカーは、大きな食材やたくさんの燻製を仕込めますが、片づけるときに場所を取ります。組み立て式だと小さくしまえるものの、組み立て作業が少々面倒。煙の量も多く必要で、熱を上げるのにも時間がかかり、製品によっては温度が上がりきらない場合もあります。
どちらも一長一短なのでよく考えて選びましょう。
扱いやすさを求めるなら横置き型、大きいものを燻すなら縦置き型を選ぶ
スモーカーは大きく分けると2タイプあり、横置き型と縦置き型があります。
横置き型は、シンプルで使いやすいものが多いです。ただし、大きいものを仕込んだり、量を多く仕込んだりするのには向いていません。
縦置き型は、魚やお肉のブロックを吊るして燻せたり、2段にしてたくさんの食材を燻すことが可能。ただ、フックを吊るすと熱でお肉がちぎれたりするのでやや上級者向けです。
衛生面? コスパ? 重視するポイントで素材を選ぶ
素材は大きく分けるとステンレス製と陶器製、段ボール製の3種類。
ステンレス製は強力な洗剤で丸洗いできて衛生的にもいいです。薄い素材なので手を切らないよう注意しましょう。
陶器製は、シンプルで使いやすいですが、落とすと破損することもあります。段ボール製は、燃えやすく気を遣う上に耐久性にも難あり。一方で吸湿性が高くコストがかからないなど、ほかの素材にない利点もあります。
家庭用スモーカー9選! アウトドアカフェの代表が厳選
うえで紹介した家庭用スモーカーの選び方のポイントをふまえて、アウトドアカフェBASE CAMP代表・A-sukeさんに選んでもらったおすすめ商品を紹介します。

2段で燻せる永遠のスタンダード
迷ったらこれを買っておけばいいと思うほどの完成度を誇る製品。家庭用としては大きいものの、2段になるのがすばらしい点です。高さのある食材は1段のみでも使えますし、魚のような長いものもOK。面積も広いので一度にたくさんの燻製が仕込めます。
汁受けの中皿があるので、ベーコンなど脂が滴るものを安心して燻せるのもうれしいポイント。一枚のステンレスを四角くプレスして作ってあるので、角までとても洗いやすく使いやすいです。
マイナス点としては、収納するのに少々場所を取ることと、少ししか燻さない人には使いきれないこと。値段もほかと比べると少しお高めです。

ミニサイズでも気の利くアメリカンスモーカー
スノーピークのコンパクトスモーカーを1段にしたような商品です。サイズ展開が2種類あり、今回おすすめするのは小さいほう。大きいサイズのスモーカーでは持て余してしまう人に最適のサイズ感です。
小さいながら中皿があるので脂がでる食材も問題なし。折りたたみの取っ手も使いやすいです。スライド式のフタは少し使いにくいものの、かんたんには外れないので保管時も輸送時も便利。
唯一の難点は高さのある食材に対応していないことです。

短時間で燻製できる! はじめてにおすすめ
2種の形があり、Coroは丸みのあるかわいいデザインとなっています。Donのほうは角があるぶん食材がフタに触れにくいのが特徴。
温度計もついていてコストも低めなので安心して燻製デビューができる内容。陶器製なので熱を維持しやすく体積も小さいので短時間で燻製が仕上がります。
SOTOはたくさんの燻製器をリリースしているブランドですが、この商品はとくに他社のスモーカーと差別化できていておすすめです。

魔法瓶の技術が実現した唯一無二の保温燻製器
見た目がシンプルで穴が開いてない土鍋のようですが、魔法瓶と同じ構造の保温容器が組み合わさっている特徴を持つスモーカーです。
保温容器のおかげで火にかけている時間が短く、安全に燻すことが可能。ガス代も節約できます。
アウトドアでは、保温用器に移している間に、空いたガスストーブでもう一品作ることができて時短にもなります。使い方が少し特殊ですが、レシピブックもついてくるので、すぐに慣れることができるでしょう。

バランス感にすぐれたステンレス製丸型スモーカー
丸型のステンレスで2段という、ありそうでほかにないスモーカー。丸型のスモーカーはシンプルで使いやすいものの、陶器製品が多い傾向があります。この商品はステンレス製で落としても割れないため、より扱いやすくて洗いやすいのが魅力。
深くて網も2段なので、量を多く仕込めないという丸型スモーカーのデメリットを見事に克服しています。取っ手も木製で熱くならず、全体的にハイクオリティ。価格も控えめでコストパフォーマンスも高い商品です。

折りたたみかんたん! 縦型随一の使いやすさ
ロングのほかに普通のサイズもありますが、ここではロングをおすすめ。折りたたみの仕組みがかんたんでパッと使えてパッとしまえるため、縦型としてひじょうに使いやすくなっています。
取っ手がついているので熱々でも移動がラク。網も3段もあるので量が多く仕込めて、縦の長さもじゅうぶん。吊るして燻すのもOK。オプションで温度計も差し込めます。
三角形なので1段の面積が小さいことと、横の扉が少し小さいので食材によっては並べるのに苦労するかもしれません。

吊るしで燻すならコレ! 本格縦型スモーカー
こちらは同じユニフレームの商品のなかでも、本格的な縦型スモーカー。大きく使えて小さくしまえる縦型スモーカーで、折り畳みの方式が他のものと比較するとかんたんで秀逸。手も汚れにくくなっています。
汁受けの中皿がついてくるほか、フックが横に移動しないようにギザギザをつける工夫が。扉も大きくて食材が入れやすく、オプションで温度計もつけられます。
さらには、フタの裏にタールや水分を吸い取る紙がセットできたりと、とにかく気が利いた商品。吊るしで燻すなら大本命です。

お試し感覚で使えるコスパ抜群の段ボールスモーカー
コストパフォーマンスにすぐれた段ボールのスモーカー。実はこの商品、スモークチップが使えません。アルミ皿のうえでスモークウッドという集成材を燃やして燻すので、かんたんですが時間がかかります。
また、軽量で持ち運びはラクですが、アウトドアで使うときは風で飛ばないように注意が必要。制約はあるもののスモーカーとしての能力はじゅうぶんなので、まずは燻製をしてみたい! という人にはおすすめです。

美しさと機能性を兼ね備えた小型スモーカー
特徴的な形が目を引くスモーカー。とにかくデザインと質感がほかのスモーカーと比較しても頭ひとつ抜けていることに尽きます。もちろんスモーカーとしての使いやすさも優秀。
スモークウッドを使用する場合は本体のスリットから酸素を取り入れて、スモークチップのときはステンレスの中皿を使って穴をふさぐという気が利いた設計となっています。
上部にある穴は木のハンドルを回すとふさげるので、煙の抜ける量を調整することが可能。見た目だけじゃない機能が魅力ですが、少し価格が高めです。
商品の特性を読み解いて自分に合った家庭用スモーカーを アウトドアカフェの代表からアドバイス
大きさも形も素材もさまざまなスモーカー。商品の特性がそこから見えてくるはずです。自分にとって適したスモーカーかどうかを見極めましょう。
初心者はかんたんにスモークできることが重要。まずは一台スモーカーを購入してみて、スモークのある人生の一歩を踏み出してみましょう。
そのうち自分のスタイルができて、そのころには自分のこだわりをかなえてくれるスモーカーが現れるはずです。
自宅で気軽に! 家庭用スモーカーをさらに紹介
いろいろ比べて選びたい人のために、さらにいくつか商品を紹介しましょう。
「家庭用スモーカー」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする 家庭用スモーカーの売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでの家庭用スモーカーの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
家庭用スモーカーひとつあればおいしい燻製料理を楽しめる
大容量のものから収納に便利な折りたたみ式もの、保温性にすぐれたものまでスモーカーの種類もさまざま。家庭用スモーカーを一台持っておくと、料理の幅がぐっと広がります。
燻製料理が好きな方や、家庭で燻製料理に挑戦してみたい方は、この記事をぜひ参考にしてみてください。お気に入りの一台が見つかれば幸いです。
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アウトドアをコンセプトにしたカフェ&バー「BASE CAMP」の店主。 雑誌などのアウトドア系メディアで活躍中。幅広いアウトドア経験と知識を持ち、元プロダクトデザイナーという経歴を生かしてコトやモノをプロデュースしている。調理人でもあるので燻製やダッチオーブン料理などにも造詣が深い。