IH対応土鍋とは? 仕組みや見分け方って?
IH調理器(クッキングヒーター)とは、磁力発生用IHコイルから発生した磁力線が、金属製の鍋そのものを発熱させる仕組みです。そのため、土鍋やガラス鍋、直火用の魚焼き器が使えません。
一方で、IH調理器に対応している土鍋もあります。IH対応の土鍋には、SGマークの近くにIHまたはCH-IH表記がある、底が平らで黒い発熱体が付いているなどの特徴があります。あらかじめIHに対応しているかどうかを確認してから購入しましょう。
IH対応土鍋の選び方 サイズや形状、素材や機能面もチェック!
ライフアレンジニストの有賀照枝さんからのアドバイスをもとに、IH調理器対応の土鍋の選ぶときのポイントをご紹介します!
【1】「SGマーク」が入っているか
【2】サイズ
【3】型
【4】産地
【5】素材
【6】ガス兼用か
上記のポイントを押さえることで、あなたに合った商品を見つけることができます。ぜひIH調理器対応の土鍋選びの参考にしてください。
【1】安全基準の「SGマーク」が入っているかチェック!
SGマークとは、消費生活用製品安全法に基づく製品審査を行う一般財団法人「製品安全協会」が公布するマークです。
SG基準に適していると認められた製品にのみ表示されるマークなので、土鍋を購入する際は、まずはSGマークの有無を確認しましょう!
【2】使う人数に応じたサイズを選ぶ
土鍋のサイズは「号」で表記されています。1号=持ち手を含めた直径約3cmほどですが、メーカーにより同じ号数でも多少の差があるので購入するときには、サイズの確認をしましょう。おおよそのサイズの目安は以下を参考にしてください。
・1~2人用:6~7号(直径約20~22cm)
・2~3人用:8号(直径約25cm)
・4人以上:9号以上(直径約28cm以上)
もしもサイズで迷ったときは大きめを選ぶと鍋物の具材が入れやすく、蒸し料理などの調理にも使えるので使い勝手がよくなるでしょう。
【3】型で選ぶ
土鍋は鍋物以外にも使え、さまざまな形状のものがあるので、調理方法や使用目的などに合わせて選びましょう。
なかが見えやすくつつきやすい「浅型」
浅型は深型よりも火が通るのが早いのがメリットです。卓上で鍋物をするときにおすすめで、鍋のなかの食材も見えやすくみんなでつつきやすいです。
しかし、ふきこぼれしやすいため、汁気の多いものを調理するときには気をつけましょう。
長時間の煮込み料理にも使える「深型」
煮込み料理や炊飯には吹きこぼれにくい深型を選びましょう。蒸し料理もしたいなら蒸し板つきが便利で、蒸し板を外せば普通の土鍋として使用することができるため、用途の幅が広がります。
また、鍋以外のいろいろな調理に挑戦したいときにも、深型が向いています。ひとり暮らし用の土鍋を探しているときにもおすすめです。
【4】産地で選ぶ
土鍋はさまざまな材質がありますが、やはり土鍋といえば陶器です。陶芸用の土でできていますが、現在はIHに使用できるよう加工してあるものがたくさんあります。
陶器の土鍋は、萬古焼、伊賀焼、美濃焼など産地によって焼き方や特徴が異なるので、産地に注目してみるのもおすすめですよ。
お手入れのしやすさで選ぶなら「萬古焼」
三重県四日市市と菰野町が産地の萬古焼(ばんこやき)とは、生活用品から工業用までいろいろな用途でもちいられる焼きものです。
ペタライトという鉱物を配合した萬古土鍋は、耐久性が高いため割れにくく、お手入れがしやすいのが特徴。IH調理器に対応した土鍋も多くつくられています。
蓄熱性が高く冷めにくい「伊賀焼」
三重県伊賀市が産地の伊賀焼は、古琵琶湖層と呼ばれる地層から出土された土を使っているのが特徴です。伊賀土は高温で焼成すると遺骸の部分が燃え尽きるため、こまかな気孔ができます。
伊賀土鍋は遠赤外線作用があり、食材の芯までじっくりと火を通せます。また、蓄熱性が高いため具材が冷めず、火からおろしたあとでもとろ火で調理しているように少しずつ火を通せます。
デザイン性が高く種類豊富な「美濃焼」
美濃焼は、岐阜県の東濃地方の一部(多治見市、土岐市、可児市、土岐郡)で生産された陶磁器です。丈夫で使いやすいため、土鍋のほかにもマグカップやお皿、急須など日常生活で使用できるさまざまな器が作られています。
種類だけでなく、デザインも豊富にそろっているので土鍋をデザインで選びたい人にも選択肢になります。
【5】素材で選ぶ
土鍋には、土製、ステンレス製、アルミ製などさまざまな素材があります。それぞれの特徴をチェックしましょう!
土製|上品な味を楽しみたい方におすすめ!
土製は、蓄熱性が高いので煮込み料理などにぴったりです。じっくり加熱できるので、食材の旨味を十分に引き出すことができます。
また、和風の温かみのある雰囲気が特徴で心まで温かくなりそうな落ち着いたデザインも魅力のひとつです。
セラミック製|耐久性の高さが魅力!
セラミック製は耐久性に優れているので機能性を重視する方におすすめです。鍋への吸水率も低いため、目止めの必要がなく、遠赤外線効果も得られるいいとこ取りの材質です。
アルミ製・ステンレス製|軽くて使いやすい!
アルミ製やステンレス製は、軽くて使い勝手がよいのに耐久性にも優れるのが魅力。比較的安いものが多いので、はじめてIH対応の土鍋を買うという方にもぴったりです。
【6】ガス兼用なら直火にも使える
IH調理器対応の土鍋は、直火にも使用できるものがあります。調理はIH調理器でおこなってテーブルではカセットコンロで使いたいとき、またはその逆など、IH調理器とガス火両方で使いたいときに便利です。
また、引っ越しなどでメインの調理器が変わる可能性がある場合も、両方対応の土鍋ならIH調理器、ガスコンロ両方で使用できるので買い替えの必要がありません。
IH対応土鍋のおすすめ8選 ガス火やオーブン対応、おしゃれな商品も!
ライフアレンジニストの有賀照枝さんと編集部が厳選した、おすすめ商品を紹介します!
▼IH対応土鍋のおすすめ2選|1~2人用【7号】
1人用鍋や2人分の料理にピッタリな7号のIH対応土鍋をご紹介します。直径22cm程度の商品を厳選しました。

蓄熱性が高いので最後までアツアツ!
人気の土鍋メーカーといえば、伊賀焼窯元の長谷園を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。伊賀焼は「呼吸する土」と言われる粗土から製陶されているため、蓄熱性が高く余熱調理が可能。ですので、余熱特性を利用して、その間にほかのことができるという時間的効果と、電気代の節約にもなる経済的効果といったダブルの効果があります。
この蓄熱性の差から、最後のひと口までアツアツで食べられます。また、うれしいことにパーツ販売があるので、蓋のみ割れてしまっても土鍋を処分することなく必要なパーツのみ買い足しできるため、安心して長く使えます。
圧倒的軽さが魅力のIH鍋
ステンレスとステンレスの間に鉄を挟んだ三層構造なので、丈夫なのはもちろんとても軽いことが最大の特徴です。間に鉄を挟んでいることで、鍋の熱伝導性を高めお料理を美味しく仕上げられるこだわりの土鍋です。
使用後のお手入れも、食器棚からの出し入れも楽にできてしまうので、土鍋を使うことへのハードルも格段に低くなりそう。土鍋デビューにおすすめです。
▼IH対応土鍋のおすすめ5選|2~4人用【8号~9号】
ここでは、2人から4人くらいの料理を作るのにピッタリな8号、9号程度のIH対応土鍋をご紹介します。約24cm~29cmの商品をラインナップしました。

長く使うと味わいが出てくる土鍋です
和風のデザインの土鍋を探している方におすすめです。使用していくうちに「貫入(かんにゅう)」と呼ばれるこまかいヒビが入りますが、これが味わいで、土鍋を育てている感覚になるでしょう。国内産土鍋の約8割のシェアを誇る、萬古焼というところも安心して使えるポイントです。
耐久性があり、ガス火や電子レンジ・オーブンにも対応しており、鍋物はもちろんのこと、煮込み・炊飯・蒸し料理など一年を通してオールマイティーに使えます。

いいとこ取り! 扱いやすいセラミック製の土鍋
こちらの商品は、「土鍋の雰囲気を味わいたいけれど、目止めの手間をかけたくない。」という方や、扱いやすいIH土鍋を探している方におすすめです。セラミック製で鍋自体への吸水率が低いため、目止めの必要がなく、料理のにおい移りがありません。陶磁器タイプの土鍋と同様に遠赤外線効果でおいしく仕上がり、素材加工がツルっとしているため、汚れが落としやすいなど、まさにいいとこ取りの土鍋です。
蓋の色も青・茶・白があり、食卓の雰囲気に合わせて選ぶことができます。電子レンジ・オーブンにも対応しており、手軽に土鍋を使いたい方はとくに使い勝手のよさを感じられるでしょう。

すのこ付きで蒸し料理にも対応!
こちらの土鍋はすのこが付くタイプなので、蒸し料理も楽しみたい方におすすめです。和・洋・エスニックなど、料理のジャンルを問わず使えるすっきりとしたモダンなデザインで、ブランドシリーズの「KAKOMI」というネーミングのとおり、あらゆる食卓のシーンでこの土鍋を囲みたくなります。におい移りもないためエスニック料理の次の日に、さっぱりとした湯豆腐を作ることも可能。
ガス火のほか、電子レンジ・オーブンにも対応しているので、使い勝手から出番も増えそうです。すっきりしたデザインのこの土鍋は、黒・白から好みの色が選べます。

シャープな見た目がスタイリッシュな土鍋!
スタイリッシュな土鍋をお探しの方におすすめです。デザインは一般的な土鍋の形状ながら、素材はステンレス製なので、見た目がシャープでスッキリとした食卓を演出できるでしょう。
お手入れも通常の土鍋と同じで洗いやすいため、手間がかからず、陶磁器製の土鍋のように「ていねいに扱わなければ」「割れてしまうかも」などと気を使わずにいられます。また、少々乱暴に扱ってしまっても、欠けたり割れたりする心配がありません。
耐久性があるので長く使えますし、蓄熱性もあり冷めにくいので、最後までアツアツ料理を楽しめます。

誰もが見たことのある定番デザイン!
誰もが一度は見たことのあるこちらの土鍋はいかにも“土鍋の中の土鍋”といった風貌で、昔ながらの定番デザインを探している方におすすめです。はじめて土鍋を使う方にも、土鍋の良さを感じていただけると思います。
金属プレートが付いており、IHで使用する時には鍋の中に入れ、プレートを外せばガス火や電子レンジ・オーブンにも使えます。花柄の模様が懐かしくもあり、可愛らしくもありますね。同じ柄の取り分け用の器、とんすいやれんげなども販売されているので、テーブルコーディネートも楽しめます。
▼IH対応土鍋のおすすめ1選|4~5人用【10号】
4~5人の家族にピッタリな10号のIH対応土鍋をご紹介します。32cm前後の商品をピックアップしました。
使い勝手良し、お料理も美味しくなる優秀土鍋
槌目が美しいIH対応ステンレス雪平鍋です。透明なガラス蓋からお料理の様子も見ることができるのも嬉しいポイント。この透明な蓋のおかげで熱を逃すことなく食べごろがわかります。
熱伝導率もよく、料理に味がしっかりと染み込む実力派の土鍋です。さらに、この土鍋にはレシピが付属しています。さまざまな料理に挑戦できるのもいいですね。
「IH対応の土鍋」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする IH調理器対応の土鍋の売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場でのIH調理器対応の土鍋の売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
ライフアレンジニストからのメッセージ プロのアドバイス!
土鍋を一年中活用してレパートリーを増やそう
土鍋は、鍋物や炊飯以外の使い道が思い浮かばないという方も多いのではないでしょうか。ところが、カレー・シチュー・ポトフなどの煮込み料理や蒸し料理など、意外にも普通のお鍋に近い使い方ができる幅広い調理道具なので、一年をとおして使えます。土鍋の遠赤外線効果で素材の旨みを逃がさず、おいしく料理ができるうえに蓄熱性も高いので、余熱で火をとおすこともできるなど思いのほか使い勝手のよい便利な調理器具なのです。
IHでも使えるようになった土鍋の出番を増やして、料理のレパートリーも増やしてみてはいかがでしょうか。
あなたにおすすめのアイテムをご紹介! 関連記事
IH対応土鍋でおいしく調理しよう いかがでしたか?
IH対応の土鍋の選び方とおすすめ商品をご紹介しました。気になる商品はありましたか?
さまざまな料理に使える土鍋は便利な調理器具ですし、IH対応であれば火加減の心配もありません。サイズや素材、型などに着目して自分に合った商品を見つけ、調理を楽しんでみてください。
◆記事で紹介した商品を購入すると、売上の一部がマイナビおすすめナビに還元されることがあります。◆特定商品の広告を行う場合には、商品情報に「PR」表記を記載します。◆「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。◆商品スペックは、メーカーや発売元のホームページ、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。◆記事で紹介する商品の価格やリンク情報は、ECサイトから提供を受けたAPIにより取得しています。データ取得時点の情報のため最新の情報ではない場合があります。◆レビューで試した商品は記事作成時のもので、その後、商品のリニューアルによって仕様が変更されていたり、製造・販売が中止されている場合があります。
株式会社ハート・コード代表取締役。 整理収納コンサルタント、ハウスクリーニング技能士(国家資格)。 30代前半の2年間で離婚、ガン闘病、多額の借金、倒産解雇等など一気に人生のどん底を経験し、整理収納理論に出会ってから人生が好転。 ご縁あって「部屋磨きは自分磨き・職場磨きはスタッフ磨き」をモットーに家事代行・整理収納関連事業で2007年に独立。 自身の経験からも環境を整えると色々なことが整ってくることを痛感しているので、個人や企業にコンサルティングやセミナーなど様々な形でその大切さをお伝えしている。 2012年から現場をよく知る家事・収納用品の説明ゲストとしてジュピターショップチャンネルに出演中。商品の企画、売り方の提案等にも携わっており、1日1億円以上の販売実績多数あり。 近年は、webメディアなどへの執筆活動と、整理に関する新たなサービスを色々と開発中。著書『「片付けが苦手な子」が驚くほど変わる本』(青春出版)。