低周波治療器とは
からだに流した低周波の電流に対する身体反応を利用して、筋肉の疲労回復や神経の痛みの緩和を行う医療機器のこと。一般家庭用にも発売されていて、値段も数千円から購入できます。
手軽に導入できますが、そもそも医療機器のため、使用にあたっては、各メーカーからの注意点を必ず守り、正しく使うようにしてください。
低周波治療器の主な効果
■疲労回復とマッサージ効果
からだに電気のピリピリとした刺激が加わると、筋肉が収縮と弛緩を繰り返します。これにより血行が促進され、筋肉の疲労回復に必要な酸素や栄養が行き渡ることで、筋肉疲労の緩和、腰や膝、ふくらはぎの痛みを和らげることができるのです。肩こりなどを和らげるマッサージが、筋肉をもみほぐすことで血行を促進するのと同様の効果が得られます。
■痛みの緩和
痛みがでている部位に低周波の電気を流すことで痛みを伝達する機能に働きかけて、脳への痛みの伝達を遮断することで、痛みを和らげることができます。
低周波治療器選びのポイント
それでは、低周波治療器の基本的な選び方を見ていきましょう。ポイントは下記の5つ。
【1】用途に合わせて選ぶ
【2】出力モードを細かく調整できるか(挟む刺激の強さ調整)
【3】対応部位やコースの種類が豊富か
【4】痛み対策は必要か
【5】温熱治療機能があるとさらに効果的
上記の5つのポイントを抑えることで、より具体的に欲しい機能を知ることができます。一つひとつ解説していきます。
【1】用途に合わせて選ぶ
自分が本当に必要な機器を手に入れるためには、購入後の使用シーンを具体的にイメージしてみることが大事です。
▼自宅や外出先などおもに使用する場所はどこ?
低周波治療器は首や肩、腰のコリや痛みを治療してくれる機器ですが、使用する際にはある程度まとまった時間が必要になることが多いです。
自宅で治療に使う時間がたっぷりあるならばいいですが、時間があまりなく外出先での空き時間を使って治療したいという方もいるでしょう。その場合にはコンパクトで持ち運びがしやすいモデルや、内蔵バッテリーや乾電池で使用できるタイプを選ぶことをおすすめします。
▼腕や足裏など全身に使うか、肩や腰など特定の位置だけか
低周波治療器は、大きく分けて肩こりや腰痛などの部位専用タイプと背中、腕や足など、肩や腰以外にも使用が可能な全身タイプとがあります。からだの状態から必要なタイプを選びましょう。
なお、メーカーが推奨する部位以外に使用することは、思わぬ事故やケガの原因になりますので、絶対に使用しないようにしましょう。
【2】出力モードを細かく調整できるか(挟む刺激の強さ調整)
出力調整が細かくできる多段階の機器であれば、出力を上げた際でもからだへの急激な負荷がかからず安心です。使用に際しても出力は、できるだけゼロから始め、徐々に上げていくことをおすすめします。
【3】対応部位やコースの種類が豊富か
低周波治療器は、もみやたたきなどを模したさまざまな波形の低周波を用いて治療を行ないます。治療する筋肉のコンディションなどによっては、ピリッとした痛い刺激を感じたり、針で刺したような痛みを感じることも。
部位別のモードやもみ方のコースが多いほど、自分に合った周波数帯や波形を選びやすくなるので、できれば対応部位やコースが多いほうががおすすめです。
【4】痛み対策は必要か
一般的に低周波とは、~1200Hz(ヘルツ)までの周波数のことを指し、疲労回復やこりをほぐすなら低い周波数、痛みを和らげるなら高めの周波数がよいといわれています。製品ごとにカバーしている周波数が異なりますので、それぞれ比較してみてください。
コリだけでなく痛み治療を行なえるモデルもありますので、さまざまな部位の痛みを治療したい方はそういった機能もチェックしてみましょう。
※高い周波数(1,200Hz)の刺激は、筋肉や神経などの痛みをよりすばやくやわらげる効果があるとされています。
【5】温熱治療機能があるとさらに効果的
一部のモデルには、内蔵するヒーターで患部を温められる温熱治療機能を搭載しているものもあります。
じっくりと温めて血行を促進することで、低周波治療によるコリの緩和や筋肉の疲労回復効果がより効率的に得られるので、肩こりや腰の痛みなどに悩まされている方は温熱治療機能を搭載しているモデルを選ぶことをおすすめします。
温熱治療器のみのまとめ記事もあるので、興味のある方は合わせてチェックしてみてください。
おすすめ商品の比較一覧表
低周波治療器のおすすめ9選 オムロン、パナソニックなど有名人気ブランドを中心に紹介
上で紹介した低周波治療器の選び方のポイントをふまえて、IT・家電ジャーナリストの安蔵靖志さんに選んでもらったおすすめ商品を紹介します。




通販サイトの最新人気ランキングを参考にする 低周波治療器の売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでの低周波治療器の売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
低周波治療器の付け方や貼る方法
低周波治療器を使う際は、以下の注意点についても確認しておきましょう。
・心臓ペースメーカーなど装着型の医療機器を身につけている場合、それらの機器の誤作動を招く可能性があるので使用しない
・頭部や顔面、心臓の近くなど装着してはいけない部位がある
・時計やネックレスなど金属製品につかないように使用する
・水気のある場所で使用しない
最後に|エキスパートのアドバイス
IT・家電ジャーナリスト
手軽さと機能性のバランスを見極めよう
低周波治療器を使った治療には、一般的に10分から15分程度の時間がかかります。そのため、手軽に使えることは重要なポイントといえるでしょう。一方で肩や腰、腕や足の裏など、さまざまな部位のコリや痛みに対応するだけでなく、コリや痛みの程度に応じて強さをこまかく調節できる機能も重要になります。
また、高機能・多機能なものほど、高価になったり使用するのに手間がかかったりする場合が多いもの。そのためどのような場所でどのような時間に治療したいのかをしっかりと考えたうえで、手軽さと機能性のバランスを見極めて購入することをおすすめします。
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※「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。
※商品スペックについて、メーカーや発売元のホームページ、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。
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一般財団法人 家電製品協会認定 家電製品総合アドバイザー(プラチナグレード)、スマートマスター。AllAbout オーディオプレーヤー、スピーカーなどのガイドを務める。 日経BP社『日経ネットナビ』『日経ネットブレーン』『デジタルARENA』『日経トレンディネット』などを経てフリーに。 デジタル家電や生活家電に関連する記事を執筆するほか、家電のスペシャリストとしてテレビやラジオ、新聞、雑誌など多数のメディアに出演。 KBCラジオ「キャイ~ンの家電ソムリエ」に出演するほか、ラジオ番組の家電製品紹介コーナーの構成などにも携わっている。