カメラフラッシュを選ぶ際のポイント フォトグラファーが解説
フォトグラファーの高月 優さんに、カメラフラッシュを選ぶときのポイントを教えてもらいました。どんなシーンでどんな機能が必要になるかが事前に分かっていると、必要な機能を備えた商品を選べるようになります。実際に使う場面を想像しながら選び方のポイントを参考にしてください。
最大光量とガイドナンバーをチェックする
何を撮りたいのか、どんな場所で撮るのかによって必要な明るさは変わります。最大光量が大きければさまざまな環境、多くのバリエーションに対応可能。バウンス撮影の際にはとくに大きな光量が必要な場合が多いです。しかし、基本的には光量が多いものは高額なので予算とのバランスもあることでしょう。
また、明るいレンズで開放でとりたい場合など、撮り方によってはカメラフラッシュが大きいと、最小光量まで下げても明るすぎる場面もあります。その際には、適度に小さいもののほうが使いやすい場合も。ガイドナンバー(フラッシュの発光量)はメーカーによって表示方法が違う場合があるので、単純に数字だけで判断しないようにしましょう。夜間に撮影する被写体、ポートレートをどう撮るか想定してガイドナンバーを決めるといいです。
首の稼動領域が広いと撮影の幅が広がる
バウンス撮影(天井などにストロボ光を当てることで、広範囲をやわらかく明るくしたり、光の方向を変えたりする撮影方法)にはストロボの首振りが必要です。内蔵ストロボではバウンス撮影はできませんので、首の可動域の広さはカメラフラッシュを使うときの大きなメリットになります。
表現の幅を広げたいのならば、どのくらい角度がつけられるのかも気にしながら選んでみましょう。
初心者、手軽に取りたいなら自動調光のあるもの
カメラフラッシュを使ってもっと「写真をうまくとりたい」という人もいれば「自動でパパッと撮影したい!」という人もいるでしょう。その際に、自動調光の機能が付いていないカメラフラッシュはとにかく安いからと、価格で商品を選んでいませんか? メーカーにもよりますがCanon、Nikonなどの純正と比べるとほぼ同じ光量で3分の1、5分の1の商品もあります。
自動調光がないと光量をマニュアル設定しなくてはならず、うまく撮影できなくて失敗写真を量産してしまうかもしれません。ふだん使っているカメラの内蔵ストロボは、実はまわりの環境に合わせて光の強さを調整してくれているので、気軽に手早く写真を撮るなら自動調光撮影は重要です。
カメラフラッシュのおすすめ10選 ガイドナンバー・首振り角度・自動調光対応もチェック!
カメラフラッシュの選び方のポイントをふまえて、フォトグラファーの高月 優さんに選んでもらったおすすめ商品を紹介します。製品によってそれぞれが異なった特性をもっているため、比較したうえで自分の用途に一番合ったものを選んでください。

ニコン純正ストロボの中級機
なんといってもやっぱり純正は正義、ニコンユーザーにオススメの純正中級機です。価格と性能のバランスもよく、ニコンのカメラを使っている方にはまず検討してほしい一台です。
このランクの純正品として基本性能は申し分ないです。もし日中シンクロなど大光量を必要とする撮影をしたい、大光量で使う可能性があるという方は、上位機種の「スピードライトSB-5000」も検討してみてください。
アウトドアにもおすすめ
このカメラフラッシュは白色LEDによる大光量の定常光発光部が付いており、近距離の動画用ライトとしても、そして静止画撮影にも有効です。またガイドナンバー最大54という大光量を持つオートフラッシュです。安心・安全な防塵と防滴構造を採用しているので、雨天時や砂埃などが舞う厳しい環境下においても安心して撮影ができます。
最大30m離れていても操作可能
大光量であり、持ち運びしやすい小型で軽量デザインです。また防塵と防滴そして、-10度耐低温設計を採用しています。防塵・防滴設計のボディとレンズの組み合わせで、雨の中、雪の中など厳しい天候の中でもどこでも耐久性に優れています。さらに電波式ワイヤレス機能がついているので、最大30mの通信が可能というのも嬉しいポイント。

多灯ライティングにも! 大光量格安ストロボ
自動調光やハイスピードシンクロなどの機能はありませんが、光量だけであれば純正フラッグシップモデルと肩を並べます。
yongnuoのラジオスレーブを使えばリーズナブルでかんたんにオフカメラ撮影もできるので、ワイヤレスフラッシュ撮影を気軽に試すことができます。手軽に多灯ライティングで撮影したい方におすすめしたい機種。
汎用性の高さが魅力
こちらは、垂直・水平のどちらも調整の幅が広いのが特徴のカメラフラッシュです。大手メーカーのカメラのほとんどに対応するよう作られており、汎用性が高いのも魅力。ホットシュー対応の機種に取り付けることができるので、複数台に使用したいと考えている方におすすめです。直感で操作しやすい作りになっているので初心者の方も安心して使えますよ。大型のパネルがついているので操作も楽にでき便利です。

キヤノンユーザーならコレ
一眼レフカメラ世界シェア1位のCanon純正カメラフラッシュの中級機。特徴的なのは、バウンス撮影時の適切なバウンス角を自動で設定してくれる「AIバウンス撮影モード」が搭載されていることです。この機能を使うことで、今まで初心者には難しかったバウンス撮影が誰にでもたのしむことができます。
そのほか、稼動領域や補助光などの機能も充実しており、機械的に複雑な分、故障や修理など気になるところはありますが、じゅうぶんな光量で撮影の幅が広がります。

キヤノン純正のフラッグシップモデル
キヤノンユーザーなら間違いなしの、キヤノン純正ガイドナンバーの大きいカメラフラッシュです。キヤノンの純正カメラフラッシュは首振りの角度はボタンを押しながら首の角度を変えるシステムで、かんたんなワンタッチの操作でハードな撮影でも好みの角度を維持してくれます。
ワイドパネルなしで20mmの広角撮影に対応しているのは自動調光での撮影時にとくにうれしいポイント。ただ、カメラフラッシュの中では高価ですし、光量のあまりいらないユーザーにはオーバースペックかもしれません。しかしながら、余裕のある使い方のほうがフラッシュへの不可も少なくなるので、キヤノンのカメラをお使いなら、持っていて絶対損はしないカメラフラッシュだと思います。

人気中国メーカーでお手頃価格のカメラフラッシュ
ほかの同価格サードパーティーのカメラフラッシュに比べ、使用のたびに負荷のかかりそうな電池を入れる部分などが、安心感のあるつくりになっています。
ハイスピードシンクロ、自動調光はありませんが、チャージの時間も早めなので、ワイヤレスストロボ撮影にはおすすめ。GODOXには「Xpro-c」などのフラッシュトリガーがあり、「V860Ⅱ」などと一緒に発光させることも可能です。

人気のサードパーティーブランドGODOX
近年プロカメラマンも多く使用している中国メーカー、GODOXの大光量カメラフラッシュ。Canon・Nikon・Sony・FUJIFILMなど多くのカメラメーカーに対応したそれぞれの機種を発売しているので、低価格のサードパーティーにもかかわらずハイスピードシンクロや自動調光にも対応しているのはかなりうれしいです。
機能面はとくに問題なく、専用バッテリーつきでこの価格はかなりお得。専用バッテリーのおかげなのかチャージも早いです。ただ予備のバッテリーが多少高額なのでかなり痛いですね。一日にたくさん写真を撮る予定がないのであればバッテリーを買い足す必要もないと思うので、メインとしてもサブとしてもおすすめです。
明るさがバッチリ!
こちらは、カメラのα7シリーズとの使用に最適なカメラフラッシュです。小型かつ軽量設計のため持ち運びに便利なのが嬉しいポイント。フラット発光時やバウンス発光時でもしっかり撮影することができるようになっています。 また、背景のぼけ効果を生かせるハイスピードシンクロ機能が搭載されているので、より一層味のある作品を撮ることができるでしょう。
【比較一覧表】料金などを比べる
【ランキング】通販サイトの最新人気! カメラフラッシュの売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでのカメラフラッシュの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
【Q&A】疑問を解決!
カメラフラッシュの寿命はどれくらい? 目安は?

発光管(クセノン管)が寿命を迎えることが=フラッシュの寿命ということになります。または、電池の液漏れやコンデンサーの劣化も故障の原因として考えられます。一般的には、一万発が目安と言われています。
寿命を長持ちさせるコツは、最低一月に一回は発光させることです。まったく他買われないとコンデンサーが劣化していきます。
お手入れ方法は?

発光の明るさが暗いなどの不調には、ストロボとカメラの接合部分である「ホットシュー」が汚れていることが原因の場合もあります。ホットシューの清掃には次の3つがあるとよいでしょう。。
・無水エタノール
・綿棒
・ペーパー
エタノールの浸けすぎに注意しながら、綿棒で清掃します。最後に汚れや水気を拭き取り完了です。同じように、ストロボの端子部分も清掃しましょう。
【関連記事】ほかの撮影機材をチェック
【まとめ】サードパーティー製という選択肢も フォトグラファーのアドバイス
最近は純正以外の購入しやすい価格の製品も増えていて、気軽にカメラフラッシュを試せるようになってきています。使ってみないとわからないことも多いので、ぜひ気になるカメラフラッシュを一度使ってみてもらいたいです。
また、必ずしも純正がよいとは限りませんが、サードパーティー同士の組み合わせをする際には、思わぬ不具合に注意が必要かもしれません。
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人物撮影を得意とし、フリーのカメラマンとして「ブライダル」や「企業HP用の撮影」を中心に「選挙ポスター」「ダンス」など多彩なジャンルを撮影。女優でモデルの中別府葵や、ロアッソ熊本のスタジアムDJスガッシュをモデルにポートレート作品の制作等も行う。2017年、ラフォーレ原宿の「くまモンコレクション in LAFORET MUSEUM」内で熊本の日常を切り取った作品を展示販売した。