カメラフラッシュを選ぶ際のポイント フォトグラファーが解説
フォトグラファーの高月 優さんに、カメラフラッシュを選ぶときのポイントを3つ教えてもらいました。どんなシーンでどんな機能が必要になるかが事前に分かっていると、必要な機能を備えた商品を選べるようになります。実際に使う場面を想像しながら選び方のポイントを参考にしてください。
最大光量とガイドナンバーをチェックする
フリーのカメラマン、フォトグラファー、カメライター
何を撮りたいのか、どんな場所で撮るのかによって必要な明るさは変わります。最大光量が大きければさまざまな環境、多くのバリエーションに対応可能。バウンス撮影の際にはとくに大きな光量が必要な場合が多いです。しかし、基本的には光量が多いものは高額なので予算とのバランスもあることでしょう。
また、明るいレンズで開放でとりたい場合など、撮り方によってはカメラフラッシュが大きいと、最小光量まで下げても明るすぎる場面もあります。その際には、適度に小さいもののほうが使いやすい場合も。ガイドナンバー(フラッシュの発光量)はメーカーによって表示方法が違う場合があるので、単純に数字だけで判断しないようにしましょう。夜間に撮影する被写体、ポートレートをどう撮るか想定してガイドナンバーを決めるといいです。
キヤノン純正のガイドナンバーが大きいカメラフラッシュ。光量の大きなフラッシュが必要なら、ガイドナンバーの値をチェックしましょう。
首の稼動領域が広いと撮影の幅が広がる
フリーのカメラマン、フォトグラファー、カメライター
バウンス撮影(天井などにストロボ光を当てることで、広範囲をやわらかく明るくしたり、光の方向を変えたりする撮影方法)にはストロボの首振りが必要です。内蔵ストロボではバウンス撮影はできませんので、首の可動域の広さはカメラフラッシュを使うときの大きなメリットになります。
表現の幅を広げたいのならば、どのくらい角度がつけられるのかも気にしながら選んでみましょう。
Nikonの純正中級機。バウンス角度の自由度が高いとシーンに合わせて柔軟に対応しやすくなります。
初心者、手軽に取りたいなら自動調光のあるもの
フリーのカメラマン、フォトグラファー、カメライター
カメラフラッシュを使ってもっと「写真をうまくとりたい」という人もいれば「自動でパパッと撮影したい!」という人もいるでしょう。その際に、自動調光の機能が付いていないカメラフラッシュはとにかく安いからと、価格で商品を選んでいませんか? メーカーにもよりますがCanon、Nikonなどの純正と比べるとほぼ同じ光量で3分の1、5分の1の商品もあります。
自動調光がないと光量をマニュアル設定しなくてはならず、うまく撮影できなくて失敗写真を量産してしまうかもしれません。ふだん使っているカメラの内蔵ストロボは、実はまわりの環境に合わせて光の強さを調整してくれているので、気軽に手早く写真を撮るなら自動調光撮影は重要です。
カメラフラッシュのおすすめ13選 ガイドナンバー・首振り角度・自動調光対応もチェック!
上で紹介したカメラフラッシュの選び方のポイントをふまえて、フォトグラファーの高月 優さんに選んでもらったおすすめ商品を紹介します。製品によってそれぞれが異なった特性をもっているため、比較したうえで自分の用途に一番合ったものを選んでください。

Canon『470EX-AI』










出典:Amazon
ガイドナンバー | 47 |
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首振り角度 | 上:120°、左/右:180° |
自動調光対応 | ○ |

Nikon『スピードライト(SB-700)』




































出典:Amazon
ガイドナンバー | 28(ISO 100・m)/39(ISO 200・m) |
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首振り角度 | 上:90°、下:7°、左/右:180° |
自動調光対応 | ○ |

GODOX『TT600』


















出典:Amazon
ガイドナンバー | 60 |
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首振り角度 | 上:90°、下:7°、左/右:180° |
自動調光対応 | × |

GODOX『VING(V860Ⅱ)』










出典:Amazon
ガイドナンバー | 60 |
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首振り角度 | 上:90°、下:7°、左/右:180° |
自動調光対応 | ○ |
人気のサードパーティーブランドGODOX
近年プロカメラマンも多く使用している中国メーカー、GODOXの大光量カメラフラッシュ。Canon・Nikon・Sony・FUJIFILMなど多くのカメラメーカーに対応したそれぞれの機種を発売しているので、低価格のサードパーティーにもかかわらずハイスピードシンクロや自動調光にも対応しているのはかなりうれしいです。
機能面はとくに問題なく、専用バッテリーつきでこの価格はかなりお得。専用バッテリーのおかげなのかチャージも早いです。ただ予備のバッテリーが多少高額なのでかなり痛いですね。一日にたくさん写真を撮る予定がないのであればバッテリーを買い足す必要もないと思うので、メインとしてもサブとしてもおすすめです。

yongnuo『YN560 Ⅳ』


















出典:Amazon
ガイドナンバー | 58 |
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首振り角度 | 上:90°、下:7°、左右0~270° |
自動調光対応 | × |

NISSIN『i60A』








出典:Amazon
ガイドナンバー | 60 |
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首振り角度 | 上:90°、左/右:180° |
自動調光対応 | ○ |
話題のニッシン、小型の大光量フラッシュ
ミラーレス一眼に最適なiシリーズの中で一番の大光量カメラフラッシュ。
大光量のフラッシュは小光量の調整がしにくいものが多い中、マニュアルなら1/256まで光量を抑えることができるので多彩な表現に有効です。幅広い光量はF値の低い明るいレンズを使う方にはとくにおすすめです。キャッチライトパネルとワイドパネルが完全に独立してセッティングできるのも使いやすさのポイントです。
光量は弱いですがフラッシュ前面にLEDライトも付いているので、動画撮影にも使える一台で二度おいしいカメラフラッシュといっていいでしょう。ただ、NISSINのカメラフラッシュは機能も評判もいいですが、安いとは言いにくい価格なのが悩みどころです。

ESDDI『PLF-650c』


















出典:Amazon
ガイドナンバー | 58 |
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首振り角度 | 上:90°、下:7°、左/右:180° |
自動調光対応 | ○ |

Canon『600EX Ⅱ-RT』

出典:Amazon
ガイドナンバー | 60 |
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首振り角度 | 上:90°、下:7°、左/右:180° |
自動調光対応 | ○ |
キヤノン純正のフラッグシップモデル
キヤノンユーザーなら間違いなしの、キヤノン純正ガイドナンバーの大きいカメラフラッシュです。キヤノンの純正カメラフラッシュは首振りの角度はボタンを押しながら首の角度を変えるシステムで、かんたんなワンタッチの操作でハードな撮影でも好みの角度を維持してくれます。
ワイドパネルなしで20mmの広角撮影に対応しているのは自動調光での撮影時にとくにうれしいポイント。ただ、カメラフラッシュの中では高価ですし、光量のあまりいらないユーザーにはオーバースペックかもしれません。しかしながら、余裕のある使い方のほうがフラッシュへの不可も少なくなるので、キヤノンのカメラをお使いなら、持っていて絶対損はしないカメラフラッシュだと思います。
SONY 『HVL-F45RM』








出典:Amazon
ガイドナンバー | 45 |
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首振り角度 | 正面から下方8°、上方150°、左右180° |
自動調光対応 | - |
Nikon『SB-R200』






出典:Amazon
ガイドナンバー | 10 |
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首振り角度 | 正面から下方:60°、上方45° |
自動調光対応 | - |
PENTAX 『オートフラッシュ AF540FGZII』






出典:Amazon
ガイドナンバー | 54 |
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首振り角度 | 正面から下方10°、上方90°、左135°、右180° |
自動調光対応 | - |
OLYMPUS 『ミラーレス一眼用 FL-700WR』














出典:Amazon
ガイドナンバー | 42 |
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首振り角度 | 正面から上方90°、左右180° |
自動調光対応 | - |
YONGNUO 『YN560 III スピードライト』














出典:Amazon
ガイドナンバー | 58 |
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首振り角度 | 垂直-7~90、水平0~270度 |
自動調光対応 | - |
「カメラフラッシュ」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトのカメラフラッシュランキングを参考にする
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでのカメラフラッシュの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法がやや異なる場合があります。
フラッシュは純正以外のサードパーティー製という選択肢も フォトグラファーのアドバイス
フリーのカメラマン、フォトグラファー、カメライター
最近は純正以外の購入しやすい価格の製品も増えていて、気軽にカメラフラッシュを試せるようになってきています。使ってみないとわからないことも多いので、ぜひ気になるカメラフラッシュを一度使ってみてもらいたいです。
また、必ずしも純正がよいとは限りませんが、サードパーティー同士の組み合わせをする際には、思わぬ不具合に注意が必要かもしれません。
※「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。
※商品スペックについて、メーカーや発売元のホームページなどで商品情報を確認できない場合は、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。
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2020/12/04 コンテンツ修正のため記事を更新しました。(マイナビおすすめナビ編集部 名原広雄)
人物撮影を得意とし、フリーのカメラマンとして「ブライダル」や「企業HP用の撮影」を中心に「選挙ポスター」「ダンス」など多彩なジャンルを撮影。女優でモデルの中別府葵や、ロアッソ熊本のスタジアムDJスガッシュをモデルにポートレート作品の制作等も行う。2017年、ラフォーレ原宿の「くまモンコレクション in LAFORET MUSEUM」内で熊本の日常を切り取った作品を展示販売した。