刺身醤油とは?
刺身やお寿司を食べるときに刺身醤油を使うとより風味を感じられ美味しくいただけます。
刺身醤油は醤油の種類ではありませんが、かつおだしや昆布などの魚介類エキスを加えられた醤油は、刺身に合う「刺身用醤油」として市販されているケースがあります。また、それ以外にも再仕込み醤油やたまり醤油、九州の甘みの強い醤油などが、刺身醤油として使われます。
日本でもっとも使われている濃口醤油と比べ、旨味や甘みが強いのが刺身醤油。刺身やお寿司はもちろんのこと、ほかの料理にも使うことができますので、お家に1本置いておいても損はありません。
刺身醤油の選び方
料理研究家・松本葉子さんへの取材をもとに、刺身醤油を選ぶときのポイントを紹介していきます。醤油が作られる地域や商品によって特徴が異なる刺身醤油。ぜひ好みの味の醤油を見つけてくださいね!
刺身醤油の産地別の特徴で選ぶ
刺身醤油には、生産される地域によって特徴があります。有名な産地には東海地方や中国地方、九州地方があり、それぞれ甘さや風味が異なります。ひとつひとつの特徴を見てみましょう。
たまり醤油|刺身とよく絡む濃厚さ 東海地方
愛知県を中心とした東海地方で古くから使われてきた「たまり醤油」は、刺身醤油として使われることがあります。たまり醤油は一般的な濃口醤油よりも色が濃く、旨味が強いという特徴を持ちます。とろみがあるため魚にもよく馴染み、また香り高いため魚の臭みが苦手な人も心配いりません。ただ砂糖は加えられていないため、甘さは控えめです。
もともとたまり醤油は、江戸時代から東海地方で使われてきたもので、伝統的な醤油の味です。
再仕込み醤油|色と風味が濃厚 中国地方
中国地方の再仕込み醤油は色が濃く風味が良いため、刺身ともよく合う醤油です。濃厚な味わいを持つ理由は、その仕込み段階で通常塩水が使われるところに、代わりに醤油が用いられているため。
再仕込み醤油は、もともと山口県柳井周辺が発祥とされ、さしみ醤油や甘露醤油とも言われています。なお、さしみ醤油の「さしみ」は「再仕込み」が短くなったものです。
九州の刺身醤油|甘いのが特徴 九州地方
昔から海外との交易が盛んな長崎を擁し、砂糖が身近だった九州地方では、甘いものを好む傾向があります。そのため九州地方では醤油に砂糖が入っていて、甘みの強さが特徴です。
どろっとした九州地方の刺身醤油は、臭みのある青魚との相性がよく、砂糖の甘みがより刺身の風味を引き立てます。お刺身にまったりと絡みつく甘い醤油はくせになります!
原材料で選ぶ 味を決める調味料や大豆の種類、無添加など
刺身醤油には、醤油の基本材料である大豆、小麦、塩以外の材料が使われていることがよくあります。
甘い刺身醤油では、砂糖や水あめ、甘味料が用いられているものが多いですし、旨みを強めるための魚介や海藻のエキスあるいはアミノ酸調味料、とろみをつける増粘剤もポピュラーな材料です。
原材料表示で基本材料以外に使われているものをチェックすることで、「甘みが強い」「昆布の旨みがある」など、その刺身醤油の味の傾向を知ることができます。
好みの味の刺身醤油を選ぶためには、原材料にも注目してみましょう。
こだわるなら、大豆の種類をチェック
醤油の原材料にもこだわるなら、大豆の種類や国産かどうかなどをチェックしてみましょう。「丸大豆」や有機栽培の大豆を使った「有機大豆」を材料にしている商品もあります。
健康が気になるなら、無添加・減塩タイプ
醤油は塩分が含まれていますので、健康を気にする方は減塩タイプが良いでしょう。一般的な刺身醤油は塩分濃度が14〜17%なのに対して、減塩タイプは10〜12%の塩分濃度。量にすると、醤油10mlで、1〜1.2g程度の塩分を控えることができます。
また無添加タイプの刺身醤油ならば、人工甘味料などの添加物が不使用です。食品添加物がはいっていないものを選びたい方には、無添加タイプの刺身醤油がおすすめです。
刺身の種類に合わせて選ぶ より美味しく食べるなら
美味しく刺身を食べるには、刺身醤油と素材(刺身)との相性も考えて選ぶのもポイントです。ひとくちに「刺身」といっても、マグロ、タイ、イカ、サバ、貝類、あるいは馬肉では味わいは大きく異なりますから、それぞれ相性のよい醤油も違います。
●脂ののったブリの腹身やトロなどには、濃厚な風味の刺身醤油
●淡泊な白身魚には、すっきりしたテイストの刺身醤油
●青魚や馬刺しには、甘みがある甘口醤油
というように、使いわけるのがおすすめ。
しかし、1本だけ購入するのであれば、自分が好きな刺身と相性がよい刺身醤油を選ぶのがコツです。
容量や容器のタイプで選ぶ
醤油は空気に触れると酸化していき、風味が損なわれてしまいます。そのため、なるべく酸化しにくいタイプのボトルや容量を選ぶのがおすすめです。
無理なく使いきれるのは100〜300ml程度
コスパ重視で大容量を選んでしまいがちですが、醤油が酸化して風味や鮮度が落ちて美味しくお刺身を食べられなくなることも。普通の醤油より刺身醤油の使用頻度が少ないご家庭では、100〜300mlの小さめサイズを選ぶのがいいでしょう。
酸化が防止できる「真空ボトル」もおすすめ
醤油の酸化を防ぐことができる、真空ボトルや密封ボトルに入った商品を選ぶのも美味しく食べきるための一つの手です。市販の真空ボトルの醤油差しもあるので、探してみてはいかがでしょうか。
アーネスト『 開けたてそのままずーっと美味しい醤油さし』
醤油の鮮度を保つことができる醤油さし。醤油液面に「浮き蓋」があり、醤油と空気が触れる面積が少なくなります。
刺身醤油おすすめ14選 人気の刺身醤油を厳選!
うえで紹介した刺身醤油の選び方のポイントをふまえて、料理研究家・松本葉子さんと編集部で選んだおすすめの刺身醤油を紹介します。刺身との相性も解説していますので、食べたい刺身を考えながら参考にしてみてくださいね!
トロリと濃厚&甘口で淡白なお刺身も美味しい
九州特有の甘さに加えて、旨味、コクのあるトロリとした刺身醤油です。鯛やヒラメなどの淡白な魚にもよく合います。
冷奴や焼き肉、焼きおにぎりにも使えるという口コミも! 九州以外の地域ではスーパーでは買えないことが多いようなので、通販で購入してみては?
九州の醤油のなかでもバランスがとれた甘さ
商品名のとおり、「あまくておいしい」刺身醤油です。甘い醤油が特徴の九州の醤油ですが、この商品はほどよくバランスがとれた甘みです。
200ml入りなので、醤油が酸化する前に使い切れるくらいの容量です。また、ペットボトル容器の工夫で、中身が空気に触れにくい構造に。最後まで美味しく食べきりたい、刺身醤油の初心者にもおすすめの商品です。






東海地方の昔ながらの「トロリ」とした醤油
「アイスクリームにかける醤油」「たまごかけごはんのたれ」でお馴染み『たまりや』のさしみたまり醤油。特徴的な「トロリとした感じ」は、とろみ付けに粉飴を加えているからだそうです。お刺身にもよく絡みます。
昭和40~50年頃まで東海地方でよく使われていた昔ながらの醤油を、ぜひ味わってみてください。
刺身には漁村で生まれたぴったりの醤油を
加藤味噌醤油醸造所のある山口県の豊北町矢玉は、新鮮な魚介の獲れる小さな漁師町です。そんな、新鮮な魚の旨味を引き出すべく作られたのが加藤醤油醸造所の刺身醤油です。
独自の製法で低塩仕上げを施した醤油は、とろりとした甘みが感じられ、魚の旨味をぎゅっと引き出します。地元の旅館やお寿司屋さんからリピートされることも多い逸品!

八木澤商店『磯辺しょうゆ』
「刺身醤油」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする 刺身醤油の売れ筋をチェック
楽天市場、Yahoo!ショッピングでの刺身醤油の売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
余った刺身醤油の使い道をご紹介! 刺身醤油を使った簡単レシピも!
お刺身以外に役立つ刺身醤油の使い道を簡単にご紹介します。醤油が余ったときの参考にしてください。
刺身醤油は、種類にもよりますが通常のしょうゆと比べて濃口で、旨味や甘みが強いのが特徴です。そのため、煮物やブリ大根、煮魚などの煮つけ料理に最適です。また、卵かけご飯に刺身醤油をかけるのも美味しいですよ。
さらに、刺身醤油にみりん、ごま油、ゴマを入れれば漬けダレを作ることができます。そこに、好みのお刺身を漬ければ海鮮漬け丼も作れちゃいます。
エキスパートから「刺身醤油」のアドバイス
料理研究家&食専門ライター
「刺身醤油」という名称は、JAS規格で定められたものではありません。「刺身に適した醤油」「刺身に合うように調味された醤油」と考えてください。
そのため、商品名が「刺身醤油」であっても、醤油の種類は、「濃口醤油(こいくちしょうゆ)」「たまり醤油(たまりじょうゆ)」「再仕込み醤油(さいしこみしょうゆ)」などさまざま。刺身醤油を選ぶときには醤油の種類も確認しておくとよいでしょう。
また「刺身醤油」という商品名でなくても、塩水の代わりに火入れしていない醤油を用いて仕込む「再仕込み醤油」(「甘露醤油」と呼ばれることも)は、比較的多くの種類の刺身に相性がよい醤油です。
刺身醤油以外の「うまい醤油」をチェック 高級品やお取り寄せ醤油も!
お刺身は全国各地にいろいろな地域の特徴ある商品があります。醤油は日本のご家庭では基本中の基本の調味料。料理によって使い分けたり、卓上用に高級な醤油を使ってみるのもおすすめですよ。
新鮮なお刺身をより美味しくするのが刺身醤油!
刺身醤油の選び方とおすすめ商品をご紹介しました。好みの味にたどり着くには、各地の醤油の特徴を知ったり、ミニサイズの商品を食べ比べてみるのもいいかもしれません。
また、刺身を引き立てる薬味にも注目して、美味しいお刺身を食べてくださいね!
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紙媒体およびwebで食関連記事を執筆するほか、食物学専攻の学生時代から継続している料理研究および多くの料理人や飲食店、生産現場を取材してきた経験を生かして食品メーカーや飲食店などにレシピ提供・メニューアドバイスを行っている。 また、毎日のように取り寄せる食品・調理関連品の中から厳選した「価値あるお取り寄せ情報」を限定読者に発信していたが、近くブログとして公開予定。