醤油の選び方 料理研究家に聞きました
料理研究家の松本葉子さんに、醤油を選ぶときのポイントを3つ教えてもらいました。どのような選び方があるか見ていきましょう。
種類から選ぶ 白・淡口・甘口・濃口・再仕込・溜など

出典:マイナビおすすめナビ
醤油にはさまざまな種類があります。
●白醤油:小麦を主原料として色がごく薄い醤油
●淡口醤油:関西でよくつかわれる醤油
●甘口醤油:九州や北陸でよくつかわれる醤油
●濃口醤油:一般的な醤油
●再仕込醤油:醤油を使って仕込む醤油
●溜醤油:大豆を主原料とし色も味も強い醤油
1本だけ選ぶなら汎用型のこいくち醤油をおすすめしますが、もう1本選ぶなら京料理など素材の色を生かした料理に役立つうすくち醤油や白醤油をそろえておくとよいでしょう。
原材料や製造方法で選ぶ
醤油は原材料や製造法によって味わいや質感が千差万別です。大豆にも丸大豆や脱脂大豆などがあり、醸造用アルコールや糖類などを添加して作られているものもあります。
たまりや再仕込み醤油、糖類を加えた甘口醤油などは濃厚な色合いで、一般のこいくちに比べるととろみがありますし、逆に生醤油(なましょうゆ)はさらりとしていて色も淡いのが特徴です。もちろん塩分量も製品によってかなり異なります。
含まれている塩分量をチェック 減塩醤油で健康的に!
醤油は使う機会が多いからこそ、塩分を気にする方も多いでしょう。塩分を控えめにしたい方にとって、使う醤油に含まれている塩分の量は知っておきたい情報です。
塩分の量は「食塩相当量」として、メーカー公式ページの記載やパッケージ表示で確認できる商品が多くなっています。細かい数値を気にするのが面倒な場合は、ラベルにある「減塩」や「塩分控えめ」という表示を目安に手に取ってみるのも選び方のひとつです。
料理用とかけ醤油を別に選んでみて
料理用と食卓で使う醤油(かけ醤油)は同じものでももちろんかまいませんが、別のものをチョイスするのも食の楽しみにつながります。
たとえば、料理用には、大容量を購入しても負担が少ない安価で品質に納得できる醤油を選び、食卓用にはそれよりも高価なものを選ぶとよいでしょう。
あるいは食卓用には、こいくちのほかに、九州や東北などで刺身醤油として使用される甘口醤油や、火入れをしていない生醤油(なましょうゆ)もそろえるといった選び方もおすすめです。
【本当に旨い】醤油のおすすめ12選 料理研究家と編集部が選ぶ! いつもの料理が変わる!
ここまで紹介した醤油の選び方をふまえて、料理研究家の松本葉子さんと編集部が厳選したおすすめ商品を紹介します。国内各地で作られているこだわりの醤油を見てみましょう。

添加物を使っていない甘口のさしみ醤油
濃厚な甘みが特徴の醤油は人口甘味料を使っているものがほとんど。でも福岡のごとう醤油では甘口醤油にも食品添加物を使っていません。
しっかり甘いさしみ醤油であるこの「粋」も、氷糖蜜、水飴、本みりんで甘さをつけたもの。福岡県産の大豆と小麦を用いた再仕込み醤油なので甘さに負けないコクがあります。甘い醤油を試したいけれど添加物が気になるという人におすすめです。

古式製法から生まれる豊かな味わいが魅力
創業200年以上の醤油醸造元で、伝統の古式製法で作られている醤油です。味わいの決め手となっているのは、国登録有形文化財でもある蔵に棲みついている醸造菌たち。人と自然が力を合わせて創り出す丸中醤油のおいしさは今や欧米の有名シェフにも認められています。
この丸中醸造醤油は濃口醤油ですが色はやや薄め。のびがよく、料理に少し使うだけでも香りとうまみがよくわかります。
丸中醤油には杉樽三年熟成醤油もありますが、まずはこちらのスタンダード品を使ってみることをおすすめします。基本の醤油を変えるだけで、料理の味がこんなに変わるのかと実感できるでしょう。
そのまま使える醤油さし付の醤油
和歌山県の堀河屋野村の醤油は、昔ながらの手麹製法(麹室で4日間手作業で麹を育てること)で醸造されています。この製法を続けるメーカーは日本で数件しか残っていないともいわれています。旨味には大豆の甘みが感じられつつ、切れ味はさっぱりとしているのが特徴です。
醤油さしに入ったタイプなので、封を切ればそのまま食卓で使えます。こちらの醤油は醤油さしタイプ以外に900mlのボトルもあり、調理用に常備しておいてもいいですね。
小麦アレルギーでも安心して使える醤油
約250年もの歴史に支えられた醤油メーカーであるイチビキが、小麦を使わず丸大豆100%で作っている醤油で、商品ラベルにも目立つように「グルテンフリー」を掲げています。小麦アレルギーを気にせずに、濃口醤油の味を楽しめる商品です。
丸大豆と食塩で醸造されているため、大豆のもつうまみをしっかりと味わえるのが特徴。家族に小麦アレルギーの方がいてお料理を作り分けることが多い家庭でも、みんなで同じお料理を楽しむための調味料として使用できます。
※Amazonは(500ml×8本)×2ケース、楽天市場・Yahoo!ショッピングは(500ml×8本)×1ケースの価格です。
関西風の味付けにしたいときはこちら
ヒガシマル醤油は兵庫県で400年以上も続く老舗です。料理で関西風の味付けがなかなかうまく仕上がらないとお悩みのときに使ってみると、理想のできばえに近づくかもしれません。
色合いはうすくても、旨味にコクがあるのが特徴です。通常の濃口醤油と使い分けるとお料理もワンランクアップし、食卓が楽しくなりますね。お料理初心者なら、まず関西風のうどん作りにトライしてみましょう。関東風とは違う、うすい色のつゆを作るのに便利です。
※リンク先の商品は12本セットです。
お吸い物や炊き込みご飯を作るのにぴったりの白醤油
伊豆大島産伝統海塩「海の精」、愛知県産小麦を原材料に、愛知県の山間部で昔ながらの木桶で仕込む天然醸造で生まれた白醤油です。お吸い物、炊き込みご飯、茶わん蒸しなどにぴったりのやさしい味わいが特徴。
料理ごとに適した種類の醤油を使うことが、おいしく仕上げるコツでもあります。和食の料理の腕を上げる基本として、料理の彩りの邪魔をしないコクのある白しょうゆを常備しておきましょう。

はじめてうすくち醤油を使う人にもおすすめ
色は薄いのに塩分が強いため、慣れていない人が使うと料理を塩辛くしてしまいがちなうすくち醤油。でもこの『超特選 うすむらさき 生(なま)』ほど色が薄いとかえって使いやすく、「料理に醤油の色をつけずに醤油味をつける」練習にもぴったりです。
素材の色や味を生かす料理に使うことはもちろん、熱処理していない生醤油なので、もろみ由来の華やかな香りを楽しむかけ醤油としても重宝します。
※Amazon・楽天市場は1本、Yahoo!ショッピングは3本の価格です。

小麦を使っていない本格的なたまり醤油
原材料は国産丸大豆と塩のみ。昔ながらの作り方で時間をかけて熟成させたたまり醤油です。小麦を一切使っていないのでグルテンフリー。小麦アレルギーのある方でも使えます。
天然うま味成分(全窒素)が多く含まれていて、味わいも香りも濃厚。色は濃いのですが塩分は一般のこいくち醤油と同程度です。

緑色の特別な大豆の甘みが生きた醤油
名水に恵まれた福井県大野にある醸造元、野村醤油がつくっている特別な醤油です。原材料は、地元産の青大豆と小麦、食塩のみですが、青大豆の上品で甘やかなうまみが息づいていて、はじめて味わったときには驚きました。2年の発酵熟成を経ているにも関わらずその風味はとても鮮やかです。
大野の大豆生産者と醤油醸造元の情熱から生まれたこの青豆醤油、原料の青大豆は栽培が難しい希少品ということもあって、高価なのが難点。料理に使っても素材をよくひきたてる醤油ですが、まずは食卓で使うとっておきのかけ醤油としておすすめしたい1本です。
サイズがいろいろある、天然醸造で作られた醤油
井上醤油店は島根県の醤油メーカーで、慶応3年創業以来の蔵つき酵母により、豊潤な味の醤油が生み出されています。古式じょうゆは、人の介入を最小限におさえて、醸造促進を施さず、自然により醸造を行う伝統的な醸しの技術で醸造されている商品です。
もちろん、国産原料のみで作られているので、輸入素材に不安を感じる方も安心して使っていただけます。古式じょうゆは、内容量によって4種類のサイズ展開がありますので、ご家庭で常備したい必要量に合わせて、新鮮なうちに使い切れるサイズを選んでみてください。
※Amazon・楽天市場は1本、Yahoo!ショッピングは3本の価格です。
おいしさそのままで食塩分66%カット
キッコーマン独自の発酵技術により、おいしさそのままで食塩分66%カットを実現しました。超特選クラスの品質なので、旨味や風味、しっかりしたコクを感じることができます。減塩商品にありがちな、味気なさは一切ありません!
塩分を控えている人でも使えるおいしいお醤油。敬老の日のプレゼントとしても人気があるようです。毎日使うものだからこそ、健康に気遣った商品はうれしいですよね。
※Amazonは3本、楽天市場・Yahoo!ショッピングは12本の価格です。
珍しいたまり醤油
岐阜県の山川醸造が、伝統的な杉木桶で作る天然醸造のたまり醤油です。大豆と小麦をほぼ同じ割合で使用して作る通常の醤油の香りは、小麦がもたらす香ばしさが影響しています。その一方で、たまり醤油に使用される小麦は原材料のうちのほぼ1割か、使用しない場合もあり、大豆の旨味が濃くなるのが特徴。
この商品は、山川醸造で作られるたまり醤油のなかでも一番濃く、風味を保持するために加熱もしていない生の醤油です。お寿司やお刺身に合うだけでなく、もちろんほかのお料理にも使用可能。煮物に少しだけたまり醤油を足すと、コクが出ておいしく仕上がります。
※Amazon・Yahoo!ショッピングは1本、楽天市場は6本の価格です。
「醤油」のおすすめ商品の比較一覧表
各通販サイトの人気ランキング 醤油の売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでの醤油の売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
醤油の賞味期限と保存方法
一般的に調味料ときくと長持ちするイメージもあるかと思いますが、醤油には鮮度があります。
開栓前は日の当たらない場所で常温保存しても問題ないのですが開栓後は空気に触れることで酸化してしまうので、しっかりフタをして冷蔵庫で保存しましょう。
また、開栓後の賞味期限は1ヵ月程度です。コスパよく、大容量を購入したいところですが1ヵ月で使いきれる量を目安に選ぶと良いでしょう。
旨味が塩麹の10倍? 「醤油麹」の作り方
塩麹ならぬ「醤油麹」を知っていますか? なんと、塩麹よりも旨味やコクがあり、栄養価ももちろん高いので注目されています。作り方もかんたんなので、ぜひ試してみてください!
【材料】
・米麴500g
・醤油500ml ※米麴と醤油は1:1と覚えましょう!
【作り方】
1.大きめのボウルに、米麴を入れて5分ほど手でほぐす。
2.醤油を加えて、5分ほど手でほぐしてなじませる。
3.フタを少しずらしてかぶせ、そのうえから布などで覆い、常温で1週間寝かせて完成!
出来上がった醤油麹は冷蔵で約4カ月ほどもつ万能調味料になります。冷奴にかけたり、ステーキにトッピングしたり。「あと1品」に役立ちますよ♪
料理研究家からのアドバイス よい醤油を選んだら保存にも気をつけて
いくら上質の醤油を選んでも、開栓後はどんどん風味が落ちていきます。そのためなるべく短期間で使い切れる容量のものを選びましょう。
価格的には同じ銘柄でも大容量のもののほうが割安になることが多いのですが、よりおいしく味わうために、また冷暗所での保管のしやすさを考えてボトルの大きさを選ぶことをおすすめします。
製法・原料などに注意して醤油を選ぼう!
料理研究家の松本葉子さんへの取材をもとに醤油の選び方とおすすめの製品を紹介しました。
製法・原料によって、醤油の種類は全く異なります。なかには、減塩タイプのものや小麦不使用のタイプもあるので、家族みんなで味わえる点もうれしいですね。日ごろからよく使う調味料だからこそ、原料や風味にこだわってみてはいかがでしょうか。うすくち・こいくちなど、お料理によって使い分けてみるのもおすすめです。
松本さんのアドバイスを参考に、気になる醤油をみつけて、お食事に取り入れてみてくださいね。
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紙媒体およびwebで食関連記事を執筆するほか、食物学専攻の学生時代から継続している料理研究および多くの料理人や飲食店、生産現場を取材してきた経験を生かして食品メーカーや飲食店などにレシピ提供・メニューアドバイスを行っている。 また、毎日のように取り寄せる食品・調理関連品の中から厳選した「価値あるお取り寄せ情報」を限定読者に発信していたが、近くブログとして公開予定。