4Kテレビの専用チューナーは買うべき?
2018年に実用化された、新4K放送。新たなBS・110度CS対応左旋円偏波が提供されていますが、一部の4Kテレビでは対応チューナーが内蔵されていないこともあります。
新型4Kテレビに買い替えてもいいのですが、コストが高くつくため、チューナーを利用するのもひとつの方法です。
将来的な8K放送の実用化も考えれば、手持ちのテレビを活かしながら、チューナーで4K放送を思う存分楽しみましょう。
4Kチューナーの選び方 オーディオ&ビジュアルライターが解説
オーディオ&ビジュアルライターである折原一也さんに、4Kチューナーを選ぶときのポイントを教えてもらいました。どのような機器と組み合わせられるのか、4Kチューナーを選ぶ基準がわからないなど、4Kチューナー選びに迷っている方は参考にしてください。
【1】2Kチューナーを搭載しているかチェック
オーディオ&ビジュアルライター/AV評論家
4Kチューナーを購入する方のなかには、PCモニターや格安4Kモニター、プロジェクターなどと4Kチューナーを組み合わせて、オリジナルの4Kテレビにしようと考えている方もいますよね。そんな方に注意してほしいポイントは、地デジ/BS/CSといった2K放送への対応です。
ほとんどの4Kチューナーは、地デジ/BS/CS兼用になっていますが、一部の4Kチューナーには4K専用で2Kチューナーを搭載しない機種もあります。まだまだ地デジ放送でしか視聴できない番組も多いので、地デジ/BS/CSチューナーを兼用しているかはチェックしておきましょう。
【2】使い方に適したタイプをチェック
4Kチューナーのタイプによって、同時に視聴可能な番組数が異なります。用途に適したタイプを利用しましょう。
4Kをお試しで楽しむならシングルチューナーを
1人世帯などでテレビの視聴頻度が低い場合や、お試し感覚で4K放送を楽しみたいときは、シングルチューナーが適しています。作りがシンプルなぶん、価格も抑えられているのが特徴です。
内蔵されているチューナーが1基のため、ひとつの番組を録画しながら同時に裏番組を観ることはできません。テレビを少しずつ楽しむ程度なら、コスパもよくじゅうぶん使えるでしょう。
テレビ好きは存分に楽しめるダブルチューナーを
ダブルチューナータイプの商品を使うと、録画中にも裏番組が観れるのが大きなメリットです。家族で一緒にテレビを利用している場合や、いろんな番組を楽しみたいテレビ好きにはぴったりでしょう。
チャンネルを争うこともなく、効率よく観たい番組が楽しめるので、たくさんテレビを観る場合はダブルチューナーを選んでください。
(※)ポイント:4K放送を録画する方はダブルチューナーを
オーディオ&ビジュアルライター/AV評論家
新4K衛星放送を視聴するための4Kチューナーは、4Kチューナーを1基搭載していれば4K放送の試聴はできますし、外づけHDDを接続すれば録画にも対応します。ただし、機能差が現れるのが4K放送を視聴しつつ、裏番組を録画したいというシチェーション。4Kチューナーを2基搭載した機種を選ばないと、録画中はチャンネルが視聴しているチャンネルに固定されてしまいます。
頻繁に4K放送を録画する方は、裏番組録画もできるダブルチューナー搭載の4Kチューナーを選びましょう。
【3】テレビとの相性をチェック
4Kチューナーは、テレビとつなげて使用する機器のため、接続の相性もしっかりチェックしましょう。
手持ちのテレビと接続できるか確認
4Kチューナーの製品によって、接続できるテレビのメーカーや機種・その他の必要なスペックが異なります。そのため、手持ちのテレビに接続できるかどうか、しっかり確認して選びましょう。
ハイビジョンテレビにもつなげられるチューナーであれば、2K画像で新4K放送を楽しむことは可能です。また、接続する時はHDMI端子を利用するため、テレビの端子が空いているかもチェックしてください。
迷ったらテレビと同じメーカーでそろえる
オーディオ&ビジュアルライター/AV評論家
4KチューナーはHDMI端子で接続するので、原則として他社製品でも接続して利用できます。ただし、TVと同じメーカーで買いそろえておくと、操作性や接続性にプラスアルファの機能が作り込まれているケースもあります。
たとえば4Kテレビのリモコンからダイレクトに4Kチューナーに切り替えられたり、4Kテレビの電源オンに連動して4Kチューナーの電源が作動したりなど。リモコンがひとつで済むといったこまかな使い勝手の向上は、同じメーカーの組み合わせのみ保証していることがほとんどです。
また、購入後に映像が映らない……といったトラブルの際にも、TVと同じメーカーのほうがサポートへ問い合わせしやすいでしょう。
HLG→HDR10が必要な場合も
オーディオ&ビジュアルライター/AV評論家
4K放送が高画質なのは、4K解像度であるだけでなく、放送向けのHLG方式によるHDR規格で輝度信号を拡大しているためでもあります。
市販の4Kテレビでは基本的にHDMI端子からの映像入力で4K解像度に対応していますが、HDRへの対応は発売時期によって異なります。映画向けのHDR10方式は大手メーカー製のテレビでは2015年発売以降の機種が対応していますが、放送向けのHLG方式のHDR規格の入力に対応する4Kテレビは、おおむね2017年以降に発売された機種が該当します。
そんなHDR10信号のみ対応する4Kテレビを使っている方は、「HLG→HDR10変換」に対応した4Kチューナーを選ぶと、4K放送本来の高画質で視聴できます。
【4】設置スペースを考えてサイズ・重量をチェック
4Kチューナーは、テレビの周辺に設置する機器のため、チューナー本体のサイズや重さも大切なポイントです。設置スペースがあまり取れない場合は、薄型デザインのチューナーを選ぶと、見た目もスッキリ収まるでしょう。
また、チューナーを設置するための電源が必要なため、コンセントの位置も想定しながら、適切なサイズをみつけてください。
【5】ライフスタイルに適した機能もチェック
放送波や接続につい確認できたら、便利なプラスアルファの機能についてもみておきましょう。
忙しい人は録画機能にこだわって選ぶ
「忙しい平日は番組を録りためて、休日にまとめて観る」「映画が好きなので、長時間の録画が多い」といった場合は、テレビのメモリーが不足しやすいでしょう。
そんな場合は、録画機能に注目してみてください。外づけのハードディスクを利用して、チューナーで録画ができる商品なら、録画再生がメインの人でもじゅうぶんな容量が確保できます。
スマートTV機能で選ぶ手も
オーディオ&ビジュアルライター/AV評論家
どうせ4Kチューナーを購入するなら、ネット接続による映像配信などのスマートTV機能搭載のものを重視して選ぶと、一気に視聴できるコンテンツを増やせます。たとえば、Googleアシスタントに対応した機種ならネット情報を大画面で探す際に便利。また、NetflixやHulu、ABEMAなどの映像配信に対応した機種なら、映画やドラマ、アニメの視聴にも活躍します。
これらは4Kチューナーとしては付加機能ですが、ワンボディでネット機能も追加できると考えるとお得とも言えます。
4Kチューナーおすすめ10選
上記で紹介した4Kチューナーの選び方のポイントをふまえて、オーディオ&ビジュアルライターである折原一也さんと編集部が選んだおすすめ商品を紹介します。それぞれの機種の機能の違いを見比べて自分の用途に合うものを選んでください。

シャープ 『4Kチューナー (4S-C00AS1)』














出典:Amazon
チューナー数 | BS4K/110度CS4K×1 |
---|---|
録画対応 | ○ |
HLG→HDR10変換 | ○ |
ネット機能 | × |
本体サイズ(幅×奥行×高 | 220×146×34mm |
重量 | 約600g |

東芝映像ソリューション 『BS/CS 4K録画対応チューナー (TT-4K100)』








出典:Amazon
チューナー数 | (BS4K/110度CS4K)×1、(地上デジタル/BSデジタル/110度CSデジタルチューナー)×2 |
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録画対応 | ○ |
HLG→HDR10変換 | × |
ネット機能 | × |
本体サイズ(幅×奥行×高 | 165×195×57mm |
重量 | 660g |

パナソニック『4Kチューナー(TU-BUHD100)』








出典:Amazon
チューナー数 | (BS4K/110度CS4K/地上デジタル/BSデジタル/110度CSデジタル)×1 |
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録画対応 | ○ |
HLG→HDR10変換 | × |
ネット機能 | ○ |
本体サイズ(幅×奥行×高 | 230×137×44mm |
重量 | 約450g |

ソニー 『地上・BS4K・110度CS4Kチューナー(DST-SHV1)』
























出典:Amazon
チューナー数 | (BS4K/110度CS4K)×2、地上デジタル×2、(BS/110度CSデジタル)×2 |
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録画対応 | ○ |
HLG→HDR10変換 | × |
ネット機能 | × |
本体サイズ(幅×奥行×高 | 283×225×50mm |
重量 | 約1,700g |
4K放送の裏番組録画にも対応
2019年6月現在で発売されている4Kチューナーで唯一、4K放送チューナーを2基搭載して裏番組録画にまで対応したモデル。地上/BS/CSの2Kチューナーも2基搭載しているので、さまざまな組み合わせでも録画機能の制限がありません。
高画質で裏番組を楽しみたい方におすすめです。チューナーをすべてダブルで搭載した高機能モデル。ソニーの『4Kブラビア』ならテレビ側のリモコンで連動して操作できるので、内蔵チューナーのように扱えます。
リモコン連動機能こそソニー製テレビのユーザー専用ですが、裏番組録画ができることを考えると、現在売られている4Kチューナーでもっとも高性能なモデルであるため、ソニー製テレビのユーザー以外にもおすすめです。

ピクセラ 『4K Smart Tuner(PIX-SMB400)』














出典:Amazon
チューナー数 | (BS4K/110度CS4K/地上デジタル/BSデジタル/110度CSデジタル)×1 |
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録画対応 | ○ |
HLG→HDR10変換 | ○ |
ネット機能 | ○ |
本体サイズ(幅×奥行×高 | 230×137×44mm |
重量 | 約450g |
4K放送だけでなくネットの動画配信対応も
4K放送の視聴・録画はもちろん、ネット対応、映像配信まで対応するコンセプトで作り上げられたAndroidTVベースの4Kチューナー。Googleアシスタント対応によって音声での番組検索をできるというだけでなく、映像配信への対応も本格的。専用ボタン搭載のNetflixに、Hulu、ABEMA、DAZN、そしてYouTubeなど数多くの映像配信サービスに対応しています。TV一台で配信サービスを楽しみたい方におすすめ。
標準でこれらの映像配信に対応した機種も増えていますが、PCモニターやプロジェクターなどに接続した際に4K放送と映像配信を1台で対応できると考えると、ハイコスパと呼べるでしょう。
マスプロ電工『4Kチューナー (DT814)』








出典:Amazon
チューナー数 | BS4K/110度CS4K×1 |
---|---|
録画対応 | 可 |
HLG→HDR10変換 | 可 |
ネット機能 | - |
本体サイズ(幅×奥行×高 | 220×146×34mm |
重量 | 約600g |
I-O DATA(アイ・オー・データ)『4Kチューナー(HVT-4KBC/E)』














出典:Amazon
チューナー数 | BS4K/110度CS4K×1 |
---|---|
録画対応 | 可 |
HLG→HDR10変換 | - |
ネット機能 | - |
本体サイズ(幅×奥行×高 | 220×146×34mm |
重量 | 約600g |
FUNAI(フナイ)『新4K衛星放送対応テレビチューナー(FT-4KS10) 』








出典:Amazon
チューナー数 | 地上デジタル/BS4K/110度CS4K×1 |
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録画対応 | 可 |
HLG→HDR10変換 | 可 |
ネット機能 | あり |
本体サイズ(幅×奥行×高 | 230 ×137×44mm |
重量 | 430g |
Panasonic(パナソニック)『4K DIGA(DMR-4W201)』






















出典:Amazon
チューナー数 | 地上デジタル/BS/BS4K/CS/110度CS4K 共用×2 地上デジタル/BS/CS 共用×1 |
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録画対応 | 可 |
HLG→HDR10変換 | - |
ネット機能 | あり |
本体サイズ(幅×奥行×高 | 430×199×60mm |
重量 | 2500g |
TOSHIBA(東芝)『レグザ ハードディスクレコーダー(D-4KWH209)』










出典:Amazon
チューナー数 | 地上デジタル/BSデジタル/110度CSデジタル×3個(1個は視聴専用)新4K衛星放送×2個 |
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録画対応 | 可 |
HLG→HDR10変換 | - |
ネット機能 | あり |
本体サイズ(幅×奥行×高 | 288×227×52mm |
重量 | 約2000g |
おすすめ商品の比較一覧表
ECサイトの4Kテレビチューナーランキングを参考にする
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでの4Kテレビチューナーの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各ECサイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
【最後に】AV評論家のアドバイス
オーディオ&ビジュアルライター/AV評論家
意外と多い4K放送対応テレビ!
過去まで振り返れば、4Kチューナーを内蔵していない4Kテレビは各社が2013年ごろから発売していて、その多くが4KチューナーをHDMIで接続すれば4K放送を4K画質で視聴できます。また、格安4Kテレビとして販売されている製品でも、HDMIで4Kチューナーを接続できる製品が数多くあります。
お使いのテレビが4Kチューナーと接続できるか心配な方は、メーカーのサポートに4Kチューナー対応の可否を問い合わせてみましょう。
※「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。
※商品スペックについて、メーカーや発売元のホームページなどで商品情報を確認できない場合は、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。
※マイナビおすすめナビでは常に情報の更新に努めておりますが、記事は掲載・更新時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。修正の必要に気付かれた場合は、ぜひ、記事の下「お問い合わせはこちら」からお知らせください。(制作協力:tsuge-line、掲載:マイナビおすすめナビ編集部)
※2020/12/04 コンテンツ追加のため、記事を更新しました。(マイナビおすすめナビ編集部 加藤 佑一)
オーディオ&ビジュアル専門誌『AV REVIEW』『プレミアムヘッドホンガイドマガジン』や、モノ雑誌『家電批評』『MONOQLO』『GoodsPress』『MonoMax』『DIME』『日経トレンディ』等、Webでは『Phileweb』『日経トレンディネット』『価格.comマガジン』『@DIME』『&GP』等の媒体で、レビュー、解説で活躍する1979年生まれの若手評論家。 日々、新製品発表会や欧米のIT・家電関連イベントを取材しデジタル家電のトレンドにも精通。 高価なハイエンドの機器だけでなく、格安・コスパ志向、ライフスタイル志向の製品までもカバー。 AV家電製品の取材歴が長い事もあり、製品はスペックで判断するだけでなく、実機に触れてクオリティをチェックした上でのレコメンドを心がけている。2009年より音元出版主催のオーディオビジュアルアワード「VGP」審査員。