そもそも、4K放送ってなに?
そもそも4K放送とは、通常のテレビの画素数よりもさらに細かい画素数で映し出す、超高画質の放送のこと。通常の地上デジタルの場合は2Kとなり、現在一般化しつつある4K、そして近年出始めている8Kの順で画素数が上がっていきます。下記はそれぞれの画素数の一覧です。
・2K......1,920×1,080 = 約207万画素
・4K......3,840×2,160 = 約829万画素
・8K......7,680×4,320 = 約3,318万画素
画素数が上がれば上がるほど、映し出される映像はリアルに、表現力は豊かになり、そして、映像の臨場感や迫力がはるかに上がります。
4Kチューナーとは|必要性や注意点も解説
4Kチューナーとは、4K放送の電波をキャッチし、テレビに映し出すためのデバイスのこと。
そもそも、4K放送は2018年に実用化され、「衛星放送(BS・CS)」つまり宇宙のある人工衛星から発せられる電波を通じて、自宅のアンテナがキャッチし、4K放送を観ることができます。
詳しく解説すると、実は一般的な家庭でも4K放送の電波だけでなく、様々な衛星放送の電波をキャッチしています。しかし、従来のBSやCS放送の電波はテレビで映し出せても、4Kに対応した電波は映し出すことができません。
そこで、4K放送の電波を掬い上げ、映し出すためのデバイスとして、4Kテレビや4K対応テレビ・4Kチューナーが必要になるのです。
注意:4Kチューナーだけでは4K放送は観られない

4K放送を観るためには、4Kチューナーだけでなく、4K対応テレビとセットで必要になるのでご注意ください。
前述しましたが、4K放送を観るためには、「4Kを映すテレビ」である必要があります。つまり、4K放送が観られるのは「4Kテレビ(4Kチューナー内蔵)」か「4K対応テレビ+4Kチューナー」の2種類のみになります。
2018年以降に発売されたテレビの場合、たいていは4K放送に対応している製品も多いですが、通常のフルハイビジョンテレビに4Kチューナーを繋いでも、4K放送は観られないので、購入前にご自身のテレビが4K対応かどうかはチェックしておきましょう。
4Kチューナーの選び方
それでは、4Kチューナーの基本的な選び方を見ていきましょう。ポイントは下記の5つ。
【1】使い方に適したタイプ
【2】2Kチューナーを搭載しているか
【3】テレビとの相性
【4】サイズ・重量
【5】ライフスタイルに適した機能
上記の5つのポイントを抑えることで、より具体的に欲しい機能を知ることができます。一つひとつ解説していきます。
【1】使い方に適したタイプをチェック
4Kチューナーのタイプによって、同時に視聴可能な番組数が異なります。用途に適したタイプを利用しましょう。
●シングルチューナー:4Kを手軽に楽しむのにピッタリ
1人世帯などでテレビの視聴頻度が低い場合や、お試し感覚で4K放送を楽しみたいときは、シングルチューナーが適しています。作りがシンプルなぶん、価格も抑えられているのが特徴です。
内蔵されているチューナーが1基のため、ひとつの番組を録画しながら同時に裏番組を観ることはできませんが、テレビを少しずつ楽しむ程度なら、コスパもよくじゅうぶん使えるでしょう。
●ダブルチューナー:裏録画などテレビを存分に楽しむのにピッタリ
ダブルチューナータイプの商品を使うと、録画中にも裏番組が観れるのが大きなメリットです。家族で一緒にテレビを利用している場合や、いろんな番組を楽しみたいテレビ好きにはぴったりでしょう。
チャンネルを争うこともなく、効率よく観たい番組が楽しめるので、たくさんテレビを観る場合はダブルチューナーを選んでください。
(★)ポイント:4K放送を録画する方はダブルチューナーを
新4K衛星放送を視聴するための4Kチューナーは、4Kチューナーを1基搭載していれば4K放送の試聴はできますし、外づけHDDを接続すれば録画にも対応します。ただし、機能差が現れるのが4K放送を視聴しつつ、裏番組を録画したいというシチュエーション。4Kチューナーを2基搭載した機種を選ばないと、録画中はチャンネルが視聴しているチャンネルに固定されてしまいます。
頻繁に4K放送を録画する方は、裏番組録画もできるダブルチューナー搭載の4Kチューナーを選びましょう。
【2】2Kチューナーを搭載しているかチェック
4Kチューナーを購入する方のなかには、PCモニターや格安4Kモニター、プロジェクターなどと4Kチューナーを組み合わせて、オリジナルの4Kテレビにしようと考えている方もいますよね。そんな方に注意してほしいポイントは、地デジ/BS/CSといった2K放送への対応です。
ほとんどの4Kチューナーは、地デジ/BS/CS兼用になっていますが、一部の4Kチューナーには4K専用で2Kチューナーを搭載しない機種もあります。まだまだ地デジ放送でしか視聴できない番組も多いので、地デジ/BS/CSチューナーを兼用しているかはチェックしておきましょう。
【3】テレビとの相性をチェック
4Kチューナーは、テレビとつなげて使用する機器のため、接続の相性もしっかりチェックしましょう。
●リモコンなどによる操作性や接続性
4KチューナーはHDMI端子で接続するので、原則として他社製品でも接続して利用できます。ただし、TVと同じメーカーで買いそろえておくと、操作性や接続性にプラスアルファの機能が作り込まれているケースもあります。
たとえば4Kテレビのリモコンからダイレクトに4Kチューナーに切り替えられたり、4Kテレビの電源オンに連動して4Kチューナーの電源が作動したりなど。リモコンがひとつで済むといったこまかな使い勝手の向上は、同じメーカーの組み合わせのみ保証していることがほとんどです。
また、購入後に映像が映らない……といったトラブルの際にも、TVと同じメーカーのほうがサポートへ問い合わせしやすいでしょう。
●HDR10対応かどうか
4K放送が高画質なのは、4K解像度であるだけでなく、放送向けのHLG方式によるHDR規格で輝度信号を拡大しているためでもあります。
市販の4Kテレビでは基本的にHDMI端子からの映像入力で4K解像度に対応していますが、HDRへの対応は発売時期によって異なります。映画向けのHDR10方式は大手メーカー製のテレビでは2015年発売以降の機種が対応していますが、放送向けのHLG方式のHDR規格の入力に対応する4Kテレビは、おおむね2017年以降に発売された機種が該当します。
そんなHDR10信号のみ対応する4Kテレビを使っている方は、「HLG→HDR10変換」に対応した4Kチューナーを選ぶと、4K放送本来の高画質で視聴できます。
【4】設置スペースを考えてサイズ・重量をチェック
4Kチューナーは、テレビの周辺に設置する機器のため、チューナー本体のサイズや重さも大切なポイントです。設置スペースがあまり取れない場合は、薄型デザインのチューナーを選ぶと、見た目もスッキリ収まるでしょう。
また、チューナーを設置するための電源が必要なため、コンセントの位置も想定しながら、適切なサイズをみつけてください。
【5】ライフスタイルに適した機能もチェック
放送波や接続について確認できたら、便利なプラスアルファの機能についてもみておきましょう。
●忙しい人は録画機能にこだわって選ぶ
「忙しい平日は番組を録りためて、休日にまとめて観る」「映画が好きなので、長時間の録画が多い」といった場合は、テレビのメモリーが不足しやすいでしょう。
そんな場合は、録画機能に注目してみてください。外づけのハードディスクを利用して、チューナーで録画ができる商品なら、録画再生がメインの人でもじゅうぶんな容量が確保できます。
●スマートTV機能で選ぶ手も
どうせ4Kチューナーを購入するなら、ネット接続による映像配信などのスマートTV機能搭載のものを重視して選ぶと、一気に視聴できるコンテンツを増やせます。たとえば、Googleアシスタントに対応した機種ならネット情報を大画面で探す際に便利。また、NetflixやHulu、ABEMAなどの映像配信に対応した機種なら、映画やドラマ、アニメの視聴にも活躍します。
これらは4Kチューナーとしては付加機能ですが、ワンボディでネット機能も追加できると考えるとお得とも言えます。
4Kチューナーのおすすめ商品
それでは、おすすめの4Kチューナーをご紹介いたします。
▼おすすめ4選|シングルチューナー
▼おすすめ6選|ダブルチューナー
▼おすすめ商品の比較一覧表
すぐに各商品が見たい方は、上記のリンクをクリックしてくださいね。
▼おすすめ4選|シングルチューナー
上記で紹介した4Kチューナーの選び方のポイントをふまえて、編集部が選んだおすすめ商品を紹介します。
まずは、シングルチューナーのおすすめ商品です。それぞれの機種の機能の違いを見比べて自分の用途に合うものを選んでください。
接続するだけで新4K衛星放送を楽しめる
従来の4K対応テレビでは、新4K衛星放送を受信することはできません。しかしこのチューナーを接続すれば、すぐにでも新4K衛星放送が楽しめるばかりではなく、外付けハードディスクに録画をすることも可能になります。また4K放送のBT.2020の広色域にも対応しているので、実際に見ている色に近い色の表現ができます。
また、4K画質をフルハイビジョンに変換するダウンコンバート出力機能が搭載されていますので、少し古いテレビでも新4K衛星放送を楽しめます。
TV台に省スペースで設置
国内の薄型テレビで高いシェアを誇る『AQUOS』と連動できるシャープ製の4Kチューナーです。4K放送専用のチューナーでスタンダードな作りですが、HLG→HDR10変換に対応しているので少し前のテレビまでの互換性は問題なし。
チューナー本体の高さが3.4cmと薄型で、テレビ台と画面の間に設置しやすく、省スペース性で選ぶならベスト。テレビ台の上にあまりスペースがない方におすすめです。
簡単に録画もできる新4K衛星放送対応のチューナー
お持ちのテレビがHDMI端子を備えた4K対応テレビであれば、本製品を接続するだけで迫力の新4K衛星放送が視聴できるようになります。外付けHDDを接続すれば、迫力もそのままに録画、再生が可能です。
Gガイド番組表を採用していますので、録画予約は番組表から選ぶだけ、見たい番組を探すのもキーワードやジャンルなど多様な条件での検索ができます。録画しながら録画済み番組を再生したり、スローモーションで楽しんだり、再生モードも多彩です。
AndroidTVとしても使えるチューナー
YouTubeなどのネット動画も手持ちのテレビで楽しみたい。できれば4K画質の美しい画面で、と考えている方にはおすすめのチューナーです。インターネットに接続して多くのコンテンツを利用できます。
また4K放送の受信だけでなく、地上デジタルのチューナーも搭載していますので、これ1台でテレビ放送をほぼカバーできます。地上デジタルはアップコンバートされて表示されますので、従来の映像よりも柔らかな自然な美しさが得られます。
▼おすすめ6選|ダブルチューナー
続いては、ダブルチューナーのおすすめ商品です。ぜひ参考にしてください。
スマホ連携も追加
薄型テレビの『VIERA』が人気なパナソニックの4K放送チューナーです。4K/2Kチューナーはスタンダードなどちらも1基タイプですが、Googleアシスタント内蔵で、リモコンもマイクからネット情報の検索に対応。
『Chromecast built-in』なのでAndroidのスマホから映像や音楽を反映して再生できます。放送だけでなく、テレビにスマホ連携機能も追加したい方にピッタリですね。
東芝REGZAユーザーにぴったり
4Kチューナー内蔵テレビをいち早く発売した東芝も外づけの4Kチューナーを発売しています。最大の特徴は2Kチューナーを2系統搭載しているので、4K放送だけでなく地デジ/BS/CS放送にも使いやすい点。
東芝の『REGZA』ゆずりの文字の大きな番組表のデザイン、レスポンスの早い操作性もあり、PCモニターやプロジェクターなどチューナーを内蔵していない機種をオリジナルの4Kテレビにしたい方に向いています。
4K放送の裏番組録画にも対応
2019年6月現在で発売されている4Kチューナーで唯一、4K放送チューナーを2基搭載して裏番組録画にまで対応したモデル。地上/BS/CSの2Kチューナーも2基搭載しているので、さまざまな組み合わせでも録画機能の制限がありません。
高画質で裏番組を楽しみたい方におすすめです。チューナーをすべてダブルで搭載した高機能モデル。ソニーの『4Kブラビア』ならテレビ側のリモコンで連動して操作できるので、内蔵チューナーのように扱えます。
リモコン連動機能こそソニー製テレビのユーザー専用ですが、裏番組録画ができることを考えると、現在売られている4Kチューナーでもっとも高性能なモデルであるため、ソニー製テレビのユーザー以外にもおすすめです。
4K放送だけでなくネットの動画配信対応も
4K放送の視聴・録画はもちろん、ネット対応、映像配信まで対応するコンセプトで作り上げられたAndroidTVベースの4Kチューナー。Googleアシスタント対応によって音声での番組検索をできるというだけでなく、映像配信への対応も本格的。専用ボタン搭載のNetflixに、Hulu、ABEMA、DAZN、そしてYouTubeなど数多くの映像配信サービスに対応しています。TV一台で配信サービスを楽しみたい方におすすめ。
標準でこれらの映像配信に対応した機種も増えていますが、PCモニターやプロジェクターなどに接続した際に4K放送と映像配信を1台で対応できると考えると、ハイコスパと呼べるでしょう。
新4K衛星放送も2番組同時録画可能
新4K衛星放送の美しい動画の大容量データも2TBのHDDでたっぷりと保存できます。3つのチューナーを搭載していますので、新4K衛星放送2番組と、ハイビジョン番組1番組を同時録画できます。従来の2倍の速さで反応する番組表機能で録画予約も快適です。
VODに対応していますので、NETFLIXなどのネット動画のコンテンツやネットラジオも視聴できます。HDDはサーバ機能「おうちクラウド」に対応していますので、写真や音楽なども一括管理して多様なデバイスで楽しめます。
合計5つのチューナーで同時録画も余裕でこなす
新4K衛星放送に対応するチューナー2つのほかに、通常の衛星放送や地上デジタル用のチューナーを3つ備えていますので、見たい番組が重なっても余裕で応えます。HDD録画に機能を絞り、従来のレコーダーと比べて省スペースのサイズとなっており置き場所を選びません。
またVODにも対応しており、dTVやYouTube、TSUTAYA TV、U-NEXTなどの配信サービスの動画をテレビで楽しめます。HDDは2TBの大容量の物を搭載していますので、お好みの番組をたっぷりと保存できます。
「4Kチューナー」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする 4Kチューナーの売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでの4Kチューナーの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
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まとめ
本記事では、4Kチューナーについて、4Kの基礎知識から注意点、選び方や用途別のおすすめ商品を紹介しましたが、いかがでしたか?
商品を選ぶ際は、4Kの基礎知識を把握した上で、使い方に適したタイプ、2Kチューナーを搭載しているかなどを確認すると、放送や映像をより楽しめる機種を選ぶことができます。その上で、テレビとの相性やサイズ・重量、そして、ライフスタイルに適した機能などもいくつかチェックすると、より使い勝手のいい商品を選ぶことができます。
過去まで振り返れば、4Kチューナーを内蔵していない4Kテレビは各社が2013年ごろから発売していて、その多くが4KチューナーをHDMIで接続すれば4K放送を4K画質で視聴できます。また、格安4Kテレビとして販売されている製品でも、HDMIで4Kチューナーを接続できる製品が数多くあります。
ぜひ本記事を参考に、自分にピッタリのチューナーを見つけて、4K放送を楽しんでくださいね。
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「家電・オーディオ」「パソコン・スマホ」「カメラ・ビデオカメラ」カテゴリーを担当する30代編集者。炊飯器を調べたのがきっかけで、家電やガジェット周りに興味が広がる。日々、ネット・雑誌から新商品をチェックするため、欲しい家電が増えすぎてしまう。現在はドラム式洗濯機購入のため貯金中。