爬虫類用ケージを選ぶときのポイントは? エキゾチックアニマルの専門医に聞く
エキゾチックアニマルの専門医である霍野晋吉さんに、爬虫類用ケージを選ぶときのポイントを4つ教えてもらいました。
ペットの種類によって形とサイズを変える
ヒョウモントカゲモドキなどの地表に住むヤモリは、縦幅が30cmくらいの低いケージで飼育できます。一方でカメレオンや樹上生のヤモリなどは、高さのあるタイプのケージや温室が必要になることも。60cmくらいあると温度差をつけられ、レイアウトの幅も広がるのでインテリアとして楽しめます。
また乾燥した地域の地表に住むフトアゴヒゲトカゲは、低い岩場に登って日光浴をして大きくなるので60~90cmのローケージを選びましょう。コーンスネークなどのヘビはあまり活動しませんので60cmくらいの低いケージのもの、リクガメは想像以上に運動するので90cm以上のケージが目安です。
ペットにあった素材を選ぶ
爬虫類ケージの素材はガラス製やプラスチック製、アクリル製とさまざま。ガラス製のケージは重さはありますが、丈夫に作られており、なかの生体が観察しやすいでしょう。プラスチック製やアクリル製のケージは軽くてメンテナンスがらくですが、爪の鋭い爬虫類がひっかくとキズだらけになります。
また、飼育に通気性が重要とされるカメレオンでは、ネット素材のケージが使われることもあります。ペットに合ったケージ素材を選択しましょう。
扉の開け方はスライド式がおすすめ
爬虫類用のケージには便利な工夫が施されている商品が多数あります。
たとえば、ヘビや小型のイモリを飼う場合は脱走防止に扉に鍵にロックのついたタイプがよいでしょう。扉の開け方にはスライド式と観音扉式があり、ふだんの世話であれば、スライド式で問題はありません。上から手を入れるタイプのケージ(水槽や天面を開けるようなタイプ)だと、餌やりやメンテナンスのときに怖がらせてしまう可能性があります。爬虫類は、天敵となる鳥類や動物に頭上から攻撃を受けて命を落とすことがあるため、本能的に上から手を入れられることを嫌うからです。
前面扉なら怖がらせることが少なくなり、また観音扉式であれば間口が大きく開くため、大型のペットの出し入れにも便利です。
コードの穴・ランプステーはあるか
爬虫類を飼うときはライト類やヒーターを使うことが多く、ケージ内にヒーターを設置できれば生体を効率よく暖めることができます。しかしケージに自分でコードの穴を開けるのは大変ですし、小さい爬虫類はその穴から脱走するおそれがあります。
そのためこれらのコードをケージに通す穴が最初からあると便利で、電球タイプのライトクリップを支えられるランプステーつき商品などもよいでしょう。
爬虫類用ケージのおすすめ10選 材質・扉・コード穴・ラプステーの有無もチェック!
上で紹介した爬虫類用ケージの選び方のポイントをふまえて、エキゾチックアニマルの専門医である霍野晋吉さんに選んでもらったおすすめの12商品を紹介します。

ホワイトカラーが新鮮! インテリアに溶け込む
『パンテオン ホワイト』はガラス製の水槽タイプのケージで、横幅45cmの小型のものから90cmの大型のものまで7種類あります。
大型の水槽タイプのケージとしては珍しいホワイトのアルミ製フレームが印象的で、部屋のインテリアにもマッチしやすいのでおすすめです。機能性も高く、フタはメッシュスクリーンでコード穴、ランプステーもついており、前面には鍵つきのスライド扉があります。
組み立て式でパネルユニットを組み替え可能、側面の通気メッシュの位置も上下に変えられ、足つきなので底面と床の間にパネルヒーターを置ける機能もあります。

高機能ビッグケージ! インテリアにも映える
グラステラリウムシリーズはサイズも形も豊富に展開がありますが、今回おすすめするのは、リクガメやフトアゴヒゲトカゲなどに使える横幅約90cmのケージです。
こちらのケージには、前面の観音扉、メッシュスクリーンのフタ、コード穴、ランプステー、換気システム、ワンタッチロックの鍵もついており、機能性もじゅうぶん。ガラス製の水槽タイプのケージですが、インテリアとしてもおしゃれな雰囲気が漂っています。
機能的でデザイン性に優れたケージ
トップカバーにステンレシュメッシュスクリーンを採用し、快適な通気性を実現した商品です。
フロント排気口があるガラスが曇りにくいよう設計されており、床面にもスペースを設けているので、パネルヒータなどを設置しやすいのも特徴です。
電源コード穴も5つも設置しており、使用する場合はスライドカバー開けて、使用しない場合はスライドカバーを閉じれば塞ぐことができるので使用しやすい構造です。

なかがよく見える大きな開口部で餌やりや掃除がラク
プラスチック製のオールクリアーのケージで、ヒョウモントカゲモドキなどの地表に住むヤモリの飼育におすすめです。
側面に大きな開口扉があるので、餌やりや掃除もらくにできます。このケージは積み重ねても側面に通気する大きなスリットが開いており、デジタル温度計のセンサーコードを通す溝がついているので温度管理も問題ありません。
サイズが大きい365と小さめの300のふたつのシリーズがありますので、好きなサイズを選べます。

底もスケルトン! 全方向から観察したい人向け
こちらのケージは、ガラス製の水槽でいろいろな大きさと形がありますが、とくに小型爬虫類に特化しています。底面のフレームが外れるのでパネルヒーターが密着させやすく、底面もスケルトンなので観察しやすいモデルを探す方におすすめです。
フタは着脱式のスクリーンタイプで大きく開き、メッシュフタなので通気性もいいです。型番違いにロック機能までついた前面扉タイプもありますので、お好みで選ぶといいでしょう。

マグネットロックでぴったり閉まるワイドタイプ
アクリル製ケースで、従来のレプタイルボックスの2倍にあたる横幅なのでワイドと呼ばれています。
これはただの透明な箱ではなく、天面の蓋(ふた)がスライド式に開閉します。鍵はありませんが、マグネットロックでピタッと止まります。通気の小穴もたくさんあり、コードを通せる小さなスリットがついています。底面にパネルヒーターを入れるスペースもあるので便利。もちろん、積み重ねることも可能なので、爬虫類をたくさん飼いたい方におすすめします。
トップカバーの強度を増して歪みを回避
ガラス製のケージを採用した商品です。また、4隅にスプリングロックを設置しているため、ケージ前後のどちらからでも開閉可能です。
外側にメッシュボード、内側にワイヤーメッシュの2重構造なので、パネル面には強度があり、歪みも防止することができます。
さらに、通気性がよくコバエなどの侵入を防止することができます。
業界初の組立て式ガラスケース
組立式のガラスケージで保管・移動が簡単にも関わらず、安定感のある設計です。
通期メッシュの位置の変更が可能で、置き場所や生体特性に合わせたセッティングが可能になっているのも嬉しいポイントです。
鍵も付属しているので、逃げ出すという心配も少ないです。パネルは取替えが可能なので、メンテナンスも簡単にできます。
通気性の良いベンチレーション構造を採用
コンパクトで手軽な幅サイズのガラスゲージです。
フレームをなくした設計になっているので生体が見やすく、レイアウトがインテリアとして馴染みます。
ケージの底部から通気するベンチレーション構造を採用することにより通気性が良い商品です。
フルオープンの天面なので、メンテナンスもしやすいです。

通気性・保温性にすぐれた木製ケージ!
組立式の木製ケージで、運動もできるスペースがあるので小さいリクガメの飼育をしたい人に向いています。
木製なので夏は通気性、冬は保温性にすぐれていますし、物や食べかすで汚れにくいように防滴仕様の加工板を使用しているので、汚れが染み込みにくくなっています。横幅と奥行がそれぞれ異なる合計3種類がラインナップされており、前面のガラスは取り外せますので掃除もらくです。
解放感のあるスペースと開閉式の屋根つき小屋スペースの構造はインテリアとしても抜群です。
「爬虫類用ケージ」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする 爬虫類用ケージの売れ筋をチェック
Amazon、Yahoo!ショッピングでの爬虫類用ケージの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
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新商品をまめにチェックしよう エキゾチックアニマルの専門医からのアドバイス
生体に応じたレイアウトならびに飼育環境を用意するにも、まずはケージがないとはじまりません。はじめて爬虫類を飼育する際にはどのケージにすればよいか迷いますが、長年爬虫類を飼育している人でも同じように悩んでいます。
飼育ケージは毎年新しい商品が発売されていますので、できる限り新しい商品をチェックして、よりよい環境を整えてあげるといいでしょう。
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皆さんはじめまして、私はエキゾチックアニマル専門獣医師の霍野(つるの)と言います。 えっ、エキゾチックアニマルって言葉知りませんか?ウサギやハムスター、インコやカメなどの犬猫以外のペットを指します。 23年前に日本初の専門病院である『エキゾチックペットクリニック』を開業しました。症例数は月に400件を超えているベテラン獣医師です。他にもエキゾチックアニマルのセミナーも企画し、沢山の医療や飼育の書籍を執筆しています。 もっとエキゾチックアニマルの情報を知りたい方は、【Dr.ツルのエキゾチックアニマル情報室】をご覧になってください。専門獣医師によるサイトですので、他にはない病気の記事も多く、とても役にたつこと間違いなしです。 ウサギの専門家による【一般社団法人日本コンパニオンラビット協会】の理事長としても、2020年10月から活動をします。こちらも、ウサギ好きな方は必見ですよ。ウサギの検定を受けてみませんか? エキゾチックアニマルに関することは勿論のこと、ご縁を感じた方がいましたら、いつでもお声かけてください。