亀の水槽に「紫外線ライト」が必要な理由 温度調節・紫外線の役割
亀などの爬虫類は変温動物なので、自ら体温を調節することができません。そのため、日光浴をすることで体を温める必要があります。体を温めないと、消化不良の原因につながります。
また、亀の甲羅はカルシウムでできているため、カルシウムの吸収を助けるビタミンDが必要です。ビタミンDは紫外線を浴びることで体内に生成されます。
亀用紫外線ライトの選び方
ここからは、エキゾチックアニマルの専門医である霍野晋吉さんにお話をうかがい、亀用紫外線ライトを選ぶときのポイントについて教えてもらいました。ご紹介する内容を参考に紫外線ライトを選んでみましょう。
亀の生態に合わせて選ぶ クサガメ・リクガメなど
亀には水に棲む亀と陸や熱帯地域に棲む亀とがいて、種類が異なります。クサガメのように水のなかに棲む亀であれば、弱い紫外線量でかまいませんが、リクガメのような陸に棲む亀には強い紫外線量が必要になります。
紫外線ライトの種類をチェック 電球タイプ・蛍光管タイプなど
紫外線ライトはお使いの水槽に合わせて選ぶのがよいでしょう。ここでは、電球タイプや蛍光管タイプなど紫外線ライトの種類と特徴についてご紹介します。
電球タイプ
電球タイプは蛍光管をぐるぐる巻き状にしたタイプのライトで、電球用のスタンドの取り付けて使用します。市販のガラス水槽以外で飼育している場合は、こちらのタイプを使用するとよいでしょう。蛍光管タイプと比べて照射範囲が限られるため、水槽のサイズに応じた個数が必要になります。
蛍光管タイプ
細長い管状の蛍光管タイプは、、熱帯魚用または爬虫類用のライトスタンドに取り付けて使用します。広範囲に紫外線を照射することができるのが特徴です。
ランプ寿命の目安は10~12時間使用で約1年、UVB10%の蛍光管タイプ。日光浴をなかなかさせられない亀や強い紫外線が必要な亀向けの紫外線ライトです。
水槽のサイズに合わせてワット数を選ぶ 15Wが45cm水槽用/20Wが60cm水槽用/30W・32Wが90cm水槽用
蛍光管タイプは、すべて15型(15W)・20型(20W)・30型(30W)・32型(32W)・40型(40W)などの規格に分かれます。取りつけるライトスタンドと使用する水槽のサイズも、それに応じて設計されています。そのため>使っている水槽によって、紫外線ライトのワット数は決まってしまいます。基本的には15Wが45cm水槽用、20Wが60cm水槽用、30Wと32Wが90cm水槽用になります。
電球タイプの場合は蛍光管タイプと違い、18W、26Wなど、さまざまなワット数のものがあります。明るさは通常の蛍光灯とほぼ同じなので、蛍光管タイプと同様のワット数・水槽サイズの組み合わせを目安に、ワット数を選んでください。
【電球タイプ】亀用紫外線ライト7選 ライトの種類・ワット数・UVB・ランプ寿命・サイズもチェック!
選び方のポイントをふまえて、エキゾチックアニマルの専門医・霍野晋吉さんと編集部が厳選したおすすめ商品ご紹介していきます。電球タイプも蛍光灯タイプもピックアップしていますので、ぴったりな商品を見つけてください。まずは、電球タイプからご紹介します。
水がかかっても割れにくい、防滴性が魅力!
水が飛び散っても割れにくい、強化ガラス仕様のスポットランプです。湿り気の多い場所での使用に対応しているので、水棲亀の飼育に適しています。また高湿度テラリウムや、飼育水槽内に植物を配置しているケースにも適しているでしょう。
広域スペクトルの昼用集光型のライトが、水槽の中を照らし、飼っている亀を鮮やかに映し出します。
狙った場所に、強力な光の照射が可能!
強力な光を集中して照射することが可能なタイプのライトです。昼間の強い太陽の光を再現してくれるので、砂漠や熱帯環境に生息する亀への照射に適しています。
このライトは狭い範囲に光を集中させるのが特徴です。それにより、バスキングエリアを作ることが可能。亀の生命の維持に欠かせない、体温保持に役立つことができます。
自然な昼間の光を再現!不足しがちな紫外線照射可能
爬虫類、両生類に照射するのに適した昼間の光を再現します。太陽光に含まれる紫外線は、すこやかな生育には欠かせません。紫外線を浴びることで、生命活動の維持にもつながります。
このライトはケージ内で不足してしまう紫外線を、可視光線やUVA(紫外線A波)を中心に照射することが可能です。
また自然な明るさで亀を照らしてくれるので、鑑賞にも役立つことでしょう。

湿った環境でも割れにくい紫外線ライト
電球タイプのライトです。湿った環境でも割れにくいのが特徴で、水生の亀の飼育ほか、湿気を含んだ床敷を使っての飼育の際に便利な商品。容器の水をすぐにこぼしてしまうような暴れん坊の亀にも使えます。
ライトは非常に耐久性が高いと評判で、すぐにライトが壊れてしまうので困るという人はぜひこのライトを使ってみてください。
カルシウム吸収を促すUVBをしっかり照射
UVB(紫外線波)を浴びると、ビタミンD3が合成され、カルシウムの吸収につながるというのは、太陽光の恩恵のひとつです。
そのUVBをしっかりと照射してくれる、それが、このライトの特徴です。
UVBの強度が明記されているので、骨格形成や丈夫な甲羅の形成を目的に、ライトを選ぶ時には、適しているといえるでしょう。

太陽光に近い光で暖かく、生体も美しく見える
ドイツで開発されたメタルハライドランプです。高性能の安定器が内蔵され、パワーのある紫外線を照射。本来、熱効果はやや弱いとされているメタルハライドランプですが、強化した反射鏡により、充分に暖かくなります。太陽光に近い光なので、生体が美しく見えるのも魅力。100Wのほか、80Wの商品があり、価格以上に高性能なライトです。
保温効果と光の質を追求しているので、飼っている亀をより美しく見たい、見せたい方におすすめです。

消費電力を30%削減できる省エネタイプ
電球タイプのライトで、ほかのメーカーの一般的なライトよりも、消費電力が30%も削減された省エネタイプです。性能がいいだけでなく、価格もリーズナブルです。
とくに冬場は亀にヒーターなども使う必要がありますので、電気料金が高くなってしまうのが多くの飼い主さんの悩みです。できるだけ電気代を抑えたいという方におすすめです。
【蛍光管タイプ】亀用紫外線ライトおすすめ3選 ライトの種類・ワット数・UVB・ランプ寿命・サイズもチェック!
続いて、蛍光管タイプの亀用紫外線ライトのおすすめをご紹介します。

約2倍の明るさとUVBで砂漠に住む亀にもぴったり
同社のレプティサン10.0UVBよりも細い蛍光灯タイプでありながら、約2倍の明るさとUVBを照射できるライトです。ケヅメリクガメなどの乾燥した砂漠に住んでいる亀や、多くの紫外線を必要とする病気の亀などに向いています。
なお、細い特別な蛍光灯なので、従来のソケットには入りません。同じメーカーのレプティサンT5HOテラリウムフードやレプティサンLED UVBテラリウムフードに取りつけてください。
24Wのほか、15W、39W、54Wがラインナップされています。
A波、B波を同時に供給、効率よく照射!
蛍光管タイプのライトです。UVA(紫外線A波)、UVB(紫外線B波)を含む光を照射します。
食欲を増進させたり、丈夫な骨、甲羅の形成を助けることが期待できます。
同じ20Wで、「レベル8」もあります。飼っている亀の生息域など、ケースによって選ぶといいでしょう。

信頼のメーカー製、日光浴をさせられない亀に
蛍光管タイプのライトで、かなり太陽光に近い色をしているのが特徴。屋外でなかなか日光浴をさせられない亀におすすめします。ズーメッド社は爬虫類(はちゅうるい)飼育施設も持ち、世界ではじめて爬虫類ライトを開発したことで有名な信頼ができるメーカーです。
15W、20W、40Wの商品がありますので、水槽に合わせて選んでください。
「亀用紫外線ライト」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする 亀用紫外線ライトの売れ筋をチェック
Amazonでの亀用紫外線ライトの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
爬虫類ライトに関するQ&A よくある質問
亀用紫外線ライトをブラックライトで代用することはできますか?

できません。紫外線ライトは太陽光の代わりとなるもので、昼光色が基本です。ブラックライトでは暗すぎるため、無駄に浴びすぎて亀の健康を損ねる恐れがあります。なお、紫外線は波長により種類分けされており、290nm以下の高出力はペットに有害となります。必ずペットの生態に近い自然光を再現したライトを使用するようにしましょう。
紫外線ライトの寿命はどのくらいですか?

紫外線ライトの定格寿命は約3,000時間、およそ1年を目安に交換するのが理想です。それ以上古いライトだと、UVBの照射量が少ないか出ていない可能性があります。紫外線ライトを購入する際は、寿命も確認しておくとよいでしょう。なお、UVBはガラスやプラスチックを透過しませんので、直接あてられる位置に設置しましょう。
紫外線がちゃんと照射されているか確かめる方法はありますか?

紫外線測定器を使って紫外線量を計測することが可能です。ただし、簡易的な測定なので、あくまで目安と考えてください。
紫外線ライトの照射をタイマーで管理することはできますか?

できます。タイマーが別途販売されていますので、そうしたものを使用して照射時間を管理してみてください。冬は短く、夏は長めなど、季節によって照射時間を調整するとよいでしょう。
亀用水槽やフィルターのおすすめをチェック 【関連記事】
ライト選びには情報収集と勉強が欠かせない エキゾチックアニマルドクターからのアドバイス
紫外線ライトは、亀の健康を保つのに重要なものですが、正直に言うと選び方がとても難しい商品。それぞれのワット数や強度などの数値を見て選ばないといけないからです。
さらに、それぞれのライトには特徴があるので、よく調べて勉強する必要があります。そのうえで、自分の飼っている亀にもっとも適したものを選んであげましょう。
亀にとって心地よい環境をつくりましょう
亀用紫外線ライトの記事はいかがでしたか? どんなライトでもいいというわけではなく、亀の種類にあわせて選ぶことが大切ということがわかりました。自分の飼っている亀が心地よく暮らせるためにも、しっかりとした商品を選ぶようにしましょう。この記事が参考にされば幸いです。
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皆さんはじめまして、私はエキゾチックアニマル専門獣医師の霍野(つるの)と言います。 えっ、エキゾチックアニマルって言葉知りませんか?ウサギやハムスター、インコやカメなどの犬猫以外のペットを指します。 23年前に日本初の専門病院である『エキゾチックペットクリニック』を開業しました。症例数は月に400件を超えているベテラン獣医師です。他にもエキゾチックアニマルのセミナーも企画し、沢山の医療や飼育の書籍を執筆しています。 もっとエキゾチックアニマルの情報を知りたい方は、【Dr.ツルのエキゾチックアニマル情報室】をご覧になってください。専門獣医師によるサイトですので、他にはない病気の記事も多く、とても役にたつこと間違いなしです。 ウサギの専門家による【一般社団法人日本コンパニオンラビット協会】の理事長としても、2020年10月から活動をします。こちらも、ウサギ好きな方は必見ですよ。ウサギの検定を受けてみませんか? エキゾチックアニマルに関することは勿論のこと、ご縁を感じた方がいましたら、いつでもお声かけてください。