ウクレレ弦の選び方 素材や太さ、メーカーの特徴も解説!
音楽ライターの田澤 仁さんに取材をして、ウクレレ弦の選び方のポイントを教えていただきました。弦の素材や太さをよくチェックすることが大切です。ぜひウクレレ弦選びの参考にしてください。
弦の素材・種類で選ぶ 音質やサスティーンの違い!
ウクレレ用の弦の素材はおおきく3種類あります。それぞれの音の違いを頭に入れて、弦を選びましょう。
初心者にも押さえやすい「ナイロン弦」
ウクレレ用の弦で多く利用されているのがナイロン弦です。ナイロン弦には、さらにクリアタイプとブラックタイプがあります。クリアタイプはやわらかい音、ブラックはクリアタイプの弦より低音が出やすいので、メリハリのある音が出せます。
やわらかめで押さえやすいので、初心者ならまずナイロン弦から始めるとよいでしょう。サスティンが短めでポロンポロンというウクレレらしいサウンドもなじみやすいです。
つやのある高音が特徴の「フロロカーボン弦」
フロロカーボンは釣り糸などにも使用される素材です。弦が細いので押さえやすく、つやのある高音が出せます。フロロカーボンは強くて伸びにくい性質があり、アタックが強く明瞭なサウンドになります。
このほか、ナイロンやフロロカーボンに黒っぽい色のついたブラックタイプの弦もあります。通常の弦に比べて太く強い音が出せるのが特徴です。
ガット弦のデメリットを抑えた「ナイルガット弦」
かつてクラシックギターの弦などに使われていた、羊など動物の腸から作られたガット弦のようなサウンドが出せるのがナイルガット弦です。温度変化に弱い、音が不安定というガット弦のデメリットを克服しつつ、ガット弦のようなサウンドを実現させています。
ナイルガットは明瞭ですが昔のガットに近い素朴な味わいもあり、強く歯切れのいいサウンドが特徴です。
HIGH-GかLOW-Gかで選ぶ
ウクレレ弦にはHIGH-GとLOW-Gがあります。演奏する曲や張り方などで選びましょう。
ウクレレのサウンドが映える「HIGH-G」
ウクレレの4弦は一般的に高いG(ソの音)であるHIGH-Gになっています。HIGH-Gによってウクレレのポロンポロンという高い音が楽しめます。ストローク弾きにも向いています。
工場出荷時の弦は、HIGH-Gになっていることがほとんどです。そのため弦を張り替えるときでもHIGH-Gならこまかい調節をせずそのまま張り替えできます。
音域を広げられる「LOW-G」
ウクレレの弦には一般的なHIGH-Gのほかに、LOW-Gという種類の弦もあります。4弦のGの音をHIGH-Gより1オクターブ下げてチューニングできるようになっているのがLOW-G弦です。
曲によってLOW-Gが指定されていることがありますが、そうでない曲でも使えます。ベース音を強調したい、ハーモニーに厚みを出したい、という人はLOW-Gを使ってみてください。また、ソロを弾く人や、ふだんはギターを弾いている人は、LOW-Gのほうがしっくり来るかもしれません。
弾きやすさと音量で弦の太さを選ぶ ウクレレの音の強さが決まる!
ウクレレに張られる4本の弦のセットは、太さ(ゲージ)によって種類分けされていますが、弦のセットの太さによって大きく変わるのは、弾きやすさと音量です。
細い弦は指が痛くなりにくいため押さえやすく、初心者向きといえるかもしれません。高音域がきれいに出るのも特徴です。
太い弦は音量が大きく、強い音を出せますが、押さえにくいという人もいるでしょう。細い弦から始めて、物足りなかったり、より強い音が欲しくなったりしたら、徐々に弦を太いものに交換する、という方法もよいと思います。
ウクレレ弦のメーカーの特徴で選ぶ
ウクレレ弦を製造するメーカーは幅広くあり、それぞれで特徴が異なります。メーカーごとの特徴を知っておくと、よりぴったりのウクレレ弦が見つかります。
ウクレレメーカーとしても著名なMARTIN(マーチン)
MARTIN(マーチン)はウクレレをはじめとした弦楽器のメーカーとしても世界的に規模が大きいメーカーです。
チューニングしやすい安定性の高さと、ウクレレのあたたかみのあるサウンドが楽しめる弦がそろっています。ソプラノ/テナー用はフロロカーボン製、バリトンのウクレレ弦は、フロロカーボンにアルミの巻線、ナイロンの芯線に銀メッキ銅の巻線で製作されています。
フロロカーボン製が多い日本メーカーORCAS(オルカス)
ORCAS(オルカス)はウクレレ関連商品の企画や開発を手掛ける、株式会社日本娯楽のブランドです。手にしやすい価格に、使い勝手のよさ、品質などを重視したウクレレ弦をリリースしています。
日本国内はもちろん、海外にもユーザーの多いブランドです。フロロカーボン弦のブラックタイプを中心としたウクレレ弦がそろっています。
抜けのよいサウンドが楽しめるWorth(ワース)
Worth(ワース)は、ウクレレの専門メーカーです。フロロカーボンを使用したウクレレ弦のパイオニアで、クリアタイプ、ブラックタイプに分けてリリースしています。
弦が温度や湿度変化に強く、伸びにくいため抜けのよいサウンドが実現できます。ストローク弾きからソロ演奏まで、いろいろなシーンをこなせる弦がそろっています。
ウクレレ弦のおすすめ8選 人気のマーチンやダダリオ、オルカスなど!
ご紹介したウクレレ弦の選び方のポイントをふまえて、音楽ライターの田澤 仁さんと編集部が選んだおすすめ商品を紹介します。自分が思い描く理想の音量や弾きやすさをイメージして、目的に合ったウクレレ弦を見つけてください。

初心者にもおすすめの定番のナイロン弦
ギター弦でも有名なDADDARIOのクリアナイロン弦。比較的低価格ですが高品質で、多くの人に使われています。
ボロンボロンという、いってみればチープなウクレレらしいサウンドを得られる定番のナイロン弦です。初心者が最初に交換する弦としておすすめです。同じシリーズでコンサートやテナー用もあり、幅広いサイズのウクレレで使うことができます。

力強く鳴らせるフロロカーボンの定番弦
ウクレレメーカーとしても世界的トップブランドのMARTIN製、フロロカーボンの大定番がこの弦です。
少し硬めの弦ですが、そのぶん1音1音の粒立ちがよく、輪郭が明瞭な音で鳴ってくれます。コードストロークもソロも、どちらも力強く弾くことができます。テナー用のM620、バリトン用のM630もラインナップされています。

ガット弦に近い感触で人気のナイルガット弦
ナイルガットを世界に広めたAQUILAの製品。粒立ちがよく豊かに響く美しいサウンドだけでなく、さわった感触が昔のガットにかなり近いところも人気の理由でしょう。
温度や湿度による音程の変化が少なく、環境を問わず使える点も特徴で、耐久性も高いため、ライブなどで色々な場所に持ち歩いて使う人に最適です。
安定したチューニングをキープできる
フロロカーボンという素材が使われており、耐久性や安定性に優れているウクレレ弦です。しかし、従来のフロロカーボンとは違って独自の加工がされているので音色はナチュラルです。ナイロンから張り替えても大きな違和感が出ないため、フロロカーボン初心者におすすめです。また、湿度の影響を受けにくいのがポイントで、安定したチューニングをキープできます。安定して演奏したい方にもおすすめです。

マイルドなトーンのブラウンフロロカーボン弦
さまざまな種類のウクレレ弦をリリースしているWorth Stringsですが、『BM』はそのなかでも基準となるゲージのセットです。
材質はブラウンタイプのフロロカーボンで、太く甘さがあり、マイルドなトーンです。高音域もきちんと抜けてくるので、コードストロークにもソロにも対応します。かなりの長さがあるので、ソプラノであればカットして2回使えるのもうれしいところです。
ハワイの風景を思わせる音色
アメリカの音楽メーカーが販売しているウクレレ弦です。音色はハワイの風景を思い起こさせるような硬めの音色で、低温の押出が特徴的ながら柔らかい印象も与えるので、いろんな演奏スタイルや曲に対応できます。ブラックの弦なので、スタイリッシュな印象を与えることができるでしょう。オールマイティな演奏ができる弦を探している方におすすめです。
ソプラノコンサート用に対応した弦
ブラックのナイロン弦で出来ている、ソプラノコンサート用のウクレレ弦です。音にメリハリがあり、少し硬めのウクレレ特有の音色が楽しめます。ナイロン製の弦であるにもかかわらず、チューニングの安定性がたかいので安定した演奏ができるでしょう。安価で手に入るのでコスパが気になる方や、いろんな弦を試したい方におすすめです。
パワフルな演奏をしたい方に
モチーフはハワイの火山という激しめなテーマで作られたウクレレ弦です。その名の通り、音色はパワフルでとても力強いです。激しい曲を演奏する時に大活躍の弦でしょう。さらに、特殊なナイロン素材で出来ており、ガット特有の響きと頑丈なつくりになっているため簡単には切れたりしません。弦を長持ちさせたい方や、力強い演奏スタイルの方におすすめです。
「ウクレレ弦」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする ウクレレ弦の売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでのウクレレ弦の売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
ウクレレ弦に関するQ&A
弦の張り替え時期はいつですか?

使用頻度や素材によってもかわってきますが、一般的に3か月といわれています。
弦の張り方を教えてください。

古い弦を外したら、弦の先端に玉止めをつくりブリッジ側に引っ掛けます。そのままペグに巻き付け1弦と2弦は時計回り、3弦と4弦は半時計回りに巻きます。余った弦は切っておしまいになります。
ウクレレに関するそのほかのおすすめもチェック ストラップやケース、楽譜など!
ソプラノ、コンサートなどのサイズに合った弦選びを
ウクレレには一般的なソプラノのほか、コンサートやテナー、バリトンなどサイズの違うものがあり、使用できる弦も、ウクレレのサイズによって異なる場合があります。たとえば大きなサイズのテナーには専用の弦を使う必要があります。ソプラノとコンサートは一般的には同じ弦を使えますが、メーカーによっては明確に区別していることもあるので注意が必要です。また、ウクレレのブリッジやナットのサイズにより、使える弦の太さも決まってきます。太い弦を使う場合には、ナットの溝などを加工しなければならないことがあるので、弦の太さは慎重に選びましょう。
◆記事で紹介した商品を購入すると、売上の一部がマイナビおすすめナビに還元されることがあります。◆特定商品の広告を行う場合には、商品情報に「PR」表記を記載します。◆「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。◆商品スペックは、メーカーや発売元のホームページ、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。◆記事で紹介する商品の価格やリンク情報は、ECサイトから提供を受けたAPIにより取得しています。データ取得時点の情報のため最新の情報ではない場合があります。◆レビューで試した商品は記事作成時のもので、その後、商品のリニューアルによって仕様が変更されていたり、製造・販売が中止されている場合があります。
90年代にプロドラマーとして活動、その後、音楽ライターとして書籍、雑誌などの執筆を行なっている。 DTM、PCオーディオ関連の著書、DTMソフト、シンセサイザーの日本語マニュアル制作など多数。 Webでは2007年~2009年までサイトAll Aboutで「ロック」のガイドを務めたほか、音楽情報サイトBARKSでは国内外の数多くの有名アーティストのインタビュー、ライブ取材などを行なっている。 得意分野はAOR、ハードロック、フュージョン、80年代。